『今回向かってもらうのは、日本の青森県むつ市にある日本原子力研究開発機構よ。ここは元々原子力船“むつ”の母港であったところで、今は原子力を使った対深海棲艦の技術開発拠点の一つになっていたわ。』
『現在、この研究所は閉鎖状態になっているの。理由は去年の暮に起こった深海棲艦襲撃事件による損傷によるものね。原子力というある意味で一番的に渡してはいけないものを、敵の眼前であるこの研究所で行うわけには行かないということで、現在暫定日本領となっているオーストラリア大陸の中央部に移転したの。』
『なんで閉鎖された研究所に向かってもらうかと言うと、この研究所の研究施設のなかに大本営のメインサーバーにアクセスできる端末が放棄されているみたいなの。そこへ行ってメインサーバーにアクセスして深海棲艦に対抗する情報をメインサーバーにアップロードしてほしいの。』
『最近、深海棲艦の進化が目に見えて顕著になってきていてね。我々の予想では後20年もすると人類は深海棲艦に負けてしまう可能性が出てきたの。そうなればバランスが崩壊してこの世界は文字通り崩壊してしまうわ。上級委員会はなんとしてでも阻止せよとの命令を出したわ。』
『そういうわけだから我々も少しばかり対処の助言を行うことになったのよ。それにこの研究所には対深海棲艦の情報がまだいくつか眠ってる上に、噂に過ぎないけれど何か特別な装置もあるらしいの。その情報もできれば手に入れてきて頂戴。手分けする必要があるかもしれないから誰か連れていってもいいかもしれないわね。』
『準備は一任するわ。』
~準備~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・メンバー
【エージェント47】・【エージェント68】
・装備
【シルバーボーラー、ロックピック、ハッキング端末】・【クルーガーマイヤー2-2、新型励起爆薬】
・服装
【愛用スーツ】・【愛用レディースリクルートスーツ】
『むつ市へようこそ。47。』
『日本の本州のほぼ最北端にあるこの地域では、深海棲艦が出る前はホタテやマグロなどで栄えたそうよ。今となっては海産物はおろか海に近づくことさえもはばかられているけれど。』
『研究所はむつ市内から海岸沿いに南に5~6キロ行ったところにあるわ。実質的に放棄されて廃墟となっているはずだけれど、警備システムなどがあれば生きている可能性もあるから一応注意して頂戴。』
『幸運を祈ってるわね。』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「このへんは変わってないわね。」
「来たことが有るのか。」
「組織にいた頃に一度だけね。」
「施設を狙ったのか。」
「まあそんなところよ。」
我々は今、市内から車で海岸線を移動中だ。海岸線と行っても間にかなり鬱蒼とした森林地帯が有るため海は殆ど見えないが。施設手前の市街地跡も人がおらず、見かけた人影も巡回中の髪の白い小柄な艦娘だった。この地域は国から危険地帯として指定されているらしく、民間人の立ち入りは原則できないらしい。我々は大本営の職員の名目でやってきている。
「ところで私を連れてきた理由をまだ聞いていないのだけれど?」
「不測の事態の対処能力が一番高いと判断した。」
「それならタバサちゃんでも良かったんじゃない?」
「彼女は母親と再会した今、感情が不安定だ。」
「でも実戦でしかその不安定は是正できないと思うのだけれど。」
「そのとおりだ。だが今回ではない。」
今回、人手がいる可能性があるとのことだったので、念の為にキュラソーを連れてきた。彼女ならばとっさの襲撃やトラブルにも冷静かつ正確な対応ができるだろうとの判断だ。それに今回はコンピュータのハッキングに関する状況も発生すると予想される。タバサ達ではその辺りに不安が残るのも理由の一つだった。
森に囲まれた道を進んでいると、キュラソーが何かを発見した。
「47。左。海を見て。」
「あれは・・・!掴まれ。」
「きゃあ!」
ギャシャアアアアア
ヒュルルルル……ボォォォン!!
