HITMAN2『世界線を超えた先に』   作:ふもふも早苗

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『おはよう。47。』

『今回向かってもらうのは日本の富坂市というところよ。ここは土地の有効活用を目的とした地下造成計画“ジオフロンティア計画”に基づいて開発が行われた街で、市内6箇所にジオセクションと呼ばれている地下都市が広がっているわ。』

『でも今現在、観測史上最多降水量を記録している大雨が現地を襲っているわ。そのせいで各ジオセクションで大規模災害が発生しつつある。非常に危険な状況よ。既に韮沢ジオセクションでは各種陥没と施設の崩壊が始まってるのが確認されているわ。』

『なんでそんなところに向かってもらうかというと、実はそこで任務遂行中だったシルバーとキュラソーと連絡が取れなくなっているのよ。彼らのことだから災害に巻き込まれて死んだということは考えにくい。我々も無人機を派遣したりしてみたのだけれど、あの世界特有の事象によって無人機や航空機はうまく動けないの。だからあなたに行ってもらいたいわけ。』

『あなたの今回の任務はシルバーとキュラソーを救出、合流して帰還させること。簡単そうに聞こえるけれど、現地の交通機関は殆ど止まっている上に、技術部の観測ではこれからますます水害はひどくなっていくと予想されている。事態は一刻を争うわ。できる限り急いで。』

『準備は一任するわ。』


~準備~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・メンバー
【エージェント47】
・装備
【バール、ワイヤーロープ】
・服装
【愛用スーツ】





HITMAN2『ディザスター・レポート』

『富坂市へようこそ。47。』

 

『この世界は発見されたばかりでね。まだ我々の通信衛星が整備されていないから現地の携帯基地局を使って通信を行っていたのだけれど、どうやらその基地局は早々に崩壊したみたい。そのせいでシルバー達と連絡が取れなくなっているわ。』

 

『47。あなたには技術部が作った特製のタキオン通信機をもたせるわね。これで私達との連絡が途絶えることはないわ。シルバー達2人分のも同時にもたせるから彼らに合流したら渡して頂戴。』

 

『あなたが今いるのは梅川区よ。できるならばそこにあるICAの臨時セーフハウスへ連れてきて頂戴。シルバー達が向かったのは韮沢ジオセクションのショッピングモール。ここから川を挟んで5~6キロってところかしら。』

 

『事態は急を要するけれど、水害にも気をつけてね。幸運を祈ってるわ。』

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

~キュラソーside~

 

 

「な、なによこれ・・・。」

 

 

吹き抜けに戻ってきた途端、館内は停電した。それとほぼ同時に地下7階、このすぐ下の階層の側面から勢いよく吹き抜けの下に向かって水が流れ落ち始めている。あんなところに滝など流れてなかったはず。時折大きな音がしてはいろいろな箇所から水が溢れ出ている。いろいろな箇所が崩れ始めており、このままでは地下施設全体が水没するのも時間の問題。エレベーターは当然のように動かず、非常階段も出入り口から水が吹き出している始末。これは・・・かなりまずい状況ね。

 

 

「キュラソーさん!」

「!シルバー!」

「掴まってください!」

 

 

上の階から大きな鳥、シルバーいわくドンカラスというポケモンらしいけれど。それに掴まりながらシルバーが降りてきた。私は彼の手を取って引き上げてもらい一緒にドンカラスに掴まった。

 

 

「シルバー、これは一体!」

「大雨で近くの川が氾濫したみたいです。ここももうすぐ崩壊する可能性が。」

「欠陥構造にもほどがあるわね。でもこんな早く水が来るかしら・・・?」

「とりあえずこのまま一旦外へ出ましょう。」

「そうね。このまま上へ・・・。」

 

 

ドンカラスに掴まって上昇し、地下3階まで上がったその時。

 

 

ゴゴゴゴゴ

「な、なんだ?」

ガャシャーン!!

「うわ!!」

「シルバー!横へ避けるのよ!」

「ドンカラス!」

ガー!

ガラガラガラ

 

 

ガシャーン!

