『今回向かってもらうのは日本の佐世保にある佐世保第9潜水基地よ。ここは潜水艦娘が専門に配属されている鎮守府で、所属している艦娘は一部を除いて全て潜水艦なの。』
『今回のターゲットは今度この基地に視察に来る日本国大本営直轄の情報将校、加山譲。この基地には色々と表沙汰に出来ない事情があるみたいで、それの真偽を確かめるためにターゲットがやってくるようね。クライアントである第9潜水基地司令官山川剛は、それを阻止するために今回の依頼を行ったってわけ。』
『幸いにも加山譲は大本営本部に極秘で視察に来るようよ。これは以前、視察のアポを取って視察した際に、表面上だけでも少々強引に体裁を整えられたことに起因しているようね。急な視察なら体裁を整えることも出来ないから真実がわかると踏んだのでしょう。』
『この後午後1時頃に加山が佐世保駅に到着するみたい。それまでに暗殺の準備を整えて頂戴。任務の性質上、できれば鎮守府内に入る前に仕留めてほしいそうよ。』
『準備は一任するわ。』
~準備~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・メンバー
【エージェント47】
・装備
【シルバーボーラー、ロックピック】
・服装
【愛用スーツ】
『佐世保へようこそ。47。』
『佐世保鎮守府は湾内を囲う様にして配置されていて、港湾施設の機能も同時に担っているわ。あなたが今回向かってもらうのはその施設郡のほぼ中央にある“第9鎮守府施設”よ。佐世保川の河口付近に位置していて、多数の潜水艦娘たちがココを拠点に活動しているわ。』
『今日は伊58と伊8以外の艦娘はほぼ全員鎮守府内に居るわ。基本的に友好的な子ばかりだけれど、敵対関係になるとかなり厄介だから注意して頂戴。』
『ターゲットが来るまで後4時間ほど。健闘を祈ってるわね。』
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ワーワーワ-
私は今、鎮守府施設に隣接している看護専門学校に来ている。鎮守府施設は当然のことながら侵入防止用のフェンスが張り巡らされているが、この専門学校の施設の一部だけ建物の壁がそのままフェンスの代わりをしており、つまるところ今いるこの建物の窓から鎮守府施設内に入れるのだ。
学校の警備はずさんなもので、外を歩いていた生徒からスリの要領で掠め取った生徒手帳を元に、手帳を届ける近親者のふりをして何の問題もなく侵入出来てしまった。そのまま施設内を進み、鎮守府と隣接している箇所の窓から外に出て、鎮守府内に侵入することに成功した。まずはターゲットに関する情報を集めなくてはならない。
まずは手近な倉庫へ侵入する。事前のブリーフィングで司令部の位置は大体把握していたので、そこへ向かう。この倉庫を抜ければ司令部の隣りにある工廠施設に行けるはずだ。
「大淀ー、あったー?」
「そんな簡単に見つかるわけ無いでしょう?」
っと、倉庫内では艦娘が何やら探しものをしているようだった。危うく身を晒してしまうところだった。私は迂回しつつ抜けようとする。
「なんだって提督はいきなり天幕なんて引っ張り出させるの?海の上でキャンプでもする気?」
「何でも今日、大本営の方が極秘に視察に来る情報を察知したんだそうよ。私にもそんな情報入ってきてないのに。」
「どこソースよそれ。」
「鳳翔さん。」
「あー・・・、じゃあ来るんだろうねえ・・・。」
「鳳翔さんの情報では彼は暑いのが苦手らしいから、車や建物の中からは出ないだろうって。」
####情報を入手####
「だから天幕で路端にあるヤバイものは隠してしまおうってことか。納得。」
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『ターゲットの加山譲は暑さに弱いみたいね。特に今日は既に気温33度を記録する猛暑。まず間違いなく外にはあまりいないでしょうね。』
