HITMAN2『世界線を超えた先に』   作:ふもふも早苗

7 / 53
『おはよう、47。』
『今回向かってもらうのは、日本の東京は銀座に突如として出現した“門”の先にある特別地域、通称“特地”よ。情報部の調べではあの門自体が限定的な次元転移門、ワームホールのような役割を担っているみたいね。構造的にも転移理論的にも我々の渡界機と似ている部分が多くて、初回の特地座標取得にはそれほど苦労はしなかったわ。』
『以前、レレイ・ラ・レレーナという魔道士を召喚したのもこの世界からよ。今回はそのレレイ・ラ・レレーナさんを狙う人物を暗殺してもらうことになる。クライアントは正統政府側のある貴族。でも情報部はその貴族は名義を貸しただけで、本当の依頼者は前皇帝のモルト・ソル・アウグスタスだと結論づけているわ。もっともやること自体は変わらないのだけれど。』
『でも一つ問題が発生してるの。ターゲットの名前はクルツ。彼は昨日の午後に帝国の薔薇騎士団によって拘束されたの。罪状はゾルザル派のスパイ疑惑。まだ有罪が確定したわけではないけれど、もし有罪になれば監獄へ送られることになる。そうなる前に確実にあの世に送る必要が出てきたの。』
『判決は今日の午後6時に、王宮の皇太女ピニャ・コ・ラーダの眼前で行われる。その後は即座に特製の護送馬車で監獄へ向かうことになると予想されるわ。仕留めるなら馬車に乗る前に決めたいわね。』
『そうそう。キュラソーの訓練過程が予想よりも早く終わったわ。さすがは組織のNo.2の腹心といったところね。それで今回の任務に彼女を連れて行ってほしいの。所謂実地試験ね。どう使うかは任せるわね。』
『準備は一任するわ。』


~準備~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・メンバー
【エージェント47】・【エージェント68】
・装備
【シルバーボーラー、jaguar7】・【クルーガーマイヤー2-2、ロックピック】
・服装
【愛用スーツ】・【愛用レディースリクルートスーツ】



HITMAN2『黒と無色の人』

『ウラ・ビアンカへようこそ。47。』

『ココは特地最大の勢力を誇る通称“帝国”と呼ばれている国家の首都。100万人あまりが住む特地最大級の城塞都市よ。』

『今回は悪所街と呼ばれているスラム街の外れにセーフハウスを設置したわ。ここは首都の南東部に位置していて、スラム街なのもあって警備も薄いわ。ターゲットの居ると思われる王宮までは直線距離で3kmほど。そこまで遠い距離じゃないわ。』

『王宮は流石に警備がかなり厳重ね。それでも同盟関係になったとはいえまだ日本国自衛隊の手が入っておらず、警備方法は中世の城そのもの。突破はそれほど難しくはないと思うわ。でも数だけは多いから注意して頂戴。』

『あまり時間はないわ。健闘を祈ってるわね。』

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

どこの世界のどの町でもスラム街は大抵似たようなものになる。劣悪な衛生、いたる所で起こる暴力行為、昼間からうろつく娼婦。ありふれた光景と言えるだろう。私は今そのさなかをスーツで歩いているにもかかわらず、あまり目立っているように感じないのは自衛隊のおかげなのだろうか?

 

横には今回からICAの実働部隊として実践訓練が開始されるキュラソーが居る。彼女も世界中のスラム街を見たことがあるようでこの状況にあまり動揺などは見られない。

しかし全くの無防備で歩いている訳にはいかない。こんなスラム街でも偶に自衛隊員と思われる迷彩服を着た人物を見かける。流石に日本国関係者以外でスーツを着ている人物を職務質問しないわけがない。我々はできる限り目につかないようにスラム街を首都中心部方面に脱出した。

 

「47。あれ。」

「ん、あれか。」

 

キュラソーが指し示した先、街路の隙間からひときわ大きな建造物が見えた。山の一部を切り崩して立てられているそれはおそらく王宮だろう。その横の高台には神殿のような佇まいの建造物が建っている。情報が正しいならばあそこが元老院議事堂だろう。

 

「まずは王城内に入らねばならない。キュラソー、やってみろ。」

「わかった。」

 

王都と王城は高さ10mほどの高い城壁によって隔てられている。その内部に侵入するには城壁を登るか門に居る警備兵を無力化するか騙すかして入らなければならない。幸いにして今目の前にある城門は、入り組んだ場所にあるのもあり人目に触れておらず、それを利用してキュラソーは警備兵を制圧するつもりのようだ。キュラソーは真正面から警備兵に近づいていく。

 

「止まれ!ココより先は王城である!許可なきものは通すことは出来ない!」

「・・・フッ。」

チラッ

「ん?・・・」

ゴッ!ガッ!

