ゲームだと地の文が無い分、殆どゲームシステムで補えますから。
・・・だからちょっと読みづらかったり、駄文かもしれませんが、楽しんで行っていただければ何よりです。
とりあえず二人は遺跡から出る。
遺跡の外は巨大な滝がある森・・・
「へぇ、これは凄い森ッスねぇ!!滝も凄いッスッ!!」
「ふっふっふ、甘い、甘いよ、えっちゃんっ!
実は、ここ森じゃないんだよ。」
そうこの森・・に見えるここは実は木の中なのである。
巨大樹とも世界樹ともいえそうな巨大な木が朽ちて、その中側だけが空洞となった結果が今いる場所なのだそうだ。
もっとも、そんな世界樹(仮)が保有していた生命のマナによって周りは植物が溢れており、
パッと見では既に朽ちた木とは思う事は無いだろう。
「・・・ん?これが木の中っていうんだったら、あの巨大な滝から来る水はどこから来てるッスか?」
「実は巨大樹が朽ちた時に地盤が崩れたらしくてね。重さで少し沈み込んだ結果だよ。
近くが海だからあれは海水の一部が此方に流れてきてるっぽいんだ。」
曖昧なのは何分この知識が本や伝承によってしか伝わっていないからである。
第一、こんな事を気にする人も少ない上、知っている人も少ないのである。
「・・まぁこの辺はうちの執事においおい聞くといいよ。
今は一刻も早く帰ろう。今はある程度安全地とはなってるとはいえ、
魔物が出現しないとは限らな・・・っ!!」
言ってる側から二人の前に一体のスライムが出現した。
「スライム程度ッ!!」
そういいエクディは両手に携えるショートソードの片方を振り降ろす。
いくら召喚の影響によって減衰しているとはいえ、
後に英雄と呼ばれる存在の一撃だ。
スライム如きが耐え切れるはずがないのだが・・。
そこにはまだ消滅しないスライムが存在した。
「くっ、こいつっ!!」
エクディは悪態をつく。
それはスライムに対してでありながら、スライム自体が倒せなくなっている自分への自嘲でもあったのだろう。
ソレに対して隣に居るごろーは驚いた表情を浮かべながら声を上げたッ!
「こ、これが今巷で噂になっているチュートリアルスライムッ!!」
目には星が散りばめられているように見えた。
いや、気のせいだろう。
「チュートリアルスライム?」
名前からするとスライムの仲間なのだろう。
だが、そんな不思議な名前のスライムなどエクディの時代には存在しなかったのだ。
警戒だけは怠らずにごろーに問いを投げる。
ごろーはその噂の内容を一字一句たがえずにエクディへ伝える事にした。
「なんでも、普通のスライムより5倍くらいタフで、その身を犠牲に初心者に戦いの基本を教えてくれるらしいんだ。」
「なんて世界に優しいスライムなんッスか。」
「まぁ、逆をいうと、彼らを倒せない場合は冒険者には絶対なれないんだけどね。」
「成る程」
ごろーの説明を聞いたエクディは素直な感想を述べる。
続く言葉を聞いて納得した。
確かに、このスライムがいれば冒険者を目指す若者が無謀な戦いで命を落とすことも無くなるのだ。
自分の居た時代よりも環境が良くなっている。そのことがとても感動的だった。
――――――――――――――――――
そこまで広い訳ではなかった為、直ぐに出て行くことが出来た。
あの後は、つづくチュートリアルスライムは出現せず、ただのスライムが群がってきた程度だと記載しておこう。
「と、いうわけでここが私の町だよっ!!」
――クウェルスの町――
規模だけをいうならば小さな町である。
町の中央には教会があり、そこにはお墓が並んでいる。
夜とか怖いんじゃないかとエクディはビビッて居るが、
ごろーは特に気にしていないようである。
そんなクウェルスの町には町長がいない。
代わりにこの町を管理している貴族がいるというのだ。
「で、その貴族様とまず会う必要が在るんスね?」
「いや、必要ないよ?」
「は?」
「だって既に会ってるじゃんか。」
「――は?」
どうやら思考が追いついていないようである。
だが、無理も無い。彼の隣でぷんすか怒っている少女こそ、
この町を管理している貴族の御令嬢なのだから。
「さっき言ったじゃんか。ここの管理している貴族はサファイア家だって。
まさかえっちゃん、私の自己紹介を聞き逃してたなっ!!」
うがーっ!と唸るごろー。
いくら苛立たしかったからといっても仮にもサファイア家の御令嬢。
そして淑女としてその振る舞いはどうなのだろうか。
「でもさ、私が御令嬢だってだけで驚いてたらこの先、この世界をやっていけるか、不安だよ。」
「呼び出しておいて、無責任すぎやしないッスか?」
ともかく、このまま立ち尽くしていても意味が無い。
二人は町で一番大きなお屋敷へ入っていった。
