HITMAN2『世界線を超えた先に』   作:ふもふも早苗

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『お疲れさまです。キュラソーさん。』

『急にお呼びだてして申し訳ありません。実は今ちょっと困ったことになってしまっていて・・・。』

『出撃中のタバサさんが敵性勢力に囲まれて身動きがとれないと救援を求める通信があったんです。その後もサポートを続けていましたが昨夜から連絡がつかなくなってしまっていて・・・。』

『エージェント47は現在テヴァ共和国に、ブルーさんは東京の神室町、シルバーさんはスウェーデンのコリコに出撃中です。政府の中枢であったり裏社会の深部だったりで、身動きどころか連絡もままならないところでして。今緊急で対応できるのが先程帰還されたキュラソーさんだけなんです。一応シルバーさんには連絡が付きましたが、離れることができない状況のようで・・・。お疲れのところ申し訳ないのですが、救出作戦をお願いしたくこうしてお呼びしました。』

『タバサさんが受けた任務は、ケニアの中央部にある、アメリカアフリカ軍の基地で基地司令官を暗殺することでした。暗殺には成功したようですが、同時期に反政府勢力によって基地の周辺が包囲されてしまったようなのです。アメリカ政府はまだ公式には発表していませんが、情報部が手に入れた確度の高い情報だと、アメリカ軍はこの基地の放棄を決定。基地ごとナパーム弾で焼き払うつもりのようです。焼き払われる前になんとしてでもタバサさんを救出しなければなりません。』

『現在、空爆用の極秘部隊を乗せてアメリカ第五艦隊がこちらに向かっているとのこと。到着後すぐに発艦し、空爆が開始されるため、猶予は後24時間もありません。急いでください。』

『準備は一任します。』



~準備~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・メンバー
【エージェント68】
・装備
【クルーガーマイヤー2-2、Jaeger7】
・服装
【愛用レディースリクルートスーツ】



HITMAN2『見捨てられたアメリカ』

『ケニアへようこそ。キュラソーさん。』

 

『首都ナイロビからかなり離れているこの地域はアフリカの中でも特に情勢が不安定な地域で、四六時中アメリカ軍、ケニア政府軍、反政府軍、イスラム過激派、各国PMCなど様々な勢力が小競り合いを繰り返しています。』

 

『今回の基地はアメリカ軍の非公式の基地だったようで、アメリカ軍はこの基地の存在を認めていません。だから空爆で全てを吹き飛ばすという選択になったのでしょうね。』

 

『タバサさんから最後に通信があったのは基地中央の司令部施設です。既に南東部の防衛線は食い破られており、基地内に反政府軍が侵入してきています。自体はかなり逼迫していると言えます。』

 

『お願いします。なんとかタバサさんを無事に連れ帰ってあげてください!』

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

ドォォォォン

ダダダダダダ

 

 

基地についたのは良いけれど、そう遠くない場所で爆発音やら銃撃音やらがひっきりなしに響いている。相当切羽詰まっているわね。空にはたまにミサイルかロケット弾かの煙が伸びている。空爆云々よりもまず今すぐにでも銃撃されそうね。

 

念の為狙撃銃を持っては来たけれど、今回は誰かを暗殺に来たわけじゃないから、タバサが襲われているところを助けるくらいにしか使わないでしょう。もっとも、この分だと助けるどころか見つける前に護衛対象が粉微塵になっていても全然おかしくないわ。

 

私は基地の北西部、つまり防衛線が崩壊している箇所のちょうど反対側にあたるゲートから基地内に侵入した。こちらのゲートは高いフェンスと有刺鉄線、それと監視塔で防御されていたけれど、監視塔の上に立っている兵士はサーチライトを周囲に向けて照射していたため、狙いを定めて眉間を撃ち抜くのはそこまで難しい話じゃなかった。

 

ゲートを越え、基地内を進んでいく。司令部施設はこのまま道をまっすぐいったところにあるけれど、まっすぐは行くことはできない。なぜなら、道中中程で道を境として銃撃戦が繰り広げられているためだ。ここは迂回をしなければならないのだけれど、目的地の関係で必ずどちらかの陣営の後ろを通ることになる。よく見極めてから進まなければ、通過中に敵が迫ってきたら最悪こちらまで身動きが取れなくなる。しかしここからではどちらの勢力も即席塹壕や建造物に身を隠しながら銃撃をしており、旗を掲げているわけでもないためどちらがどちらの勢力か見分けがつかない。さてどうしましょうね・・・。

 

