HITMAN2『世界線を超えた先に』   作:ふもふも早苗

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『こんにちは!今日はよろしくお願いしますね!キュラソーさん!』

『今回の目的地は今まさに暴動が起きかけているモロッコ共和国の首都、マラケシュです。』

『ターゲットは2人、元銀行取締役のクラウス・ストランドバーグとモロッコ軍のレーザ・ゼイダン将軍です。彼らはモロッコ政府の転覆を画策しているみたいです。』

『ストランドバーグはモロッコ国民の預金を不正に横領して、不正投資の疑いで裁判になる予定でした。でも本日未明に護送中のストランドバーグを何者かが襲撃、開放してしまいました。ストランドバーグはスウェーデン領事館に逃げ込んでいます。』

『モロッコ国民は彼の身柄をモロッコ政府に引き渡すようにデモを続けているみたいです。ICA情報部の調査の結果、ゼイダン将軍が国家規模の暴動を理由に戒厳令を発令するために、ストランドバーグを利用したと情報部は結論づけました。』

『ゼイダン将軍は近くの学校に臨時作戦司令本部を構えています。暴動が発生すればそれを利用して、ラバト政権の弱さと無能さを民衆に見せしめて、“国家の安全保障”を理由にしてクーデターを起こすつもりのようです。』

『クライアントは建設会社“ハミルトン・ロウ”。この会社はモロッコの現政府から多くの事業を請け負っている会社で、クーデターが起きればそれらの事業が大量に失われてしまうことを懸念してクーデターの阻止を依頼してきました。』

『ゼイダン将軍を暗殺することで反乱軍を無力化しつつ、ストランドバーグを暗殺して、暴動をこれ以上激化させないようにするのが目的です。・・・そうです。これは二重契約になっています。国家の存亡を左右するかなり政治的に危険な任務となります。失敗すれば最悪の場合、モロッコにNATO軍が押しかけて北アフリカ全体の情勢不安につながる可能性も・・・。』

『準備は一任されています。頑張ってください!』




~準備~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・メンバー
【エージェント68】
・装備
【HWK21迷彩仕様、ワイヤー、コイン×3、】
・服装
【愛用レディースリクルートスーツ】




HITMAN番外編『黄金の鳥籠』

『マラケシュへようこそ!キュラソーさん。』

 

『緊張はますます高まっています。領事館は既に封鎖されており、民衆がいつ暴徒化してもおかしくない状況です。』

 

『もし暴徒化すれば、ゼイダン将軍は躊躇いなく軍を動かすでしょう。』

 

『作戦は任せます。ですが急いでください。時間はあまりありません。』

 

『幸運を・・・祈ります。』

 

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ブロロロロ…キーッ

ガチャ

 

車が止まった。私は予め決められた秒数待機したあと、車のトランクから這い出した。

 

 

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『領事館に到着しました。安全のため運転手は退避させます。頑張ってください!』

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さて、問題は領事館の地下駐車場からどうやってストランドバーグのところまで行くかだけれど。

 

ひとまず目の前にある倉庫を調べてなにか役立つものがないか調べることにした。扉は鍵がかかっておらず、中もそれほど重要なものはなかったが、ドライバーを見つけたので念の為拾っておく。

 

倉庫を出て左へ進む。壁に張り付いて向こう側を確認すると、赤い帽子をかぶった将校を含めた兵士数人がうろついていた。このままでは見つからずに通り抜けるのは難しいだろう。・・・早速ドライバーの使い所だ。私は壁に向かってドライバーを放り投げた。

 

 

カランカラン

「ん?何だ今の音は。」

 

 

即座に拾い直し、倉庫の中へ隠れる。兵士が一人近寄ってきたので倉庫内で今度は中にあったプロパンの缶を床に転がした。案の定兵士は不審な音を確認するために倉庫内に入ってきた。

 

 

「んー・・・何もないようだな・・・。」

ガバッ

「むぐぅ!」

ムー!ムー!ムー・・・

ドサッ

 

 

後ろから首を絞めて気絶させた。そのまま近くにある木箱の中へ放り込んでおく。もう一度兵士たちが居るところを確認しに言った所、特に騒ぎにはなっていないようだったので、今度は近くの装甲車の傍にあった軍用無線機のスイッチを入れた。入れた途端、大きな音で飛び交う無線を受信した。案の定今度は将校がそれを確認しにやってきた。

 

 

「はぁ・・・。誰だ、点けたのは・・・。」

カチッ

「これでよしっと・・・。」

ヒュッ ゴン!

