駄文、誤字脱字はお許し下さい。
2話以降はストック貯めてから投稿するため少し遅くなるかもしれません。
ご了承ください。
追記:久しぶりの小説なのでリハビリのつもりで書いていきます。
編集等で少しずつ昔の書き方に戻していきますので気長にお付き合い下さい。
第1話 天才屑野郎の日常
ここは黒薔薇女子高校の理事長室。
広く高級そうな絨毯の上でラフな格好をした
一人の男が土下座をしていた。
「本当に申し訳ありません。母上、どうかお許しを…」
いくらするか想像もつかない絨毯に穴が開きそうなぐらい額を擦り付ける彼を、対面の大きな椅子に腰掛けた中年の女性は絶対零度の目で彼を見下ろしていた。
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「いやぁ、めんどくさいことになったものだ。」
「詐欺とはいえ100万の借金だもんな。本当お前運ないよ。」
ここは駅前のとある喫茶店。
平日の午後、比較的客も少ない時間帯に喫煙席で二人の男が煙草を嗜みながら会話している。
「いいよなお前は、大手に就職決めちゃってよ。残りの大学生活エンジョイしまくれるじゃんかよ。」
そうぼやく男は、板垣 凌輔。
名門お嬢様高校、黒薔薇女子の理事長の三人息子の長男である。
黒髪の短髪。スリムのジーパンにつま先の尖ったハイカットの革靴、腰にはごついチェーン、腕にはこれでもかと言うくらいにシルバーアクセサリーをつけ洋楽メタルバンドのTシャツ…いかにも音楽をやっていそうな若者、と言った出で立ちだ。
「でもお前の家金持ちじゃん。親に相談したの?」
そう言うのは彼の友人。
「いやぁ、勘当寸前の落ちこぼれだし、2度の大学中退や今回の借金の件で学校の相続権も失ったんだよなぁ…オマケに変なバイトまでやらせる気だし…」
「変なバイト?なんだそれ?」
友人は食いつく。
「なんでも高校生の家庭教師らしいんだけどよ。」
「は?至極真っ当なバイトじゃねぇか。それにお前昔塾講師も家庭教師もやったことあるだろ?」
「そうだな…確かにやってた。だけどよ、給料が相場の5倍ってどう思う?」
「5倍?薬局のポイントかな?」
「違う、そうじゃない。給料だ。相場が5倍ってことはだいたい5000円ぐらいなんだよ。」
「ついにお前もカタギじゃなくなるなるのか…似合ってるぜ、ヤクザ顔だもんお前。」
「誰がヤクザ顔だ失礼な!…とりあえず詳細は後日追って連絡だとよ。まぁ、軌道に乗ったら実家出るかなぁ…単車の置き場所に困るな。」
「まぁ居心地も悪いだろうしな。フリーターなんだから何とかなるでしょ…それより…」
友人は凌輔の斜め後ろの席を見やる。
「なんだありゃ?」
「あん?」
凌輔も釣られてその方を見る。
そこにはおそらく10代と思われる少女が座っていた。
赤みがかった長い髪に星型のヘアピンをしている。そして重力無視極まりないアホ毛。
サングラスをしており表情は分かりづらい。その少女はマスクを顎にかけてケーキを食べ続けている。
それだけでは何の変哲もない日常の光景なのだが問題はその量だ。
机には何種類ものケーキが並び彼女の横には既に皿が何枚が重ねられている。
「回転寿司かな?」
「有り得ねぇだろあの量は…」
「解せんな。この時間なら禁煙席もガラガラのはずだ。何故灰皿に1本も煙草が無いのに喫煙席なんだ?」
「さぁ?」
「俺が思うに彼女にはこの状態がバレなくない人間がいると見た。そいつは非喫煙者でこの店を利用することがある。顔を隠してるのもそれだ。」
「なるほど、さすが元推理小説研究会部長だな。」
賞賛を受け、元部長は少し調子に乗る。
「多方、彼氏に爆食いしてるのを隠してるんだろ。こちらに害はないし、気にすることは無いさ。」
そう言って凌輔は、肺に溜めた煙を吐き出す。甘ったるいフレーバー煙草の香りが、その空間に広がる。
「とにかく、今日は日雇いの給料が入ったからな。これで高校の友人であるお前らと飲みに行けるわけだ。」
「そんなだから金無いんだよ。」
「やかましい。それより他の奴らはあとどれぐらいでここに来るんだ?」
「あと三十分位だってさ。」
「そんじゃ、待ちますか。」
三十分が経ち、彼らの灰皿が吸殻で満員になった所で友人の携帯が鳴る。
「着いたってさ。」
「よし行くかぁ〜。」
