『鏨』の武偵
入学式当日、私は鏡の前に立ち防弾制服の乱れがないか確認する。
金次くんに食らった頭突きの痕は残っていないようで安心した、別に私は残ってもよかったが、優しい金次くんはずっと気にしてしまうのだろうからきれいになおってよかった。
頭に埋まっている弾丸は深すぎて手術で取り除くことは困難とのことだったが、確か私が前世で死んだ原因も銃弾を撃ち込まれての事だった筈だ、それと何か関係が有るのだろうか?
まぁ、深く考えても分からないし。これまで通りに気にせず生活することにしよう。
私は遠山家で皆と朝食をとったのちに金次くんと学校に向かうことにした。
金一さんも私の身体の事を心配してくれたのか、珍しく家に帰っていたので。家族写真を撮って携帯の待ち受けにする。
金次くんは恥ずかしがっていたが私が無理やり巻き込んだ。
東京湾に浮かぶ人工浮島、学園島に入り学校に到着した私たちは入学式の為に一般校区の体育館に向かった。
入り口で受付を済ませた後に金次くんと別れて席に着く、武偵高校の入学式といっても退屈なもので大した驚きもないだろうと思っていた私だが、校長であり、この東京武偵高校でもっとも危険な人物、緑松武尊がスピーチを始めた際にその顔が受験当日に装備科の棟で出会ったお手伝の用務員さん(仮)であった事には思わず驚愕で目を見張った。
入学式終了後に体育館入り口の前に貼られたクラス分け表を確認する。
結果は金次くんと同じA組で安心した、それはつまり担任が比較的に温厚な 高天原 ゆとり さんである可能性が高かったからだ。
蘭豹や南郷といった教諭が受け持ちだったらまともに一般教科を受けれない可能性すらあったので、これは素直に嬉しい。
「やったね…金次」
私はこの幸運がわかっていないであろう友人に喜びを伝えた。
金次くんも、頬をかきながら私に一応の同意をしてくれた。
一般校区に向かった私達は『1-A』とついたプレートの教室に入った、そこには 星伽 白雪、峰 理子、武藤剛気、不知火 亮、レキといった原作主要人物がこれでもかというほど詰め込まれている。
一年の間は学科ではなく一般教科で分けられるとはいえ、こんなに偏るとは想定外だったよ。
星伽さんはやはりというか、金次くんのことがよっぽど好きなようで一緒に教室に入ってきた私達の関係について詰め寄ってきたが、ただの友達であり子どもの頃に引き取られただけだと説明したら怖い顔をすぐに引っ込めて優しく接してくれた、むっちゃ怖い((( ;゚Д゚)))
その後に担任の高天原 教諭が挨拶をして入ってきて、最初のHRが行われた、簡単な自己紹介を終えて私達は強襲科の授業に向かう。
初日は蘭豹による挨拶という名のビリーズブートキャンプと射撃訓練だけだった。
私は愛銃のコルト・ディテクティブスペシャルを撃ちながら今後の授業や任務の事を考える。
既に金次くんと不知火くんという知り合いが二人いるのでペア組とかになっても大丈夫だろう。
いや違う!三人いるからペア組の時に一人余る!
これはまずいぞ、金次くんは女嫌いだしほっとくと不知火くんと組みかねない。
そうだ!
「私とコンビを組め、遠山金次」
後に『鏨』と恐れられる二人の武偵が誕生した瞬間である。