「ぐわ!」

ドサッ

 

 

思いっきり後頭部にプロパンの缶が直撃した。死んでないといいのだけれど。近くによって気絶で済んでることを確認した後、別の兵士に気が付かれないように慎重に倉庫内へ運んだ。

 

・・・この将校。引きずって箱の中に入れるときに気がついたが、私と体格がよく似ている。もしやと思い、将校の服を脱がせ、自分で着てみると驚くほどしっくり来た。47お得意の変装が私にもできることに若干の感動を覚えつつ、彼らが持っていたアサルトライフルを片手に兵士たちの前に出てみる。

 

 

「問題ないか?」

「はっ!異常はありません!」

 

 

よしよし。こちらの顔はあまり気にしてはいないようね。どうやら服装で階級を確認して対応するようにマニュアル化されている。そのままその場にいる兵士は全員気が付かないようなので、兵士たちの真ん中の机の上にあるカードキーとトラックの鍵をなんの問題もなく拝借することが出来た。

 

そのまま奥の扉をカードキーで開ける。その先は倉庫になっていたが、そのさらに奥は領事館内と階段でつながっていた。階段を登ると、兵士と警備員が何やら話している。

 

 

「ではお互いそれでいいかな?」

「ああ、ああ。わかった。ただ・・・もっと情報を共有しても・・・。」

「必要ない。命令は命令だ。いいか、俺らが建物内をうろつくよりマシだ。不安を煽るだけだからな。」

 

 

館内の警備担当割当について話していたようだが、その会話には目もくれず隣の階段を駆け上がる。階段を上がってすぐに左に小部屋があったのでそこへ潜り込んだ。そのまま向こう側に抜けようとした所、扉の直ぐ側に警備員が立っていた。

 

あの警備員は通り抜けるにしてもここから暗殺するにしてもどちらにしろ邪魔になるだろう。早めに手を打っておくに越したことはない。私は部屋の中を見回してなにか使えそうなものを探した。工具棚にレンチを見つけ、壁際に掃除機も見つけた。この2つでやってみよう。

 

掃除機のスイッチを入れる。大きな音をたてながら掃除機が稼働し始める。私は掃除機とは逆の壁際に身を潜める。

 

 

ガチャ

「何だ何だこの音は。」

「何だ掃除機じゃねえか。なんで勝手についたんだ?」

カチッ

「これでよしっと。」

ゴッ!

「ぎゃ!」

ドサッ

 

 

掃除機に気を取られている隙に背後からレンチで後頭部を殴打した。警備員は気絶したのでそのまま部屋の中にある木箱に押し込んでおく。さてここからどうするか・・・。

 

 

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『キュラソーさん。スウェーデン外務省に潜入中のインフォーマントから情報です。ストランドバーグは本日GNNのインタビューを領事館内で受ける予定になっています。もしかしたらインタビュー中を狙えるかもしれません。』

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ふむ。そういうことなら待つのも一手かもしれない。丁度この小部屋のすぐ先が領事館の外交部門の応接間になっており、インタビューもおそらくここでやるのが予想される。丁度2階の踊り場から狙撃できるかもしれない。

 

しばらく待っていると、予想外の方向からターゲットがやってきた。私が待っている廊下にやってきたのだ。

 

 

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『来ましたね。彼がクラウス・ストランドバーグです。モロッコの最重要指名手配犯です。』

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都合がいいことに彼は領事館の中なので安心しきっているのか、不用心にも単独で歩き回っていたようだ。私は扉を開けておき、コインを自分の足元に転がした。

 

 

チャリンチャリン

「うん?今の音は?」

 

 