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たしかに今日は暑い。8月は日本でもっとも暑くなる時期であり、暑さが苦手な人にとってはこの上なく苦しい時期だ。おまけに日本では周りが海なのもあり他国に比べて湿度が非常に高い。だがこの暑さも、ターゲットを誘導する手段につかえそうだ。
私はそのまま倉庫を通り抜け、工廠施設に入った。工廠の管理担当の工作艦明石は倉庫で天幕探し、そのため工廠施設は稼働しておらず、外の遠くの方で子供と思われるはしゃぎ声が聞こえるくらいには静かだ。私は使えそうなものがないか一通り見て回りつつ、工廠施設を抜けた。工廠内にはいくつか使えそうな、そして涼し気なものを見つけたので後で戻って使わせてもらおう。
司令部施設は至る所に“エアコン故障中”の張り紙がしてあった。どうやらエアコンが壊れたことにして将校を追い返したいのだろう。実際館内のエアコンは動いておらず、窓はすべて開け放されている。それでも内部の人間も暑さでやられてしまっては元も子もないので、扇風機が至るところで稼働している。そんな司令部だったので暑さで外には誰も歩いていないのもあり、覚えている限りでは最も簡単な侵入だった。
「あっじー・・・なんでエアコン動かさねえんだ・・・。」
「しょうがないでしょ。提督命令なんだから。」
「クッソ。提督めー・・・。」
部屋の扉も全て開け放されており、そのうちの一つの部屋の中では海防艦佐渡と択捉が居た。潜水基地とは言え、潜水艦だけでは基地機能は保てないようで、基地周辺の警戒を行う海防艦は一定数居るようだった。
「潜水艦たちは良いよなー、こんな日でも海に入っちまえば暑さも関係ねえもんな・・・。」
「そうだね・・・司令が待機しろって言ってなければ私達も泳ぎに行けたんだけれどね。」
「ったくよー・・・。それで?その要人サマはいつ来るんだ?」
「鳳翔さんの情報だと佐世保駅からタクシーでくるみたい。」
####アプローチ発見####
「タクシー?専用車とかじゃねえのか?」
「一応極秘訪問ってことになってるから一般人を装ってるって言ってたよ。鳳翔さんの目からは逃れられなかったみたいだけど。」
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『ターゲットは佐世保駅からタクシーで来るみたいね。タクシーの中はクーラーも効いててさぞかし涼しいでしょう。でもタクシーって運転手と乗客を閉じ込める密室でもあるのよね。うまく利用すれば楽に暗殺ができるんじゃないかしら。』
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良いことを聞いた。いくつか良いプランが浮かんだので私は司令部施設を出て工廠へ戻ろうとした。
「いやーあついのね!」
「だからってその格好はどうかと思うわよ・・・。」
「あつすぎるのがいけないのね!しょうがないしょうがない!」
「ろーちゃんも、暑いのは苦手ですって・・・。」
「ろーちゃんも脱げばいいのね!」
・・・なるほど。確かにこれは司令部の将校には見せられないだろう。潜水艦伊19、伊168、呂500が並んで歩いてきているが、伊19のほうは靴だけ履いてほぼ全裸だ。おまけにその横の呂500を路上で脱がしにかかっている。確かに鎮守府施設内は男性職員はほとんど居ないが、それでももっと恥じらいくらいもったほうが良いと思うのだが。私は彼女らが通り過ぎるのを待った。
「こう暑くちゃてーとくとプロレスごっこもままならないのね。」
「プロレスって・・・。あんたまた勝手に司令官とヤったの?」
「はっちゃんが交代制にしましょうって言ってたですって!」
「しょうがないの。てーとくがイクをエッチな目で見てくるのが悪いのね。」
「そりゃ全裸ならそうなるでしょ・・・。」
こういう状況以外にも、ここの基地司令は艦娘との肉体関係ももっているらしい。確か情報によれば基地司令官と艦娘との間にはその手の関係を防止する条項があったはずだが、ココでは公然と無視されているようだ。大本営の将校に知られれば確かに軍法会議物だろう。そのまま艦娘たちは道を通り過ぎて離れていったので素早く道を渡り、工廠施設へ入った。
