HITMAN2『世界線を超えた先に』   作:ふもふも早苗

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『こんばんわ。47。』

『今回向かってもらうのは幻想郷にある迷いの森ならぬ、迷いの竹林よ。』

『ターゲットは竹林の奥にある永遠亭に住む“蓬莱山輝夜”という人物。それと、その敵というかライバルと言うか、クライアントは“腐れ縁”だと言っていた“藤原妹紅”の2名よ。』

『実は今回の2人のターゲット、クライアントは別々の人物なの。しかも、蓬莱山輝夜を暗殺してほしいと頼んできたのは藤原妹紅、藤原妹紅を暗殺してほしいと頼んできたのは蓬莱山輝夜。どちらも考えることは一緒みたいね?』

『どちらも蓬莱の薬というもので不老不死化しているらしいから、最初は遂行できないとして依頼を断ったのだけれど、“殺したことになってくれればそれでいい”と言われてね。どちらかが殺され、どちらかが生き残ればそれで勝負が決すると考えているみたい。遊びに利用されているようで癪だけれど、任務は任務。追加料金もちゃんと徴収済みだから、悪いけれどこなしてきて頂戴。』

『準備は一任するわ。』




~準備~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・メンバー
【エージェント47】
・装備
【シルバーボーラー、香水型致死毒×2、魔法検知妨害装置】
・服装
【村人の服】





HITMAN2『相思相愛』

『迷いの竹林へようこそ。47。』

 

『この竹林は、大昔に大津波によって流されてきたという言い伝えがあるんですって。昼間でも薄暗く、また湿気が多いからなのか常時霧が立ち込めていて視界が悪い。さらに竹の成長速度の速さも相まって、足を踏み入れるたびに景色や道が変わってしまうことから、“迷いの竹林”と呼ばれているわ。人間はおろか、妖精や妖怪ですら迷うことがあるみたいね。』

 

『でも特に特殊な術がかけられているわけでもないただの視界不良の広大な竹林と言うだけだから、GPSを持っているあなたは迷うことはないはずよ。本来は最奥にある永遠亭という家の住人くらいしか正しい道順では抜けられないらしいけどね。』

 

『相手はかなり強敵よ。戦闘能力なら今まで戦ってきた中でも随一。十分に気をつけて頂戴。幸運を祈ってるわ。』

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

私は今、竹林の中を歩いている。試しに永遠亭の方向へ向かって何も見ずに歩いてみているが、まだ歩き始めて30分と経っていないがどうやら迷ったようだ。やはり迷いの竹林と言うだけはある。既に右も左も同じような竹林に囲まれており、縦横無尽に生い茂る竹は行く手を阻みつつ、方向感覚を絶妙に狂わせる。

 

私はとりあえず一旦GPSを見ることにした。幸いGPSを見ることにしたの障害になるような磁気を発する岩石などはなく、私の現在位置を正確に表示してくれた。それによると、私は真っすぐ進んでいたつもりだったが、地図上では東方向に2キロほどズレてしまっている。これではたどり着くことは不可能だろう。私はGPSを頼りにまずは元の最短ルートへ戻ることにした。

 

しばらく歩き、そろそろルート上に戻ろうかというところで前方に人影が見えた。人影は段々と濃くなっていき、霧の中から姿を表した。現れたのは頭に耳の生えた子供だった。

 

 

「あれ?おじさん人間?」

「君は・・・?」

「私は因幡てゐ。おじさんもしかして迷い人?」

「・・・ああ。永遠亭に行きたいのだが。」

「案内人もなしにかい?おじさん結構無茶するねえ。よしわかった。私が案内してあげるよ。」

「いいのか?」

「いいよ。お師匠のお客っぽいし。」

「ありがとう。この道はみんな通る道なのか?」

「んー、まあ私や里の蓬莱人はよく通るかな。」

####アプローチ発見####

「そうなのか。それ以外に通ることは?」

「めったに無いね。ああでも鈴仙は里に薬売りに行く時にたまに通るかな。まあもっぱら空飛んじゃうけど。」

「そうなのか。」

 

