『例の亡霊騒ぎでやーーーーっと手がかり的なのを見つけたらしいんだわ。なんでもこの前データセンターとかいうところからかっぱらったデータと、いつだったかの南アフリカの研究施設でのデータを組み合わせたらそれっぽくなったらしいぞ!詳しいことはわかんねえけどな!』
『そいで、その手がかりってのが今度はイギリスに有るらしいんだわ。だがそいつを手に入れたいのはやまやまなんだが、肝心のどこに有るかがさっぱりなんだ。』
『そ・こ・で!だ。そのデータはSASの隊員の“マイケル・シュナイダー”ってやつが鍵らしい。そいつに身の危険が迫ると、そのデータがイギリス国内のどっかのデータサーバーからどっかへ転送されるらしい。その転送の瞬間をキャッチしてやろうって寸法よ!』
『というわけで、お前らにはそのマイケル・シュナイダーってヤローをちょいと痛い目見せに行ってほしいわけよ。殺す必要はねえが、車に轢かれそうになるとかそんなちゃっちいことじゃ危機的状況というわけにはならないらしいんだわ。拷問しろとまでは言わねえがまあちょいと追い詰めるくらいはしてもらいたいわけよ。まあそのへんは任せるわ。』
『準備は一任するぜ!頑張れよ!』
~準備~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・メンバー
【エージェント67-1】・【エージェント67-2】
・装備
【ポケモン6匹】・【ポケモン6匹、VSS】
・服装
【黒のワンピース】・【愛用ジャケット】
『ようこそ!エンパイアクラ・・・ん?なんかおかしいな・・・やっべ!これ今度の宴会のだ!。』
『ああ、あったあった。ようこそ!グラスゴーへ!なあにちょっと場所がずれただけさ。』
『マイケルなんちゃらってやつは、ここにある展示場で開かれる展示会に参加するみたいだぜ。まだ到着してねえみたいだな?』
『情報だとそいつは車で来るらしい。駐車場で張り込んでれば見つけやすいんじゃねえか?』
『ああそうそう。情報部の連中から“今回は派手にやっていい”って許可貰えたぜ!明日の世界ニュースのトップ飾れるように頑張ろうな!』
『よっしゃ!レッツパーリィーナイトだぜ!』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「パーリィーナイトって・・・今お昼前なんだけど。」
「あはは・・・。」
私達はイギリスはグラスゴーの中心部にある、SECセンターに来た。ここでは今日、“MAST Europa”という兵器展示会が開かれるみたいね。そのターゲットも特殊部隊の隊員ってことは講演でもするのかしらね?
今回は久々にシルバーとの仕事。最近、任務と訓練時間が変なふうにかち合ったりしてたおかげで一緒に仕事することがここ1ヶ月ほどなかった。しかもいつもならば本部の寮に帰れば会えるところを、最近は泊まり込みの任務が多かったため、仕事以外のプライベートで見ても実に2週間ぶり。さぞかし寂しがってるかと思いきや・・・。
「姉さん。駐車場はあっちみたいだ。行こう。」
「え、ええ。」
本人は特段気にもしていないみたい。なんか面白くないわね・・・。まあとにかく。お互いにこの任務の後は新しい任務も訓練も入ってないはずだから、親睦を深めるのは任務を終わらせてからにしましょうか。
私達はSECセンターの横の駐車場へやってきた。すでに多くの車が止められており、空いている場所はあまりない。ただ建物に一番近い一角だけ不自然に空きスペースがあった。止まってる車は高級車ばかり。さしずめVIP専用ってことかしら。ターゲットももしかしたらあそこのスペースに止めるかもしれないからそこは注視してみていないとね。
「シルバー、あそこ。あのスペースにおそらくターゲットの車が来ると思うの。」
「関係者専用。かな?通用口からも近いし警備はしやすそうだ。ということは・・・。」
「ええ。あそこに停めて中に入られると面倒になる。」
「じゃあやっぱりはじめにプランニングしたように駐車場で襲撃する?」
「その方が良いでしょうね・・・。シルバー、アレは持ってきてる?」
「ちゃんとあるよ。ヴィントス。」
「じゃあ私が駐車場で足止めするからあなたはそれで援護を。」
「わかった。じゃあ一旦別れよう。」
「ええ。」
私は駐車場で空きスペースに向かうとしたら通るであろうルートの途中で車の陰に隠れつつ待ち伏せを開始する。シルバーは川の方へ向かった。