「たっだいまー!」
「お帰りなさいませ、お嬢様。」
少女の元気一杯の言葉に返答をしたのは1人のメイド。
「あ、そうでしたわ。つい先程、クワ君がお嬢様を探していましたよ?」
メイドの言葉に若干焦った表情になるごろー。
「そ、それはマズイッ!!急がないと。」
「あまり急ぐと転んでしまいますよ、お気をつけて。
クワ君なら2階の奥の部屋でお待ちですわ。」
「ありがとうっ!!マリアッ!!」
そういうとごろーはエクディの手首を掴むともうダッシュで階段を駆け上がっていく。
「なんだか、此処に来てから若干空気じゃないッスか?」
そんなエクディの呟きは誰の耳に入る事も無く、空へと消えていった。
――――――――――――――――――
「はぁっ・・・だぁっ・・・ぐはぁっ・・・」
「だ、大丈夫ッスか!?」
「これがぁっ・・・はぁっ・・大丈夫にぃ・・・みえ」
「見えないッスから喋るなッス!!」
二階に到着と同時に上記のような状態になるごろー。
それもそうだろう、小柄な少女がその執事に怒られまいと少年を掴んで階段を駆け上がってきたのだ。
引きずって。
とりあえず深呼吸をして体を落ち着かせると、ごろーはエクディに振り返ると一言。
「言っとくけど、この先はもっと不可思議な事がある。
心を強くもってねっ!!」
「もう大丈夫ッスよ。」
多分この先に待っている執事が最初のボスといわれても理解しきる事の出来る状態となっていた。
まぁ、よく考えれば過去の人物を未来に召喚したというだけで驚くべき事であるのだ。
そんな自分を考えれば他に驚く必要が無くなったとも言える。
そして部屋の奥の部屋で待ち受けていたのはッ!!
「ただいまクーくん。」
「お帰りなさいませ、お嬢様。」
喋る猫だった。
確かに驚いた。驚いたが、よく考えれば知能の高い魔物も言葉を喋るのだ。
もしかしたら猫も喋る時代なのだろうと、割り切ったエクディである。
「えっと召喚なんだけど、成功して、失敗して、結果成功したんだけど・・。」
しどろもどろなごろーの言葉を聞いたクー?は頷くと口を開いた。
「成る程。さて、話を聞く限り、君がエクディ・・・のようだね。」
その名を呼ばれ、エクディは目を見開いた。
「驚いたな。猫が喋るのはともかく、ごろーさんのように『エクディシス』とでも呼ぶのかと思ってたというのに。
一発で真名を看破とは。」
第一この時代では英雄とされているのは『エクディシス』。
それが『エクディ』と『シス』別々の存在だと知っている人物(?)などこの時代にいるとは
露にも思わなかったからである。
「人よりは長く生きているのでね。人が知らない知識なども一応持って・・・っと、挨拶が遅れました。
私は猫執事のクワマンと申します。以後お見知りおきを。」
「猫執事!?」
まさか猫が執事なんてオチだとは思わなかった。
てっきり、執事さんが代理としておいた使い魔かなにかと思ったくらいだ。
「それと私に召喚術を伝授してくれた師匠でもあるんだよ!」
嬉々とした表情でそういうごろーさん。
それが恥ずかしかったからなのか、特に気にする必要も無い事なのか、
クワマンは話を促した。
「まぁ、それはとりあえず、置いておくとして。召喚が済んだのですから、旅支度と参りますよ、お嬢様。」
そういうといそいそと旅支度を開始しようとする猫執事。
だが、それに待ったをかける人物がいた。
「いや、ちょっと待て。その前に俺が召喚された理由を教えてくれ。」
当人のエクディである。
「自分が召喚された事に関しては特に驚きは無い・・ほほぅ凄い順応性ですね。」
感心感心といった感じでエクディを見る猫執事。
だが、次にお嬢様をジト目で見つめた。
「・・それと、お嬢様?私のところに彼を連れてくるよりも、まずはエクディに召喚した理由を伝える方が先決ではないのですか?」
猫執事の言葉に「もっともだ」と頷くエクディ。
対するごろーはというと。
「私が説明するよりもクー君が説明した方が限りなく分かりやすいんだもの。
だから私は『あえて』えっちゃんには召喚した理由を説明しなかったんだよッ!!」
力説した。『あえて』を強調しながら力説をした。
「ようするに忘れていたわけですね。OKです。私の方から説明致しましょう。」
「あぁ、宜しく頼むッス。」
エクディはクワマンと向き合う。
パッと見ではこの平穏な時代に英雄を呼ばなければならないという事態だとは思えない。
エクディは無い脳をフル回転で考える。
だが、諦めた。
考える必要はないのだ、これからこの猫執事から理由が語られる。
それを聞き入れればいいのだから・・・。
中途半端な斬り方で申し訳ございません。
ここまで読んでいただき有難うございます。