魔法少女リリカルなのは ~ Silver of Paladin ~ 作:アルフォンス
アースラ 訓練室
「それにしても、何でこんな事になっちゃのかね」
シグナムと名乗る女性は、デバイスを起動させて、臨戦態勢なっていた。
しかも素振りまでしている始末だ。
「俺、生きて戻れるのだろうか……はぁ……」
あちらさんは完全にやる気モード。
しかも、目が必殺と訴えてるし……。
「ええい!! くよくよしていてもしゃあねえ!! こうなったらやってやる!!」
俺は凍牙を抜き、そして刀身に魔力を纏わせ、戦闘態勢に入る。
「ほう……なかなかおもしろいな。私と同じ剣の使い手とはな……だが、レヴァンティン!!」
シグナムはカートリッジを一発ロードし、刀身に炎を纏わせ、上段に剣を構えた。
「こい、お前の腕、この私が見極めてやろう!!」
「いくぜ!!」
そう言った直後、俺は高速で移動し、シグナムの懐に飛び込み剣を横なぎをする。
カァン!!
甲高い音が聞こえ……。
その一閃はレヴァンティンによって防がれた。
「ちいぃ……」
「この程度でのことで、私を倒せると思うな!!」
シグナムはパワーで俺の剣を押し返し……。
バックステップで距離をとった後、炎の魔力を剣に纏わせ、上段に構えて……。
「飛竜……」
剣の形が…変わっていく!?
「やべえ!! ならこっちも、ダイヤモンド……」
こちらも炎に対抗して、氷の魔力を纏わせ、同じく剣を上段に構える。
「ストラッシュ!!」
「一閃!!」
お互いにはなった炎と氷の魔力は中間で激突し、互いの魔力の反応で、霧のように散ってしまった。
* * *
「ほほう……やっぱりやりおるな。シグナムと互角にやり合ってる」
「ファイアーゴーレムを一人で倒したくらいだからね。これくらいは予想できていたよ」
ファイアーゴーレムは、単体では魔導師ランクではCからBに相当する。
それを20体を一人で倒してるんだから、このくらい出来てもおかしくない。
「へぇ……。ケイン君、結構強いんだね」
「なのはちゃん、いつの間にきとったん?」
「さっき、訓練が終わってね。始まったときから見させてもらってたんだ」
「で、高町教導官から見て、ケインはどないや?」
「荒削りなところもあるけど、かなり強いと思うよ」
なのはちゃんがここまで言うって事は、本当に強いと言うことだ。
教導官をやっているだけあって、相手の強さを測ることは長けている。
「どうやら、二人とも次の一撃で勝負するみたいだね」
* * *
「……ふふっ、ラーディッシュ。お前と戦うのは楽しいな。こんなに心が高ぶったのは久しぶりだ……」
「そいつはどうも。だが、いい加減に勝負付けようぜ」
「だな……。ならこれを受けてみるがいい!!」
俺もシグナムも、体力と魔力が相当消耗している。
次の一撃が、勝負となる。
シグナムはカートリッジをロードさせ、レヴァンティンを弓状の形にした。
「どうやら、あれがシグナムの必殺技らしな……。」
だが、戦士は逃げることはしねぇ。
――――真正面から勝負だ!!
俺は凍牙を構え、刀身に魔力を集め迎撃態勢に入る。
「……礼を言うぞ。逃げないで正面からぶつかってくれることを……」
「戦士が全力でぶつかってくるんだ。それに応えるのが俺の流儀だ」
「なら……いくぞ!!」
シグナムは弓を引き……。
「翔けよ、隼!! シュツルムファルケン!!」
《Sturmfalken》
放たれた炎の矢は、一直線に俺に向かってくる。
そして俺も、集めた魔力を変換し、剣を振り砲撃を放つ。
「ダイヤモンドブレイカー!!」
集束した氷の魔力は、炎の矢と激突し、空中で押し合っている状態だ。
「くっ……やっぱ、氷結系の魔力じゃ、これが限界か……」
魔力属性を換えてる時間なんてない。
だったら、このまま押し切るまでだ!!
