F・J・E 緑ペンギンの英雄譚   作:レイ・アリス

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一部ゲームとは異なる点があったり、ゲームには反映していない内容もあったりしますが・・
まぁ身内しか分からない内容ですね。
楽しんでって下さい。


第三話:トレスティムマーケット

 

 

 

「もうスライムは嫌ッスよ。」

 

 

「俺もエクディに同意するよ・・。」

 

 

スライムの洞窟から抜け出すと平和な平原を歩く一行。

エクディの言葉に同意するふくろ。

二人とも疲れきった表情で溜息をついている。

もう暫くはスライムを見たくも無いだろう。

 

と、進んでいくと次の町が見えてきた。

 

 

「漸く到着ですね。」

 

 

「ここが商売の繁盛さで有名なトレスティムか。」

 

 

さっきまで疲れた表情だったふくろが眼を輝かせながら呟く。

その呟きに驚愕の意を唱えたのは、先程一緒に溜息をついていた少年・・

エクディであった。

 

 

「え、トレスティム?ここが?」

 

 

「そうだよ」

 

 

再確認をするエクディに頷くのはこのメンバーの中で一番元気なごろー。

 

 

「凄い変わりようッスね。

俺の時代は『鉱山の町:トレスティム』と呼ばれていたのに。」

 

 

「多分鉱山から鉱石が取れなくなった事と、単純な人手とかの問題で名前が変わったんだと思うぞ。」

 

 

「それに加えてモンスターの住処となってしまったことも、原因と考えられます。」

 

 

エクディの言葉にふくろとクワマンが考察をはさむ。

ともかく、町に到着したという事で、クワマンは宿を取りに走り、その間自由時間となった。

 

 

~ごろーside~

 

ごろーはふと誘われるように一つの建物の前に着いた。

 

 

「呼ばれた・・?」

 

 

良く分からない違和感を感じながらもその扉を開ける。

 

部屋の中は正面にカウンターがありそのサイドを本棚が囲んでいるという不思議なところだった。

 

 

「おやぁ?久しいお客さんだねぇ。」

 

 

そしてカウンターの中央に居座っていたのは1人の女性であった。

 

 

「お客というか・・なんか呼ばれた気がしまして・・。」

 

 

「ほぅ・・呼ばれた・・ねぇ。」

 

 

ごろーの言葉に若干驚いた表情を浮かべるがすぐさま笑みを浮かべた。

 

 

「成る程。中々の力量を秘めているようだな。

・・・いや、選ばれた側の存在といえるか・・。」

 

 

1人うんうんと頷く女性に困惑気味のごろー。

 

 

「あぁ、自己紹介がまだだったな。

私の名前はフランシス。特殊な召喚術の魔術式を開示している魔道書屋をやっている。」

 

 

「召喚術・・でも私お金は・・」

 

 

「構わないよ。その様子ではダイアナに選ばれた存在だろう?

私の開示している召喚術は特殊でね、普通の術者じゃ使う事さえできないんだ。」

 

 

そういう女性の言葉にごろーは驚いた表情を浮かべた。

確かにダイアナに選ばれた存在ではある。

だが、その事実を漠然と知っているのはエクディとふくろ、マリア。

そして詳しく理解しているのは師匠であるクワマンと担い手たる自分だけなのだから。

 

 

「あぁ、構える必要は無い。

過去に私も彼女と契約をしていたというだけの事だよ。」

 

 

「契約・・ですか?」

 

 

「あぁ。君はこの建物に呼ばれた気がしたといったね?