 

 

天井部分で雨風を防いでいたガラス天井が突如として崩壊した。上からは大型トラックや乗用車、はては道路標識や信号機まで水に流されて落ちてきている。私達はとっさに地下3階めがけ急旋回、間一髪で難を逃れることに成功した。しかし・・・。

 

 

「ドンカラス!大丈夫か!」

カ、カァ・・・

「翼を怪我している。おそらくガラス片で切ったのね。これではもう飛べないわね・・・。」

「すまない、ドンカラス。ボールの中でゆっくり休んでてくれ。」バシューン

「それにしても弱ったわね。これでは上の階までどうやって行くか・・・。」

「階段は・・・だめだ。瓦礫で埋まってる。エレベーターは扉が開けっ放しで動きそうにない。」

「となると、やっぱり自力で上に登るしかないわね。」

「!!キュラソーさん!下!」

「水嵩が増えてきている!このままだとここも水没しかねないわ!とにかく上に登る方法を探すわよ!」

「はい!」

 

 

私達は手分けして登れるところがないか探した。しかしまともな道など既になく、上りエスカレーターも途中で瓦礫片によって塞がれてしまっている。だが他に道がないためここを通るしかなさそうだ。

 

 

「瓦礫どかします!出てこい!オーダイル!」グワー!

「オーダイル!この瓦礫をどかすんだ!」

ガラガラガラ

ドボーン!

 

 

オーダイルは腕力を使って瓦礫を少しだけ持ち上げ、そのまま横にずらして階下に落とした。階下では中々な波が立ったようだ。

 

 

「よし、これで通れる!」

グラグラグラ

「シルバー!離れなさい!」

「うわ!柱が!」

ガラガラガラガシャーン!

 

 

大きな瓦礫をどかしたことや、オーダイルの重量でこの近辺の重量バランスが崩れたのか、隣りにあった柱がまるごとすっぽぬけ、そのまま瓦礫を撒き散らしながら吹き抜けの反対側に向かって倒れ込んだ。派手な音を立ててぶつかり、そのまま止まった。

 

 

「チャンスよ。この柱を伝いましょう!」

「了解!」

 

 

私達はダッシュで柱でできた橋を伝って反対側に渡った。渡った先は地下2階のようだ。渡った直後、柱は音を立てて真ん中から折れ、そのまま階下に崩れ去った。一番下の水面には何人かはしごを登ろうとしていた客と思わしき人影があった。柱が落下したことによって大きな波が立ち、その波がのこっていた数人の人影を消し去った。

 

 

「間一髪でしたね・・・。」

「休んでる暇はないわ。早く地上に出ないと。ここもいつ崩れるか・・・。」

 

 

つかの間の休憩をとっているさなか、またもや私達のいるフロアが音を立てて崩れ始めた。私達は急いでまだ無事なエスカレーターを通り、地下1階へ。そのまま地上へと脱出した。

 

 

 

 

 

 

~47side~

 

 

 

「“韮沢区の○×ストアなどでは床上まで浸水している映像がSNS上に挙げられており・・・”」

 

 

ラジオが災害情報を流し続けている。梅川区のセーフハウスは今の所道路が一部川のようになっているだけで浸水被害などはない。だがこの雨の様子だと遠からずここも浸水が始まることだろう。幸いセーフハウスはマンションの6階部分にあるため沈むことはないだろう。私は災害用の準備を整え、セーフハウスをあとにした。

 

マンション地下の駐車場から車で出発する。道路は相当に混んでいるため韮沢区に到達するのにだいぶ時間がかかりそうだ。しかし2人の回収が目的なので徒歩で行くわけにも行かない。この点は諦めるほかないだろう。

 

幹線道路を西に進み、川を2つ超えた途端に道路が完全に冠水している地点まで来た。警察車両が道を塞いでおり、その先はまさに川だ。私は橋の上に車を止め、誘導している警察官に声をかけた。

 

 

「韮沢ジオセクションまで行きたいのだが。」

「あんた正気か?これが見えないのか?韮沢ジオセクション周辺は一番浸水被害がひどいところだ。交通機関は全部ストップしてるし、道路は冠水。どうやったって行けるわけがない。」

「だが私の友人がそこにいて迎えに来てほしいと。」

「だったらおそらく避難してると思うぞ。ちょっとまってろ・・・あった。韮沢ジオセクションの避難民は西インターチェンジに行ってるみたいだ。そっちの方はまだ冠水してるって情報はないから行けるかもしれないな。」

「わかった。ではそちらへ向かってみる。」

「気をつけるんだぞ。あちこちで浸水被害がでてる。今まで通れた道が通れなくなることもザラなんだからな。」

「わかっている。協力感謝する。」

 

 

私は警察官に別れを告げ、車に戻って一路西インターチェンジへ向かった。雨は強くなる一方で、ラジオでは東地区でも一部が浸水被害が発生し始めたと報道している。急いだほうが良さそうだ。私はアクセルを踏み込んだ。