転がした後すぐにコインを回収、扉の脇に潜む。一回では扉の中へ入ってきてはくれなかったので、扉が開いているうちに部屋の奥にコインを放り投げる。

 

チャリンチャリン

「まただ。部屋の中からか?なんの音だ。」

コッコッコッ

「ふうむ・・・なにもない」

シュルルルグイッ

「うぐっ!」

グググ・・・

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『ターゲットダウン。お見事です!後はレーザ・ゼイダン将軍だけですね!』

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部屋に入ってきたところを後ろからワイヤーで素早く首を絞めた。少しの間抵抗していたがすぐに動かなくなった。そのまま死体を引きずり、警備員と同じ木箱に放り込んでおく。

 

ターゲットが始末できたらこんな所もう用はない。来た道を戻り、駐車場まで戻った。そのまま地下通路を通って学校へ向かう。途中何人もの兵士とすれ違ったが、みんな服装で将校だと思いこんでおり、気にもとめないどころか敬礼までされる始末だ。この国の軍の警備体制が心配になってくる。

 

地下通路を出て、正面から学校へ接近する。検問も何もかもこの格好なら全てスルーだ。学校の敷地内で警備もせずに話し込んでいる2人が居た。さり気なく聞き耳を立ててみる。

 

 

「頻繁に将軍が来て囚人を確認している。親しい仲だったらしいが何をやったんだ?気の毒なやつだ。」

「聞いた話じゃ、今朝ストランドバーグを脱走させた時、殺された警官の一人が兄貴だったらしい。で、それに怒った彼はすべての計画を暴露しようとしたらしい。」

「そりゃ賢くねえな・・・。」

####アプローチ発見####

 

 

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『檻房の囚人はゼイダン将軍の元側近だそうです。しかし、警官をしていた彼のお兄さんがストランドバーグ脱走の時の銃撃戦で命を落としてしまったようです。それに怒った彼は反旗を翻し、事実を公表しようとしたようです。でも結局公表前に拘束され、この学校の一室に投獄されたようです。』

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「だが・・・良いやつなんだよ。銃殺隊に指名されなくてよかったよ。」

「確かに。」

 

 

なるほど。元側近という立場の人間を尋問するのであれば、余計な情報流出を避けるために将軍自ら尋問するかもしれないわね。ということは囚人になりすますことができれば将軍と二人きりになれるかもしれないということね。

 

私はそのまま学校内に侵入した。校庭で別の将校がなにか怒り心頭だったけれど、兵士に何かを叫んでいてこちらには気がついていない。そのまま通り過ぎて学校に正面から堂々と入ってやった。

 

 

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『侵入成功ですね。お見事です。ではゼイダン将軍を探しましょう。』

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そのまま構内を探索していると、一番東側の部屋に兵士が二人立っているのを発見した。通り過ぎざまに部屋の中を確認すると、囚人と思わしき男が頭に袋を被せられて椅子に縛り付けられていた。

 

私は部屋に入り、できる限りの低い声で兵士たちに話しかけた。

 

 

「ここはいい。休息を取れ。ゼイダン将軍の指示だ。」

「はっ!了解しました!」

「ありがとうございます!失礼します!」

 

 

少し不安だったが無事に誤魔化せた。兵士が外に出るのを確認すると、私は囚人に近づいた。

 

 

「くっそ、誰かそこにいるのか?!」

「少し眠っていて頂戴。」

「は?何を」

ゴッ

「ぐわっ!」

 

 

レンチで殴って気絶させた。私は彼の縄を解き、引きずって近くのロッカーに押し込んだ。そのままそこで囚人の服に着替えて・・・っと、少し胸がきついかしら・・・。

 

なんとか着替え終えた後、椅子に座ってまとうかという段階で気がついた。いくら何でも囚人が背中にアサルトライフルを背負っているのはおかしい。私は地下通路で拾ったバールで近くの扉を開けて扉の向こう側にアサルトライフルを放り投げた。

 

椅子に座り、頭から袋をかぶって椅子の後ろに差も縛られているかのように手を回す。そしてそのまま将軍が来るのを待つことにした。胸が少し盛り上がっているのは少しかがめばごまかせるでしょう。