~シルバーside~
駐車場近くにかかっていた橋を渡って対岸に渡った。目指すはここに来たときから見えていた高い塔、グラスゴータワーだ。事前の情報によるとこの建物は建物自体が風向きによって方向を変える構造になっているらしく、風向きが体感で瞬時にわかりそうだ。
タワーのそばに着いてから気がついたけれど、このタワー、展望台こそあれど、そこから外へ出る事はできないようだった。しかもついでと言わんばかりに現在改装中とのことで上に上がるためのリフトも稼働していなかった。
でもリフトが稼働していないということは今展望台には誰もいないということ。上に登りさえできれば後は自由にできるということでもありそうだ。
俺はドンカラスにつかまってリフトの中を通って上に行こうとしたが、周囲を確認する上で問題が発生した。周囲に観光客が居るのだ。一応このグラスゴータワーはグラスゴーの観光名所のようで、近くには中国人のツアー客が居るようだった。ここでは稼働していないタワーに登ることはおろか、ドンカラスを出すことすらはばかられる。さてどうしたものか・・・。
考えていても埒が明きそうになかったため、仕方なく俺は姉さんに頼ることにした。
~ブルーside~
「姉さん。聞こえるかい?」
「聞こえてるわよ。狙撃位置にはつけた?」
「それが、周囲にひと目が有りすぎて狙撃位置につけないんだ。」
「あらら・・・。まあここは観光地だものね。」
「そこで、姉さんに手伝ってほしいんだ。」
「私に?」
「ああ。姉さんが駐車場で派手にドンパチやってくれればその騒ぎで観光客の視線はそちらへ向くと思う。その隙に上に上がるよ。」
「わかったわ。じゃあこっちは当初の予定通り派手に行っちゃうわよ。」
「お願い。」
なるほどね。まあ川向うからなら私の顔を見られることもないでしょうし、大丈夫でしょ。最近、欧州各地でイスラム系のテロ事件が頻発しているからちょっと騒いでやれば、すぐにテロだと思って一般人は散ってくれるでしょうし。
とりあえず周囲の状況は把握しておくべきね。私は懐からボールを3つほど取り出した。
「でてきて!みんな!」バシュバシュバシュ!
「メタちゃん、鳥に化けて空からターゲットを探して!」フルル
「ぷりり、車に隠れて人に見つからないようにターゲットを探して頂戴。」プリッ!
「それと・・・、ガーディ!初任務よね!走ってターゲットを探して!」ガウッ!
今回は、情報部から47のガーディを借りてきた。というより連れて行ってほしいと頼まれたわけだけれど。ガーディはちょっと毛並みが鮮やかな犬に見えなくもないから他のポケモンたちよりはまだ目立たなくていいでしょう。手分けしてターゲットが来るのを待ち構える。
しばらくして、通信機からガーディが吠える声がした。ガーディの居る方向を見ると、ベンツが1台、その後ろにSUVが1台くっついて駐車場に入ってきた。事前の情報通りの車列。ターゲットのお出ましね。護衛に傭兵が雇われてるらしいけれど、まあなんとかなるでしょ。私は行動を開始した。ウィートリーじゃないけれど、パーリィタイムね!
「出てきて!ニドちゃん!車の目の前に向かって“はかいこうせん”!」
ガァ!
バシュ!ドゴォォォン!
キキーッ!
「敵襲!」
ダダダダ!
ガガガガキン!
「良いわよ!ニドちゃん!痛くない?」
ガーッ!
「よし!」
今回の任務のためにニドちゃんには特別に装甲服を着せてある。ICA謹製の特殊防弾装甲。普通の服と大差ない薄さなのに50口径弾まで耐えることができるスグレモノ!その分めっちゃ重いらしいけれど、ニドちゃんのパワーなら無問題よ!現に相手はすぐにこちらに気が付き、銃を撃ってきたけれど、ニドちゃんはそのすべてを弾き返すことに成功している。さあ、もっと派手に行くわよ!
「ニドちゃん!相手の周囲の車に向かってもう一度はかいこうせん!横薙ぎにしちゃって!」
バシュー!ドゴォォォォン!
~ココside~
「うわ!あぶねえ!」
「護衛対象の確保を!」
「ココ!護衛対象確保!」
「よくやったぞヨナ隊員!」
何だこの攻撃・・・、銃やロケット弾じゃない。いうなればSFに出てきそうな“レーザー攻撃”。しかも放ってるのはどっかの怪獣映画に出てきそうな姿をしているロボット兵器ときた。簡単な護衛の仕事かと思ったら・・・全く本部はろくな仕事をよこさない!
