F・J・E 緑ペンギンの英雄譚   作:レイ・アリス

1 / 8


――世界が燃えている・・


それは全てを紅く染め上げた世界、

否、我が故郷であった・・・。


人々はそんな地獄(セカイ)で思い思いの行動をする。


逃げる者、喚く者、焼かれる者、嘆く者・・・





―――そして『私』は死を覚悟し、眠りについたのだった・・・。






プロローグ:英雄召喚(?)

 

とある森の奥にある古代遺跡の地下に1人の少女がいた。

 

この古代遺跡は形状からすると神殿のような作りになっているのだが、

何分老朽化や魔物の進入などで崩壊しており、

 

現在は半ば魔物の住処となっている。

 

 

そんな遺跡の中央には宗教的なものだろうか、魔法陣が描かれており、

 

少女はその前で目を閉じ、静かに言葉を紡いでいた。

 

 

「我が魔力、供物とす。生は転輪し、死は全ての週末。

盟約を刻む。」

 

 

そういうと僅かながらに少女から魔法陣へ魔力が流れ、

一瞬では在るが魔法陣が光ったかのように思えた。

少女は続ける。

 

 

「―――告げる。

汝が身は我が元に。我が運命は汝の剣に。

我が名、グロウ・サファイアが主。

世界の制約を元に構築する。」

 

 

そこまで紡ぎ目を開いた。

その目は真っすぐ、魔法陣の中央を見ている。

まだそこにはない。だが、気付けば魔法陣からは眩い輝きが溢れていた。

 

少女は息を吸い込むと、力強く、呼び出すものの名を叫ぶっ!!

 

 

 

「出ませいっ!!魔討の大英雄っ!!

≪エクディシス≫!!」

 

 

その叫びと共に眩い光は少女だけでなく、そのフロア全体を包み込むように

光り輝いた。

 

 

 

――――――――

 

 

光がやむ。

 

正確には魔法陣がその役目を終えて停止に向かっている為、

光が収まっていったのである。

 

 

魔法陣のその中央には1人の赤毛の少年が立っていた。

 

 

「・・・・は?」

 

 

その呟きは少女ではなく、目の前の少年が発した第一声であった。

対する少女はといえば・・。

 

 

 

「出たッ!!」

 

 

召喚が成功した事がよほど嬉しかったのだろう。

ぴょんぴょんと飛び跳ねている。

幸いにもそのお陰で少年の第一声を聞くことは無かったようだ。

 

そして少年もまた飛び跳ねている少女に気が付いた。

 

 

「・・・ん?アンタだれだ?」

 

 

少女は少年に声をかけられるも、その言葉遣いに多少むっとしながら

言葉を返した。

 

 

「『アンタ』とは失礼な!!お前のマスターだぞっ!!」

 

 

「いや、知らないんだけど・・・。あと、ここは何処だよ。」

 

 

「うん、それはもっともかもしれないね。えっちゃん。」

 

 

少女は訴えるが少年はそれを流した。

だが、少女も深く意味を持たせていたわけでもなく、

あっさりと頷く。

 

 

「納得されてしまった。・・・あとえっちゃんって?」

 

 

少女のテンションに半ば翻弄されつつも、

突然謎の呼称で呼ばれた事について質問をする少年。

 

どうでもいいが、ここが『何処か』という質問は流されてしまったようだ。

 

 

「えっと『エクディシス』だから『えっちゃん』。まぁ愛称だと思ってくれたらいいよ。」

 

 

どうやら愛称、もといあだ名のようなものらしい。

理由がわかりホッとしたが、新たに疑問が生まれた為、少年は少女へ問いを投げる。

 

 

「エクディシス?

いや、俺は『エクディ』だけど?」

 

 

「えっと『エクディ』?」

 

 

「あぁ、シスは俺の相棒の名前だと思う。

・・・もしかして、ここは俺の時代じゃない?」

 

 

「ズバリいうと未来なんだけどね。」

 

 

少年の言葉に少女が答えた。

この程度の情報で現在いる場所が自分の時代じゃないと思った少年が凄いのか、

さらりと『ここは未来です』というこの少女が凄いのか・・

多分誰も答える事はできないだろう。

 

 

しかしさらりと言った少女は腕を組み悩み始めてしまった。

 

 

「・・しかし弱ったな。出来たけどミスったみたい。」

 

 

「未来か。それはともかく、その慌てようからして

召喚をミスったようッスね。」

 

 

「うん、ミスった。でも今更だしね!

成功しただけお得だよっ!」

 

 

『ミスった』を連発する召喚者と召喚された存在。

意外と息は合うのかもしれない。

 

 

「とりあえず、家に戻ろう。

今後の事は家の執事に聞いてからかな。」

 

 

どうやら、いくら考えても納得のいく答えが見つからなかったので

諦めたようだ。

少女はパンと手を叩くとそう呟いた。

 

 

「執事の人は・・・いや、何も言うまい。

しかし、未来ってんじゃ、マスター(?)の言葉を信じるしかないな。」

 

 

少年もまた諦めたのか、少女に便乗した。

すると少女は少年の方へ振り返り注意だけ促した。

 

 

「あ、私はグロウ・サファイア。

愛称はごろーだから君もそう呼んでいいよ。

第一、マスターは君のキャラじゃないし。」

 

 

そういわれ少年は少女をジト目で見つめる。

 

曰く、今更自己紹介なのか、とか

曰く、最初にマスターと呼べといったのは誰なのか、とか

 

色々あったが、この少女の性格を考えて少年は諦める事にした。

 

 

「・・・まぁ、宜しく頼むッスよ。

ごろーさん。」

 

 

これが英雄(?)エクディとごろーのファーストコンタクトであった。

 

 

 




これは一年くらい前にRPGツクールVXAceで自作したゲームを
この機会だからと小説化しようと思い立った事で書き始めました。
完成できるように頑張っていきます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。