私はとりあえず手近な建物に入り、2階部分から様子をうかがうことにした。入った建物は既に死体だらけであり、制圧済みの建物のようだった。建物自体は4階建てで、上の階からは時折銃声が聞こえる。おそらくこの建物から狙撃をしているのだろう。それがわかったとき、2階に向かっていた私はそのまま4階へ上がることにした。上で狙撃をしている勢力がわかれば自ずとどちらがなんの勢力かわかるということだ。

 

慎重に上階へ上がると、部屋の前に全身黒い戦闘服に身を包んだいかにもタリバーン系とみられる男が立っていた。おそらく部屋を守っているのだろう。私は下の階からジャンプで彼の前の手すりの下に懸垂でぶら下がった。すかさず、近くで拾った瓦礫の石を男の横に投げる。

 

 

カランカラン

「!」チャキッ

「・・・何もなしk」

ドガッ

「うごっ!」

 

 

横に気を取られた瞬間、手に力を込めて一気に手すりの上へ躍り出る。そのまま回し蹴りを男の側頭部にお見舞いした。男は一瞬こちらに向きかかったが、こちらを認識する前に意識を失った。倒れる音や銃を落とす音は銃撃音や爆音にかき消されたようだ。

 

男は、明らかに米軍兵とは思えない格好と装備をしている。ということはおそらく反政府軍側だろう。司令部施設はまだ陥落していないようなので、尋問してもタバサの情報が手に入る可能性は低い。が、一応中にいる狙撃兵にも話を聞いておくとしよう。私は静かに扉を開け、中を覗き込んだ。

 

中では窓の端で狙撃銃を構えている同じく黒装束の男がいた。その隣の窓にはスポッターと思われる双眼鏡を覗いている男もいた。私はこちらから近いスポッターの方に忍び寄ると、手近なところにあった瓦礫のレンガを手に取り、後頭部を殴りつけた。狙撃手はすぐに異変に気がついてこちらを向いたが、ライフルをこちらに向けるよりも私が狙撃手の額にクルガーマイヤーを突きつけるほうが早かった。

 

 

「な、何だ貴様!」

「ちょっと聞きたいことがあってね。」

「貴様、アメリカ人か!」

「違うと言っても信じないでしょう。」

「くそっ!やるならやれ!」

「言ったでしょ。聞きたいことがあるって。」

「俺は何も喋らんぞ!」

「はぁ・・・まあとりあえず聞くだけ聞くわ。司令部施設は落とせたかしら?」

「知らん!何も喋らんぞ!」

「そうかしら?」

バァン

「ぐっ!」

「まずは右腕ね。喋ってくれたらこれ以上は勘弁してあげるけれど。」

「俺は何も喋らん!さっさと殺せ!」

バァン

「ぐうぅ!」

「右足。次はどこが撃たれるかしらね。」

 

 

その後も少しばかり時間をかけて尋問したがさすがはタリバーン系の戦闘員。全く吐く気配がない。これは聞き出せる可能性は薄いわね。

 

 

「はあ・・・はあ・・・」

「・・・わかったわ。ありがとう。何の参考にもならなかったわ。」

「ふっ・・・。」

「じゃあね。」

「!?おい!殺さないのか?怖気づいたか!」

「生憎と、無益な殺生は好まない主義なのよ。」

 

 

私は両手両腕両足を撃たれた兵士を放置して先を急ぐことにした。終始ギャーギャー騒いでいたけれど、あれだけ元気なら生き残れるでしょう。無線機も壊したんだからあんまり騒ぐと声が枯れて助け呼べないわよ?

 

建物の表側は少し先の戦場の方向が変わったのか、流れ弾がかなりの頻度で飛んできている。とてもじゃないが表には出られない。裏口を探し、周囲に誰もいないことを確認しつつ外へ出ると通信が入った。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『キュラソーさん、今“エンデットウィッチ”の出撃許可が降りました!直ぐにそちらに到着しますので支援砲撃をさせます。これがあれば米軍機もおいそれとは近づけないはずです。』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

エンデットウィッチ。シャドウレディ型飛行戦艦の5番艦と聞いたことがある。最新の技術を大量に取り入れた一方、人員は元々少なかったにもかかわらずそれすらも省略して完全に無人型となっていると聞く。戦略AIが直接動かして作戦行動を支援することができるらしい。だがそんなものをここに呼んだらいくらなんでも目立ちすぎるのではないだろうか?そのことを問い合わせてみると

 

 

