彼女との日常、そして...
指揮官と彼女との深まり深め合うお話
今思えば最悪の出会いだった...
そんなことを考えながら
灰白色に濁り
厚く重なり合う雲空を見上げる
室内のはずなのに空が見え
髪からは水滴が滴り落ちる
自身の周囲には瓦礫が重なり
建物の断面が浮き彫りになっている
どうやら運良かったみたいだ
運が悪ければ
建物の下敷きで
いちごジャムのように
なっていたな
だが左腕なくなっている
出血がかなりひどい
足と、もう片方の腕も折れており
動くことは困難だろう
刻々と過ぎる時の中
徐々に失われていく体温
その傍らには一人の少女...
いや、戦術人形がいた
正確には周囲にも
たくさんの戦術人形はいたのだが
生きているのはこいつだけだ
その人形も私と
同じく崩落した瓦礫の中心で
虚ろな空を見上げ語りかける
ここは温かいですね、指揮官
まったく...
その言葉は嘘と真実どっちなんだろうな...
・・・
・・
・
出会いはちょうど半年前だったな
私は物忘れが激しい...
というより記憶力が乏しいので
良くメモをするようにしている
特に大事なものは左手
というより左腕をメモ帳にして
油性のペンで日付を書き記している
日付を書いておけばそこからつなぎ合わせて
何があったのか思い出せるからな
日記や手帳は続かないし
確認しようとしないから意味がない
かなりの面倒くさがりなのだ
社長も悩ませるほどにな
そう半年前
雪の降る季節
日頃の行いが良い子供たちが
サンタクロースから
プレゼントをもらえる日
クリスマス...
1週間ほど前から山積みの書類の中で
この必死に増え続ける仕事の負の連鎖を
断ち切るべく奮闘していた
私の司令部では副官を
UMP45に頼んでいたんだが
様々な事情により
AR小隊と404小隊から手を引くようにと
社長から命令があった
とは言われつつも
関係を完全に断てというわけでもなく
UMP45がちょくちょく
うちの司令部に遊びに来てくれ
そのうえ仕事もこなしてくれていた
私がこの司令部に来てから
ずっとの付き合いであり
そのころからこの司令部の
第一部隊の隊長を任せている
とはいえ、手を引くように言われているほか
ほかにもUMP45には仕事がある
そのまま副官を続けてもらうには
無理があった
とりあえず同じ第一部隊の
ナガンおばあちゃんや
ワーちゃんに副官を頼んだりしている
優秀...には優秀なんだが
まだ副官の仕事に慣れておらず
あまりほかの部隊も育っていなかったため
第一部隊にメンバーに
副官を頼むには問題があった
そんな指揮官のもとに
一枚のチラシが届いていた
正確には山積みになった
書類の中に埋もれていたのだが
差出元はI.O.Pだ
内容は
「新しい人形が製造可能になった
今後強くなる敵勢力に対抗すべく
最高の戦力になりえる戦術人形達を
各司令部に派遣しようじゃないか
自分の運と資材に自信があるんだったら
引いあててみな」
...と、喧嘩口調の謳い文句と
あの[[rb:忌々しき > しんあいなる]]
[[rb: クソ猫研究員> ペルシカリア]]先生の
ピースのついた
イラストが描かれている
チラシ自体は12月初めものだったが
それまで任務が忙しく
あまり製造のほうに気を回してなく
資材も使わずたまっていたため
引いてみることにした
特にカタログに書かれている
カルカノ姉妹にはとても目を惹かれた
彼女たちは2人姉妹のようで
共にライフルではあるが
ライフル同士のシナジーが高い
変わった戦術人形である
ランクは最高の星5で
今後強くなってくる敵に対して
彼女らは活躍するうえ
戦力不足が露呈してきた私の部隊には
持って来いであった
特に姉はとっても心にぐっと来た
妹のほうは性格が曲者らしく
可愛くはあるが
そこまで魅力的には思えなかった
確率は低くコストはかかるが
とりあえずほかの子でもいいので
新たな戦力が欲しかったため
先行投資だと思い
今あるだけの資材をかき集め
すぐにI.O.Pに連絡を入れた
あるったけの資材と製造契約を使い
一人で満足しながら
上機嫌で書類の分別をしていた
・・・
結果からすれば惨敗であった
I.O.Pから送られてきたのは
低Rateの戦術人形たちばかりであった...
可愛い女の子たちなので
あまりぼろくそなことは言えないが
うちの司令部は裕福というわけでもないので
見込みのある子しか育てられない
おかげで気分が駄々下がり
さらに書類が山積みになってしまった
星5が出てないわけではない
製造契約250に対して3体
まだそこまではいい
1体目トンプソン
2体目トンプソン...
3体目トンプソン......!!!
すでに私の司令部では
トンプソンは5Link100Lvです!!!
私の司令部は
資材をためているとはいっても
裕福ではないのだ
2体目を育てられるほどの余裕はない
そのため
来て早々申し訳ないが
うちの部隊には必要ないので
I.O.Pに返すか、他の指揮官に引き渡す算段を
つけているの途中である
部屋もなく、宿舎に
ぎゅうぎゅう詰めにしてしまうのは
かわいそうだったため
私の司令室を使わせている
使わせていたのだが...
