魔法少女リリカルなのは ~ Silver of Paladin ~   作:アルフォンス

22 / 22
epilogue

ダークジーが消滅してから3年。

 

惑星シーリウスにも真の平和が訪れた。

魔物は相変わらず出現することはあるが、現地の管理局員や傭兵達が退治したりしてるので、さほど問題はなくなった。

 

魔王軍によって壊された街の方も、今ではほぼ復興し、人々に笑顔が戻っていた。

 

 

 

「……あれから、もう3年が経ったんだよな」

 

 

ふと思い出す。

 

 

―――――ダークジーを倒してからのことを。

 

 

 

 

 

*    *    *

 

 

 

 

 

俺とティアナが次元の穴を通り抜け、ジオードに戻ってきた。

そこで俺たちが見た光景は―――――。

 

 

静かに横たわっていたロディス様の姿だった。

 

 

 

 

「……ごめんな、ロディス様のこと託されたのに……。私らの力じゃ……助けられなかったんや」

 

「私達三人の回復魔法じゃ……ダメだったんです」

 

「ごめんなさい……。本当に、ごめんなさい……」

 

 

 

 

―――――それは違う。

聖剣を造ったときから分かっていた。

 

ロディス様は、聖剣を造るために、自分の命を何度も削ってきた。

いくら、長い眠りをして、力を蓄えているとはいえ、ついには……。

 

 

 

「ロディス様は、分かっていたんだろうな。聖剣を完成させれば、こうなることは……」

 

「だからこそ、あたし達に全てを託したのよ……」

 

 

 

生きとし生けるもののために、あえて悪名をかぶったロディス様。

どうか安らかに眠ってください。

 

 

俺たちはロディス様の遺体を運ぼうとしたとき……。

突如光の玉が現れ、そこから女性が姿を現す。

 

 

 

―――――美しい紫の長い髪の女性。

 

 

その姿に俺たちは見覚えがある。

 

 

 

 

「あなたは、まさか!?」

 

「私は創造神の一人、ヲーグ」

 

「「「「「ヲーグ様!?」」」」」

 

 

 

まさか、創造神がここに降臨するなんて……。

でも、どうして?

 

 

すると、ヲーグ様は、ロディス様のそばに行き、膝をついてその身体に触れて……。

 

 

「……ロディス、本当に今までお疲れ様でした」

 

 

ヲーグ様の瞳は今にも涙があふれそうになっていた。

聖剣を造りだしたときに流れてきたロディス様の心。

 

 

ヲーグ様は、本当にロディス様のことを愛していたんだろうな。

 

 

 

「ケイン、本当にありがとうございました。これでこの人も安らかに眠ることが出来ます」

 

「すみません……。我々のために……」

 

「いえ、貴方が謝ることはありません。むしろ、謝るのは私達、神の方です。ダークジーを倒すためとはいえ、多くの命に本当につらい思いをさせてしまったのですから……」

 

「ですが、それは!?」

 

「それに、ロディスは本来の目的を忘れかけてしまい、命を傷つけることに慣れすぎてしまったのです。もしかしたら、本当の魔王になってしまったかもしれないのです……」

 

「……そう、ね」

 

「ああ……」

 

 

 

確かにロディス様がしてきたことは、結果的に多くの命を奪ってしまった。

なんともやりきれないことだけどな……。

 

 

 

「三邪星と呼ばれる守護者達は、神の命令に忠実に行ってくれたに過ぎません。彼らのことは……許してやってくれませんか」

 

「何勝手なこと言ってるんや!! いくらダークジーを倒すためとはいえ、多くの命が犠牲になったんや!!」

 

「そうです!! それだけは許せません!!」

 

「……ごめんなさい。理由があっても、命が奪われたのは事実ですから……」

 

 

 

 

はやてとリイン、そしてキャロが、今まで犠牲になった人たちのことを思うと許せないのは分かる。

六課の女の子達は、みんな優しい女の子だから……。

 

だけど、ティアナは……。

 

 

 

「キャロ達の気持ちはすごく分かる。けど、それを決めるのは、部外者のあたし達じゃない。ケイン、あんたよ。この星の住民として、そして……」

 

「あんた個人として、ね……」

 

「ティアナ……」

 

 

 

―――――ありがとうな。

ロディス様の気持ちも酌んでくれて……。

 

 

そして、俺自身の答えは……。

 

 

 

「俺は……。聖人君子じゃない。だから、はい、そうですかと、全てを許すことは……出来ないと思う。だけど……」

 