私は咄嗟に道の右側にある荒れ地の中へ車を入れた。そのまま車を森の中へ向かわせる。次の瞬間海の方から金属質の金切り声のような音とともに砲弾が飛んできた。砲弾は進んでいた道の先に着弾した。道は大きくえぐれており、あのまま進んでいたら間違いなく粉微塵だっただろう。
「アレは・・・深海棲艦ってやつね。」
「おそらく駆逐艦だろう。」
「襲うのは誰でもいいってわけね。全くはた迷惑な生物だこと。」
森の中を進んでいるうちに砲撃は止んだ。どうやら見失ってくれたようだ。しかし人を発見次第すぐに砲撃が飛んでくるような状況だと、目的の施設も無事では済んでいないと予想される。せめて目標のコンピュータは生きていてほしいのだが・・・。
森の抜けると別の道に出た。おそらく施設の正面に続く道だ。左に曲がり、道なりに進んでいくと、真正面に建物が見えてきた。入口の門には“日本原子力開発機構”と書かれている。しかし、門は開け放されており、そのすぐ近くにあった警備室と思われる建物は砲撃を受けたのか屋根が完全に崩れ落ちていた。建物本体も航空機による銃撃を受けたのか細かい弾痕があちこちに残っている。
適当に門の外に車を停めると、私達は施設の中へ足を踏み入れた。ひとまず目の前に建っている弾痕の目立つ建物に入ることにした。キュラソーが入口を見つけ近寄った。
「・・・駄目ね。この鋼鉄扉はオートロックになってる。電気が来てないから開けることはできないわ。」
「別に扉を通る必要もない。」
「え?・・・ああ。そういうことね。」
正面にあった扉は開けることはできなかった。しかし、砲撃によってか爆撃によってかは知らないが、ほど近い外壁に人一人くらいなら余裕で通れる大きさの大穴が空いていた。
私達はその穴から中へ侵入した。中は襲撃の慌ただしさそのままに荒れていた。壁が破壊された衝撃によるものなのか、近くの本棚や机などは壊れており、中にあった本などが焼け焦げたりばらばらになったりしながら床に散乱していた。
部屋の扉は塩分を含む外気にさらされていたせいか若干錆びていたが、多少強引に引いたら開けることができた。中は大して広くなく、エレベーターの階数表示でも3階までしか無いようだ。
私達は部屋を一つ一つくまなく探していくことにした。私は1階を。キュラソーは2階を探すことになった。何かあれば無線で知らせることになっている。私は手始めに端の部屋から順に見ていくことにする。
最初の部屋はただの休憩室だった。外気に全く触れていなかったためか室内は空気が淀んでいる。目新しいものはなかったが、連絡用の掲示板を見つけた。
####情報を入手####
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『掲示板によると、この施設が放棄されたのは半年ほど前のようね。空母を中心とする敵部隊の攻撃を頻繁に受けるようになったことで、施設への損害が大きくなりすぎたのが直接の原因みたい。』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
掲示板には負傷者の状況や施設の被害状況等が、走り書きの付箋で様々なところへ貼り付けられている。これらを見る限りコンピュータ室はこの施設にはなさそうだ。電源設備は有るようだが・・・。
私は休憩室を跡にして他の部屋の捜索を始めた。
~キュラソーside~
エレベーターは止まっていたけれど、階段が所々崩れながらもかろうじて残っていた。私は2階へ上がって階段に近い方の部屋から順番に見ることにした。
最初の部屋は・・・ボイラー室?何かを製造しているわけでもないのにボイラー室がいるのかしら?もしかするとボイラーに似た何か別の機械なのかもしれないわね。詳しく見てみましょう。
結果としてその機械はところどころ壊れている上に応急処置的な改造を施した形跡が多く見られるために何の機械か判断することはできなかった。ただボイラーではないことだけははっきりしたけれど。壊れた機械には興味はない。私は部屋をあとにして隣の部屋に入った。
隣の部屋は先程の機械室の制御を行う部屋だったようだ。制御盤と思われる机の上にマニュアルが乱雑に置かれていた。マニュアルには“物質転換機”と書かれている。核分裂か核融合の研究にでも使っていたのだろうか。
私はその部屋をくまなく探すと、ダイヤル式の金庫を発見した。こういう施設に有る金庫といえば中身は金銭や貴金属ではなく、研究資料や機密資料と相場が決まっている。以前、アタザキで47がICAの選択訓練を履修するようにと言っており、その影響で私もいくつか選択訓練を履修していた。その中にダイヤル式の金庫の解錠術もあったので、私はその場で金庫の解錠を試みた。