「ぎゃあ!」

「ぐわ!」

ドサッ

 

「制圧完了。どうかしら?」

「なるほど。流石だな。」

 

キュラソーは警備兵二人を前に明後日の方向に注意を向け、それに一瞬気を取られた警備兵の背後を目にも留まらぬ速さでとったかと思うと、的確に後頭部を殴打して2人共気絶させた。見事な手前だ。しかし・・・。

 

ヒュッ

「ぐぁ!」

ドサッ

 

「多少ツメが甘いな。死角はできる限り無くせ。相手がエージェントならばやられていた。」

「・・・!・・・わかった。」

 

彼女から丁度死角になる位置、城門の扉の向こう側に一人だけこちらを見ていた兵士が居た。キュラソーが背後に回り込む段階ではまだ顔を出していなかったので気が付けなかったようだ。しかし明らかに動揺しており、そのまま放置すれば増援を呼びにいかれることは容易に想像できたので、私がさり気なく立ち位置を移動して、彼の直ぐ側に回り込んで同じく後頭部を殴打して気絶させた。

キュラソーが気絶した衛兵を見てなにかもの思いにふけっているが、時間はあまりない。

 

「行くぞ。」

「!・・・いいのか?」

「何がだ?」

「こちらの正体を見られているが。」

「我々はそこまで機密性が高いわけじゃない。どこぞの組織みたいに証拠隠滅のためにやたらと爆薬を使ったりもしない。」

「・・・。」

「こいつらが起きて我々のことを喋ったとしても、それは男女二人組が衛兵を気絶させた程度の話でしか無い。それが知れ渡る頃には我々は既にこの世界から脱出している。」

「・・・なるほど。」

「わかったら行くぞ。時間はあまりない。」

 

私達はそのまま城内を進んでいく。城内は場外とあまり変わらない町並みが広がっていたが、幾分こちらのほうが小奇麗だ。おそらく住んでいる階級が違うのだろう。

町を縫うように進みついに王宮の側までたどり着いた。王宮は古代の神殿のような佇まいであったが、ところどころに見られる造形は中世のそれだった。窓枠もそのひとつで、王宮の外壁に見える窓はそれぞれ精巧な彫刻が掘ってあった。おかげで我々が侵入するための足場にはあまり困らず、2階部分の窓から侵入することが出来た。ちなみにガラスは高級品なようで、一般住宅はおろか王宮の外壁の窓にもつけられていない。

 

2人で周囲を警戒しつつ王宮内部を進んでいく。すると前方に身なりの良い老人と作業服と思われる格好をした男数人が話しているのを発見した。我々は柱の陰に隠れつつそれに聞き耳を立てる。

 

「どうするのだ。今日の午後には裁判が執り行われるのだぞ?」

「とはいいましても、色つきガラスは数が少なく、あの位置ですと設置も大変で・・・。」

「言い訳は聞きたくない。なんとか間に合わんのか?」

「状況的には絶対無理です。ガラスはどんなに早くても明日になるかと・・・。」

「うぬぬ・・・裁判が行われる玉座の間が吹きさらしとはなんたる・・・。」

####情報を入手####

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『裁判が行われる玉座の間は先の自衛隊との戦闘の結果、玉座の背面にあるステンドグラスの一部が欠けているようね。補修用のガラスが無いため修理は今日中には行われないみたい。』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「お前たち。どうした。」

