ソードアートオンライン~Immortal Legends~   作:ワッタン2906

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どうもワッタンです。大変長らくお待たせしました。m(_ _)m
やっぱりこの時期は、自分にとって忙しいです。でも何とか合間を縫って第六話完成しました。さて今回六話ですが、書いてて楽しかったです。まぁ文章力は、全然無いですが笑。

さて前置きはこのくらいにして、第六話どうぞ!!


第六話 月夜の黒猫団

2023年4月8日 (土) PM14時30分

─第26層 主街区─

 

「キリトーこのクッキー美味しいよ」

 

「お、どれどれ」

 

俺は皿から、クッキーを掴み口に放り込んだ。

 

「美味いな!!これ」

 

俺達は夢中になってクッキーを頬張り続けた。そんな様子をヒロが呆れた感じで見ながら、

 

「お前ら.......食いすぎだぞ?」

 

と呟いた。それを聞いたアスナが、

 

「まあまあ、いいじゃないのヒロ君」

 

と言った。

SAO開始から五ヶ月が過ぎた。今現在、第二十五層まで攻略が完了していた。俺達は今日の攻略を早めに切り上げ、拠点にしている街に戻ってきていた。しかしそこで、アスナ達とばったり出会い今こうして一緒にお茶をしているのだった。

 

「.......そうそうキリト、お前に聞いてみたいことがあったんだよ」

 

「うん、なんだ?」

 

コーヒーみたいな苦みのある飲み物を口につけ呟いた。

 

「お前は、新しく攻略集団に参加してきた三つ目のギルド《血盟騎士団》についてどう思う?」

 

「《血盟騎士団》....か...」

 

第一層のあの忌まわしい事件の後、主に攻略集団は三つに分かれた。

一つは、ディアベルの遺志を継ぎ主にディアベルの元仲間達(主にシミター使いが中心となり)立ち上げたギルド《ドラゴンナイツ・ブリゲード(DKB)》、

反ベータ主義を掲げるキバオウが立ち上げたギルド《アインクラッド解放隊(ALS)》そして、どちらにも属さなかった者たち(つまり、俺達やヒロ、エギル達のこと)に分かれた。三つに分かれたあと、暫くは順調に攻略が進んでいたのだが、.......ついこの前四つ目の陣営が現れた。

 

その名は、《血盟騎士団》、DKBとALSに比べて少数精鋭だが、少数精鋭だからこそ出来る堅実な攻略が出来るギルドでいずれは攻略の要となるギルドとして期待されている期待のギルドだ。

 

「.......あのギルドは、これから《ALS》の代わりに攻略集団を押し上げてくギルドになると思う.......けど何でそんなこと聞くんだ?」

 

そう実は先日、第二十五層攻略の際《ALS》はメンバーの八割以上がボス戦にて死んだ。そして《ALS》は事実上の解散に追いやられ、攻略集団から離脱した。

 

そして《ALS》が離脱すると同時に《血盟騎士団》が台頭してきた。そして《血盟騎士団》が台頭してきたことによって、他の小規模ギルドも僅かながら攻略集団の仲間入りをしていた。なので今現在の攻略集団は、《DKB》と《血盟騎士団》が中心となって攻略を進めている。

 

「あっ.......えっとー.......」

 

ヒロが言葉を濁し、アスナの方を見た。

 

「いいよヒロ君、私から言うから」

 

アスナがそう言った。どうやら、ヒロが俺に《血盟騎士団》のことを尋ねてきたのはアスナに関係することだったようだ。

 

(一体何を話すんだ.......?)

