魔法少女リリカルなのは ~ Silver of Paladin ~ 作:アルフォンス
「キャロ、ケイン!!」
アイリーの様子を見ていた私とはやてだったが、キャロ達のピンチにもういても立ってもいられなかった。
「フェイトちゃん、どこにいくんや!!」
「決まってるよ!! 二人を助けにだよ」
「あかん!! あと一日で完全に回復するんやで。今は行ったらあかん!!」
「でも、このままじゃキャロが!! はやて私は行くよ!!」
そう言ってセットアップしようとしたとき……。
『待てよ……フェイト』
「「ケイン!!」」
アイリーからケインの通信。
さっきから、こちらの声は通信回線を通じてあっちに伝わっている。
それで、こちらに通信してきたのか。
『フェイト、そんなにキャロが信じられないか』
「そうじゃないよ!! でも、このままじゃ二人とも……」
『そうやっていつもお前が手を貸していたら、いつまで経ってもキャロはこのままだぞ。少しはキャロを信じろ!!』
「!!」
――――そうだった。
前も、同じ事を言われたんだった。
私がいつも手を貸してたら、それは本人達の成長にはならないって……。
『心配するな。キャロは絶対死なせはしない!! そして……もちろん俺も生きる!!』
「……分かった。二人を信じる……。だから絶対生きて帰ってきて!!」
『当たり前だ。心配してないでお前は自分の身体を治せ!! いいな!!』
そう言ってケインからの通信は切れた。
* * *
「さて、これで援軍は来なくなっちゃったな。キャロ、たった一つだけ手段があるけど、俺に命預けられるか……?」
「ケインさん、今更ですよ。わたしはここに来たときから、ケインさんのこと信じてましたから……」
「……いい眼だ」
今のキャロは、怯えもなく生きるという強い意志を持ってる。
こりゃ、少女だからって見てたらキャロに失礼だな。
こっちも一人の戦友として見ないとな――――。
「キャロ、召喚魔法のアルケミックチェーンを使う魔力はまだ残っているか」
「はい。それくらいなら何とか……」
「上等だ!! それじゃ、合図したらそれであいつを縛ってくれ。その後、俺の全魔力であいつを完全に焼き尽くす」
「でも、さっきもフレア・ストライクを使っても再生されて……」
「単体ならな。だから、今度はフリードのブラストレイを俺のフレア・ストライクに合わせる。その威力で完全に焼き尽くす!!」
高熱を超える超高熱なら、再生する前に完全に焼き尽くせる。
もう、これしか手段はない!!
「よし作戦は決まった!! いくぜ、散開!!」
俺たちはそれぞれ散開し、キャロはアルケミックチェーンの詠唱に入り、いつでも発動は可能になっていた。
そんなキャロに気づき、アンデットバタフライはキャロに向かっていった。
「させるかよ!!」
凍牙を地面に突き刺し、魔法陣を展開させ、魔法を詠唱する。
「大気に漂う数多の雷精たち……。我が知と力の元に……汝の大いなる稲妻の裁きを……」
俺が持っている中で、得意とする雷撃系の魔法――――。
「ライトニングブラスッッ!!」
地面から顕現させた雷の柱は、アンデッドバタフライの動きを封じ、一瞬だが隙が出来た。
「今だ、キャロ!!」
「はい!! 錬鉄召喚、アルケミックチェーン!!」
次の瞬間、地面から数十本の鎖が現れ、鎖はライトニングブラスの雷と絡まり、アンデットバタフライの身体にからみつき、完全に身動きを封じた。
「よ、よし……はぁ……はぁ……。残った魔力を全部使う!! フリード、俺に向かってブラストレイを全力で撃て!!」
『キュクウウ!!』
放たれたフリードのブラストレイを刀身に絡め、自分の魔力と掛け合わせ、超高熱の蒼い炎の剣を作り出す。
「これで、最後だぁぁぁぁぁぁぁ!!」
俺は上空高く飛び上がり、剣を上段に構え、思いっきり振り下ろし……。
「くらえ、フレア・ストライク!!」
『ガアアアアアア!!』
剣はアンデットバタフライの頭から捕らえ、その身体を真っ二つにし、断面から炎が上がり……
そして……
その身体は、完全に灰になり……
二度と再生することはなかった。
* * *
「はぁ……はぁ……やったぜ……」
完全に体力と魔力を使い果たしてしまい、その場に倒れてしまい、立つ気力も残っていなかった。
「ケインさん!!」
キャロが息を切らしながら、こっちに走ってきて、俺のそばに来てくれた。
「よぅ……無事か、キャロ……」
「はい……わたしは大丈夫です。ケインさん……でも、無茶しすぎですよ」
「一人だったら、一旦撤退してたかな。でも、キャロがいてくれたから、何とかなるかなって思ったからやってみた。俺もお前のこと信じていたからな……」
「ケインさん……」
俺は何とか立ち上がろうとしたが……。
「あ、あれ……」
ふらついてしまい、キャロに寄りかかる形になってしまった。
「ケインさん、まだ立つのは無理ですよ。フリードの背中に乗ったら、ゆっくり休んでください……」
「そだな。んじゃ、キャロ、フリード、後は頼む、わ……」
何とかアンデットバタフライは倒したけど、まだ俺は強さが足りない。
アースラに戻ったら、修練のやり直しだな。
魔王を倒すのも大切だけど、今は大事な仲間を守ることが一番大切なことだから……。
そして俺は瞳を閉じ、眠りについた。
* * *
「すまないな、キャロ。肩、貸してもらうことになって……」
「そんなこと気にしないでください。あれだけ無理したんですから……」
アースラに戻った俺たちは、キャロに肩を貸してもらいながら、何とか自分の部屋に来ることが出来た。
本当にこれじゃ情けないな。
「ケインさん、わたしで良かったらいつでも頼ってください。出来ることはあまりありませんけど……」
「こうしてしてくれるだけで充分だよ。ありがとうなキャロ」
「えへへ♪」
「キャロ、これからも辛い戦いが続くと思うけど、なのはが戻るまで、必ずお前達のことは守るから」
「ケインさん、わたし達も強くなるように努力します。だから、一人でやるんじゃなく一緒に強くなりましょう」
「そうだな。そのとおりだな」
一人で出来る事なんてたががしれている。
キャロの方がよっぽど分かっているじゃないか。
「それじゃ、今後もよろしくなキャロ」
「はい!! ケインさん」
「それじゃ、ゆっくり休んでくださいね」
そう言ってキャロは部屋から出て行った。
これからも辛い戦いが続くと思う。
だけど、俺たちは負けない。
魔王、この世界をお前の勝手にはさせない!!