「「へ、陛下!?」」

「畏まらずともよい。何があった。」

「は、はいそれが玉座のガラスの修繕が今日中には終わらないと申しておりまして・・・。」

「申し訳ございません!」

「ふむ・・・いつ頃治る予定だ?」

「明日中には必ず!」

「そうか。まあ今日はそこまで風も強くない。今日の裁判には間に合わんが、仕方ない。」

「申し訳ございません・・・。」

「よい。ジエイタイが来てからというもの、色々とゴタゴタしていたからな。」

「ありがたきお言葉でございます。して陛下はこのようなところで何を?」

「ああ。そうであった。裁判のときの形式だが、中央に証言台。妾と被告の間に横一列に陪審員という形にしようと思う。」

####アプローチ発見####

「はあ・・・さようでございますか。しかし何故そのような?」

「日本国の裁判はそういう形になっていると伊丹から聞いてな。試してみようと思うのだ。」

「承知いたしました。」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『ターゲットは玉座の間の中央に座らされるみたいね。ステンドグラスの穴は先の戦闘において自衛隊が狙撃を敢行するのに使ったらしいことが情報部の調べでわかっている。その方法を踏襲してみるのはどうかしら?』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

どうやらステンドグラスが割れている以外にも、“被告”つまりはターゲットが中央に座る形になるようだ。ターゲットの位置がどの方向からでも狙える位置になるのは好都合と言える。私達は一旦その場を離れ、廊下の隅の袋小路でキュラソーに作戦を伝える。

 

「聞いてのとおりだ。ターゲットは玉座の間の中央に座ることになる。その時を狙って狙撃を敢行する。」

「周りのものに気が付かれるのでは?」

「十中八九気が付かれるだろうがあまり問題ではない。我々が行ったということだけ知られなければそれでいい。」

「なるほど。で、私は何をすればいい?」

「狙撃は玉座の外から行う。周囲の確認と、万が一自衛隊が出しゃばってきたときの対処だ。」

「了解。」

「ではまずは彼らが使った狙撃位置を探すとしよう。」

 

狙撃位置を探すのはそこまで苦労しなかった。玉座の位置はブリーフィングで把握していたし、そこから見える位置の高所は限られていた。玉座の背後には高台があり、その高台の頂上には元老院議会がある。おそらくその高台から狙撃をしたのだろう。距離は800m強。自衛隊のスナイパーは優秀なようだな。

 

私達はできる限り人に見られないよう高台へ登った。元老院議事堂は現在修復作業中であり、概ね外観は出来ているが、まだ彫刻などが終わっていないようで、自衛隊の協力の元、金属製の足場が周りに設置されていた。この日は作業は休みのようで作業員はおらず、入口付近の警備兵をかわせば中はほぼ無人だった。

 

「キュラソー、狙撃完了後は速やかにこの場を離脱する必要がある。脱出経路の確保は任せる。確実かつ早く脱出できる経路を考えてみろ。」

「これも訓練ってことね。わかった。」

「それと、万が一音に気がついて衛兵が着たときの対処もやってみろ。殺すなよ?」

「わかっている。こいつは威嚇用にしか使わない。」

 

私はキュラソーに脱出経路の確保と周辺警戒を命じた。小走りで建設現場の内部を調査しに行ったキュラソーを見送りつつ、私は狙撃位置を見極める。玉座の間は・・・あそこか。

玉座の間の中央から直線上にある足場に登り、背負っていたjaguar7のスコープで位置を微調整する。位置が決まれば後は待つのみだ。しばらくその場で待機しているとキュラソーが帰ってきた。

 

「ルートは確保できたか?」

「2つプランが有る。プランAは議事堂の向こう側に降りられそうな崖がある。そこから静かに降りるルート。崖の向こう側は森林地帯で、遅いが静かで目立たない。」

「ふむ。」

「プランBは建設現場の事務所と思われるプレハブ小屋の横に自衛隊の車両が一台放置されていた。エンジン始動まで確認済み。これで坂を駆け下りて正面から逃走するルート。騒ぎになり自衛隊が出しゃばる可能性があるが一番早い。」

「なるほど。我々は速さは求めていない。撤退はプランAで行う。」

「了解。」

 

そのまましばらく待機する。流石に組織の重鎮とは言え数時間に及ぶ沈黙は耐えきれなかったようで、キュラソーは唐突に話しかけてきた。

 