 

 

ロディス様や守護者達も、思いこそ違えど、全ての命のためにしてきた。

守護者達は人間を殺してきたとはいえ、弱き人たちは殺していなかった。

 

 

シンマの時は、軍人や私利私欲を肥やしていた政治家達は殺されたけど、一般人は死人は出ていなかった。

 

 

アイリーの時は……。

 

 

大樹のエネルギーは吸っていたけど、精霊達を殺してはいなかった。

今思えば、大樹を枯らす気は無かったんだと思う。

 

 

ルカーノ火山も、考えてみれば、普通に噴火させれば多くの死人が出ていたのに、溶岩に意志を持たせて、人々が避難する時間を作っていた節があった。

 

 

守護者達も、悩みに悩んでやっていたんだ……。

 

 

俺たちの心の力を高めるために―――――。

 

 

 

―――――そして。

 

 

 

 

ロディス様がこんなにも長い間、魔王をしなければならなかったのは、俺たち人間の力が足りなかったからなんだ。

 

 

 

 

「フィルと……最後の約束をしたから。前に向かって進むって……。だから、俺は、憎むことは……しません」

 

「その答えで……充分です。本当に……ほんとうに、ありが、とう」

 

 

これでいいんだよな、フィル。

憎しみは、あらたなる憎しみしか生まない。

 

 

誰かがその連鎖を断ち切らなきゃ、また新たな悲しみを生んでしまうから……。

 

 

 

「それじゃ、俺は別の世界に行くことにするぜ。ソガイア、お前はどうする?」

 

「そうだな……。我らは別の世界で、今度は守護者として見守っていくとしよう」

 

 

 

コールダ様とソガイア様は、別の世界に旅立つことになった。

そして……。

 

 

「オウガ、お前はどうするんだ? 聖剣として覚醒した今、この世界じゃ……つらいぞ」

 

 

そう、完全覚醒した凰牙は、管理局にとってはロストロギア。

いくら俺の剣とはいえ、このままじゃ管理局に取られてしまう……。

 

 

 

「……凰牙、お前は、コールダ様達と一緒に……行ってくれ」

 

「『!!』」

 

「ケイン、あんた……」

 

「聖剣の力は、正直言って、ダークジーが滅びた今、この世界には過ぎたる力だ。それに……」

 

 

俺はティアナを自分の方に抱き寄せ……。

 

 

「俺には、自分の大好きな女の子を守れる力があれば……それでいい。だから、凰牙は、お前が必要とする世界に……旅立ってくれ!!」

 

 

 

本当なら、これからもずっと俺の相棒になって欲しい。

だけど、管理局に良いように利用されるくらいなら、本当に必要とする人のところでその力をふるって欲しい。

 

 

 

「そうね。残念だけど、一部の上層部は、あんたの力を利用しようとするわね。それだったら、ケインの言うとおり、あたし達よりも、弱き人を助けてあげて!!」

 

『……ケイン、ティアナ。恩に着る。我は、貴公らと出会えて……本当に良かった』

 

 

 

凰牙は、俺の手からは離れ、その姿を剣から姿を変える。

その姿は、以前の鎧の魔物ではなく、金髪の長髪の男性。

 

 

聖なる剣として覚醒した為、姿も変わったんだな。

 

 

 

「ケイン、これを受け取って欲しい」

 

 

凰牙から手渡されたのは、一つの宝玉。

 

 

「これは、まさか!?」

 

「聖剣の……宝玉!!」

 

「そうだ。これを貴公の新たなる相棒に組み込めば、貴公の魔法が増幅される。凍牙の宝玉と同じだ」

 

「「凰牙……」」

 

「お前達二人なら、その力を正しきことに使ってくれると……信じてるぞ」

 

 

 

凰牙、約束するぜ。

俺は、この力を人々のために、大切な人を守るために使うよ。

 

 

 

「……では、達者でな。あの雷娘が来る前に、立ち去るとしよう」

 

「俺も、あの砲撃娘にまたやられないうちに、消えるとするか」

 

 

半分冗談なんだろうけど、フェイトとなのは、えらい言われようだな。

この二人に相当トラウマを植え付けたんだな……。

 

 

 

 

そして……。

 

 

 

 

「さらばだ、ケイン、ティアナ。いつの日か……また会おう」

 

 

 

 

 

凰牙達は、自分たちの身体を光の玉へと換え―――――。

 

 

 

 

 

新たなる世界に旅立っていった。

 

