Sランク武偵 天羽斬々   作:遊び人の旅行記

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武者修行に沖縄へ

遠山家に引き取られてから数ヶ月が経ち、家族の一員として認識された頃、私は非常に言いづらいお願いを金叉さんにしていた。

 

「本気で言っているのか?」

 

「なにか不満があるなら言ってくれれば…」

 

金叉さんと雪津さんが私を心配してくれている。

当然だ、先日まで一緒に食卓を囲っていた亡き友人の娘が、いきなり本場の琉球空手を学びに沖縄へ武者修行に出たいなどと、宣いだしたら誰だって驚く。

 

私としても遠山家に感謝こそすれ、不満など「断じて」ない。

 

しかし、遠山家の技を習得した天羽斬々の身体がこれではないと、これでは本来の私の力を十全に引き出せないと語っている。

 

これから先、武偵になり任務(クエスト)をこなすようになるならこの違和感だけはなんとかしておきたい、確かに桜花や絶牢は自在に使いこなせるが、それはあくまで使っている域を出ないのだ。

 

「自動反撃(オートカウンター)」や「化身刀(タケミカヅチ)」のように、根幹の戦闘方法を支えるものではない。

 

私の要点だけをまとめたシンプルすぎる説明を聞いただけで金叉さんと鐵さんは認めてくれた。

 

この二人は子どもの自立に理解があるようで、私の頼みを聞き入れてくれた。

 

金一さんと雪津さんも最初こそ二人と対立していたが、最終的には私の意思を尊重してくれた。

 

金次くんは折角できた新しい友達と離れるのが寂しいのか、暫く話しかけてくれなくなったが、これは私がなんの相談もなく勝手に決めてしまったのが原因なので仕方がない。

 

むしろ怒ってくれるほど、私に友情を感じてくれるのは嬉しくもあった。

 

沖縄行きの飛行機に乗る前日の夜、最後に金次くんと二人で武偵になった後の将来のことを話し合い親睦を深めた。

 

金次くんは

 

「次会うときには俺も親父や兄さんに負けないくらい強くなっているだろうから、そしたら相棒(コンビ)を組んでお前のことも守ってやるよ、、」

 

と、嬉しいことを言ってくれたので。

 

「私も金次くんが背中を預けられるくらいには強くなろう。」

 

と、少し自分の発言に不安になりながらも答えた。

 

それから少し時が経ち、私は沖縄で「上地流」琉球空手を数日で極めてしまった。

 

身に付けた、というよりは身体が思い出したと言ったほうがしっくりくるほどである。

 

「自動反撃(オートカウンター)」はもちろん、化身刀(タケミカヅチ)も完全に我が物としている。

 

習得して理解した、やはりこれらの技は天羽斬々の基礎スペックの一つであり、これらを習得していなければ遠山家の技を実戦で満足に使用することはできなかっただろう。

 

自動反撃(オートカウンター)に他の技を組み込んで対応力を上げたり基本の型稽古を復習しながら他の流派の技を見学して回っている。

 

そうこうしているうちに、私は怪腕流なる流派の噂を聞いた、流派と言ってもそれの使い手は現在一人しかいないらしく、その使い手が人間とは思えないほど強いらしい。

 

それだけなら噂は噂と聞き流していたのだが、この怪腕流の使い手は金叉さんとも知り合いらしく、その繋がりで顔を聞かせてくれた。

 

「此処が怪腕流の道場か?」

 

何故、空手道場の中から銃声が聴こえるんだ?

 

私は早速不安をおぼえながらも道場の門を叩いた。

 

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