転生したら女帝でした(笑)
鏡を見るとそこには色白な肌に長く伸びた黒髪、同じく黒い瞳には一切の光が宿っていない。
どうやら俺は武装少女マキャヴェリズムの登場人物、天羽斬々に転生してしまったようだ。
前世の俺は警察官で、巷を騒がせていた連続殺人鬼を追い詰めたが犯人が隠し持っていた拳銃から仲間を庇い死んでしまった。
本来ならそれで終わる筈だったんだがその銃弾は本来この世界には存在しなかったもので何らかの手違いによって犯人の手に渡ってしまったらしい。
その不手際のお詫びとして特典を与え、俺に相応しい世界に転生させてくれるというので俺は異世界転生もののお約束通りに神様?
からの提案に頷いた。
俺はそのまま健やかに育ち物心ついた5歳の頃、つまり今、鏡を見て状況を推理したどうやら此処はマキャヴェリズムの世界だと。
だが、その推理は外れていた事を後日知る事になる。
此処は刀剣類どころか銃火器の装備を認められた高校生がざらにいる、緋弾のアリアの世界に転生したらしいと。
神様(仮)は俺が前世で緋弾のアリアを読み、密かに武偵に憧れていたのを察してその世界でも通用しそうなキャラクターを俺の記憶のなかから選出し、そのなかから世界観を壊さずに過ごせる肉体を形成してくれたようだ。
確かに天羽斬々ならこの世界でも通用しそうだし、一応人間やめてもいない…筈だ。
これなら俺も人間最強くらいは目指せそうだ。
最初こそ性別が変わって混乱したが、前世でもそれなりに大人の経験を積んだ俺からしたら、大した問題はない。
俺はまともな成人男性だったので自分の体に一々どぎまぎしたりしないのである。
俺は早速一流の武偵を目指して琉球空手を習う事にした。
天羽斬々といえばやはり「上地流」による鍛錬で得た「自動反撃(オートカウンター)」そしてその空手の究極とされる「化身刀(タケミカヅチ)」の体現であるだろう。
最初こそ「全身を腕や道具を用いて叩きまくる」という異様すぎる鍛錬方法を親が許すかどうか不安だったが、どうやら俺の両親はまだ俺が幼い頃に武偵としての依頼中に殉職したらしく。
今は養子として叔父夫婦に引き取られている、しかもその夫婦はただ俺の両親が残した遺産が目当てだったらしく俺の面倒をまるで見ない。
それどころか俺の男口調が気にくわないらしく仕方なく俺は原作準拠の喋り方を普段から気にかけることにした。
義理の弟が生まれてからは俺に暴力まで振るうようになり、それを見て育った弟まで俺を舐めてかかるようになった。
しかし、一応は養ってもらっている身として反撃する訳にもいかず。
最近ではむしろ「上地流」の修行になって却って良いのかも知れないと考えることにした。
朝は学校にも行かず家事や内職をしながら弟に殴られまくり、昼は母親のストレス発散に叩かれまくり、夕方までは自主鍛錬と夕飯の支度をこなし、晩は酔った父親に殴られる。
いや、幾らなんでも殴られすぎだろ私。
前世で痛みに耐える訓練をしていなかったら自殺していただろう。
もしくは無事に育って後に犯罪に手を染める可能性すらあった。
あのものすごく速い右ストレートは俺じゃなきゃ見逃しちゃうので、まともに食らって死んでた可能性のほうが高いがな。
そんな生活も5年ほど経てば終わりを迎えた。
それもその筈、この世界には正義の味方が実在するのだから。
誤字や脱字があればすみませんm(_ _)m