『ご心配なく!最新の光学技術によって、半径3km圏内でしか飛行船本体は見えません。しかも攻撃時を除いて常に完全透明化できるのです!』

 

 

と豪語していた。しかし大きさ自体はグラーフ・ツェッペリンなどの大型硬式飛行船と大差ないのでどこかでボロが出るんじゃないかしら・・・。しかも“攻撃時を除いて”と言っていた。それは攻撃する時は姿が見えてしまうということ。光学迷彩の意味がないじゃない・・・。

 

キャロラインの言う通り、私が再び移動し始めてからすぐに転移してきたようだ。基地のほぼ直上に転移してきたらしく、支援攻撃は基地全域に可能という通信もあった。太陽に完全にかぶっていてもほとんど違和感は無く、光学迷彩が十分に機能している。しかし地面によく目を凝らしてみると、ものすごく薄くではあるが若干影ができている。このレベルならば肉眼ではほぼ観測できないだろうし、光量を観測機器で観測したりしない限りバレる心配はないだろう。

 

私は移動を続け、先程から繰り広げられている戦闘の端までやってくることができた。しかし、ここから先は塹壕と廃墟の建物しか無く、それらの内部には今まさに銃撃戦の真っ最中な兵士が大量にいる。流石にこの量は対応できそうにない。早速支援に頼ることになりそうね。

 

 

「キャロライン。」

『はい。』

「せっかく支援に来てくれたのだから一つ頼もうかしら。」

『了解です。先程も言いましたが砲撃支援の場合、発砲の瞬間砲口から半径数メートルの光学迷彩が解除されます。また、発砲炎も普通に見えてしまいます。くれぐれも乱用はしないでください。連続発射するとバレてしまいますので。』

「わかってるわよ。とりあえず私の目の前でさっきからドンパチやってる連中をまとめてどうにかできないかしら?」

『うーん、範囲が広すぎるので複数回砲撃することになっちゃいます・・・。』

「何も全員吹きとばせって言ってるんじゃないわ。私が司令部施設に行く間、目をくらませればいいのよ。」

『んー・・じゃあ発煙弾を発射しましょうか?現地はそれなりに風がありますから、多分・・・うん、一発発射するだけでその目の前の戦場は全体が煙に包まれると思います。』

「じゃあそれでお願いしましょうか。」

『ですがキュラソーさん。対煙幕用スコープは持ってるんですか?』

「それはないけれど、まあなんとかするわ。」

『わかりました。では砲撃を行います。』

「よろしくね。」

 

 

まもなく戦場の砲撃音に混じって上空から砲撃音が響いた。砲弾の飛翔音はそのまま廃墟の建物のだいぶ後方に着弾した。エンデットウィッチがどんな砲を装備しているのかは知らないが、かなり大型の砲弾だったらしく、風に乗った煙幕はまたたく間に戦場を包み込んだ。兵士たちは慌てており、全周警戒を促す叫び声が至るところから響き渡っている。

 

私は叫び声、兵士の足音、銃火器の音、話し声。それらに耳をそばだてる。そしてそれらが全く聞こえない地点を素早く駆け足で通り抜ける。地面は砂地で多少足音がするが、この程度なら私の脚力なら・・・。

 

 

「うお!?」

「!!」

バァン!

ゴッ!

「うごっ!」

 

 

危なかった。煙のさなかをひた走っていると突如として目の前に棒立ち状態の兵士がいた。兵士はとっさに拳銃でこちらに発砲してきたが、こちらも素早く避けると手刀を首筋に食らわせて気絶させた。私はそのままひとまず隠れられそうな場所を探してまっすぐ突き進んだ。

 

煙幕は10分ほどで晴れた。その間に私はなんとか戦場の端から端へ移動することができた。煙幕が晴れたあと程なくして銃撃戦は再開された。まるで何事もなかったかのように。私はというと、戦場を抜けて司令部施設の壁の近くで身を潜めていた。いつの間にか司令部施設にたどり着いていたようだ。

 

とりあえず、この建物の中にタバサが居る可能性が高いわけね。私は割れていた窓から内部に侵入した。

 

 

「ふっ!」

ドガッ

「むっ!?」

 

 

突如として横から回し蹴りが飛んできた。角度は完全に首筋を狙っており、一撃で気絶させるための蹴りだ。建物内は薄暗く、蹴りを放ってきた人間がとっさに誰だかわからなかったため、クルガーマイヤーをすかさず抜き、相手の方向に向かって引き金を引こうとしたその寸前、相手の顔が見えた。

 

 

「おっと!」シュ

バァン!