「ねえ。」

「・・・。」

「あなたはいつもこんな調子なの?」

「こんな調子とは?」

「ただただひたすらに人を殺して。あなたはそれでいいの?」

「任務に疑問を持ったことはない。私は任務のために生み出された。」

「・・・なんというかその・・・。」

「やりたい放題テロ活動を行っている組織に居た割には一般人のようなことを言うな?」

「・・・あの子達のおかげかしらね。」

「・・・少年探偵団とやらか。」

「あの子達のおかげで・・・私は暗黒の呪縛から逃れることが出来たのかもしれないわ。」

「・・・。」

「あなたにも・・・そういう人達がいるといいわね。」

「・・・間に合っている。」

 

 

若干日も傾き始めた頃合いで玉座に動きがあった。私はスコープで内部を覗く。ステンドグラスで見えづらいが、玉座にピニャ・コ・ラーダ皇太女が座ったのを確認した。その前には机に座る老若男女の裁判官と思われる人々。すべての準備が完了すると奥の扉、つまりは玉座の間の扉が開き、鎖に繋がれた一人の男が衛兵2名に連れられて入室してきた。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『アレがターゲットのクルツよ。ほぼ有罪が確定している身ではあるけれど、依頼は極刑。私達が代わりに執行してあげましょう。』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

ターゲットはそのまま中央の椅子に座らされた。裁判が始まったようだ。その時、玉座の間の端の方に見慣れた迷彩柄の服装の人物が立っているのを確認した。自衛隊の隊員だろう。主要人物でなければいいが、もしそうならば逃走は多少厄介なことになる可能性があるな。

私は丁度割れているステンドグラスの穴からターゲットの頭部に狙いを定める。裁判は罪状を読み上げる段階のようだ。私はうつむき、それを黙って聞いていたターゲットの脳天を弾丸で貫くべく、引き金を引いた。

 

ダァーン!

 

 

 

 

 

~伊丹side~

 

 

なんかピニャ殿下が日本の裁判を参考にしたいとか言い出したので、俺はこうして栗林と黒川と一緒にその裁判とやらに参加している。ちなみにあのスパイを捕まえたのは非番中の栗林だった。

 

「・・・以上が被告人、クルツの罪状である。被告人、なにか相違は・・・」

 

ダァーン!

ズシャ!

 

「うわ!?」

「何!?」

「な、何だ?!」

「狙撃だ!!!物陰に隠れろ!!」

 

いきなり目の前の被告人の頭が撃ち抜かれた!自衛隊の作戦じゃねえ、一体誰が!?

 

「伊丹殿!これは・・・!」

「ピニャ殿下、すぐに窓から離れてください!狙撃される可能性があります!」

「!!わ、わかった!」

「栗林!スナイパー確認できるか?!」

「無理ですよ!下手したらこっちが撃たれかねないし、それに今日は拳銃しか持ってきてません!」

「そうだった。黒川!被告人は!?」

「ダメです!眉間を撃ち抜かれていてもう息はありません!」

「クソっ!至急本部に連絡だ!栗林はピニャ殿下をお守りしろ!黒川!本部のついでに倉田に連絡して高機持ってこさせろ!」

「はい!」

「了解!」

 

この世界で狙撃ができるのは自衛隊以外には居ない。だがスパイ容疑の被告人を暗殺する理由は自衛隊にはない。だとしたら一体誰が・・・。

 

 

 

 

 

~47side~

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『ターゲットダウン。相変わらずいい腕前ね。さあ、自衛隊が来る前にそこを脱出して頂戴。』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

自衛隊が側に居たのは想定外だった。これは急ぐ必要が出てきた。

 

「キュラソー、作戦変更。プランBで行く。」

「了解。」

 

キュラソーはそう言うとものすごいスピードで足場から足場へ移動し、3階程度の高さももろともせず地面に降り立つと事務所の方へ走っていった。私も急いで下に降りる。

私が下に降り、城下町へ続く道へ出たところでキュラソーが自衛隊の軽装甲車両で戻ってきた。私はそれに飛び乗り、急発進して坂をかけ下っていった。

 