二人が席を立ち会計へと向かうとレジの前で先程の少女があたふたと鞄を探っていた。
どうやら財布が見当たらないようだ。
二人は顔を見合わせる。
凌輔は何かいい悪戯を思いついたのかニヤリと卑しい笑みを浮かべ、少女に話しかける。
「あれ?あれ?おかしいですね…」
「なにかお困りかな?お嬢さん。」
「えっ、あっ、はい…どうやらお財布を忘れてしまったみたいで…」
「ほほーう、それでは無銭飲食になってしまうなぁ…」
「ち、違いま…!」
「そこでだ、ここは俺が立て替えてあげよう。」
「ほ、本当ですか?でっ、でも…」
「構わんよ。困ってる人はほっとけないんだ。」
友人は"嘘つけ,,と心の中で呟いた。
凌輔は悪人ではないが、困っている人を即助けるほどお人好しじゃない。
ましてや彼自身も只今切羽詰まった状況であり、人を助けるほどの余裕は持ち合わせていないだろう。
「そ、そこまで言うのであれば…ありがとうございます。必ずお返ししますので連絡先を教えて頂けますか?」
「いい子だ。すいませーん、これ全部僕が支払います。」
少女の表情は分からないがどうやらほっとしているようだ。
「あ、それと…」
「どうかしましたか?」
「ウチ、十日で五割だから。」
「えっ…?」
「じゃ、この紙に氏名住所連絡先書いてね。後日お邪魔するから。」
「ええええええええ…そんな…」
凌輔の後ろで、友人が大きなため息をついた。
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場所は変わって居酒屋。
6人の友人立ちが集まり、大学生らしいやかましい飲み会をしている。
「良かったのかよ?」
先程の友人が訪ねる。
「なにが?」
んきゅ?といった表情で聞き返す凌輔
「犯罪だろあんなヤクザ営業。」
「冗談のつもりだったんだけどな…」
「お前は冗談が冗談に聞こえないんだよ金の亡者め。」
「まぁこれを戒めにこれからは財布を忘れないだろうし結果オーライだろ」
「はぁ…で、その紙はどうするんだよ?」
「あー、そうだったな。」
凌輔は先程の少女が書いた紙を出すとそのまま固まってしまった。
「おい、どうした?知り合いか?」
「中野…五月…」
「へぇ、中野先生と同じ苗字か、懐かしいなぁ。あ、そこのマッシュっぽいお兄さん、クロキリと水餃子ひとつ!」
「かしこまりましたー!」
高校生ぐらいのアルバイトが返事をする。
「別に珍しい苗字でもないだろう。」
そう言い、凌輔は紙にライターで火をつけた。
それを灰皿に置き、不機嫌そうに見つめる。
「おいおい、親戚かもしれねーぞ?中野先生と仲良かっただろお前。あの勉強嫌いの天才ギタリストと言われたお前が勉強で天才になっちまうなんてな。」
「心外だな。口うるさい人だった記憶しかないよ。それに、天才だったとしても5年も前の話だ。ギターも勉強も。」
「もう5年になるのか…早いもんだな…」
「……………………」
彼は暫く口を閉じ、灰皿で燃え尽きた紙の残骸を眺めていた。
やがて話題を変えるように、先程のレシートを取り出した。
「しかし、どんだけ食ったんだ…万札飛んだぞ。」
「その事なんだけどお前、飲み会の金足りるの?」
「あ…」
「十日で十割な。」
「」
板垣 凌輔は屑野郎である。
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主人公
板垣 凌輔(いたがき りょうすけ)
3月11日生まれ(21歳→22歳)
風太郎の通う高校の理事長の息子、武田祐輔の従兄弟。
母親は黒薔薇女子の理事長。
父親は既に他界
かつては音楽一筋で高校2年の時点で天才ギタリストとしてバンドのメジャーデビューが約束されていたが、とある理由により音楽を捨て国立教育大学に入学するも大学に馴染めず再び音楽にのめり込む。
大学を1年で中退し地元の音大へ入学、そしてメジャーデビューが決まり大学を再び中退するが、その話は詐欺であり500万円の借金だけが残った。(メンバーで分割したため実質100万円)
三人兄弟の長男であり、家族からは落ちこぼれと貶されておりさらに借金がバレたため、
学校法人の相続権を失い、母親に大学時代の塾講師と家庭教師のバイトの経験から中野家の家庭教師のバイトをすることを命じられる。
好きな食べ物は餃子。