 

 

 

 

 

~シルバーside~

 

 

やっとの思いでショッピングモールから這い出てきた僕たちは周りの状況に愕然とした。道は冠水しているどころか一部が陥没していて文字通り池になってしまっている。地上の大型デパートの前の道路など道全体が陥没していて完全に道路が寸断されてしまっている。街頭大型テレビでは災害のニュースをしきりに流しているが、その映像はかなり乱れており、音声だけがまともに聞くことができる状況だ。

 

 

「さて、ここからどうしましょうか。」

「とりあえず北にある韮沢駅にいきます。そこならもしかしたら電車が出てるかも・・・。」

「電車ねえ・・・でてるかしら。こんな状況で。」

 

 

キュラソーさんの視線の先には地盤が緩んで傾いたビルと至るところから吹き出している水柱があった。

 

 

「・・・動いてなくても避難先の案内ぐらいはしてくれるはずですよ。多分。」

「はぁ・・・。本部との連絡はつかないの?」

「全く。通信は常にオフラインですね。電波そのものが来ていないみたいです。」

「基地局がやられたわねこの分だと。とりあえず駅に向かいましょうか。」

「はい。」

 

 

僕たちは雨の中を揃って歩き始めた。雨合羽は一応あるけれど、道路が冠水しているところが多く、足元は完全にずぶ濡れ。そこからじわりじわりと体温が奪われていく。途中の段差はキュラソーさんが軽快に飛び上がりその手に引かれて自分も上に上がった。ところどころ陥没している道を避けながらなんとか韮沢駅へ到着した。しかし、動いてなくとも避難先くらいは把握できるだろうと踏んでいた自分たちの考えは、あまりにも甘すぎたと現実を突きつけられることになる。

 

 

「・・・。」

「あーあー・・・。これは・・・絶対に動かないわね。」

 

 

改札口から見えるのは駅の中央に空いた大穴と、その穴から水に流されて押し出されたのだろう電車の車両だった。下のホームは完全に冠水しており、大量の水によって押し流されてきた車両が至るところに乗り上げている。とても走るどころの話ではなかった。近くに警察官がいたため現状を聞くことにした。

 

 

「あの、電車は・・・動きそうにないですね。」

「そりゃあご覧の有様だからね。」

「避難をしたいのですがどこへ向かえばいいですか?」

「ああ、それならそろそろ避難先へ向かうバスが出るから。それに乗るといい。」

「そのバスはどこへ行くんですか?」

「駅の北側にあるバイパスを通って富坂西インターへ向かうみたいだよ。」

「わかりました。ありがとうございます。」

 

 

キュラソーさんのところへ戻り、現状と避難先への情報を伝える。キュラソーさんは思案顔で少し考え込んでいた。早いところバスのところへ向かったほうがいいのではないだろうか。そう話しかけようとする前にキュラソーさんが口を開いた。

 

 

「私達は私達で避難するべきよ。」

「どうしてですか?」

「この雨。この災害。避難先ですら安全とは言い難い状況よ。その他大勢に左右されやすい避難バスでの移動は逆に命取りになる可能性があるわ。」

「なるほど・・・。でもそれならどうやって避難するんです?」

「移動手段ならそこら中にあるでしょ。」チラッ

 

 

キュラソーさんが目を向けた先、駅の西側には立体駐車場があった。なるほど。足は自分たちで用意するべきか。お互いに頷きあうと立体駐車場に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

~47side~

 

 

 

私は今市の中央を走る高速を走っていた。東インターチェンジ付近も川のようになっていたがなんとか高速に乗り、そのまま西インタージチェンジへ向かっている。

 

 

グラグラグラ

「!!」

キキーッ!ガシャーン!

 

 

あぶないところだった。車で走っていてもわかる揺れに見舞われ、対向車が操作を誤り中央分離帯を乗り越えてこちらに飛んできた。そのまま後続を走っていた別の車に衝突したようだ。もはや安全な場所はどこにもないことを痛感させられる。一息ついたのもつかの間、再び大きな揺れが起こった。

 

 

グラグラグラ

ボガァァン!