それほど複雑な方式ではなかったため、数分で解錠できた。中には案の定書類が入っていた。
####情報を入手####
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『この書類は・・・ここで研究されていた物質転換方法の基礎理論とそれらを使った新しい軽量装甲の資料みたいね。今後我々の技術を発展させられる可能性があるわ。持って帰ってきて頂戴。』
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思わぬところで役得があったみたい。ICAがこれを何に使うのかは知らないけれど、話に聞く“実験体”みたいなことにならないことを祈るばかりね。
私はその後も他の部屋を捜索したけれど、他の部屋は研究施設で、この施設から撤収する時にめぼしい資料はすべて持ち出したか焼却してしまったようだった。今となってはこの研究施設はちょっと豪華な理科実験室でしかなかった。
3階は階段すら完全に崩落していて入ることすらできないので、一旦47のところへ戻った。
~47side~
キュラソーが戻ってきた。手にはなにかの資料を持っている。物質転換方法・・・なるほど。はるばる廃墟までやってきた収穫はあったようだ。私の方はと言うと、1階の他の部屋はすべて資料や研究備品が持ち出された後だった。キュラソーの話を聞く限りその資料があった部屋以外は似たようなものだったらしい。
私達は掲示板の情報を頼りに隣の建物に入った。掲示板のメモから推察すると、この建物はこの周辺一帯の電源設備があるはずだ。コンピュータを動かすにあたり電気は不可欠だ。できれば復旧したいところだが、なければ発電機を運ばなくてはならないだろう。
今度の扉は簡単な南京錠で固定されているだけだったのでロックピックで解錠した。中に入ると、巨大な装置があった。幸いにしてこの施設は他の施設に見られるような砲撃の痕などが殆どなかった。これならばもしかしたら動くからもしれないな。私達は手分けして配電盤を探した。程なくして見つかった配電盤を操作すると、奥に設置されていた発電装置が稼働し始めた。原子力機構ではあるが流石に原発というわけでは無いようで、発電はディーゼル火力タービンのようだ。発電機の近くにはドラム缶で軽油が何本か置かれている。
ともかく施設の電源の復旧はこれでできたと思われる。私達は外に出てみると、先程の建物内の室内灯が点いているのが確認できた。
「それで?電気は復旧できたけれど、肝心の端末はどこに有るのかしら?」
「掲示板の付箋の内容から推察するに、べつの研究所に有るようだ。」
「そこは遠いのかしら?」
「いや。あそこだ。」
電源棟から少し東へ行ったところにあった別の建物を指し示す。私達は早速その建物へ向かった。
こちらの建物は先程までの建物よりもさらに厳重に守られていた。フェンスも有刺鉄線付きだ。しかしこちらもそれなりに砲撃を受けていたようで、フェンスにある勝手口のようなゲートも開け放されたままとなっている。奥行きがある2階建ての施設と、事務所のような3階建ての建物があるが、2階建ての方は奥のほうが派手に破壊されており、おそらく主砲による砲撃を食らったものと推測される。
私達はまず比較的無事と思われる事務所のような3階建ての建物に入ってみることにした。勝手口のような扉も鍵はかかっていたが、別に誰かが居るわけでもないと思われるので、盛大に蹴破った。中はホコリだらけでは有るが、比較的きれいに残っており、入った部屋のすぐ外の廊下に施設図があったため館内を虱潰しに探す必要もなくなった。
施設図によると、どうやらコンピュータ室はこの建物の2階にあるようだ。私達は2階へ上がり、コンピュータ室へ入った。室内にはパソコンが数十台設置されており、ほとんど手つかずのままだった。
「47。これ見て。どうやら作業中に急に無人になったみたいね。」
「おそらく隣の建物の損壊と関係があるな。」
「というと?」
「突如として砲撃を受け、緊急で避難することになったために資料やデータの持ち出しができなかった。そのまま砲撃が続いた上に施設の放棄も決まってしまったためにそのまま手つかずで残った。そんなところだろう。」
「なるほどね。私達にとっては好都合と言えるわ。」
私達は早速、並べられているコンピュータの一つを起動させた。電気は問題なく来ているようで、Linux系のOSが立ち上がった。しかしここで問題が発生した。
