戦姫絶唱シンフォギア Graal   作:珈琲店員

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覚醒

そして現在………

 

「ッ!?」

 

ノイズが俺を炭に変えようと突撃してくる。それをなんとかかわし続けあの二人が逃げるまでの時間を稼いでいた。

 

「どうしようかな………」

 

『どうしようって言うくらいなら何で飛び降りた!』

 

「何でってそりゃあ、助けたかったから」

 

体が勝手に動いた、と言ったほうが正しいのか気づけば俺はノイズ達に向かって飛び降りていた。

 

「二年前にお前もこうしてだろ」

 

『あたしはあの時お前に生きてほしいから助けたんだ! だから、お前が死んだらあたしは……』

 

「おい、やめろ、俺を自分の生きた証かなんかにするな、それにあの時自分の命を諦めたやつに生きろだなんて言われたくない」

 

『確かにあたしは……でもお前も今あたしと同じことをしているんだ、人のことを言えないだろ』

 

「それは、わかって「キャーー!!」っ!?」

 

上から聞こえる悲鳴、一瞬で理解した。

 

「まさか上にもノイズッ‥………ガァッ!?」

 

『湊!!』

 

それと同時に上に気をとられノイズに足を掴まれる。自壊し始めるノイズとともに俺の足はどんどん感覚を失っていく。

 

「ふざ……けんな………ッ!自分の命を‥……諦めてまで‥…‥助けようとしたのに………」

 

『湊!諦めるな!』

 

わかってる!!俺はさっき生きることを諦めた、自分の命を犠牲にあの二人を助けようとしている。そして、天羽 奏も同じことをした………でも生きていなかったら助けられない‥…それじゃあ何の意味もない……だから………

 

『「(あたし)は………」』

 

一度は生きることを諦めかけた、でももう二度と………

 

『「生きることを諦めない!」』

 

覚悟を決めたそのとき、頭の中に歌の一節が思い浮かぶ。

 

『「Croitzal ronzell Gungnir zizzl………」』

 

歌い終わると湊の体を光が包み込む。

その衝撃で地面がえぐれる。

その光が止むとそこには鎧を纏った湊が立っていた。

 

 

♦︎

 

 

私立リディアン音楽院地下、そこには政府公認の特異災害に対抗する組織。特異災害対策機動部二課。通称突起物とも呼ばれる組織、二課の施設にてアラートが鳴り響く。

 

「司令! ノイズの反応と同時に、フォニックゲイン反応を検知!」

 

「まさかこれって………」

 

二課の司令、「風鳴 弦十郎」と二課の研究者「櫻井 了子」は、そこの職員である「藤尭 朔也」の声を聞いて戦慄する。モニターに表示される聖遺物の名前。そこに映し出されていたのは―――

 

「---アウフヴァッヘン波形!?」

 

「ガングニールだとぉ!?」

 

「司令!更にフォニックゲイン反応を検知!」

 

「なにっ!?」

 

同じく二課の職員「友里 あおい」の声を聞き驚愕する。本来ならあり得ないことがモニターに映し出されていたのだ。

 

「ガングニールの反応が二つ!?」

 

 

♦︎

 

 

『これは……!?』

 

「なんだこれ、どうなってんだ!?」

 

突然自分の身に起こったことに理解が追いつかない湊、そんな事情は御構い無しとノイズ達は湊に襲いかかる。

 

「うわっ! 来るな!」

 

襲いかかるノイズを思わず蹴り飛ばす。

 

グシャッ!!

 

「え………!?」

 

 蹴り飛ばしたノイズは豆腐のように崩れ炭素となる。しかも俺の足に食らいついていたノイズもいつの間にか炭化していた。

 

「いけるのか………?」

 

 確信はないが確かな予感はするこの力があればノイズに対抗できる。

 

『その姿、あたしのガングニールっ!?』

 

「え?」

 

 確かに言われてみれば自分の姿は二年前に天羽 奏にそっくりである。

 

『おい! 槍出してみろ!』

 

「槍!? どこにあるんだよ!」

 

『拳を上に突き上げろ!』

 

「こ、こうか?」

 

 言われた通りに拳を突き上げると籠手が外れ空中で槍へと変形する。

 

「本当に出てきた……」

 

『その槍を構えて!』

 

「お、おう!」

 

 奏に言われるがまま槍を構える、すると槍の穂先がドリルのように高速で回転し始める。

 

『今だ!』

 

「うおおおお!!」

 

ーLAST∞METEORー

 

 回転させた槍が生み出した竜巻は多くのノイズを巻き込み一掃する。

 

「すっげぇ…………」

 

 あまりの光景に言葉を失う、今まで逃げることしかできなかったノイズを倒せるということに変な優越感に似た感情を抱いている。

 

「よ〜し! 行くz「うわわわわわ!?」ゼッハァ!?」

 

 今からノイズを全て倒そうとした直後に背中に衝撃が走る。

 

「イタタ……お尻から着地しちゃった………」

 

「ぉぃ…………」

 

「お姉ちゃん、大丈夫?」

 

俺が大丈夫じゃねぇんだよ………」

 

「大丈夫! へいきへっちゃら!」

 

「早く退けよバカ!」

 

「へ? あ、ごめんなさい!」

 

 女の子が空から降ってくるのは某映画だけで十分だと実感した。

 

「あれ? あなたさっきの………」

 

「ん?」

 

 よく見ると空から落ちてきた女の子は先程まで一緒に逃げていた二人だった。

 

「お前‥……なんだその恰好?」

 

「似たような格好してますよ?」

 

 言われて初めて気付いたがこの格好すごく恥ずかしい。

 

「おい………お前、いつもこんな水着みたいな姿で戦っていたのか?」

 

『え?いや、確かに………恥ずかしいな……」

 

これじゃまるで痴j……『やめて』

 

『ま、まぁとにかくその話は後にしないか?』

 

「………はぁ」

 

「あの……誰と話しているんですか?」

 

え……あ、そういえば奏は他の人には見えないんだったな。

 

「えっと……とりあえずここから抜け出すぞ」

 

「はい!」

 

「俺が道を確保するからついて来い!」

 

『頑張れー!湊ー!』

 

奏から応援を受けつつ再び槍を回転させ先程放った技を再び放つ。

 

ーLAST∞METEORー

 

「よし!行くぞ!」

 

一直線にノイズを薙ぎ払いできた道を突き進む。

 

「たぁ!らぁ!どぉりゃ!」

 

『なぁ、おい………』

 

なんだよ! 今忙しいんだ!

 

『なぁ、何か音聞こえないか?』

 

「あ?」

 

確かに何か音が聞こえる、この音はエンジン音?

 

「ん!?」

 

気付いた時には結構ギリギリだった、一台のバイクがノイズを跳ね除けこちらに向かってくる。

 

「危なぁ!?」

 

それは当然のことである、何故ならバイクに乗っていた人は途中で飛び降りたからだ。当然そんなことをすればバイクは制御を失い横転、そのままバイクは横滑りして俺の横を通り過ぎて一際大きなノイズに直撃し爆発する。

 

「Imyuteus amenohabakiri tron」

 

「はぁ?」

 

「惚けない、死ぬわよ」

 

いや、いきなりバイクからダイナミックに飛び降りたのを見せられて惚けるなとか無理だろ。

 

「あなた達はそこでその子を守っていなさい」

 

それだけ言ってノイズに向かって行ってしまう。

 

「なんなんだあいつ………」

 

『翼………?』

 

「え………?」




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