 

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『里の蓬莱人というのはおそらく藤原妹紅のことね。彼女が通るということはここで待ち伏せていれば彼女に会えるということ。向こうからやってくるのを待つのも一手じゃないかしら?』

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待ち伏せして奇襲は偶にやる方法ではあるが、藤原妹紅はかなりの戦闘経験があるらしいので待ち伏せの気配なども察知される危険性が高い。銃による狙撃ならばまだ多少はマシではあるだろうが・・・。とりあえずこの道は何箇所か地図上にマーキングすることにした。そうこうしているうちに目の前に建物が見えてきた。

 

 

「着いたよ。永遠亭さ。」

「ありがとう。恩に着る。」

「いいって。その代わり・・・道案内は因幡てゐがやったってお師匠に伝えて頂戴。」

「構わないが何故だ?」

「あとでお駄賃がもらえるかもしれないからね。」ウシシ

「そういうことか。わかった伝えよう。」

 

 

その後彼女は別の用事があると行って再び竹林に入って行き見えなくなった。伝えることはできる、だがおそらく駄賃はもらえないと思うがな。私は永遠亭の外壁に沿って侵入できそうなところがないか探った。裏口などは見当たらなかったが、塀自体は竹製であり高さもそれほどではないため乗り越えることはできるだろう。一応常備している手鏡で塀の向こう側を確認した後、一気に乗り越えた。乗り越えた瞬間に魔法検知妨害装置が動き出したところから見て、見かけによらず防犯対策は万全のようだ。

 

屋敷は純粋な日本家屋で、一見すると防犯意識は低いように見えるが、至るところにトラップが仕掛けられていてもおかしくない雰囲気はある。私はできる限り慎重にかつ誰にも見つからないように移動した。念の為靴は脱いで縁側の下に隠し、忍び足で室内にはいる。まだ侵入が発覚していないためか各種防犯用の装置は作動していないようだ。

 

いくつかの部屋に聞き耳を立てた所、一つの部屋の中から何やら電子音が聞こえてくる。私は慎重に扉を開けると・・・。

 

 

「ちょ!?そこでそれはチートでしょ!?」

「ああ!あんたはそこじゃない!あっちの敵倒しなさいよ!」

「ああ!やられた!だから言ったじゃないの!あんた馬鹿でしょ?!」

 

 

・・・ターゲットと思わしき女性が茶と煎餅を手に寝っ転がりながらテレビゲームに興じていた。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『アレがターゲットである、蓬莱山輝夜よ。信じられないかもしれないけれど一応月のお姫様らしいわ。傍目から見るとただのだらけた現代人にしかみえないけれどね。』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

まあ、ターゲットがどういう人物かは元より関係無いが、こういう相手は初めてだ。だがゲームに熱中していてこちらが覗いていることにも気がついていないのには非常にやりやすいと言える。後はどうやって暗殺するか。背後から首を絞めるにしても術や体術で抵抗される可能性が高い。やはりこいつを使うしかなさそうだ。

 

私は懐から致死毒入りの小瓶を1つ取り出した。この小瓶は形を香水の瓶に似せており、実際香水の容器としても使用可能だ。だが今回は中にはいっているのは香水ではなく特製の神経毒(Новичо́к)だが。

 

 

「あー!もう!なんでうまく行かないのよぉ!!」ジタバタ

 

 

ゲームの調子が悪いのか軽い癇癪を起こしている。床をバンバン叩きつけて振動が起きているのでその振動に乗じて彼女の近くに香水の瓶を転がして襖を閉めた。

 

 

「ううう・・まったくもう・・・ってあら?こんなのあったかしら?」

「香水・・・?どんなのだったかしら・・・。気分転換が必要ね。ちょっと試してみましょう。」

プシュ

「んー?なんの匂いもしないじゃない・・・足りないのかしら?」

プシュプシュプシュ

 

「あら・・・息が・・・!なに・・・これ・・・。」

 

 