 

っ!まずい!目の前の鉄道の高架橋が崩壊した!私はハンドルを切り、半ばドリフトのような形で中央分離帯を乗り越え、対向車線に移動する。その直後、今まで走っていた道の真ん中に高架橋が落下して道を塞いだ。幸いまだこちらの車線はつながってはいるが・・・。急がなければいつこちらも通れなくなるかわかったものではない。

 

崩壊しつつある柿沼サービスエリアをミラーに見つつ私は更にアクセルを踏み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

~キュラソーside~

 

 

「うーん・・・だめね。やっぱり動かない。」

「どうしましょう・・・他に路上駐車している無事な車なんてないですよ。」

 

 

立体駐車場に来たはいいものの、停電しているらしく装置が全く動かない。他の路上駐車の車は陥没している地面にめり込んでいるか、瓦礫の下敷きになっている。あたりに動きそうな車はなく、あるとすればここだけだ。流石にこの災害のさなかを徒歩で移動するのは避けたい。

私は立体駐車場のすぐ目の前に駅舎があるのを確認した。仕方ない。少し強引だがやれないことはないだろう。

 

 

「シルバー、車を調達するわよ。」

「え?でもどこにも・・・。」

「あるじゃない。この上に。」

「え!?」

 

 

私は近くの扉をロックピックでこじ開け中へ入った。シルバーも慌てて追ってくる。扉の中は整備用や不測の事態のために、収納している車のところまで登れる階段があった。どんどんと登って行き、3階部分まで車はなかったが4階分まで登ったところにシビックがあった。ウィングもついていてボンネットは改造されている。持ち主は相当な車好きみたいね。

 

 

「これに乗るわよ。」

「え、でもどうやって出るんですか?」

「そのまま出ればいいじゃない。」

「まさか・・・冗談でしょう!?」

「それしかないわよ。」

 

 

明らかにシルバーは呆れ顔だがやれないことはないだろう。外壁はアルミ製のようだし、この車は見たところパワー系統も改造が施されている。足元のロックさえ外してしまえば壁を突き破って飛び出すことは可能だ。韮沢駅は箱型のビル駅であり、作業用の小窓から外を見た限り屋上部分は平らだ。なんとかなる・・・とおもう。私は車輪の部分のロックを手動で外し始めた。シルバーも観念したのかロックを外すのを手伝い始めた。

 

ロックを外すのに思ったより時間がかかってしまったが、シルバーのポケモンたちの助力もあってなんとかすべて外すことができた。私達はドアをピッキングで開けて車に乗り込んだ。配線を弄ってエンジンをかける。・・・かかった。さあ後は空に向かってダイブするだけ。

 

 

「準備はいいかしら?シルバー。」

「ちょ、ちょっとまってください。深呼吸を・・・。」

「あなたは助手席なんだからそんなことしなくてもいいじゃないの。」

「心の準備ってものがですね・・・。」

 

グラグラグラ

ドゴォォン!

 

「!今の音は!」

 

 

かなり近くで大きな物が水に落ちる音がした。それと同時にあたりが揺れる。・・・揺れが収まらない。もしかして!私は車から身を乗り出して下を見た。・・・やっぱり!駐車場内に水が入り込んできている!

 

 

「シルバー、のんびりしてられなくなったわ。行くわよ。」

「え!えっ、ちょ!」

「歯を食いしばりなさい!」

 

ブルルウウウン!キュルギュルル!

 

「うわああ!!!」

 

ガシャーン!

 

 

勢いよく発進した車。壁に当たるほんの僅かな時間のさなかに地面が斜めになった気がした。勢いよく壁を突き破って見えた光景は、あたり一面が陥没しながら駐車場も駅も周囲の建物もまるごと沈みかけている図だった。車があったのは地上4階部分だったはずだけど、壁から出たときには2階部分くらいまで沈み込んでいた。幸いにしてそれと一緒に駅自体も同じくらい沈み込んでいたので、ちょうど駅の屋根部分に降り立てた。

 

 

ガシャン!キキキー!

「うぐぐぐ・・・!」

「ぐっ・・・!」

ガシャーン!ドンッ!

 

 

そのまま駅の屋根を伝い、反対側の道に降り立った。降り立つ直前、北側にバスが停まっているのが見え、そこへ走り込む人影が見えた。こちらはあちらほど悠長にしてはいられない。降りた瞬間から通った道が崩れ落ちていっている。止まった瞬間穴に落ちることは明白だった。陥没する道を避け、近くの別の建物から落ちてくる鉄骨を避けつつ、離れたところにあった立体駐車場から降り注ぐ数台の車を避けて高速の入口へ入った。まさに間一髪というところだろう。今どきハリウッド映画でもここまで派手ではない。

 

 