「!」

「タバサ。私よ。」

「あ・・・。」

 

 

弾はタバサの顔のすぐ横を通過した。気がつくのが後0.2秒遅れていたら眉間に風穴が空いていたわね。救出対象を撃ち殺しちゃったらシャレにならないわ。

 

 

「助けに・・・いや、殺しに?」

「違うわよ。今のは不可抗力。だいたい先にしかけてきたのはそっちじゃないの。」

「そう・・・申し訳ない。」

「いいわよ。それより大丈夫だったの?」

「(コクン)通信機は反政府軍の攻撃で壊れてしまった。」スッ

「あー・・・なるほどね。これ何よ。弾痕が3つも付いてるじゃない。」

「激しかった。」

「良く無事だったわね・・・。」

「そうでもない。その時は私も2発食らった。」

「ふーん・・・でも大丈夫そうね?」

「治癒魔法は不得意。でもできないわけじゃない。」

「なるほどね。」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『タバサさんを発見できたんですね!よかったぁ・・・。バルーンをエンデットウィッチから投下します。地上は・・・危険すぎて帰還ポイントを設定することができませんので・・・。』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「じゃあさっさとこんなところおさらばしましょ。」

「でも建物の周囲は反政府軍に囲まれてる。」

「え?」

 

 

私は入ってきた窓から外を確認した。確かに隣の建物や道路の向こう側など、至るところから視線と気配を感じる。私がさっきは入れたのはまだ煙幕が少し残っていたためね。こいつらをどうにかしないことには帰るどころか五体満足で外に出ることもできなさそうね。

 

 

「じゃあちゃっちゃと片付けちゃいましょ。」

「何人か正確な位置がわからない。狙撃される危険が高い。」

「そこは本部に助けてもらいましょ。聞いてるんでしょ?お願いね?」

『はーい。砲撃準備は完了しています。』

「敵の正確な位置はわからないかしら?」

『大半は把握できますが、生体反応がかぶっている場所がありそうです。』

「とりあえず、一番敵が少ない方向は?」

『南西ですね。』

「わかったわ。行くわよ。タバサ。」

「(コクン)」

 

 

私達は南西側の窓の近くまで移動した。司令部施設内は既にタバサが制圧して暗殺対象の司令官以外全員眠っているという。気軽に睡眠ガスが使えるのって便利ねえ・・・。

 

窓の外の気配を探ると、少し離れた建物の2階に2人。その建物の屋上にも2人。街路樹の木陰に1人、その隣の木にも1人。パット見ただけでも4人居るわね。

 

 

「キャロライン、この方向、4人見えるけれどそれで全てかしら?」

「違う。かなり奥の建物の3階に2人。スナイパー。」

「あら?そちらは認識できてなかったわ。」

『あと手前の建物の裏に5人待機していますね。一番奥の建物のは2人ではなく3人です。』

「一番密集しているのは2階と屋上と裏手に隠れている建物になるのかしら?」

『そうなりますね。』

「じゃあその建物ごと吹き飛ばして頂戴。」

『了解しました。砲撃を開始します。』

「タバサ、着弾と同時に街路樹の2人、お願い。」

「わかった。」

「私は奥のスナイパーをやるわ。処理が終わったら一気に出るわよ。」

『では行きます!』

 

 

ドォン…

ヒュルルルルルル

ドゴォォォォン!

「今!」

“ジャベリン”

バァン!バァン!

 

「命中!行くわよ!」

「了解。」

「一人はまだ隠れたままだから注意!」

 

 

大型砲弾は敵のいる建物を直上から貫き、1階部分で炸裂。2階を粉微塵にした後、3階より上を上空へ巻き上げ、かなり大きな爆炎が上がった。私はすかさず窓から一番奥の建物に居るスナイパーにめがけJaguar7を放つ。久々に使ったけれど相変わらずとんでもなく精度良いわねこの銃。タバサも同時に空中に出現させ待機させておいた中くらいの氷の刃を放ち、街路樹ごと隠れている兵士を貫いた。

 

土煙と爆炎はタバサが予めかけておいてくれた魔法のおかげで防げている。私達は素早く建物を出て、爆炎の近くを素早く通り抜け、基地の南西方面の倉庫群へと駆け込んだ。駆け込んでからもまだ着弾地点は黒煙が上がっており、それが主戦場からうまいこと隠れ蓑になっているようだった。

 

 