バタッ

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『ターゲットダウン。とりあえず蓬莱山輝夜は暗殺できたわね。後は藤原妹紅よ。蓬莱山輝夜の方は直ぐにリザレクション、生き返るはずだから早めにその場を脱出したほうがいいわね。』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

私は隣の部屋にあった紙を一枚拝借し、簡単に礼を書くとそれを襖の隙間から部屋の中に滑り込ませる。その後は比較的急いで屋敷の外に出る。まだ誰にも気が付かれては居ないため、それ用の術も追ってもない。屋敷のすぐ横におそらく庭の手入れ用の用具入れを発見した。扉が空いており、中にのこぎりがあるのが見えた。竹を切る時に使えるかもしれないので拝借していくことにする。そのまま最初に乗り越えた塀を乗り越え、竹林にはいる。

 

竹林の奥に入り、建物が見えなくなったのを確認すると、今度は藤原妹紅の暗殺にシフトすることにする。まずはよく通ると聞いた道、GPSのマーカーの位置へ向かった。

 

マーカーの位置につくまでにプランを考える。シルバーボーラーで狙撃するのも出来なくはないだろうが、その後復活した時にこちらの位置が悟られやすくなってしまう。幸いにして致死毒の香水瓶はまだ残っている。これを使ってトラップを仕掛けることにした。

 

まず手近な竹をのこぎりで伐採。割ったり切断したり組み合わせたりなどして、簡易的ではあるが感圧板式のブービートラップを制作した。感圧板を踏むとロックが外れ、竹のしなりを利用してバネのように先端を鋭利にした竹が横から襲いかかるという寸法である。だがこれだけではただ傷を負わせるくらいしか出来ないだろう。そこでこいつの出番だ。

 

 

GPSのマーカーの位置まで来た。周りには誰も居ないが、地面には近くまでこないとわからない程度にうっすらとではあるが獣道が出来ているのがわかる。その獣道に沿って先程のブービートラップをセットする。あとはターゲットが来てくれるのを待つばかり。そのまま少し離れて待機することにする。

 

10分ほどした後、竹林の外の方向から誰かが歩いてきた。先程の因幡てゐとは違うもっと長身の女性だ。

 

 

「ふんふふーん♪今日はたくさん売れたなあ・・・。」

 

 

・・・まずい。ブレザーの制服のような格好と長いウサギ耳。明らかに藤原妹紅ではない。別の人物だ。このままで要らぬ被害が発生してしまうだろう。私は呼び止めようと身を乗り出そうとした瞬間気がついた。こんな竹林のど真ん中で偶然を装って出会うのはあまりにも不自然だ。十中八九なにかしていたと思われる。どうしたものかと思案した結果、私はシルバーボーラーで仕掛けたブービートラップの近くの地面を撃った。

 

パシュン

ガサッ

 

「ん?今なにか音がしたよう・・・って!なにこれ!?」

「危ないなあもう・・・。よいしょっと。」ガシャ

「これでよしっと。こんなものを仕掛けるなんて、またてゐね!戻ったら覚悟しときなさいよ!」

スタスタスタ…

 

 

先ほど出会った因幡てゐは相当ないたずら好きと認識されているようだ。あのトラップは完全に殺傷用なのでいたずらどころでは済まないと思うのだが。ともかく私は彼女が過ぎ去って見えなくなったのを確認した後、トラップを仕掛け直し、撃った弾丸も念の為回収した。

 

また隠れ始めてさらに10分ほど経過した時、また外側から人影が近づいてきた。先程とあまり変わらない背丈ではあるが、今回は髪の毛が白髪であり、赤い袴のような格好をした人物だ。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『アレが藤原妹紅よ。炎の使い手を巧みに操って相手を燃やし尽くすのを得意としているみたいね。あなたは会ったことはないかもしれないけれど、シルバーたちは一度会っているわ。ICAは一応記憶処理は施したけれど、依頼を行ってきたということは記憶処理が不完全である可能性が高い。接触はできる限り避けてちょうだいね。』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

今度はシルバーボーラーを撃ったりせず、そのまま成り行きを見守る。地面は竹の葉の落ち葉で覆われており、よほどのことがなければ計画通りに事が運ぶはずである。彼女はそのまま道を少しにやけた顔で進んできた。

 

 

「ふふふ・・・私が送り込んだ暗殺者によって今頃アイツは・・・ククク。」

「でもあの町人、なんだって凄腕暗殺者の連絡先なんか知ってたんだろうなあ・・・。」

カチッ

ヒュン

「む!」シュッ!