「むう・・・IDとパスワードが必要か。」
「まあ知ってたけれどね。こういうところのパソコンがセキュリティロックをかけてないわけ無いわよね。」
「さてどうするか。」
「そのへんの書類に書いてあったりしないかしら?」
「・・・いや、もしかしたら。」
「?」
私は部屋の中の机の下に潜り込んでは机の裏を調べ始めた。念の為引き出しも外して中を見る。
「何をしているの?」
「こういう研究所で研究しているのはどういう人間だと思う。」
「そりゃあ・・・あちこちでそういう経験を積んできた人たちでしょう。国家機関の研究所なんだから。」
「そういうのは若くして採用されたりするだろうか。」
「え?そりゃあある程度は年配の・・・ってああ。そういうことね。」
「高齢の研究者ならばパソコンの使い方を覚えるのでも一苦労のはずだ。その上長ったらしく意味のない文字の羅列なんて覚えられるわけがない。」
「でもログインIDとパスワードは必要。ならどうするか。紙に書いて持っておくにしても無くしてしまっては意味がない。かと言って覚えやすいパスワードにしたら意味がないわね。」
「そういう時は大抵の場合、使うパソコンの近く、例えば机の裏とか引き出しの裏等にメモを貼り付ける。セキュリティリテラシーの感覚が薄い年代はみんなそんなものだ。」
パソコン自体に貼り付ける輩もいるが、見たところ流石に公的機関でそこまで意識の低い者は居ないらしく、パソコン周りはきれいなものだ。だからこうして机の裏に貼り付けたりするのが一般的では有るのだが・・・。
3つ目の机の裏に目的の紙はあった。IDとパスワードが書かれた紙はセロテープでしっかりと机の裏に貼り付けられており、字もボールペンで書いたにしては達筆だ。おそらく几帳面な性格の高齢の研究者だろう。私はその机のパソコンを起動し、そのIDとパスワードを使って中に侵入した。
パソコン内部のデータはほぼ生きており、メインサーバーとのネットワークも構築されたままだった。私は本部から渡されたUSBメモリをパソコン本体に接続した。接続してまもなく、画面上に様々なウィンドウが表示され始めた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『メインサーバーとの接続が確立したわ。情報のアップロードに数分かかるからそのまま待機して頂戴。アップロードが完了したらその端末を破壊して頂戴。』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「破壊も必要なのね。だったらこれを持ってきて正解だったわね。」
「ああ。」
キュラソーが取り出したのはいつもの新型電子励起爆薬だ。栄養ドリンク瓶ほどの大きさしか無いが、この部屋を吹き飛ばすのには十分だろう。この爆薬はC4プラスチック爆薬と同じように自由に形を整形できるため、この栄養ドリンクの瓶も技術部がたまたま飲んで空になっていたものに詰めただけだそうだ。
アップロードが開始してから数分後、画面上に“完了”の文字が現れた。私はUSBを回収する。その時だった。
ボォォォン!
ボォォォン!
「何?」
「まって。・・・洋上から砲撃されている!」
「電源設備の復旧を感じ取ったのかもしれないな。爆薬をセットして撤収するぞ。」
「“特殊な装置”とやらを探すんじゃなかったの?」
「もう時間がない。このままでは砲撃に巻き込まれる可能性が高い。」
「仕方ないわね。・・・OK。セットしたわ。」
「よし、行くぞ。」
私達は急いで部屋を出て階段を目指した。しかし、次の瞬間、深海棲艦のはなった砲弾が建物直撃した。私達は咄嗟に近くの部屋に入ることで難を逃れたが、部屋から出ると階段部分がまるごとえぐり取ってしまっていた。
私達は踵を返し、部屋に戻ると部屋の窓の外にあった雨樋を発見した。窓から急いで出てその雨樋を伝って地上に降りた。その間も断続的に砲撃が繰り返されており、周囲の森や残っていた建物を無差別に攻撃している。
「こういうの戦争映画で見たこと有るわ。」
「出演者が少なすぎるな。」
「多くても困るけどね。」
「まあいい、今のうちに爆薬を起爆しておけ。」
「了解。」
状況は悪いが敵はこちらの位置を性格に把握していないらしく、砲撃は施設全体をまんべんなく行っているため、比較的余裕がある。それでも危険なことに変わりはないが。キュラソーは砲撃を受けて半壊しつつある建物に向かってリモコンを操作した。
ドガァァァァン!!
