魔法少女リリカルなのは ~ Silver of Paladin ~   作:アルフォンス

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Number;06 アイリーの危機(後編)

 

 

「キャロ、ケイン!!」

 

 

 

アイリーの様子を見ていた私とはやてだったが、キャロ達のピンチにもういても立ってもいられなかった。

 

 

 

「フェイトちゃん、どこにいくんや!!」

 

「決まってるよ!! 二人を助けにだよ」

 

「あかん!! あと一日で完全に回復するんやで。今は行ったらあかん!!」

 

「でも、このままじゃキャロが!! はやて私は行くよ!!」

 

 

そう言ってセットアップしようとしたとき……。

 

 

『待てよ……フェイト』

 

「「ケイン!!」」

 

 

アイリーからケインの通信。

さっきから、こちらの声は通信回線を通じてあっちに伝わっている。

 

それで、こちらに通信してきたのか。

 

 

 

『フェイト、そんなにキャロが信じられないか』

 

「そうじゃないよ!! でも、このままじゃ二人とも……」

 

『そうやっていつもお前が手を貸していたら、いつまで経ってもキャロはこのままだぞ。少しはキャロを信じろ!!』

 

「!!」

 

 

 

――――そうだった。

前も、同じ事を言われたんだった。

 

私がいつも手を貸してたら、それは本人達の成長にはならないって……。

 

 

 

 

『心配するな。キャロは絶対死なせはしない!! そして……もちろん俺も生きる!!』

 

「……分かった。二人を信じる……。だから絶対生きて帰ってきて!!」

 

『当たり前だ。心配してないでお前は自分の身体を治せ!! いいな!!』

 

 

そう言ってケインからの通信は切れた。

 

 

 

*    *    *

 

 

 

「さて、これで援軍は来なくなっちゃったな。キャロ、たった一つだけ手段があるけど、俺に命預けられるか……?」

 

「ケインさん、今更ですよ。わたしはここに来たときから、ケインさんのこと信じてましたから……」

 

「……いい眼だ」

 

 

今のキャロは、怯えもなく生きるという強い意志を持ってる。

こりゃ、少女だからって見てたらキャロに失礼だな。

 

 

こっちも一人の戦友として見ないとな――――。

 

 

 

「キャロ、召喚魔法のアルケミックチェーンを使う魔力はまだ残っているか」

 

「はい。それくらいなら何とか……」

 

「上等だ!! それじゃ、合図したらそれであいつを縛ってくれ。その後、俺の全魔力であいつを完全に焼き尽くす」

 

「でも、さっきもフレア・ストライクを使っても再生されて……」

 

「単体ならな。だから、今度はフリードのブラストレイを俺のフレア・ストライクに合わせる。その威力で完全に焼き尽くす!!」

 

 

 

高熱を超える超高熱なら、再生する前に完全に焼き尽くせる。

もう、これしか手段はない!!

 

 

 

「よし作戦は決まった!! いくぜ、散開!!」

 

 

 

俺たちはそれぞれ散開し、キャロはアルケミックチェーンの詠唱に入り、いつでも発動は可能になっていた。

そんなキャロに気づき、アンデットバタフライはキャロに向かっていった。

 

 

「させるかよ!!」

 

 

 

凍牙を地面に突き刺し、魔法陣を展開させ、魔法を詠唱する。

 

 

 

「大気に漂う数多の雷精たち……。我が知と力の元に……汝の大いなる稲妻の裁きを……」

 

 

 

俺が持っている中で、得意とする雷撃系の魔法――――。

 

 

 

「ライトニングブラスッッ!!」

 

 

 

地面から顕現させた雷の柱は、アンデッドバタフライの動きを封じ、一瞬だが隙が出来た。

 

 

 

 

「今だ、キャロ!!」

 

「はい!! 錬鉄召喚、アルケミックチェーン!!」

 

 

 

次の瞬間、地面から数十本の鎖が現れ、鎖はライトニングブラスの雷と絡まり、アンデットバタフライの身体にからみつき、完全に身動きを封じた。

 

 

 

「よ、よし……はぁ……はぁ……。残った魔力を全部使う!! フリード、俺に向かってブラストレイを全力で撃て!!」

 

『キュクウウ!!』

 

 

放たれたフリードのブラストレイを刀身に絡め、自分の魔力と掛け合わせ、超高熱の蒼い炎の剣を作り出す。

 

 

 

「これで、最後だぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

俺は上空高く飛び上がり、剣を上段に構え、思いっきり振り下ろし……。

 

 

 

「くらえ、フレア・ストライク!!」

 

『ガアアアアアア!!』

 

 

 

剣はアンデットバタフライの頭から捕らえ、その身体を真っ二つにし、断面から炎が上がり……

 

 

そして……

 

 

その身体は、完全に灰になり……

 

 

二度と再生することはなかった。

 

 

 

 

*    *    *

 

 

 

 

「はぁ……はぁ……やったぜ……」

 

 

 

完全に体力と魔力を使い果たしてしまい、その場に倒れてしまい、立つ気力も残っていなかった。

 

 

「ケインさん!!」

 

 

キャロが息を切らしながら、こっちに走ってきて、俺のそばに来てくれた。

 

 

「よぅ……無事か、キャロ……」

 

「はい……わたしは大丈夫です。ケインさん……でも、無茶しすぎですよ」

 

「一人だったら、一旦撤退してたかな。でも、キャロがいてくれたから、何とかなるかなって思ったからやってみた。俺もお前のこと信じていたからな……」

 

「ケインさん……」

 

 

 

俺は何とか立ち上がろうとしたが……。

 

 

 

「あ、あれ……」

 

 

 

ふらついてしまい、キャロに寄りかかる形になってしまった。

 

 

 

「ケインさん、まだ立つのは無理ですよ。フリードの背中に乗ったら、ゆっくり休んでください……」

 

「そだな。んじゃ、キャロ、フリード、後は頼む、わ……」

 

 

 

何とかアンデットバタフライは倒したけど、まだ俺は強さが足りない。

アースラに戻ったら、修練のやり直しだな。

 

魔王を倒すのも大切だけど、今は大事な仲間を守ることが一番大切なことだから……。

 

 

そして俺は瞳を閉じ、眠りについた。

 

 

 

 

*    *    *

 

 

 

 

 

「すまないな、キャロ。肩、貸してもらうことになって……」

 

「そんなこと気にしないでください。あれだけ無理したんですから……」

 

 

 

アースラに戻った俺たちは、キャロに肩を貸してもらいながら、何とか自分の部屋に来ることが出来た。

本当にこれじゃ情けないな。

 

 

 

「ケインさん、わたしで良かったらいつでも頼ってください。出来ることはあまりありませんけど……」

 

「こうしてしてくれるだけで充分だよ。ありがとうなキャロ」

 

「えへへ♪」

 

「キャロ、これからも辛い戦いが続くと思うけど、なのはが戻るまで、必ずお前達のことは守るから」

 

「ケインさん、わたし達も強くなるように努力します。だから、一人でやるんじゃなく一緒に強くなりましょう」

 

「そうだな。そのとおりだな」

 

 

 

一人で出来る事なんてたががしれている。

キャロの方がよっぽど分かっているじゃないか。

 

 

 

「それじゃ、今後もよろしくなキャロ」

 

「はい!! ケインさん」

 

「それじゃ、ゆっくり休んでくださいね」

 

 

そう言ってキャロは部屋から出て行った。

 

これからも辛い戦いが続くと思う。

 

だけど、俺たちは負けない。

 

魔王、この世界をお前の勝手にはさせない!!

 

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