 

 

 

 

*    *    *

 

 

 

 

 

ティアナ達がミッドに戻ってしまうまで、あと4日。

各地に散っていた六課メンバーも、アースラに戻ってきたし、あとは、俺がどうするかだよな。

 

 

 

「ティアナと一緒にいるとなると……。シーリウスの戦士登録も、一旦停止させないとな」

 

 

管理局に協力するとなると、傭兵として動く戦士登録のままだと少しまずいからな。

 

 

「恋愛って、真面目にしたことはなかったけど……。なんか、良いよな」

 

 

親父のせいで、小さいときからずっと剣の修行ばかりだったからな。

女の子とこうして恋愛するのは、初めてなんだよな。

 

 

そんなことを考えていると……。

 

 

コンコン

 

 

「ケイン、少し話があるんだけど、いいかな?」

 

 

突然、スバルが俺の部屋にやってきた。

 

 

 

 

 

*    *    *

 

 

 

 

 

「どうしたんだよ? そんな怖い顔をして」

 

 

 

 

さっきから、スバルは俺のことを怒った視線でみている。

一体何だって言うんだよ?

 

 

 

「……ねぇ、ティアと付き合うって……本当、なの?」

 

「あ、ああ……」

 

 

 

ティアナとのことは、みんなが戻ってきたときに話している。

なのはもフェイトも、シグナム達もみんな祝福してくれた。

 

でも……。

 

 

 

「ケイン……。本当にティアのこと、考えてるの……」

 

「なんだよ……それ……」

 

 

 

さすがに今の台詞は頭にくるぞ。

俺だって、ティアナのことをずっと考えてるんだぞ。

 

 

 

「ごめん、ケインのこと責めてるんじゃないの。ケインとティアが付き合うこと自体は反対してないんだよ。だけど……」

 

 

そう言って、スバルは今度は泣きそうな表情で………。

 

 

「今のティア……。ケインのために、夢をあきらめようとしてる……」

 

「ティアナの……夢?」

 

「……うん、元々ティアは、執務官になるのが夢だったんだ。六課に入ったのだって、その近道のため……」

 

「あいつ、そんな夢があったんだな……」

 

 

 

考えてみれば、ティアナが何になりたいなんて全く知らなかった。

 

 

 

「だから、お願い!! ティアのことを本当に好きなら……」

 

「……それ以上、言わなくても良い」

 

 

 

ばかだよな……。

 

 

 

スバルに言われるまで気付かないなんてよ……。

 

 

 

一人で勝手に浮かれて、相手のことをなんにも考えてなかった。

 

 

 

「ケイン、あたし……そ、そうじゃなくて……そ、その……」

 

「わりぃ……。今は一人にさせてくれ」

 

「……ごめん、ね」

 

 

 

スバルはそれ以上何も言わずに、そっと部屋を出て行った。

 

 

 

「……くそっ!!」

 

 

俺は苛立ちを隠せず、壁を思いっきり殴りつける。

 

 

 

「は、ははは……。バカだよな……。ほんと、ばか、だ、よな……」

 

 

 

このまま俺と一緒になったって、ティアナのためになんかならない。

むしろ、俺の存在はティアナの夢の妨げになるだけだ。

 

 

女々しいぞ、ケイン・ラーディッシュ。

 

 

好きになった女の子のために、これ以上女々しくなんかなるな。

 

 

でも……。

 

 

今日くらいは、思いっきり泣いても良いよな……。

 

 

 

ティアナに、別れをちゃんと言えるように……。

 

 

 

それが、俺が出来る最後のことだから……。

 

 

 

 

 

 

 

 

*    *    *

 

 

 

 

 

 

 

―――――出発前夜

 

 

 

 

 

俺は、ティアナをアースラの展望室に呼び出した。

 

 

 

「どうしたの? こんな所に呼び出して?」

 

「ん? ああ……たいしたことじゃ……ねえ、んだ」

 

 

 

そんなことはない。

正直俺は、胸が苦しい。

 

つらくて心が悲鳴を上げそうになる。

 

だけど……。

 

 

 

「……本当にどうしたのよ、ケイン」

 

「ティアナ……」

 

 

しっかりしろ。

覚悟を決めたんだろ―――――。

 

 

 

「……やっぱ、俺とお前は……一緒にはなれない」

 

「……どう、いう……ことよ、それ」

 

 

ティアナが怒りをこらえながら、こっちを射貫くような視線で見る。

 

 

 