ともかく、今は状況の把握が最優先。相手の攻撃は初弾を外したことによる土煙でこちらの位置を掴みきれていないみたい。一旦引いて体制を立て直そうか・・・。
ドゴォォォォオン!
ちょっとちょっと・・・一般人への被害もお構いなしってわけ?今の砲撃で川に飛び込んで逃げる方向は潰された。一歩間違えればそのままレーザーは川を超えて対岸に行くところだったわよ?それだけあのロボットに自信があるってことかしらね・・・。
「レーム!ルツ!狙撃準備!北と南に分かれてあのロボットの近くにいる操縦手を!」
「「了解!」」
さっきから光線が飛んでくるたびにチラっと見えるあのロボットの背後に20代くらいの若い女性の姿が見える。おそらくあれが操縦手ね。あれさえ仕留めてしまえば。
レームとルツが車の陰に隠れつつ、南北に別れる。ワイリはルツ、マオはレームについていく。ウゴとヨナで護衛対象を守る。バルメは私についてくれている。変なロボットを操る敵だけれど、見たところ他に勢力はなし。簡単に鎮圧することができる・・・。
ガシャン!パリン!
「うおっと!」
「うわ!ココさん!狙撃だ!」
「何!」
「チッ、消音銃を遠距離から使ってやがる。位置がわかんねえ。」
「くっ・・・今!」
ガキン!
「ぐわ!」
「ルツ!どうした!状況をしらせろ!」
「ライフルを狙撃された!こいつはもう使い物になんねえ!」
「ルツ。弾はどっから来たかわかるか。」
「打たれた方向はわかんねえ。でも銃身の損傷は川の方から受けてる。」
「てことは・・・あそこか!見つけたぜ!」チャキッ
ゴゴゴゴゴゴゴ!
「げ!地割れだと?!」
「レームさん!危ない!」
ドゴォォォン!!
「レーム!マオ!大丈夫か!返事をしろ!」
~ブルーside~
「あっちゃー・・・、ちょっとやりすぎちゃったかしら?」
ガーディとぷりりの索敵のおかげで相手のスナイパーと思われる集団が南北に散っていったのは確認できていた。そのうちの片方はタワーに登ったシルバーが無力化してくれたみたいだけれど、そのせいでシルバーの位置が向こうにバレてしまった。おじさんの方のスナイパーがシルバーの位置を補足して撃とうとしていたので、ニドちゃんの“だいちのちから”で地割れを起こさせたけれど・・・。死んでないわよね?一応、ここまで民間人含めて死者はゼロなはずなんだけれど。結構死者が出ないように周囲を破壊するって神経使うからなんとか生きててほしいわね。心情的に。
「シルバー、そっちから状況わかる?今のスナイパーどうなった?」
「ちょっとまって。まだ煙が晴れてない・・・。っとまずい。」
「どうしたの?」
「姉さん。東から警察が来てる。すごい数のパトカーだよ。」
「げっ。まじで?うーん・・・どうしましょうか・・・。」
ニドちゃんを動かすことはできない。今動かせば好機とばかりに傭兵連中がやってくるに決まってる。かといってカメちゃんは出せない。今出せば的にされる。カメちゃんには装甲を施していない。となると・・・。
「ガーディ!聞こえるわよね!駐車場の入口にある鉄塔の根本に“かえんほうしゃ”よ!」
ガウッ!
ボォォォォォ…
グラァ・・・
ガシャーン!!
ガーディのかえんほうしゃで鉄塔の根本が融解して倒壊した。その際にバラバラに倒壊したため、うまい具合に入口を塞ぐように瓦礫の山となった。
「いいわよ!ガーディ!ねえシルバー!私のほうがうまく扱えるんじゃないかしら?」
「だめだよ姉さん。それは47のだ。」
「ちぇー。あ、そうそうそれよりもスナイパーは?」
「ああそうだったね。えっと・・・大丈夫、どうやら生きてるみたいだよ。でも白髪短髪のほうは腕を怪我したみたいだから、スナイパーの心配はこれでなくなったと言えるね。」
「よしよし、じゃあもうちょっと追い込みましょうか。」
私はニドちゃんにさらに攻撃を指示する。ニドちゃんは周囲の車を手当たりしだいに殴って飛ばしたり、だいちのちからで周囲の建造物を破壊したり、途中からはガーディのかえんほうしゃで退路を塞ぎ、ぷりりのうたうで増援の警官隊を眠らせたり結構忙しかった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『んー・・・なかなか情報を送信しねえな・・・。もうちょっと派手に行ってくれねえか?そらもう警官やSWATじゃなくて軍隊が出てきそうなくらい派手なやつをよ!』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
なかなか無茶を言うわね・・・。そんなことを言っても、ここは駐車場で、周りには車しか・・・。あ、そうだ!あれが合ったわね!