ソレが全ての真実だよ。ここは呼ばれないと来ることは出来ないんだ。」

 

 

女性は語る。

 

 

「この建物はフランシスが残した知識の欠片。そして私は彼女の残したフランシスの欠片。

彼女が契約していた複数の魔族を有している。その管理と次の担い手の選抜だよ。」

 

 

そうこの建物は普通の人には認識さえされないものだった。

この建物を認識するだけでも素質がある・・

しかし、フランシスはごろーが「呼ばれた気がした」という言葉で

理解したのだ。呼んだのは此処に管理している魔族が選んだという事を。

 

 

「少女よ、名を聞いてもいいか?」

 

 

「グロウ。グロウ・サファイアです。愛称はごろー。」

 

 

「うむ、ならばごろーと呼ばせてもらうとしよう。」

 

 

そして女性が立ち上がると、それに呼応したかのように部屋全体に魔法陣が展開された。

 

 

「ここでは闇属性召喚術『ヤタガラス』の魔術式の開示をしている。

君には素質がある。故にその術を譲渡しよう。

契約陣展開。契約者をフランシスからグロウ・サファイアへ変更。

・・・手続き完了。」

 

 

そう言うと同時にフランシスは崩れ落ちた。

・・・いや、まだ大丈夫らしくふらふらしながらも椅子に座り込む。

 

 

「おぅ・・・ごっそり持ってかれたなぁ・・はっはっは。」

 

 

「あの大丈夫で・・・くッ!!」

 

 

ぐったりするフランシスに駆け寄ろうとしたごろーだったが、

突然鋭い痛みに腕を押さえた。

 

 

痛みは程なくして治まり、怪訝な表情を浮かべながら腕をまくり、痛みが発生した場所を見ると

ダイアナ契約時の契約印の横に新しいしるしが刻まれていた。

 

 

そのしるしを眺めているとフランシスが口をひらいた。

 

 

「それがヤタガラスの契約印だよ。

此処から先、君は色々な敵と出会うだろう。

そのための力だよ。それと各町には私同様フランシスの欠片が

維持する建屋が在る。私から各地の建屋には連絡を入れておこう。」

 

 

「あ、あの・・ありがとうございます。何もお返しも出来ないというのに。」

 

 

「フッ、お返しなんて気にしなくてもいいさ。

君は力を求める、私は契約者を探している。

両者の利害が一致したんだからさ。

・・・でもそうだな。最後にアドバイスだ。

私の魔術はオリジナルと比べれば数ランクダウンしてしまうが、

君の近くの存在が見切れなくてね。仲間なのだろうけど、

警戒くらいはしておいた方がいいと思うぞ。」

 

 

「警戒したとしても今の私じゃ無理かなぁ・・」

 

 

「ハハッ、違いないな。だが、修練次第では強くなれる。

私を含めたフランシスの欠片は全て情報を共有しているから、

次の町でも宜しく頼むよ。」

 

 

「そのときは宜しくお願いしますねっ。」

 

 

そういうとごろーは建屋を後にした。

 

 

~ごろーside end~

 

~ふくろside~

 

一方ふくろはというと中央広場の露店を歩いていた。

普通の町とは違うのはその露店で販売をしているのは人間だけでは無いという事である。

 

 

「へい!俺は雪だるまのサムってもんだ。

そこの兄ちゃんっ!雪だるまによる天然雪の店頭販売。

いらないかね?」

 

 

そう、そこにいたのは喋る雪だるま。

普通の人なら驚いてしまうだろう。

しかし、クワマンという前例がいるふくろとしてはそこまで驚く事ではなかった。

 

 

「すまんな。旅に持っていくには保管する方法がな・・」

 

 

「では、この『溶けない氷』はどうだい?」

 

 

「・・・これは、いいものだな。いくらだい?」

 

 

「200クランでいいぞ。」

 

 

そう言うことで購入したふくろ。

今更だがこの世界での通貨は『クラン』である。

雪だるまのサムから離れた後、ふくろは呟いた。

 

 

「サムはいい奴っぽいんだがな、目利きは低いようだな。

『溶けない氷』とは言いえて妙だぜ・・。」

 

 

そうサムが言っていた『溶けない氷』だが、

実際は魔法石の一種である『氷石』なのである。

さすがフリーマケット。掘り出し物とはこの事である。

・・尚、氷石としての相場は1000クランである。

 