「簡単なことだよ!! お前みたいながさつな女は、俺の好みじゃないんだよ!!」

 

 

俺はティアナに背を向けながら、たたみ掛けるように話し出した。

 

 

「言葉遣いだって悪いし、乱暴だし、俺のことをよく殴るし、冗談じゃねえんだよ!!」

 

 

痛い……。

 

 

自分の心と反対のことを言うのが、こんなにつらいなんて……。

 

 

 

ティアナは決して乱暴なんかじゃない。

気が強い所はあるけど、本当は、誰よりも気を遣ってるし、繊細で、とても優しい女の子だ。

 

 

だからこそ、自分の夢を、俺なんかのために捨てて欲しくないんだ!!

 

 

 

「……言いたいことは、それだけ」

 

「他にもな、えっと……その……」

 

 

 

 

―――――考えろ。

 

もっと必死に考えろ!!

 

ティアナに徹底的に嫌われる言葉を……。

 

 

 

俺が言葉を振り絞ろうとしたとき……。

背中にあたたかいぬくもりを感じた。

 

 

「もう……もう、良いわよ。ケイン」

 

 

 

それは……。

 

 

 

ティアナが、俺の背中をそっと抱きしめて……。

 

 

 

「……泣きながら、そんなこと言われたって……説得力なんか……ない、わよ」

 

 

 

 

*    *    *

 

 

 

 

 

―――――知っていた。

 

 

ケインがあたしを呼び出した理由を。

 

 

スバルがケインの部屋で話していたあの日。

あたしは、偶然その現場に居合わせていた。

 

 

 

そして、悪いとは思ったけど、全ての会話を聞いてしまった。

スバルはあたしのことを思って、ケインに言ったんだろうけど……。

 

 

そのことで、あいつは今日までずっと苦しみ、悩み、心を傷つけてきた。

 

 

 

「な、何言ってるんだ。俺は泣いてなんか……」

 

「……泣いてる、わよ」

 

 

 

―――――あんたの心が。

 

 

あたしはそこまで鈍感じゃない。

あたしを罵倒してるときも、今も、小刻みに身体を震わしている。

 

今にも泣きそうなのを必死にこらえてるじゃない!!

 

 

 

 

「ごめんね……。あんたを、ここまで傷つけたの……あたし、だよね」

 

 

 

自分が好きになった人を、こんなに苦しめて、最低だ、あたし……。

 

 

 

「ばれちまったら、しかたがねえな……。ティアナ、優しい執務官に……なって、くれよ、な……」

 

 

 

そして、ケインはあたしのために、必死で笑顔を作って、背中を押してくれる。

あたしが好きになったケインの笑顔は、もっと太陽のように輝いてる。

 

 

そんな悲しい笑顔、見てるだけで胸が苦しいわよ……。

 

 

 

「……いや」

 

「えっ?」

 

 

 

執務官になるために、大好きな人をあきらめるなんて絶対に嫌。

大切な人を泣かせてまでやらなきゃ出来ないなんて、それだったら最初からやらないわ!!

 

 

 

「執務官にはなるわ……。でもね……」

 

 

あたしはケインをさらにぎゅっと抱きしめ……。

 

 

 

「あたしは……。あんたのお嫁さんにも絶対になるからね!!」

 

「ティアナ……」

 

「だから、待ってて。あんたが20歳になるタイムリミットまでに、必ず執務官になってみせる。だから……あたしを信じて、ね」

 

 

 

あたしはどちらも捨てない。

執務官になる夢も、大好きな人も。

 

 

フィルとの最後の約束……。

必ず幸せになるって……。

 

 

その約束は、必ず果たしてみせるから!!

 

 

 

「……ありが、とうな」

 

 

 

それはあたしの台詞よ。

こんなあたしを信じてくれて……ありがとう。

 

 

待っててね、絶対に夢を叶えてあんたの所に帰ってくるからね。

 

 

 

 

 

*    *    *

 

 

 

 

 

「結局、タイムリミットギリギリだったのよね……」

 

 

 

 

あたしは、ミッドに戻って、フェイトさんの元で執務官補佐をしながら、執務官になるための勉強を必死でした。

何度もくじけそうになったけど、ケインとの約束を胸に、あたしは必死に頑張った。

 

 

 

―――――でも、半年前。

 

 

 

ほんの僅かなミスで、あたしは試験に落ちてしまい、タイムリミットまでに間に合わなくなってしまった。

 

でも、リミット1月前、臨時試験があり、何とかそこで合格することが出来た。

 