バァン!ガシャン!

「ふん、輝夜め。こんな初歩的なトラップで私を殺そうなど・・・。」

「・・・うっ!?なんだこれ・・・体が・・・うぐ・・・。」

 

バタッ

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『ターゲットの死亡を確認。とりあえず任務は完了ね。お疲れ様。彼女が復活する前に撤退して頂戴。』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

あのブービートラップは一見すると鋭利な竹先による刺殺を狙っているように思えるが、その竹の内部に神経毒の香水瓶を仕込んで、端から迎撃されることを想定した作りになっている。案の定、戦闘能力に優れた藤原妹紅は、バネの力で迫りくる竹を回し蹴りで一蹴していた。しかしそうやって竹を破壊すれば中にある香水瓶も割れる。そして神経毒が辺り一面に撒き散らされるのだ。この竹林は霧が立ち込めているので風はほぼ無風。要らぬところへ広がる心配もないだろう。それに永遠亭には優秀な医者がいると聞いている。万が一のときでも適切な対処は可能であろう。

 

私はそのままルートを大きく迂回する形で竹林を脱出した。

 

 

 

 

 

~~翌日~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

「ふふふ!私の送った刺客にまんまとやられるとは、あなたもまだまだね、妹紅?」

「何言ってやがる。私の送った刺客にまんまとやられたのはお前も同じだろ!」

「ハイハイ二人共。私に言うことあるわよね?」

「ありがとう。永琳。」

「ありがとう。永琳。」

「よろしい。私がすぐに駆けつけなかったら他の因幡達にも被害が出てましたよ。」

「で、でも私は永琳がすぐに駆けつけてくれたから3回死んだだけですんだし!」

「うぐ!」

「妹紅ちゃんは~?何回死んだんだっけ~?」

「・・・6回。」

「あらあら~?」

「仕方ないだろ!毒はあたりに滞留してたし、鈴仙がくるまで動けなかったんだから!」

「でも良かったわ。見つけたのが鈴仙で。ワ-ハクタクでもあの毒にやられたらひとたまりもなかったわよ。」

「そんな強力な毒だったの?」

「ええ。私も一度死にかけましたからね。」

「そんな者どこで手に入れたんだ一体・・・河童は薬物作らないし・・・。」

「永遠亭でもあんな毒は置いていないわ。」

「となると・・・あいつね。」

「・・・あいつか・・・。」

「・・・。」

「(八雲紫はそんな面倒なことはしない。ならば誰が・・・。ちょっと調べてみましょうか。)」

 

「とりあえず私が3回。妹紅が6回死んだんだから今回は私の勝ちね!」

「う~!くっそお!」

 

「(・・・まずはこの二人にお灸をすえるのが先ね。あとてゐも。)」

 

 

 

~~ミッションコンプリート~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

・「幸運の白兎」

 【+1000】『因幡てゐに会う。』

 

・「セルフ人体実験」

 【+5000】『ターゲットに自ら毒を使用させて暗殺する。』

 

・「つくってワクワク」

 【+3000】『ブービートラップを作成する。』

 

・「透明化の秘薬」

 【+3000】『ターゲット二人に存在を検知されない。』




今回はちょっと短めです。迷いの竹林が地形と霧で迷いやすいだけでなにか特殊な術がかけられてるわけでないというのは書いていて初めて知りました。

ちょっとネタの補充のためにエージェント47は2~3回ほどお休みさせていただきます。
その間は他の三人に頑張ってもらいましょうか・・・。
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