 

ユウキもクッキーを食べる手を止め、アスナの言葉を待っている。

 

「....実は私、.......《血盟騎士団》の団長さんからギルドに入ってくれないか?って言われてるの」

 

「「えっ....えぇぇぇぇぇー!?」」

 

俺とユウキが同時に声を上げ驚いた。その声に近くを通りかかった人が何事かと思いこちらを見ていた。しかし、俺達はそれを気にするひまはなかった。

 

「ばっ.......いきなり大声だすな」

 

ヒロが俺達の頭をコツンと叩いた。

 

「す.......すまん」

 

「うっ、ごめんね」

 

俺とユウキが謝った。

 

「けど、驚いたよ。まさかアスナがスカウトされるとは.......そうか、だから俺に《血盟騎士団》のことを聞いてきたのか」

 

「ああ、まあな。一応キリトの意見も聞いとこうと思ってな」

 

するとユウキが、

 

「うん、ボクも驚いたよー。......で、アスナどうするの?《血盟騎士団》に入るの?」

 

と、アスナに尋ねた。俺はその様子を見て、3ヶ月前のことを思い出していた。ヒロがあの時言っていた言葉。

 

──彼女が誰か信頼出来る人にギルドに誘われるまで.......一緒に行くよ──

 

(遂に、アスナがギルドに誘われたか.......来る時が来たということだな.......)

 

しかしその後、アスナから返ってきた言葉は少し予想外だった。

 

「うーん、迷ってるんだよね」

 

「え、何でだ?」

 

俺は少し驚き、聞き返した。

 

「.......私の考え過ぎかもしれないんだけど、《血盟騎士団》の団長さんは何かこう.......何でも見透かされているような感じがして.......ちょっと近寄りがたいんだよね.....それに.......」

 

「「そ、それに?」」

 

俺とユウキは聞き返した。

 

「いや、やっぱ何でもない。ごめんね」

 

アスナが苦笑しながら謝った。その瞬間ちらっと、アスナがヒロの方を見たのは気のせいだろう。

 

「いや、大丈夫だよ」

 

俺がそう言うと、今まで黙ってたヒロが口を開いた。

 

「まぁ確かに、アスナが思ってることは俺も感じるよ。けど、《血盟騎士団》の実力は本物だ.......だから俺はアスナには入って欲しいんだけどな.......」

 

ヒロが言い終えると、遠くから時刻を告げる鐘の音が聞こえてきた。すると突然、アスナが大きな声を上げた。

 

「あっ!!もうこんな時間!!ヒロ君、急がないと待ち合わせに遅れちゃう!!」

 

アスナにそう言われ、ヒロがウインドウを開いて時刻を確認する。

 

「ホントだ!!ヤバい急がないと、.......キリト、ユウキすまん。俺達この後待ち合わせがあるんだゴメンな」

 

「あ.......ああ大丈夫だ。いつでも会えるし、それより早く急いでくれ」

 

「ごめんねキリト君、ユウキ」

 

アスナがそう言うと、席を立って店を出ようとした。がその前にユウキが尋ねた。

 

「大丈夫だよ、アスナ。それより誰と待ち合わせしてるの?」

 

「えーと、.......私達と同じでコンビを組んでる人達だよ。じゃあね二人共!!」

 

アスナが言い終えると急いで店を出て、ヒロと一緒に転移門のある広場へと走っていった。

 

「俺達も、そろそろ出るか」

 

「うん、そうだね」

 

ユウキがそう言うと、自分のお茶を飲み干し席を立った。

 

──────────────────────

 

「しっかし、アスナがギルドに誘われるとはな。.......そういや、あの時アスナ何て言おうとしたんだろうな」

 

俺達は店を出た後、武器の強化をする為に鍛冶屋に向かって歩いていた。

 

「うーん.......なんとなくだけど、ボクは分かった気がするな」

 

「えっ.......分かったのか?」

 

思わず、ユウキの方を見る。

 

「多分ね。.......というかキリト分からなかったの?」

 

「.......ああ全く」

 

「あはは、キリトらしいやー。けどごめんね、この事はボクの口からは言えないやー」

 

俺の答えに、ユウキは笑いながら答えた。俺は少々落ち込んだが、すぐに話を続けた。

 

「.......まあでも、アスナがギルドに入ってもアスナとの関係は、これまで通り続けていきたいな」

 

「うん、そうだね.......ギルドかー......よし、決めた!!ねぇキリト!!」

 

突然ユウキが大声を出した。

 

「ど.......どったの?」

 

