入学式が終わった後、俺達はクラスに移動した、席順はどうやら五十音順で決められていた。そのせいでフジとは少し離れてしまった、やっぱりまわりの席に知ってる人がいないと少し気まずい感じがするなぁ。
「皆、入学おめでとう、俺はこのクラスの担任である古川俊(ふるかわしゅん)だ、部活はサッカーを担当している。よほどふざけた事をしなければ怒らない、まぁこの3年間を楽しんでくれ、以上だ、課題を提出した者は帰ってよし」
うちの担任は先生っていうより教官に近いような気がする。
とりあえず俺は課題を提出した後、この学園での友達を作ろうと隣の席で帰る準備をしている奴に話しかけようとした。
「あの.....「おい!キム!」うぉ!」
「ひぃ!ごめんなさい!失礼しますぅ!」
「あ、おい!」
せっかく話しかけたのに後ろからいきなりフジが話しかけたせいで相手が驚いて逃げてしまった、何がいけなかったんですかねぇ?
「あのさぁ.....フジのせいで、隣の席のヤツ帰っちゃったじゃん」
「何言ってんだよ、お前の顔と体格がゴリラみたいで怖いからだろ、人のせいにするな」
「やっぱりそれか.....まぁ明日でなんとかしよう。で?なんか用か?」
「まぁ話せば他のやつもわかってくれるって。そうそう、画伯と今日放課後どこか行こうって話になったんだけど来る?」
「あぁ、行くよ、飯食いたい」
「よし、校門集合だから行くぞ」
話がまとまったところで俺とフジは校門へ向かって歩いた。その途中、朝あった夕闇と遭遇したので誘ったら行くと即答してきた。
「どこにいるんだ?「おーい!」ん?あれは.....サテライトか?」
よく見ると桜の木の下にサテライトと画伯が一緒にいた。そういえば2人は同じ普通科だったな、多分そこで知り合ったんだろう。
「何だ、画伯とサテライト知り合いだったのか」
「それはこっちのセリフだよ、サテライトがこの町の案内してくれる人を探しているらしくてな、今日いろんなところに行くついでに紹介しようかなって思って話したら一緒に遊ぶお前らの名前を言ったら知ってるっていうからたまげたよ」
「勝手にたまげてろ、てか行くところなんて2、3箇所じゃん」
「それより飯だ、いつもの食堂に行こう。サテライトと夕闇もそれでいいか?」
「うん、よろしくね?」
「俺も大丈夫だ!」
「よし!じゃあ行こうか」
俺達が行く食堂とはこの町にいくつかあるうまい店の一つだ、別に学生の昼飯なんてファミレスでもいいと思うが、俺はできればうまいものが食いたいのだ、なんというかこう、静かな所で、救われてなきゃいけないんだ。
そんな孤独に飯を食うグルメな男をリスペクトする俺は今向かっている食堂『飯島食堂』が気に入っている。
「着いた!」
「なかなか良さそうな店だな」
「早く入ろうぜ」
「おじさん!来たぞ!」
~不時村視点~
俺達はキムを先頭に店の中に入った、すると中にいた若い男の人が素早くキムに近寄ってきた。
「おじさん、だって!?おにぃさんだろォがァよぉ!」
「あ、すいませ.....アッー!」
「だ、大丈夫!?キムがバックブリーカーくらってる!」
「へーき、へーきいつもの風景だから」
「飯島さん、こんにちは」
「おう!いらっしゃい!」
説明するゾ、この店の店主で今キムに技をかけているである飯島大悟(いいじまだいご)さんは料理番組で昔優勝したことがあるほどを腕の持ち主だ、しかもそれは俺達と同じぐらいの歳にとったらしい。
今は奥さんと一緒にこの食堂をやっている。余談だがキムは月に数回飯島さんから料理を教わっている、いわば師匠と弟子のような関係だ。
そのせいか飯島さんは毎回キムに難癖つけていろんな格闘技技をかけている、本人いわく「本場で料理覚えようと外国まわってたらその国の料理と一緒にその国の格闘技も何故か覚えた、せっかくだから料理と一緒にキムにも教えてやるよ!」との事。一体どんな料理修行したらそうなるんだ?
~不時村視点終了~
「痛てぇ、まだ師匠強くなってんなぁ」
「お、起きたか。じゃあ早く選びな」
「そうだな、じゃあ日替わり定食で、皆は?」
「もう頼んである」
「なるほどね、師匠!注文したいんですけど!」
「師匠って呼ぶんじゃねぇ!」
「理不尽すぎでしょ!」
「面白いな!この二人」
まぁ大悟さんとのこれはふざけあってるみたいなものなだから始めてみる人以外は驚かない。
現にその店の中にいるお客はほとんどの常連の人達なので「お、またやってんのかあの二人」ぐらいにしか思われてないらしく笑いながら見ていた。
普通飲食店でそんなのやってたらヤバイと思うんだけどなぁ?