工廠内で先程見つけた“液体窒素”を回収した。取っ手がついているためそのまま持ち出すことに容易に成功した。ついでにスプレーボトルも同時に回収しておく。そのまま再び工廠内を進み、倉庫の方へ出る。今度は倉庫内には入らず、その外側の駐車スペースを進む。大型トラックの間を通り抜け、先程侵入に使用した学校のすぐ横までやってきた。侵入した窓はそれなりに高いところにあるため、こちら側から侵入するのは至難の業だ。私は学校の裏手である南側に回り込み、そこにあった学校の寮と思わしき建物の側までやってきた。無論、建物と此方側の間には有刺鉄線フェンスが設置されているが、ココで先程もってきたスプレーボトルが役に立つ。
スプレーボトルの中にもってきている液体窒素を少量入れる。液体窒素を入れても大丈夫なスプレーボトルなので問題なく噴霧できる。それをフェンスに向かって人一人通れる程度の大きさの円を描くように吹きかける。1周撒き終えると、付着した部分だけ白く凍りついている。フェンスを前後に少し揺らしただけで簡単にフェンスに穴が空いた。私は底を通って敷地の外へ出ることに成功した。
私は携帯を取り出し、タクシー会社に電話をかけた。
「はい。佐世保交通です。」
「タクシーを一台手配頼む。」
「ご利用ありがとうございます。現在地を教えていただけますでしょうか?」
「佐世保の看護専門学校の敷地内。少し奥にいる。」
「了解しました。直ぐに最寄りのタクシーが向かいます。」
しばらくすると、敷地内に黒いタクシーが入ってきた。私は手近な死角へタクシーを誘導する。止まったタクシーの運転手に話しかけた。
「済まないが荷物が思ったより重い。私は腰が悪いのでトランクに入れてもらえないだろうか。」
「わかりました。」
トランクが開き、タクシー運転手が荷物である地面においてある液体窒素のボトルを取ろうとかがみ込んだ瞬間、私は背後から運転手の首を絞めて気絶させた。タクシー運転手の服を借り、運転手は近くの茂みへ、そしてその場でタクシーに少しばかり改造を施す。具体的には外からは開くが中からは開かないようにだ。
助手席のシートの下に液体窒素ボトルを隠すと、私はタクシーを運転して佐世保駅へ向かった。
佐世保駅では幸運にもあまりタクシーは止まっていなかった。停まっていた数台のタクシーの運転手には話しかけ窓を開けてきたところを首を絞めて気絶させた。傍からは眠っているようにしか見えないだろう。周りの人間もまさかタクシーを強襲している人間が居るとは思わない上、少し暴れた後は直ぐにそのタクシーから離れているため気にもとめられていない。
そうこうしている間にターゲットが到着する時間になった。駅からはパラパラと人が出てくるが、皆一様にバスや徒歩で別の場所へ向かっていった。そんな中、カジュアルスーツに身を包んだ若い男がタクシー乗り場までやってきた。
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『アレが加山譲。キャリア組の中でも最近特に頭角を現してきたらしいわ。組織改革を全面に謳っていて、各方面から煙たがれている側面もあるみたい。』
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ターゲットはタクシーを順番に覗いていくが、私より前に止まっているタクシーは皆気絶させているので反応が帰ってこず、そのうち私のところまでやってきた。
「空いているか?」
「どうぞ。」
私は後部座席の扉を開けて招き入れる。
「助かった。前の連中はみんな揃いも揃ってこのクソ暑いのに居眠りときたもんだからな。」
「今日は暑いですからね。それで、どこまで?」
「ああ、佐世保第9潜水基地まで頼む。」
「わかりました。」
私はわざとクーラーを弱めに設定しつつ車を発進させた。しばらく走らせると案の定文句を言ってきた。
「ちょっとクーラー弱くないか?強くしてくれ。」
「すみません。今ちょっとこのクーラー不調でして。これ以上強くならないんです。」