「シルバー!ドンカラスは持ってるわよね?」
「え?連れてきてるけど・・・。」
「じゃあ大丈夫ね!」
「え?え?」
「ニドちゃん!あの塔の根元に向かって“はかいこうせん”!」
ガー!
「え!?ちょ!」
混乱するシルバーを尻目にニドちゃんのはかいこうせんがシルバーの登っているグラスゴータワーの根元に直撃した。タワーはかなり細いため、その一発でも致命傷になり、タワーは大きな金属音を立てつつ、川の方へ倒れ込み始めた。
ドシャアアアン!!
タワーは川に倒壊した。派手に水柱が上がり、その水は駐車場で燃えていた車のいくつかを消火した。
~ココside~
あーあーあー、もうめちゃくちゃじゃないか!今日は厄日だ!レームは利き腕を骨折、ルツの銃は花が咲いてしまっている。こっちにあるのはスコープのついていないライフルだけ。相手は銃の効かない謎の怪獣ロボット。どうする・・・。
「ココ!護衛目標が!」
「え?」
もっと厄介なことに、護衛対象であるSASの隊員が一人で勝手に行動し始めたのだ。しかも踵を返し走って逃げようとしている。勝手に動かないでくれないかなあ!?
案の定、走っている最中にどこからともなく飛んできた狙撃によって足を撃ち抜かれた彼は悲鳴を上げながら車の影に転がり込んだ。とりあえず彼の安全が優先だ。前線を下げよう。
「総員!1ブロック後退!」
「「了解!」」
私達は後退して駐車場と駐車場の間を通る道路まで後退した。私は護衛対象の男のもとへ駆け寄る。
「勝手に動かないでもらえますか!まだ安全が確保できていないというのに!」
「ぐっ・・・すまない・・・。」
「止血しますから動かないで。バルメ!相手の気を逸らせる?」
「大丈夫ですココ。ルツ達が囮になってくれています。」
「ルツ!無理はするなよ!」
「わかってるぜお嬢。流石にあんなバケモン相手に拳銃一丁じゃどうしようもねえしな!」
「ココ、通りの北側は駄目だ。駆けつけた警察車両が炎上してる。」
「やっぱりスナイパーをどうにかして川に逃げるしかなさそうですね。ルツ、相手の位置は?」
「さっきはタワーの最上階にいたが、タワーが倒壊してからはどこに居るかわかんねえ。」
みんなが的確に状況把握に努めてくれている。流石は我が部隊といったところだ。そんなみんなを頼もしく思っていると不意に足を撃たれた眼の前の男が口を開いた。
「・・・仕方ない。」
「は?」
「万が一我々が全滅したときのことを考えなくてはならない。少し作業をしたいが良いか?」
「今はそれどころじゃ・・・。」
「これは必要なことなんだ。私が死んだとしてもこれだけは成されなければならない。」
そういうと彼は懐からスマホを取り出して何かを操作し始めた。こんなときに悠長な・・・。ともかく我々はまだ誰も欠けてない。それにさっきトージョーから会場からこっちへ向かってると連絡も来た。まだ、全滅するつもりはない!
~ブルーside~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『お!やっと通信し始めたな!今傍受してるぜ。そのまま圧力をかけ続けてくれ!ん?ああ、傍受云々は俺じゃなくて情報部のねーちゃんがやってるから大丈夫だ!』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そりゃウィートリーに任せたら傍受じゃなくてこっちの情報送信しちゃいそうだものね・・・。ともかく任務は達成間近。そろそろ撤退の準備をしないと。
「シルバー?生きてる?」
「姉さん・・・危うく川に投げ出されるところだったよ。」
「ごめんごめん。今どこ?」
「タワーの隣の科学センターの屋根の上。こっちから見えるそっちの周りは警官だらけだよ。」
「あらら。まだ川に用意してるボートは無事?」
「そっちは一般市民の持ち物だと思われてるのか手つかずだね。警備もされてない。」
「じゃあそのボートで迎えに来て。そろそろ撤収するから。」
「わかった。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『よっしゃ!傍受は成功したみたいだぜ!そろそろパーティもフィナーレだ!派手に決めてやる準備は出来てるか?ああ、脱出用の特殊船ならその川を下った先に用意してるぜ!』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
言われなくても撤退中よ。最後はとっておきの技で締めてあげるわ!