こうして、無事(?)注文を終えた後、どこに行くか話し合うことにした。
「まぁ行くところはもう決まってるからどういう手順で行く?」
「それなんだけどな、実はリンネが学園寮使ってるからだんだんと学園に近付くようにできないか?」
「ごめんね?僕が頼んだのにわがまま言って」
「大丈夫だよヘーキ!ヘーキ!俺は隣町に近いところだから1回学園まで行かないとわかんないし」
「じゃあ、図書館行ってからゲーセン行こうそれでいいか?」
「OK!」
「その辺りは僕は分からないから頼むよ」
「楽しめればいいぞ!」
「図書館か、楽しみだな」
俺の案に4人が納得したところで皆の昼飯がきた、その後はゆっくりしながら楽しく昼食を終えた。うん、やっぱり師匠の料理は最高やな!
「という訳で図書館だ!」
「夕闇どうした?」
「キニスルナ!」
俺達は予定通り図書館に来た、田舎の町なのに無駄にでかく、新書もあるのでなにかと良く来る。見た目が脳筋の様な感じなので勘違いされるが本は割と好きなほうだ。推理小説などをよく読む。
「じゃあサテライトは画伯と一緒に行動するってことで、他は単独行動ってことだな。じゃあ予定した時間にここに集合な」
「了解」
さて、せっかく図書館に来て、自由行動だから推理小説を見に行くか。
「お、キムじゃん、どうしたの?」
「タカシじゃん、お前普通科だっけ?」
推理小説コーナーに行くと中学校から友達の高橋優希(たかはしゆうき)通称タカシがいた、コイツとは親同士が仲が良くタカシの家には良く遊びに行っている。こいつは妹が二人いるんだが何故かその二人に懐かれている。まぁ小学校低学年だから兄と同い年ぐらいの男が珍しいんだろうと思い、合うたびに構ってやっている。俺には弟しかいないなら新鮮なのだ。
「そうだよ、キムは工業科だよね、落ち着いたら工業科のクラスにもいってみるよ」
「男しか居ないから気をつけろよ?不良のたまり場みたいなもんだし」
「それは怖いなぁ、あ、そろそろ妹達が帰ってくるから失礼するよ、また遊びに来てね、妹達もキムが来ると喜ぶから」
「まぁそのうちな、じゃあな」
タカシと別れた後は推理小説コーナーで見たことが無い本をいくつか見つけて借りようか悩んだけど今借りても荷物になるから諦めた、そんな感じで楽しんでいたらいつの間にか時間になっていたので集合場所に向かった。
「さて、次はゲーセンだ!」
「だからお前は誰に言ってんだよ」
次に来たのは繭藤レジャーランド、通称繭レジャ。この町の唯一のゲーセンだ。
ここに来たら俺とフジは必ずやる事がある、俺達はそこに向けて歩き出した。
「よし、フジやるぞ」
「よし、来た!」
俺達は通称タンプロに百円づつ入れた難易度はもちろん鬼畜だ。
「オラオラオラオラオラ!!!」
「ドラララララララララ!!!」
このゲームに油断は許されない、手が少しでも止まったらミスるのだ。
ちなみにいつもこれをやっていると後ろの方で冷めた視線を感じる。
\カンペキダゾ!/
「よっしゃ!」
「ふぅ.....」
「なんか、凄いね.....」
「もう少し静かにやればいいのに」
「アッハッハッハ!最高!」
この後はクレームゲームコーナーで取るのがうまい繭藤学園の子がいたのでそれを見たりした。一番やばかったのは、運よく取れたぬいぐるみを見てやったね家族が増えるよとかいい始めた時は全員で止めに入った。やめろ!というかサテライトもそのネタわかるんだな。
「じゃあ今日はここで解散だな」
「皆、今日はありがとう!これからもよろしくね」
「じゃあな!みんな遅刻すんなよ!」
繭レジャから出た後学園まで行き、サテライトと夕闇と分かれ俺達3人は方向が一緒なので途中まで一緒に帰った。
家に帰ってからは夕飯を食べ明日に備えて寝た。明日からいよいよ学園生活が始まる、そう思いながら瞼を閉じた。
番外編の方が文字数が多いっていう謎状態