「ちっ、このクソ暑い日に限って・・・。」
「一応冷やす方法はありますが・・・。」
「何?あるんだったら早く使いたまえ。」
「わかりました。しかしそれはトランクに入っているので一旦どこかに車を止めさせてもらいます。」
「ちっ、仕方ない。いいだろう。」
「ありがとうございます。」
私は大通りから逸れ、近くの路地に車を向かわせる。路地の路肩に駐車して社外に出る。その際、さり気なく助手席に隠してある液体窒素ボトルの蓋を外した。私はそのままトランクの中を弄りつつ時間が経つのを待った。
「おい、なんか車内が冷えてきたぞ。クーラー治ったんじゃないか?」
「すみません。もうちょっとかかります。」
液体窒素は、その名の通り窒素が液状化されて充填されている。気化すればそのまま窒素ガスになる。そして窒素ガスが急激に気化すれば、酸素を含んだ通常の空気が外へ押し出され、車内は窒素のみになる。それはじわじわと、酸素濃度を低下させる。おそらく既にターゲットは少し息苦しい程度に感じて入るだろうが、既にもう手遅れなのだ。
ガチャガチャ
「おい、ドアが開かないぞ!」
「・・・。」
ドアを開けようとする力もかなり弱っており、顔面蒼白になっている。そのうち、ターゲットはシートにもたれかかるようにして意識を手放した。
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『ターゲットの心肺停止を確認。彼の世はさぞかし涼しいでしょう。任務完了、帰還して頂戴。』
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私は工具をつかって助手席の扉を開ける。中からかなりの冷気が外に漏れ出てきた。私は助手席に置いてあったカバンの中から愛用スーツに着替えるとタクシーを置いてその場を後にした。
~~1時間後~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「おっせーなー・・・。」
「そうだな。」
「司令、遅すぎないですか?佐世保駅からここまで1時間もかからないですよね?」
「どこかで道草でも食ってるんだろ。」
「じゃあ俺たちも中で待ってていいかー?炎天下で突っ立ってたら艦娘だって熱中症でぶっ倒れちまうぜ。」
「そうだな。では中で待つとしよう。佐渡と択捉は間宮にいってきなさい。はい、間宮券。」
「はーい!やったー!」
「いくぜえ!えと!間宮に突撃だー!」
タッタッタッ
「提督。知ってますよね?待っていても来ないことは。」
「鳳翔、いつからそこに?」
「ついさっきからですよ。確認してきました。基地から500mほど離れた路上に放置されたタクシーの中から遺体で発見されたそうです。遺体は間違いなく加山でした。」
「そうか。では心置きなく私は“職務”に戻れるってことだな!」
「・・・。」
「うん?・・・ああ、君も“手伝って”くれるかい?」
「・・・お供します。と言いたいところですが、私は今回の事件の処理がありますので。」
「ああそうだったな。すまんないつも迷惑かけて。」
「いいんですよ。彼女たちも提督の“職務”のおかげで戦果は上がっていますから。」
「ふふん。では行ってくるよ。」
「はい。いってらっしゃいませ。」
「今回は外部の業者に頼んだと言っていましたが、一体何者・・・。証拠どころか痕跡すら残っていないとは・・・。」
~~ミッションコンプリート~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・「裏口入学」
【+1000】『看護学校の敷地内から出入りする。』
・「ラッキースケベ」
【+3000】『艦娘の裸を見る。』
・「クレイジータクシー」
【+1000】『タクシー運転手になりすます。』
・「冷房使用は程々に」
【+5000】『液体窒素で窒息死させる。』
ちょっとエロ要素あったけれどR-18つけるほどではないから付けなくてもいいよね・・・?
次回はもっと暑いところに行きます。