「ボク、いつかギルド作る!!だから.......その時は手伝ってね!!」

 

「お、.......おう.......」

 

そう呟いた傍ら、俺は考えていた。

(やっぱり、言ってきたか.......なんとなくこうなる予感はしてたんだよなー。.......まあ仕方ない、その時は手伝ってやるかな)

 

「よーし頑張るよ!!」

 

──────────────────────

2023年4月8日 (土) PM17時00分

─第十一層 迷宮区─

 

「ユウキ、スイッチ行くぞ!!」

 

「了解!!」

 

俺の掛け声と共に、ユウキと位置を入れ替える。そしてユウキは前に出るやいなや、ソードスキルを虫型モンスターに向かって放った。ユウキの放ったソードスキルは見事命中し、残り三割だったモンスターのHPを吹き飛ばした。

 

「お疲れ、ユウキ。.......よし、これで素材は何とか集まったな」

 

そう実は鍛冶屋に武器の強化をしに行ったときに、俺の武器を強化する為のアイテムを切らしていたのでこうして、最前線から十層も下のフロアに必要なアイテムを入手する為に、ユウキと一緒に迷宮区に潜っていた。

 

「.......キリト、今度からはちゃんとアイテムの所持数は確認しといてよね。じゃないとこうして、取りに来る羽目になるんだからね」

 

「す....すまん」

 

するとユウキが、小悪魔的な笑みを浮かべながら呟いた。

 

「.......ねぇキリト、ボクお腹空いたんだけどー」

 

(ぐっ.....コイツめ....けど、こうして着いてきてくれたし.....仕方ないか.......)

俺は観念し、ため息をついた。

 

「....分かったよ、帰ったら晩飯奢るよ.......」

 

「ありがと!!キリト!!さ、帰ろ!!」

 

ユウキはそう言うやいなや、出口に向かって歩き始めた。俺も慌ててユウキの後を、追い始めた。

 

 

歩き始めて数分、通路を少し大きめのモンスター群に追われながら撤退してくるパーティと遭遇した。咄嗟に俺達は、脇道に隠れて様子を見た。

見たところ、五人編成のパーティで前衛と言えるのは、盾とメイスを装備した男一人で、後は短剣使いや長槍使いという、いかにもバランスが悪いパーティ構成だった。

 

「キリト、助けよう!!」

 

「ああ、そうだな。このまま、もたついてたら他のモンスター群をひっかけてしまうかもしれない」

 

ユウキと頷き合い、一緒に隠れていた脇道から飛び出し、リーダー格とおぼしき男に声を掛けた。

 

「ちょっと前、俺達が支えましょうか?」

 

男は突然出てきた俺達に目を見開いて驚いていたが、すぐに頷いた。

 

「すいません、お願いします。やばそうだったら逃げていいので」

 

頷き返し、隣にいるユウキに話し掛けた。

 

「さっきと同じように、先に俺が突っ込むから、その後スイッチでとどめを刺してくれ」

 

「リョーかいっ」

 

ユウキが頷いたのを確認し、俺は背中から剣を抜くと、メイス使いに背後からスイッチと叫ぶと同時に、無理矢理モンスターの前に割り込んだ。

 

 

数分後、モンスター群をすべて倒した途端、見知らぬパーティの五人は俺が驚くほどの盛大な歓声を上げ、勝利を喜びあった。そして俺達に次々と差し出される手を、俺は慣れない笑顔を浮かべながら手を握り返した。

 

「ありがとう.......本当にありがとう。凄い、怖かったから.......助けにきてくれた時、本当に嬉しかった。ありがとう!!」

 

最後に両手で握ってきた、紅一点の黒髪の槍使いは、目に涙を滲ませながら呟いた。

その言葉を聞いた時、

 

(助けに入ってよかった。彼らを助けれる位自分達が強くてよかった)

 

と俺は心の底から思った。俺がしばしその感情に浸っているとユウキが、彼らに提案をした。

 

「あの.......良かったら、一緒に出口まで行かない?ね、キリトいいでしょ?」

 