 

隣に目を移すと・・にわとりがいた。

 

 

「お、石像はいかがかね?」

 

 

「・・・正直転売を目的としたら一体くらいは欲しいが

道中絶対邪魔になるからな。今度にするよ。」

 

 

「おう、次はよろしくなっ!」

 

 

にわとりとそんな会話をしつつ隣へ目を移す。

 

 

そこには看板があった。

 

 

「えーっと何々・・『テントの店頭販売中♪』・・・駄洒落かよ・・。」

 

 

兎も角次の露店へ目を移す。

 

 

今度も販売者はいなかった。

 

 

「様々な植物が自生している。」

 

 

「・・と、思っていたのか?」

 

 

否、突然正面のサボテンが喋りだした。

流石のふくろも喋らないと思っていたものが突然語りだすのは耐性がないらしい。

 

 

「っ!!び、びっくりしたぜ・・・」

 

 

「ふっ、このご時勢、雪だるまだって喋るんだ。

サボテンが喋ってもおかしく無いだろう?」

 

 

「いや、時代の変化で喋ってるわけじゃないだろ?」

 

 

サボテンの発現に全力でツッコミを入れるふくろ。

普段の彼からすれば珍しい光景だろうが、ツッコミ役がいない今の状況では仕方ないのだろう。

しかしサボテンはそんなツッコミを気にするまでも無く、語りだした。

 

 

「ともかく、君達は初回のお客様だ。

さぁ我が雄雄しき針を取るがいい!!」

 

 

そういうとサボテンは自分の棘を引っこ抜くとプレゼントしてきた。

どうやらサボテンは自身の棘の価値を理解していないらしい。

 

 

「あぁ、ありがたくいただいていこう。」

 

 

そういい、サボテンと別れ、隣の露店に向かおうとした・・が。

 

 

「・・あっと、もう時間か・・。まぁいくつか掘り出し物を得られたからな。」

 

 

笑顔で宿へ向かうふくろであった。

 

 

~ふくろside end~

 

~エクディ&クワマンside~

 

 

そして残るエクディだったが、当時の風景とがらりと変わってしまった為、

自由行動とはいえ迷子になる可能性を考え、クワマンと行動する事になった。

 

宿は町の入り口付近に存在し二階建ての建屋の二階に存在した。

尚、一階はバーであった。

 

 

ふとその中に角の生えた少女がいた。

少女は本に夢中でこっちに気付いていないようだ。

 

 

「・・・未成年が酒場にいる謎についてはつっこまないんスね。」

 

 

「いや、角が生えているって事は、彼女は鬼の子って事ですよ。

見た目はアレかもしれませんが、年齢は問題ないはずですよ。」

 

 

エクディの言葉にクワマンがツッコミをいれた。

その言葉に気付いた少女が口を開いた。

 

 

「見た目がアレとか言うな!!」

 

 

しかし少女の言葉を聞きつつエクディは思った事を呟いた。

 

 

「未成年に見える容姿に、酒場にいれる年齢・・・。

鬼神ロリババアってとこッスね。」

 

 

「全部外れだバカ!!」

 

 

エクディの失礼すぎる一言に涙目になりながら叫ぶ少女。

 

・・・その後、鬼少女へのフォローはクワマンが行いました。

 

 

ふとカウンターの端へ視線を向けるとサンタっぽい服装のオッサンがいた。

 

 

「ふぅ、今年は不景気じゃの。」

 

 

「・・というか飲む前に入り口の仲間を連れて行けッスよ。」

 

 

そう店の入り口にはトナカイのきぐるみを着た青年がいるのだ。

 

 

「少年よ。動物は連れ込んじゃいけないんじゃよ。」

 

 

「あれは人間ッスよ。」

 

 

数度会話をしたが、取り合わないのでエクディとクワマンは

そのサンタっぽいオッサンを放置して宿へと帰っていった。

 

 

~エクディ&クワマンside end~

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