「ニドちゃん!決めちゃうわよ!“じしん”!」
ガー!
グラグラグラゴゴゴゴゴゴゴ
わざマシンを使って覚えさせたとっておきの技。ニドちゃんはその重量を存分に発揮して周囲に地震を発生させた。普段ほとんど揺れることのないイギリスでの地震は、駐車場の周辺にいた一般人や警察を大混乱に陥れるのには十分だった。建物が傾き、車はアラームだらけ。人々は逃げ惑い、警察もまともに行動できていない。耐性がないって不便ねえ。
私はその混乱に乗じて川に移動する。ニドちゃんも地震を起こしつつ、川へ向かっている。私が川辺につくのとほぼ同時にガーディとぷりりも合流。その直後、シルバーが揺れる水面をかき分けてモーターボートで走ってきた。シルバーは見事に私の目の前で急反転して岸壁近くに横付けした。
「姉さん!」
「グットタイミングよ!戻って!ニドちゃん!」
「姉さん早く!」
「まちなさいって!よっと!」
「よし!飛ばすよ!つかまって!」
私は手すりに掴まる。モーターボートは凄まじい速度で川を下り始めた。倒壊したタワーを躱したあたりで空で警戒にあたっていたメタちゃんも戻ってきた。そのままメタちゃんにはモーターボートに覆いかぶさってもらって、川の色と同化してもらった。
私達はぼろぼろになった観光地を尻目に川を下って脱出した。
~~1時間後~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『それで?結局情報はなんだったの?』
「はい。それが・・・どうやら今まで亡霊は我々のミッションをすべて傍受していたようです。」
『なんですって?でもそんな簡単に・・・。』
「どうやら亡霊はこちらのセキュリティをすべて完璧に無視して内部情報を自由に閲覧できる状態にあるようです。加えて言うならば命令書の偽造や、報告書の偽造履歴なども有りました。」
『なんてこと・・・。』
「直近だと、ルスキー・グラーザ基地での作戦中、別世界の特殊部隊“タスクフォース141”への依頼もここからのようですし、Googleのデータセンターに赤井秀一が現れたのもFBIに情報をリークした形跡が・・・。」
『今は大丈夫なの?』
「これらを受け、ICAでは緊急ですべての暗号方式と通信方式、指令手順などを変更しました。まだ万全とは言えませんが、しばらくは大丈夫だと思います。」
『わかったわ。で、肝心の亡霊の居場所はわかったのかしら?』
「それが・・・まだ完全に特定とまでは。おおよそならわかったのですが。」
『聞かせて頂戴。』
「ワシントンです。DC中心部から半径30マイル以内とだけは・・・。」
『ある意味世界の中心に居るってわけね。今回はそこまで絞れただけでも良しとしましょうか。』
「引き続き調査は継続しています。」
『ええ、お願いね。』
「あ、後もう一つ別件なのですが。」
『なにかしら?』
「上級委員会からの建造指令だった、小型中性子掃射砲ですが、まもなく建設が完了しそうです。」
『ずいぶん早いわね?1年はかかると聞いていたのだけれど。』
「以前、エージェント47が、幻想郷の地下で貰ってきた石を解析した結果、物質転換理論を駆使すれば、木材より安価で、粘土より形成しやすく、原材料費はダンボール以下、かつ強度はカーボンナノチューブをも上回る新物質、技術部では“フェムトマテリアル”と呼んでいるそうですが、それを使うことで設計を簡略化でき、建造期間をさらに短縮することに成功したそうです。」
『フェムトマテリアル・・・さすが世界最高レベルの技術者集団といったところかしら。』
「まあそれでも小型化はできず、“小型中性子掃射砲”と言っても軌道上に浮かぶ本体の大きさは直径20mほどになってしまったようですけれど。ともかくまもなく建造は完了します。」
『わかったわ。じゃあそれとさっきの亡霊の件、両方とも上級委員会に報告してくるわね。』
「はい。おねがいします。」
~~ミッションコンプリート~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・「買い替え時」
【+2000】『車を30台以上炎上させる。』
・「欠陥設計」
【+3000】『グラスゴータワーを倒壊させる。』
・「お呼びでない」
【+3000】『警察を駐車場に入れない。』
・「ゴーストヒットマン」
【+5000】『死者を出さない。』
うーん、2週間に1回の投稿がデフォになってしまっている・・・。この話も大筋は前回投稿時には既にできていたんですけどね・・・。もう少し早められるようがんばります。
次回は世界を救う(2回目)です。