帰ってきました。
現代よりも少し未来。
人を炭化させ死に至らしめる認定特異災害"ノイズ"によって人類は脅かされていた。
唯一ノイズに対抗しうるのは、聖遺物を歌の力によって武装化するシンフォギアシステムのみ………
「と、まあこんな説明を長々としたところで俺の運命は変わらないと思うがな」
何故かって? 周りに何がいるか教えてやろうか!?
前、人?みたいな形をしたノイズ。
その隣、首が長い粘液を吐くノイズ。
その隣、ぶどうみたいな球体がいっぱいついたノイズ。
その隣、etc、etc、etc………
あーあ、ただでさえ幽霊との同棲でウンザリしてるのに、その上ノイズに囲まれ人生詰みかけてるって……………
もしも時間が戻せるなら二年前からやり直したいよ。
♦︎
二年前………
最悪な人生はここから始まった。トップアイドルツヴァイウィングのライブの最中突如起こる爆発。そして、悲鳴。
それがノイズが現れたと理解したものは我先にと逃げる。他人を押しのけてでも助かりたいもの、押しのけられ逃げ遅れるもの。自分は後者だった。そして………
「オイ! 死ぬな!」
僕の腕には胸から大量の血を流し瞼を閉じた女の子が一人。
「死ぬな!! 目を開けてくれ!!」
何かが飛んできたのはわかった、それをこの子は僕を庇ってこうなってしまった。
僕はただライブを見に来ただけだしかし突如ライブ会場が爆発そして……
「ぅ………ぁ………」
「!!」
生きてる! まだ生きてる!!
助けたかった。ただそれだけだった、この子の傷が深いのは分かるそれでもまだ助かるかもしれない。
しかし……………
「待ってろ! 今助けを‥………」
グシャアッ!
「‥……‥あ‥……?」
何かの破片が飛んできて正面から自分の胸に突き刺さり真っ赤な花が宙に咲いた。
「嘘‥…………だろ‥……‥?」
膝から崩れ落ち前のめりの態勢になる、死ぬほど痛い、それでも俺は生きている。
「おい! 大丈夫か!?」
赤色の髪の少女が二人に駆け寄る。
胸から大量の血を流す二人に声を張り上げて叫ぶように訴える。
「目を開けてくれ! 生きるのを諦めるなっ!!」
諦める………………?
「ま………だ‥……‥」
そうだまだ諦められない。
「は‥‥……はは………」
今は笑うことしかできない、でも今目の前にいる人の励みになればいい………
そう思いながら薄れゆく意識の中でやさしい歌が聞こえた。
♦
「‥………ん?」
ここはどこだ?
目を開けるとそこは見たこともない天井にベット、どうやら病院のようだ。
「生きている‥……よな‥……?」
まだ実感がない、本当は死んでいるのではないか?
「あ、起きたんだ!」
「ん?」
隣のベットから声がした、そこにはあのオレンジ色の髪をした女の子がいた。
「よかった~なかなか目を覚まさないから心配してたんだよ、自己紹介から始めた方がいいかな?
私、立花 響 13歳! 誕生日は9月13日、趣味は人助け。好きな食べ物はごはん&ごはん! 因みに彼氏いない歴=年齢で、身長は152、体重は……………もう少し仲良くなったら教えてあげる!」
「…………………」
「いや〜にしてもビックリしたよね〜、いきなりライブ会場が爆発してそこからノイズが出てくるんだもん、もう死んじゃうかと思ったよ」
「え? ああ、うんビックリしたよね…………」
―30分後―
「それでね、未来ったら大げさでね!」
「うん…………」
この子…………
―さらに30分後―
「病院食って美味しいんだね、おかわりはできるのかな?
「………………」
―さらにさらに一時間後-
「それでね…………なんの話してたっけ?」
この子のマシンガントーク止まらないんですけど!?
「えっと‥……その………」
「あ、そういえば君の名前聞いてなかったね。 私からしたほうがいいかな? 私、立花 響‥……」
「わ、わかった! 立花 響だろ!?」
またあのマシンガントークされたらたまったもんじゃない。
「はぁ‥………胡蝶だ………『
「胡蝶君か~。 よろしくね! そういえば胡蝶君って」
まずいこの流れは‥………
「立花 響さーん。 検査の時間ですよー」
「あ、はーい。 ごめんね、また後でねー」
「お、おう」
助かった…………
「はぁ……全部聞くの疲れた……………」
「すごいなこいつ、あたしなんて、半分も聞いてなかったぞ」
「え?」
誰?この病室には俺しかいないはず……
声の聞こえた方を向くと確かに居た赤色の髪の少女が………
「ん?」
「うわっ!?」
ガタンッッ!!
確かに人がいた。ライブ会場で最後に見た赤色の髪の少女、というか髪の長い女が突然現れるなんてどういうホラーだよ。びっくりしてベッドから落ちたじゃねーか。
「あれ?もしかしてあたしのこと見えてる?」
「あんた、一体、それよりどこから入ってきた!?」
「あたしも自己紹介した方がいいかな? 天羽 奏だ、よろしくな」
「あ、天羽? …………ツヴァイウィングの!?」
「そうそれ」
ちょっと待て、トップアイドルが俺に何の用だ!?
「胡蝶さん!? 大丈夫ですか!?」
俺がベッドから落ちた音を聞きつけナースが駆けつけてくれた。
「いや、こ、この人、奏…さんが……」
「………? 誰もいませんよ?」
「え?」
いや、ここにいるだろ?
「おーい、ここだよー」
おい!やめろ!人の目の前で手を振るな!というか見えてないのか!?
「目を覚ましたばかりで混乱しているのかもしれませんね、先生呼んできますね、立てますか?」
「ああ、はい」
どうやら奏が見えていないらしく俺を起こし先生を呼びに行ってしまった。
「どうなってんだ?」
「さあ? 未練ってやつかな? どうしてもあんたのことが気になってさ」
頼む、成仏してくれ。
「ヤダ、どうせ一人でいてもつまらないしあんたについていく」
「………はぁ?ふざけんな‥‥……」
こうして俺は幽霊と強制的に同棲させられることになった。
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