 

あの臨時試験がなかったら、本当にアウトだったのよね……。

 

 

 

 

「リミットなんか関係ねえよ。俺は、ずっと、待ち続けるつもりだったさ……」

 

 

 

分かってる。

あんたはそういう一途な人だって事はね。

 

 

でも、それに甘えたくはなかったの。

あたしだってプライドがあるんだからね……。

 

 

 

「それと、これ、大切に使わせてもらってるよ」

 

 

 

ケインが取り出したのは、剣の柄に似たデバイス。

 

 

 

「苦労したんだからね……。聖剣の宝玉に波長を合わせるの……」

 

 

 

ケインの新しい相棒。

あたしとマリーさんが、造りだしたデバイス。

名前は、『星牙』。

 

星の力をもつ聖剣の宝玉を埋め込んだので、そこからあたしが考えてみた名前だけど、ケインもあたしも結構気に入ってるのよね。

 

 

ちなみに、このデバイスは、自分の魔力を刃に変える物。

 

例えば、雷の魔法を唱えれば、雷の刃に。

氷結魔法を唱えて、刃を出せば、氷属性の刃に。

 

 

このデバイスの基礎設計は、実はフィルが残していった物。

設計図を見ていたとき、ケインに残したフィルの最後のメッセージ。

 

 

 

『このデバイスを、不器用で一途なおまえに贈る』

 

 

 

その約束を果たすために、あたしとマリーさんは必死になって、デバイスを完成させた。

デバイス自体は、すぐに出来たんだけど、問題は聖剣の宝玉と波長を合わせることだった。

 

それをコントロールできるのは、聖剣を造り出したケインとあたしだけ。

でも、これはあたしがケインの所に帰るときに、渡してあげたかったから、ケインで内緒で造り上げたの。

 

 

 

「本当、おまえは最高の……相棒だよ」

 

「相棒って、だけなの?」

 

 

 

あたしはわざとケインを困らせる言い方をする。

 

 

 

「……分かってるだろ」

 

「わからないわね」

 

 

 

女ってのはね。

こういうときは、ちゃんと言ってくれなきゃ駄目なんだからね。

 

 

 

「最高の相棒であり、最愛の女性だよ。ティアナ」

 

「あたしも……あたしも、愛してる。ケイン」

 

 

 

あたしとケインはキスをする。

何度もしてるけど、やっぱり好きだっていっぱい感じられる……。

 

 

「……ティアナ」

 

「うん……」

 

 

 

もう、言葉なんかいらない。

あたし達は、ベッドに行き、互いの衣類を全て脱ぎ去り、互いの身体をむさぼるように求め合う。

 

 

それは、必然の行為―――――。

 

 

「ん……あっ、ん……ふぁ……」

 

 

 

何度も舌を絡め合い、息継ぎを繰り返しながら、幾度となく繰り返す。

ケインは、あたしの胸を何度も触れ、そして、全身に舌をはわせる。

 

 

痺れるような快感―――――。

 

 

愛し合ってるからこそ得られるもの。

 

 

 

「……お願い、もう……き、て……」

 

 

もう、あたしはケインと一つになりたかった。

 

 

「ああ……。俺も、一つになりたい」

 

 

 

ケインがあたしの中に入り……。

 

 

 

あたしはケインを受け入れ、身も心も一つになり―――――。

 

 

 

快楽の海にすべてをゆだねた……。

 

 

 

 

 

*    *    *

 

 

 

 

「……もう、無理だ」

 

「ふふっ、おつかれさま♪」

 

 

あたしはケインの頬にキスをする。

まぁ、何度もあたしのことを求めてくれたんだから、あたりまえよね。

 

 

 

「でも、ティアナ、本当に良い身体してるよな。その……すごく俺好みのスタイルだし……」

 

「……ばか」

 

 

 

照れるくらいなら、そんなこと言わないでよ。

でも、好きな人にほめられるのは、やっぱり嬉しい……。

 

 

 

「だったら、いっぱい、いっぱい、あたしのことを愛してよね。あたし、ヤキモチ焼きだから、ほっとかれると、拗ねるからね」

 

「その台詞、後悔するなよ。スケベな俺の前で言ったんだ。今日も……沢山するからな!!」

 

「うん♪」

 

 

 

いっぱい、いっぱいあたしのこと愛してね。

あたしもいっぱい、あんたのことを愛するから……。

 

 

だから……。

 

 

 

―――――ずっと一緒にいようね。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。