「これが映画ならかなり制作費がかかってるわね。」

「冗談じゃない!なんでこんな目に!」

「生きてるだけありがたいと思いなさいな。」

「あんたも頭いかれてる!正気の所業じゃないぞ!」

「ふふん、シルバー、敬語忘れてるわね。」

「え?あ・・・。」

「やっとまともに話せた気がするわ。」

 

 

シルバーは気恥ずかしそうにうつむいてしまった。私はバックミラーに映る駅だったものが水面下に没していくのを尻目に車を走らせた。

 

 

 

 

 

~47side~

 

 

 

もう少しで西インターチェンジだ。決してまともな道とは言えなかったが、なんとかここまでたどり着けた。ロータリーの部分ではレスキュー隊の人間が数名待機していた。私は道路の脇に車を止めた。それをみてレスキュー隊が駆け寄ってきた。

 

 

「大丈夫ですか!よくここまでこれましたね!」

「人を探しにここまで来た。10代くらいの赤毛の男の子と20代くらいの銀髪の女性はいないか?」

「いや、まだここには来てない・・・。だけどあなたもここにとどまったほうがいい。もうあちこち陥没しててまともに車で帰るのは無理だ。」

「そうか・・・。韮沢ジオセクションの避難民はどこに?」

「最後の避難バスがそろそろ来ると思うんだが・・・。ん?」

 

 

レスキュー隊が見た先から車のライトの明かりが見えた。私は外壁に近寄ってその車を確認する。・・・運転席にキュラソー、助手席にはシルバー。なんとかふたりとも無事だったようだ。

 

私が手をふると気がついたのかパッシングをしてスピードを緩めた。そのままスロープを登ってこちらまでやってきた。

 

 

キキーッ

「ふたりとも無事だったか。」

「47。迎えに来てくれたのね。」

「む、シルバーはどうした?」

「疲れて寝ちゃったみたい。ちょっと色々あってね。」

「そのようだな。車が傷だらけだ。」

「それはお互い様みたいだけど?」

「それもそうか。」

「それで、シルバーが起きるまで待つかしら?」

「休んでる暇はない。あちこちで陥没と浸水が起きている。大至急脱出するぞ。」

「やっぱりね・・・了解。」

 

 

私は車を切り返し、もと来た道を先導するように走り出した。キュラソーの車もそれに追随する。レスキュー隊は終始ぽかんと見ていただけだった。

 

 

 

 

 

 

####ニュース速報####

 

『韮沢区に続き、梅川区でも大規模な浸水が確認されました。付近の住民の皆さんは直ちに避難行動を開始してください。・・・速報です。羽代川の上流にある奥富ダムが決壊の危険性があると発表がありました。これを受け、奥富ダムはこれより緊急放流を開始するとのことです・・・。』

 

 

 

 

 

 

 

~~同時刻~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「バーンウッドさん!」

『ブルー。来たのね。』

「シルバーは!?シルバーは無事なの!?」

『まだわからないわ。47を救援に送ったからきっと大丈夫よ。』

「取り込み中のところ申し訳ありません。現地メディアが韮沢駅周辺の崩壊を伝えています。」

「ああ・・・。なんで・・・。どうして・・・。」

『落ち着きなさい。まだ死んだと決まったわけじゃないわよ。避難民の状況は?』

「メディア情報ではなんとも。別働隊のインフォーマントの情報では避難バスは崩壊前に出発できたそうですが・・・。」

『そう・・・。』

 

ピピピ

 

「“こちら47。聞こえるか。”」

「!!」

『ええ聞こえているわ。状況は?』

「“シルバーとキュラソーと合流した。任務は達成済み、シルバーは疲れて寝ているが外傷はなく問題はない。若干低体温の症状があるくらいだ。”」

「よ、よかったあ・・・。」

『わかったわ。至急セーフハウスへ戻って頂戴。』

「“了解。”」

 

ピッ

 

『ほらみなさい。47ならどうにかしてくれるわよ。』

「はい・・・。はい!」グシュ

『・・・まずは顔を洗ってきなさいな。サポートしてもらうのはそれからね。』

「あ・・・はーい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~ミッションコンプリート~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

・「外への回廊」

 【+3000】『エスカレーターで地下施設から脱出する。』

 

・「困ったときはお互い様」

 【+1000】『警察官と話をする。』

 

・「パニック映画」

 【+5000】『韮沢区より車で脱出する。』

 

・「要救助者発見」

 【+3000】『シルバー達と合流する。』




2話構成にするつもりが意外に長くなったので3話構成になりました。


次回はこの街から脱出します。
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