3体トンプソンの姉貴たちは
仲良く私の司令室で酒盛りをして
仕事をしている私に絡んでくる
勘弁してくれ
戦うために生まれてきた戦術人形が
司令部に来て早々コアを引き抜かれ
解雇なんてのはかわいそうだからな
それにこちらの都合で
そうさせてしまっているので
多少の身の振り方が決まるまでは
面倒を見ようと思っていたのだが...
すぐに内定が決まった
というか決めさせた
これ以上絡まれるのは
勘弁してほしいからな
とはいえさすがは星5
その日のうちに
引き取り先が見つかるのは驚きだ
指揮官内で
今後の作戦でもとても役に立つと
話を聞くことができたし
しっかりとその力を発揮してくれるだろう
と情報を得ることができた
うちのトンプソンも頑張ってほしいが
M16と喫茶店で
酒盛りばっかりしているからな...
喫茶店といっても
夜はバーという設定だから
問題はないんだろうが
スプリングフィールドに
丸投げしている状態なので
とても申し訳ない
代わりにほかの人形を喫茶店に
働かせに行かせているが
なかなかに大変そうだ
そんなことを考えながら
報告書の山にため息をつく
UMP45がいてくれたら本当に助かるんだが
今は仕事に出ているため
手伝ってくれるはずもなく
そもそも、すでにうちの管轄でもないのに
ちょくちょく遊びに来てくれるだけでも
とてもうれしい限りだ
ちょっといじると鼻を折られそうになるがな
ナガンおばあちゃんとワーちゃんも
任務中でいない
さすが私の第一部隊だ
なかなか仕事を頼めない...
何とか今いる戦術人形が
ローテーションで副官をしてくれるが
確かに性能はいい
...がやはり教育が必要らしく
一度教えればすぐに理解してくれるが
一人一人に教えないといけないため
とても困っている
誰か決まった子にすればよかったと
考えながら
この前の戦術人形のチラシが
机の下に落ち拾い上げる
見た目とても素敵なカルカノM1891
お姉さんに来てもらえればよかったと
思い返していた
人生そううまくはいかない
ということをはわかっていたんだが
あ~~~の!
[[rb:クソッタレネコ > ペルシカリア先生]]!
ぼろ儲けで
こちらを[[rb:嘲笑っている > よろこんでいる]]
ことであろうな!!!
はぁ~
ため息が止まらない
これはもうだめだと
ペンを置き始末書やらを
明日に回すことにした
明日になれば副官になった誰かが
何とかしてくれるだろうと
私は頑張ることが嫌いなのだ
それ相応に給料を少なくしてもいいから
仕事量を減らせと社長に
直談判したこともあるぐらいだ
しかも何とか引き受けてもらえた
期待しているんだがなぁと小言を言われたが
私は生憎そんなものに興味はない
期待されて頑張るなんて
まったくもって性に合わない
そんなものは犬に食わせておけと
マイクを切り忘れており
口を滑らせてしまったら
苦笑いしながらも
仕方ないなと言われ話を聞き入れてくれた
心の底で申し訳ないなと思いながら
ガッツポーズをしていた
なんだかんだ言って末端指揮官の私の話を
聞き入れてくれる
社長には感謝している
頭が上がらないとまでは
言うつもりはないがな
とうとう0時を過てしまった
良い子はもう寝る時間だ
よく考えれば昨日はクリスマスイブだったな
事前にスプリングフィールドに
お金を渡しおき
喫茶店で戦術人形の皆を
労ってほしいと
パーティーを開くことを頼んでいた
後で行くと言っておきながら
結局行けておらず
気にしたスプリングフィールドが
ちょっとごちそうを持ってきてくれたので
それを口に入れたぐらいだったな
できればみんなが喜んでいる姿が
見たかったんだがな...
椅子にもたれかかりながら目を閉じる
ふっふっふ、でもみんなが知らない
スペシャルなサプライズが用意してあるのだ
実は戦術人形一人一人に
プレゼントが用意してあるのだ
一人一人の部屋にもっていくのは
さすがに無理だし
ばれる可能性が高いため
基地司令部内のクリスマスツリーの下に
ネームプレートを付けた
プレゼントを置いておいた
残念ながら私のはないけどな
まぁ、いいおじさんが
サンタクロースを待ってても
それはそれでドン引きされそうだしな
自分には来ない
来ないだろうが子供心は失いたくない
早く寝たらもしかしたら
サンタクロースが
子供心を忘れない私に来てくれるかと
自分の親愛なる椅子を後にする
残り製造契約が1枚
0時を過ぎてるのでお得意様特典で
とりあえずもう一度引けるので
2回か...
私にもサンタさんが
来てくれるといいんだがな~
つい、呟いてしまう
あまり期待はしていないが
もしかしたらサンタクロースが
プレゼントを
用意してくれるかもしれないので
発注しておいた
司令室のソファーに横になり
重くなった瞼を閉じる
せめていい夢が見られればいいんだが
まどろむ意識の中
部屋の中に誰かが入ってきたようだが
もはや心地よい眠気を手放すわけもなく
意識を手放した
ここが司令室ですか
華奢な少女が
私の司令部にやってくることになった