『ああ!!』

「どうしたの?」

「?」

『ば、バルーンをその倉庫街に投下します!』

「ちょ、ちょっと。ここはまだ敵が近くに居て危険じゃないの?」

『そうも言ってられません!黒煙がエンデットウィッチの周辺だけ不自然に屈折してしまっています!バレてしまうのも時間の問題なんです!』

「でも光と同様、煙も屈折している。」

「いやまあ・・・変な方向に曲がってたら意味無いけれどもね。」

 

 

やっぱりタバサはたまに真顔でジョークを言うわね・・・。もうだいぶ付き合ってるけれど未だにその唐突さとシュールさには慣れないわ・・・。

 

ともかく。確かに着弾点から上がっている黒煙はしばらく上空へ漂った後、あからさまに不自然に途中からある空間を避けて煙が上がっている。これじゃそこに何かありますって丸わかりね。観察していると突如として上空から30センチ四方の包が落ちてきた。おそらくこれが帰還用のバルーンとやらだろう。中には光学迷彩用の機械と簡易ヘリウムボンベ、そしてロープとバルーンが入っていた。

 

私達は素早くロープを体にくくりつけると、バルーンに接続。バルーン内部にヘリウムガスを充填し、光学迷彩のスイッチを入れた後地上固定用のロープを切った。結構勢いよく私達二人を上空に浮かび上がらせたかと思いきや急に視界が暗くなり、気がついたときには飛行船の格納庫に降り立っていた。

 

帰還できる安堵感とともにあたりを見回していると通信が入った。

 

 

『おかえりなさい。2人共。』

「おや?バーンウッド女史。いたのね?」

『キャロラインがだいぶ混乱していたようだから応援に駆けつけたのだけれど、その分だと必要なかったみたいね。』

「ええ。おかげさまで私達は五体満足。無事よ。」

『よかったわ。じゃあ帰還して頂戴。』

 

 

通信の後、地上から対空砲火が始まったようだったが、その弾丸が致命的な損傷を与えるよりも先にエンデットウィッチは渡界機を起動させその場から消え去った。

 

 

 

~~同時刻~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

「バーンウッド。」

『あら?47。通信回復したのね。状況は?』

「問題ない。任務完了。現在海上をゴムボートで離脱中だ。」

『さすがね。』

「タバサとキュラソーは無事か?」

『ええ。心配する必要はないって言ったでしょう?』

「ふむ。彼女たちもだいぶ成長したということか。」

『そういうことよ。じゃああなたも早く返ってきて頂戴。』

「わかった。」

 

 

 

 

 

 

《戦略AIです。ワールド323103。スキャニング完了しました。》

「お、やっと終わった終わった・・・どれどれ・・・。」

「うーん・・・。生命体は皆無。3つか4つの年代に分かれて文明が築かれていたみたいだけれど・・・。」

《探査ドローンを派遣しますか?》

「・・・いいえ。派遣はしない。人間どころか草木一本生きてない世界に依頼者が居るとは思えないしね。」

《了解しました。》

「あーあ。これで5回連続成果なしかあ・・・。」

ガチャ

『キャロライン?』

「バーンウッドさん。珍しいですね調査室まで来るのは。キュラソーさんたちはもう帰還中のはずですけど。」

『ええわかってるわ。47も帰ってくるし、ブルーとシルバーも帰還中。久々に全員で食事でもと思ったのだけれど。あなたも来るかしら?』

「わあ!いいですね!行きます行きます!」

『じゃあとりあえずシャワー浴びてきなさい。』

「はーい!何着てこっかなー・・・」トコトコ

 

プシュー…ガシャン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピピピ

《戦略AIです。高度命令により探査ドローンを派遣します。命令者、リアン・カーキンス。》

《・・・》

《命令履歴を消去します。》

ピー

 

 

 

 

~~ミッションコンプリート~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

・「後ろがガラ空き」

 【+3000】『スナイパーに気が付かれずに無力化する。』

 

・「ドロンッ!」

 【+1000】『煙幕弾を使う。』

 

・「影」

 【+5000】『司令部施設に入る際に戦闘を行わない。』

 

・「実績あるシステム」

 【+2000】『タバサを救出する。帰還にバルーンを使う。』

 




大変遅くなりましたがストーリー進行でございます。
現在世間の自粛ムードの影響か1ヶ月早い5月病のような状況になっており、執筆のモチベはおろか仕事もゲームも何もかもやる気が出ない状況になっています・・・。次回も遅れる可能性は否定できませんご了承ください。

次回は鉱山へ向かいます。


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