「ああ、そうだな」

 

俺達の提案に、リーダー格の男は顔をほころばせ、頷いた。

 

「心配してくれてありがとう。それじゃあ、お願いします」

 

それが、ギルド《月夜の黒猫団》リーダー・ケイタの第一声だった。

 

──────────────────────

2023年4月8日 (土) PM19時30分

─第十一層 タフト─

 

「それでは、我ら《月夜の黒猫団》の勝利と、命の恩人のキリトさんとユウキさんに対して、乾杯!!」

 

「「「「乾杯!!」」」」

 

「か、乾杯.......?」

 

「乾杯!!」

 

俺達はあの後迷宮区を脱出し、主街区に戻るとケイタから、「酒場で一杯やりましょう!!」と誘われ、そのまま今に至るのだった。乾杯の後、それぞれ簡単な自己紹介をし、改めてケイタからお礼を言われた。

 

「改めてありがとう!!.......ボクらのパーティ構成ってさ、前衛が出来るのはテツオ(メイス使い)だけでさ。いっつも戦っているうちにジリ貧になって、だからさっきみたいに危なくなっちゃうんだよね。だからさっきは本当にありがとう」

 

「そんなに大したことしてないよ。それに、こんな状況だから助けあっていかないとさ」

 

俺はこの言葉を言った直後ふと思った。

 

(まさか、俺がこんなことを言うようになるとはな.......あの時、クラインを見捨てた俺がこんな風に思うようになるとはな.......どうしてだろう?いや、.......もう分かってるな)

 

俺は、チラリとユウキの方を見た。ユウキは離れた所で《月夜の黒猫団》の人達と一緒に談笑していた。

 

(俺が変わった原因は、間違いなくユウキのおかげだ。ユウキが居てくれたから、俺はビーターという名の圧力を耐えられている.......本当にユウキには感謝しきれないな)

 

「あのーキリトさん?おーい、大丈夫ですか?」

 

「...はっ、す、すまん。ちょっと考えごとしててさ」

 

どうやら俺は、また考えごとをしていてケイタに呼ばれていることに気づかなかったようだ。

 

「それと、敬語じゃなくて普通にキリトでいいよ」

 

「そう.......そうか。じゃあキリト、えと聞きにくいんだけど.......キリト達のレベルってどれぐらいなんだ?」

 

(やっぱり聞いてきたか.......さて、どうしたもんか)

 

一般的に、ハイレベルのプレイヤーが仮想の狩場に降りて、我が物顔で荒しまわるのはとても褒められた行為ではない。しかし、今回は《月夜の黒猫団》達を助けるためだったので仕方ないのだが.......というような理由で、俺は本当のレベルを言うか躊躇った。するとユウキがこちらにやってきた。

 

「キリト、二人で何話してるの?」

 

「ん.......ああちょっとな」

 

「ふーん、ところで、明日は何時から()()に出るの?」

 

ユウキが、とてつもない爆弾発言をした。自分達のレベルをほぼ確定させてしまうような発言を.......

 

「え....前線....ということは二人は.......攻略組?」

 

(いや、まだいける!!まだ俺達は攻略組とは言っいていない。ということはまだ弁解の余地が.......)

 

「ちっ.......違」

 

「うん、そうだよ」

 

俺が、弁解するよりも早くユウキが笑顔で肯定してしまっていた。

 

(.....一足遅かったか.......)

 

俺は、ケイタが向けてくるだろう人を蔑むような目線を待った。だが、ケイタは俺とは予想外の反応を示した。

 

「えっええええええー!!本当に二人は攻略組なんですか!?」

 

「あ、ああ.....俺達は攻略組だ」

 

俺が肯定すると、ケイタは目を輝かせ言葉を紡いだ。

 

「すごい......自分が見たこともないソードスキル使うから、自分達より上のプレイヤーだと思ってたんだけど、まさか攻略組とは.......」

 

ケイタは、そう呟くと俯いて何か考え込んでいるようだった。しかし急に顔を上げ、頼み事をしてきた。

 

「二人共に頼みがある」

 