 

 

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『いいですね!動けない囚人なら警戒されることもないはずです!』

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しばらくそうしていると、部屋の中に誰かが入ってきた。袋で見えないが、他に足音や気配はせず、そして銃の出す金属音もしないことからおそらく、ゼイダン将軍ね。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『彼がレーザ・ゼイダン将軍です。平和の番人ってところですかね。“元”ですけど。』

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「決断のときだサイード。どう料理すべきかな?」

「寝てるのか?サイード。睡眠は十分足りているだろう?」

 

 

息遣いがすぐ近くまで聞こえてくる。顔をだいぶ近くまで寄せてきたようだ。その気配と声の方向から位置を予測し、勢いよく頭突きを食らわせた。

 

 

ゴッ!

「ぐわ!」

ガシッ コキャ

ドサッ

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『ターゲット2人とも暗殺完了です。ご苦労さまでした!脱出してください!』

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頭突きでのけぞって怯んだゼイダン将軍の首を即座に掴み、そのまま首の骨を折った。念の為、ゼイダン将軍の死体は囚人と仲良くロッカーへ放り込んでおく。囚人の彼は気がついたらびっくりするでしょうね。もしかしたら将軍殺しの汚名を着せられるかもしれないけれど。

 

私は将校の服に着替え直してまた正門から外に出た。近くに軍用トラックが止めてあり、先程駐車場で拾ったキーが使えるかもしれないと扉の鍵穴にさしてみたところ、見事に一致したのでそのままそのトラックを運転して脱出した。

 

 

 

 

 

 

 

~~3日後~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

『47。少しいいかしら。』

「なんだ。」

『シルバー、ブルー、タバサ達が調査した結果、ICA情報部の人員全員記憶処理に関する違反や漏洩は見られなかったわ。もっと別の要因がある。』

「ふむ。ならば外部か?」

『その可能性は高くなったわね。』

「まずはその勢力を特定するところから始めないといけないようだな。例の亡霊はどうなった?」

『亡霊の調査は戦略AIがネットワークを探し回っているわ。通常のインターネットに加えて、ディープウェブやTorもくまなく調べているからかなり時間がかかっているわね。』

「ディープウェブの捜索をAIにまかせて大丈夫なのか?」

『私達の戦略AIは表の世界のスーパーコンピュータを数世代先を行く量子コンピュータよ。人間のハッキング能力では数千人束になってかかっても勝てる見込みは皆無ね。もし勝てる存在がいるとしたら同じく量子コンピューターでしょうね。』

「なるほど。ではそちらはAIに任せるとして。我々は何をするんだ?」

『私達は紙媒体の情報やクローズドネットワークの情報を集める。あなたも協力してもらうわ。』

「腕の傷は完治した。いつでも任務を遂行できる。」

『いくつかの暗殺の案件が入っているわ。ワールドセーフティも問題なく動いている。いくつか新しい世界も見つかっていてね、現在情報部が調査中よ。』

「ワールドセーフティの故障の可能性はないのか?」

『無いわね。先の実験体事件の教訓から、渡界機とワールドセーフティを戦術AIでつないでいるから、なにか不具合があればAIが自動で検知して知らせた後、修復することになっているわ。』

「・・・そうか。」

『戦術AIと戦略AIもタキオン通信でつながってるわ。不安?』

「いや。懸念だな。」

 

 

 

~~ミッションコンプリート~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

・「警備をお掃除」

 【+1000】『掃除機でおびき寄せる』

 

・「我が物顔」

 【+3000】『将校の服を着て地下通路を通り抜ける。』

 

・「緊張の糸」

 【+1000】『3人以上気絶させる』

 

・「ステータス」

 【+3000】『囚人に変装する。その際、女であることを悟られてはならない。』




シルバーたちに出来ないけれどキュラソーにはできることは、類まれなる身体能力と47に負けない臨機応変さだと思います。


次回は47がはっちゃけます。もしかしたら他の人がはっちゃける側かもしれませんが。
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