「ふーう、さすがは新型爆薬ね。あの量でこれほどとは。戦艦の砲撃を食らったみたいになっちゃったわね。」
「破壊は完了だ。脱出するぞ。」
「了解。」
私達が正門付近に到着する時には砲撃は着弾しなくなっていた。代わりに遠くの方で砲撃音だけが響いている。どうやら近隣の艦娘部隊が到着したようだ。
「なんとか難は逃れたわね。」
「果たしてそうだろうか?」
「え?・・・ああ・・・。」
私は正門の横に止めておいた車“だったもの”を見ながら思案していた。先程の砲撃の至近弾を貰ったらしく、車の停めていた位置の近くに大きなクレーターができており、車は数十メートル先にかろうじてシャーシ部分が残る程度の残骸となっていた。足が無くなってしまったわけだがさてどうしたものか。
「お困りですか?」
「!」
「え?」
不意に話しかけられ、その方向を見ると青い髪をした女性がいた。どことなく不思議な雰囲気を持っている女性だった。
「ああ・・・まあ。」
「ここは危険ですからね。早く避難したほうが良いと思いますよ。」
「ええ。でも足が無くなっちゃってね・・・。」
「ああ、車が・・・。わかりました。私の乗ってきた車に乗りませんか?」
「あなたの?」
「ええ。大丈夫。ちゃんと動きますし乗れますよ。」
「あ、ああ。わかったお願いしよう。市街地まで連れて行ってくれればいい。」
「わかりました。」
彼女は近くの茂みに車を隠していた。案内されると手早く室内を片付けると手招きしてきた。
「見たこと無い車ね。」
「そうですか?まああまり有名ではないかもしれませんね。」
「サーブ99か。」
「知ってるの?」
「そうです。知ってる人がいると嬉しいですね。私の母国の車なんですよ。」
「私の母国では比較的有名だ。」
「少し古いですけど、この寒い青森でもちゃんと動いてくれるんですよ。」
私達二人は後部座席に乗り、彼女が運転席で運転してくれている。走り始めた頃には既に砲撃音は止んでいた。
「ところであなたはこんなところで何を?」
「私ですか?私は・・・ある人にお願いされて、あなた達を迎えに来たんですよ。」
「!」
「私達・・・を?」
「そう身構えないでください。“この場所に男女二人が取り残されているから迎えに行ってほしい”と頼まれただけです。あなた方はただの民間人でないことくらいはわかりますけど、それ以上はわかりません。」
「・・・誰に依頼されたかはわからないか?」
「私は提t・・・ゴホン私の上司から指示されただけなので名前くらいしか・・・。」
「名前は知っているのね?教えてくれないかしら。是非ともお礼がしたいわ。」
「えっと・・・確か・・・」
「リアンさん。そうそう、リアンさんって人からです。」
~~1時間後~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「無事にインフォーマントと接触できたみたいです。」
『そう。良かったわ。』
「でも誰なんですかね?その助けてくれた女性って。」
『おそらく艦娘でしょうね。大湊の基地司令部の連中が我々に何か恩でも売りたかったのか。』
「まあなにはともあれこれであの世界も少しは安定化してくれると良いんですけど。」
ガチャ
「失礼するよ。バーンウッド女史、ちょっといいかな。」
『あら、技術部の。何かしら?』
「さっき貰った物質転換方法の基礎理論データなんだが、こいつは色々やべえやつだぜ。」
『というと?』
「電子励起なんか目じゃねえ、この方法なら突き詰めればより高度な物質を作ることができそうなんだ。それで今試算してみたんだけどよ・・・。ほれ。」
『これは・・・!』
「アレを惑星全体に掃射することは不可能でも、半径数十キロ、出力も想定値の半分程度なら出せるかもしれねえ。」
「アレって・・・もしかして中性子掃射砲のことですか?」
「ああそうだ。っていたのかAIネーチャン。」
「AIじゃありません!最初からいました!」
『これ、作るとしたらどのくらいでできるの?』
「この規模ならわけねえ。だいたいあの兵器が設計や建造に膨大な時間がかかってたのはあのデカさと膨大な出力のせいだったからな。このお大きさなら・・・。」
『大きさなら?』
「物質研究の進捗次第だが、まあ長くても1年もアレばイケるな。」
「数十年がたったの1年に・・・。」
『わかったわ。これは上級委員会に判断を仰がないといけないわね。』
~~ミッションコンプリート~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・「重要書類」
【+1000】『物質転換方法を発見する。』
・「オンライン」
【+1000】『電源施設の電源を復旧させる。』
・「弾着、今!」
【+5000】『砲撃を受けている最中に端末を爆発で破壊する。』
・「傍観者」
【+1000】『艦娘に出会う。』
ぎりぎり間に合った・・・w
今年最後の更新となります。最近迷走している気がしなくもないですが、来年上半期には完結する予定です。来年は怒涛のフラグ回収タイムになりそうな予感・・・w
この文章は31日朝に書いています。さあこれからお昼までに大掃除を終わらせなければ・・・!投稿される頃は多分紅白見てますw
では皆様良いお年を!
次回は人類の裏切り者を始末しに行きます。