俺は残された魔力を注ぎ込み、強引に押し切ることにした。
「だあああああああああ!!」
魔力はシュツルムファルケンを上空高く舞い上がらせたが、こちらも魔力がつきてしまい、立つことも困難になり、もう追撃をする力は無かった。
「はぁ……はぁ……何とか押し切ったぜ……」
――――完全に選択ミスだな。
不得意な氷系の魔法じゃあれが限界だ。
やっぱり、まだ親父には追いつけないな。
こんなミスをしてるんじゃ、どやされちまうな。
「おーい 生きてるか。シグナム」
「お前と……一緒にするな。私は鍛錬で鍛えてるんだ。これくらいなんともない……」
「この意地っ張り。俺と同じで立ってるのもつらいくせに」
「ふっ……確かにな。お前は強いな。ラーディッシュ」
「まだまだだ。親父に比べたらひよっこだからな」
あの親父(バケモノ)は、はっきり言ってチート以外の何者でものない。
いつか超えなきゃいけない目標だけど、ほど遠いよな。
「そっか……。またお前と、こうやってやりたい物だな……」
シグナムは右手を差し出し……。
「もう、お前とはやりたくない!!」
「何だと!?」
このバトルジャンキー!!
毎回毎回、ぶっ倒れる寸前まで戦うなんて冗談じゃない。
俺はそんなにタフじゃないっての!!
「じゃあ、私とならやる?」
フェイト、いつのまに後ろに!?
「あ……ああ。夜の相手なら、いつでもかかってこいだぜ!!」
「も、もう……。ケインの……ばか!!」
「ふぎゃ!!」
顔を真っ赤にしたフェイトによって、魔力が込められた平手打ちで、壁際に吹っ飛ばされてしまった。
「ご、ごめん!! 大丈夫……」
「平気、平気、あんな事言ったんだから、これくらいやられると思っていたさ。でも、やっぱ、フェイトも強いんだな。今度、模擬戦やろうな」
「うん!! 楽しみにしてるね」
こうやってみるとフェイトって、やっぱ可愛いよな。
なんか、からかいたくなる属性があるし……。
「じゃ、わたしともやろうか……ケイン君」
「えっ……? あんたは?」
「そういえばまだ自己紹介してなかったね。わたしは高町なのは。管理局の教導官をしてるんだ」
「高町なのは……。って、エースオブエースかよ!!」
「うん……。その名前なら、まだ良いんだけど……ね……」
「ああ……管理局の白い魔王って奴だな。だけど、実際あったらそんなことねえな。可愛い女の子じゃないか」
「……そ、そうかな」
まぁ、あんなのは犯罪者が付けた二つ名だからな。
当てにはしてなかったし……。
「でも、ちょっと戦闘好きってのは当たってるかもな。そうやってすぐに模擬戦を申し込んでるしな」
「ケイン君……。少し、お話しようか……」
「だから、そういうのが、こういったあだ名を付けられる原因になるんだろ。せっかく可愛いんだから、その癖を直せよ。もっとも会ったばかりの奴に言われたくないだろうが……」
「そ、そうだね……。ありがとう、気をつけてみるよ」
「無理しない程度にしとけよ。性格なんてそう簡単に変われないだろうからよ」
「確かにラーディッシュの言うとおりだな。高町もその辺を直せれば、十分いい女だからな」
「シグナムさんたら……もう!!」
「「「「「ははははは」」」」」
俺たちの言葉に高町さんは、少しむくれてしまった。
「ごめん、ごめん、でも、可愛いってのは本当のことだからな。それだけは信じてくれていいよ。高町さん」
「なのはでいいよ。よろしくね、ケイン君」
俺はなのはから差し出された右手を取り握手をした。
やっぱ、笑顔の方が良いよな、女の子は。
「じゃ、フォワードのみんなも紹介しないといけないから、こっちに来てね」
そう言われ、俺はなのは達の後についていった。
この出会いは、一体何が待っているのだろう……。