魔法少女リリカルなのは ~ Silver of Paladin ~ 作:アルフォンス
俺は彼女に連れられて、この戦艦アースラにやってきていた。
時空管理局の戦艦を実際に見るのは初めてだけど、やっぱりすごいな。
「んっ? どうしたんですか?」
「あっ、いや、やっぱすごいなって思って見渡してたんだよ。戦艦なんて話でしか知らないし」
「確かにそうですよね。済みません。わざわざ来てもらう形になってしまって……」
「良いって、こっちだって飯くわせてもらえるしな」
「うちの部隊長達と話をすませた後に、いっぱい用意しておきますから、その辺は大丈夫ですよ」
助かった。これで何とか餓死しないで済むよ。
マジで死にそうだったからな……。
「着きましたよ」
目の前にには大きな扉があり、扉が開くと、中は一つの机があり、そこに一人の女性が座っていた。
「失礼します」
「おっ、フェイトちゃん、その子がそうなんか?」
そこには茶色の髪をしたボブカットの女の子が立っていた。
背は少し小さめだけど、可愛い女の子だな。
「うん、色々情報を提供してもらうのに来てもらったんだ。はやて」
「フェイト……? はやて……? って、まさか!! ここって機動六課かよ!!」
「えっ……? 機動六課のこと知っとるんかい?」
「知ってるさ。機動六課と言ったら、あのジェイル・スカリエッティを逮捕した奇跡の部隊って言われているだぞ。管理外の世界でもそのことは流れてきてるし」
ジェイル・スカリエッティが逮捕されたことは、シーリウスでも有名な事件になっていた。
ミッドチルダを救った奇跡の部隊。
その部隊長の名前が八神はやて。
「ま、まさか、こんな所で有名人に会えるなんて思わなかったな……」
「私らはそんなつもりでやったんじゃないよ。スカリエッティのやっていることで、人々が苦しんでいるのを見たくなかっただけや」
「そっか……」
どうやら、ここの部隊長は性根も腐っていないらしい。
てっきり威張り散らしているのかと思ったら、本当に人々のことを考えてるんだな。
「おっと、俺の自己紹介がまだだったな。俺はケイン・ラーディッシュ。この星の戦士をやっているんだ。ケインって呼んでくれ」
「戦士? 魔導師じゃないの?」
「デバイスはあくまで魔法補助のために使ってる奴もいるけど、俺は使ってない」
っていうか、俺の場合、普通のデバイスだと相性が悪くてかえって力を落としてしまう。
以前、あいつが俺用のデバイスを作ってくれるって言ってたんだけど、忙しくてここ最近連絡できてないよな。
「へぇ……」
「えっと、私らもまだ自己紹介がまだやったね。私は八神はやて。この機動六課の部隊長をしてるんや」
「私はさっき言ったけど、もう一度言うね。私はフェイト・T・ハラオウン。機動六課のライトニング部隊の隊長をしてるんだ」
俺たちが自己紹介を終えると、ソファーに座って、今回あった事件のことを話すことになった。
「えっと……。この星ではああいったモンスターとかは決して珍しくないんだね」
「ああ、町中には滅多に出てこないけど、ああいった森では結構出るんだ。まぁ、あんなに集団で出てくるのはさすがになかったんだけど」
「実はな。最近この星の生物形態が狂っているって報告があって、それを私らは調べにきたんや」
「今、ケインが話してくれたように、ここ最近モンスターが人々を襲う事件が頻繁に起こってるんだ。モンスターがいるのは分かっていたけど、人を襲うことはしていなかったよね」
「ああ、あいつらだって自分の縄張りとかを荒らさなければ、決して攻撃とかはしてこないはずなんだ。だけど、ここ最近……」
「被害が拡大している……。言うわけやな」
基本的にモンスター達は、自分の縄張りを荒らさなければ、攻撃とかはしないはずだった。
だけど、この半年モンスター達は人々を攻撃し、町に出て、恐怖を与え続けている。
「ケインは、戦士って言ってたけど、結構強いの? 現場にいたモンスター達はケインが倒したみたいだけど?」
「上には上がいっぱいいるけど、俺もそこそこの強さだとは思うぜ」
あの親父(バケモノ)に何年も鍛えられたんだ。
強くならない方がおかしい。
「そっか、それじゃ申し訳ないんやけど、あとでその力を見せてもらえないやろうか? データによると、あのファイアーゴーレムはかなりの強さだって聞いているし、それを倒したという君の力を見たいし……」
「別にかまわねえよ」
グウウウウ……。
「でも、その前に……。お願いだから、ご飯をください。もう腹ぺこで死にそうなのよ……」
「ぷっ!! ごめんごめん。その約束できてもらってたんやな。早速食堂に行こうか」
「よっしゃぁぁぁあ!! 三日ぶりの飯だぜ!!」
* * *
がつがつがつ……。
バクバクバク。
「「「う、うそ……」」」
私は、はやてとケインと一緒に食堂にきて一緒に食事をすることになったんだけど、ケインは食堂に来た途端、恐るべき量を注文した。
牛丼特盛り 5杯
カレー特盛り 3杯
ラーメン特盛り 6杯
そしてコーラ、7リットル
あり得ないから!!
本人曰く、本来ならこんなに食べないんだけど、旅をしていると食べられるときに食べておく癖がついてるんだって……。
「……ふぅ、お腹いっぱいだぜ。ありがとう、八神部隊長さん」
「はやてでええで。それにしてもケイン、派手に食べたな」
「これから模擬戦しなきゃいけないんだろ。沢山食べておかないとな。報酬とかもらえないんだから、飯を一杯食わせてもらった」
「しっかりしてるな……。でも、これで気兼ねなしで頼めるわ」
「それで誰と戦えば良いんだ?」
「私が相手になろう」
「「シグナム!?」」
突然声をかけてきたのは、濃いピンク色の髪をした女性だった。
凛とした感じで、どこか仕事に厳しい感じの女性だな。
「ラーディッシュと言ったな。テスタロッサから話は聞いている。お前はかなりの力があるみたいだな」
「まぁ……。それなりにはあるとおもうけど」
「その力、ぜひ見たい物だ。私と戦え!!」
「マジかよ」
腰に差している両刃剣は、かなりの力を感じる。
と言うことは、この人もかなりの実力者なんじゃないか?
「どうした。臆したか」
「そこまで言われたら黙っている訳にはいかないな。その勝負受けてやる!!」
こうして、模擬戦の相手も決まり、俺たちはアースラの訓練室に向かうことになった。