「頼み.......?」

 

「うん、さっきも言ったと思うけど、僕達のパーティ前衛が一人しかいない。だから.............おーい、サチ、ちょっと来てよ」

 

ケータが手を上げて呼んだのは、あの黒髪の槍使いだった。ワイングラスを持ったままやってきた、サチという名の女性は、俺達を見ると恥ずかしそうに会釈した。ケイタはサチの頭に手を置き、言葉を続けた。

 

「こいつ、見ての通りメインスキルは両手用長槍なんだけど、もう一人に比べてスキルの熟練度が低いから、今のうちに盾持ち片手剣士に転向させようと思っているんだけど.......まだ片手剣の勝手が分からないみたいなんだ。だから二人に頼みたいのは、サチをちょっとコーチしてやってくれないかな?」

 

「何よ、人をみそっかすみたいに」

 

ケイタに言われ、サチがぷうっと頬を膨らませ呟いた。

 

「だって、急に前に出て接近戦やれって言われても、おっかないよ」

 

「大丈夫だって、盾の後ろに隠れてればいいって何度言えば分かるのかなー」

 

彼らのやり取りは、俺にとっては微笑ましく、そして眩しいものに映った。俺の視線に気付いたケイタが、照れくさそうに言葉を紡いだ。

 

「いやー、実はうちのギルド、現実ではみんな同じ高校のパソコン研究会のメンバーなんだよね。みんな良い奴だから、キリト達も仲良くなれるよ、絶対」

 

ケイタを含め、《月夜の黒猫団》は全員が良い奴なのは、迷宮区からここまでの道行きで分かっていた。俺は、後ろを振り返りユウキに話し掛けた。

 

「俺はコーチするのはいいけど、ユウキはどうだ?」

 

「ボクも、全然大丈夫だよー」

 

ユウキにそう言われ、俺は前を向き直すとケイタに話し掛けた。

 

「分かった。コーチを引き受けるよ.......けど俺達も忙しい時もある。だから毎日は来られないかもしれない、それでもいいか?」

 

俺がそう言うとケイタは頷き、

 

「もちろん!!コーチしてもらうのに、いちゃもんは付けないよ。よろしく!!キリト!!」

 

ケイタが、右手を差し出してきたので、俺も右手でケイタの手を握り返した。

 

「ああ、よろしくな」

 

祝勝会はとりあえずお開きとなり、俺達は二十六層に戻るために転移門広場への道を歩いていた。

 

「ねぇ、キリト。なんでコーチ引き受けたの?」

 

ユウキが俺に尋ねてきた。

 

「うん?....なんでだろうな、なんかほっとけなくってさ」

 

「ふーん、キリトってやっぱ優しいんだね」

 

ヒロにも言われたのだが、俺は本当に優しいのだろうか?自分では自覚ないんだが.......

 

「それよりキリト、どうやってコーチするの?キリトって盾持ったことないから、教えれないんじゃないの?」

 

ユウキにそう言うれ、俺はニヤリと笑うと言葉を返した。

 

「それなら当てはあるよ、ヒロに聞いてみる。一応あいつも、盾持ちの片手剣士だからな。なんとかなるだろ」

 

「大丈夫かな.......」

 

「大丈夫だって」

 

俺とユウキはこれからのことを話し合いながら、転移門広場へと歩みを進めた。

 

──────────────────────

2023年4月15日 (土) PM12時30分

─第十二層 迷宮区─

 

俺達がコーチを引き受けてから、一週間が過ぎた。俺達がパーティに入ったことにより、《月夜の黒猫団》のパーティバランスは大きく改善され、メンバーのレベルも快調に上昇していた。

 

「ねぇキリト、攻略組と僕達って何が違うんだろうね?」

 

「うーん、情報力かな。彼らはどこの狩場が効率がいいかとか、どうやれば強い武器が手に入るなんて情報を独占してるからじゃないかな」

 

ダンジョンの安全エリアで車座になって俺達は、サチ手作りの弁当を頬張りながら、休憩をしていた。

 