丁度王宮の目の前を通り過ぎるところで別の軽装甲車両とすれ違った。すれ違う時に車両に乗り込もうとしていたのは、ブリーフィングで名前が上がっていた最重要主要人物の伊丹耀司だ。悪い予感は当たるものだな。

そのままその車両は急発進でこちらを追いかけてきた。ほぼ同じ車両なので引き離すのは難しいだろう。

 

「できる限り路地を使え。」

「速度が落ちるぞ?」

「構わん。」

「了解。」

 

彼女の片手には端末が握られており、そこからICAの無人偵察機からの道路情報を受け取っているようだ。私はjaguar7に再度弾を込め、後部座席へ移動した。

彼女の運転テクニックは相当なものだ。車一台分しか無いような狭い路地を猛スピードで抜けていく。そうこうしているうちに南西城門までやってきた。城門は開け放されており、警備兵がこちらに気が付いたが打つ手が無いのか唖然としているのか、何もアクションを起こすこと無くそのまま門を通過できた。

 

「ここから先、入れそうな路地がない。直線になる。」

「わかった。やむを得ない。追手を攻撃するか。」

 

私は直線に入った瞬間に後方扉を開けてjaguar7を構える。後ろの軽装甲車両のフロントガラスは防弾仕様の可能性が高いため、おそらく貫通は難しいだろう。だが視界を奪うくらいならできる。

 

ダァーン!

バリン!

 

私のはなった弾丸は追手のフロントガラス中央に命中。案の定フィルムが張ってあったらしく貫通は出来なかった。しかし弾丸が食い込んだことでフロントガラスのひび割れが全体に広がり、かなりの視界不良になったと思われる。それを裏付けるかのように明らかに相手の速度が落ちた。

私達はそのまま郊外のセーフハウスへ帰還した。が、向こうも意地になっているのかフロントガラスが割られたままそのままついてきてしまった。私達は急いでセーフハウス内に入った。

 

「どうする?付いてきちゃったみたいだけれど。」

「しかたない。君の元いた組織流のやり方を行うか。」

「組織流?」

 

私達はセーフハウスに常備されていたC4爆薬の爆破タイマーをセットし、そのまま渡界機で脱出した。その十秒後、C4爆薬が爆発し、警戒して遠くから観察していた自衛官たちの目の前でセーフハウスになっていた小屋は木っ端微塵に吹き飛んだ。

 

 

 

 

 

 

~~3時間後~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「伊丹殿!賊は!?」

「すみません、ピニャ殿下。取り逃がしてしまいました・・・。」

「そうか・・・大きな爆発音がしたから心配したのだぞ。」

「相手が何者かはわかりませんが、逃げ込んだ小屋が爆発してしまったおかげで何も手がかりがつかめてません。我々の世界の者なのかこの世界の者なのかすら・・・。」

「ううむ・・・まあなんいせよ無事で良かった。被告人は射殺されてしまったが。」

「・・・念の為に申し上げておきますと・・・。」

「ああ、良い良い。わかっている。自衛隊は疑っていない。あの者を暗殺しても自衛隊に何の得もないことは私を含め皆わかっている。」

「よかったです。我々は犯人究明に全力を尽くします。」

「妾としては、ほぼ死刑が確定していたスパイの刑の執行がちょっと早まった程度に考えているんだがな・・・。」

「そうはいっても、我々以外に狙撃銃を使える輩がいると言うだけで十分脅威です。調べないわけにはいきませんから。」

「そうか。まああまり根を詰めすぎないようにな。妾としても伊丹殿に倒れられては困る。」

「肝に銘じます。」

 

 

~~ミッションコンプリート~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

・「怪しい下男下女」

 【+1000】『城門から城内に侵入する。』

 

・「自衛隊は甘すぎる」

 【+3000】『ターゲットを裁判中に狙撃で暗殺する。』

 

・「実践演習その3」

 【+1000】『キュラソーに脱出プランを作らせそれを実行する。』

 

・「爆弾魔」

 【+1000】『セーフハウスを爆破して証拠を隠滅する。』




『ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』の世界に出張です。レレイを迎えにあっちの二人は来たことがありましたが47はこれが初訪問です。
実績の「実践演習」はその1が侵入方法、その2が暗殺方法だったりします。


次回は不遇の子を救いにいきます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。