ユウキと話し合った結果、週三で俺が、週二でユウキが、週末は二人でサチのコーチをすることに決めた。なので、今ユウキは居ない。おそらく今頃、ヒロ達や他の攻略組達と一緒に迷宮区を駆け回っているだろう。

 

「そりゃ....そういうのもあるだろうけどさ。僕は意思力だと思うんだよ。なんかこう.......全プレイヤーを守ってみせるという志があるから、危険なボス戦に勝ち続けられると思うんだよね。でも僕らも気持ちじゃ負けてないつもりだよ。だから.......いつかは彼らに追いつけるって、思うんだ。」

 

「そう.......そうかもな、ケイタ達なら最前線に辿りつけるかもしれないな」

 

ケイタは俺の言葉に照れくさそうに頭をかいた。

しかし、一見順調に戦力が強化しているように見えても、一つだけ順調とは言い難いものがあった。そう、サチの盾剣士転向計画だ。

 

一週間が経過したが、彼女はまだちゃんと戦えなかった。それもそのはず、至近距離でモンスターと戦うには相当な胆力が必要だ。どちらかといと、サチは怖がりな性格で、とても前衛には向いているとは思えなかった。

 

(彼女には.......まだ荷が重いな、目を瞑って戦ってしまっている。これは無理に転向させない方がいいんじゃないかな)

俺はそんなことを思っていた。

 

──────────────────────

2023年4月15日 (土) PM18時00分

─第二十七層 ロンバール─

 

「お帰り、キリト」

 

黒猫団の用事が終わり俺は、自分達が拠点としている宿屋に帰って来ていた。

 

「ただいま、ユウキ。今日はどうだった?」

 

「んとねー、やっと最上階に続く階段を見つけたよ。だから早くて、明日にはボス部屋が発見されるかも」

 

「そうか」

 

俺は剣を外し、コートを解除すると椅子に座り込んだ。

 

「キリトはどうだったの?」

 

今度はユウキが、尋ねてくる。

 

「うーん、やっぱりサチには前衛は厳しいかもな。まだ全然使いこなせれてない」

 

「そうなんだ、うーんやっぱり難しいか」

 

二人が同じように、頭を捻る。

 

「.......今度ケイタに伝えてみるよ。転向は無理にさせない方がいいと思うって」

 

「うん、その方がいいかもね」

 

やっぱり、ユウキもそのように思っていたらしい。そのような会話をしていると、遠くから18時を告げる鐘が聞こえてきた。

 

「お、もうこんな時間か。ユウキ、飯食べに行こうぜ」

 

「うん、あっそうそうキリト、アスナが言ってた例の二人組に会ってきたよ。」

 

例の二人組とは、アスナとヒロが待ち合わせをしていたという二人組だ。

 

「おっ、そうなのか。どんな二人組だったんだ?」

 

「それは.......ご飯の時に教えて上げるから、早く行こっ」

 

「分かった、分かったから押さないでくれ」

 

俺達は、晩御飯を食べるために夜の街へと繰り出した。

 

──────────────────────

2023年4月15日 (土) PM20時10分

─第二十七層 ロンバール─

 

その日の夜。

晩御飯を食べて、宿屋の自分の部屋でくつろいでいた時、突然フレンドメッセージが届いた。ケイタからだった。

 

「サチが宿屋からいなくなりました。探すの手伝ってくれませんか?」

 

俺はそのメッセージの見ると、すぐに普段着から戦闘用の装備に着替え、部屋から出た。すると向かいの部屋から、俺と同じように戦闘用装備に身を包んだユウキが出てきた。どうやらケイタはユウキにも、メッセージを送ってたらしい。

 

「キリト、サチが.....」

 

「分かってる。行こう」

 

そう言うと、俺達は第十一層へと急いだ。その間にケイタに素早くメッセージを打った。

 

「俺は、ユウキと一緒に探す。ケイタ達は先に探しといてくれ」

 

多少誤字ったかもしれないが、構わず送信。

十一層の宿屋に着くと、俺はサチの部屋の前で索敵スキルの派生スキル《追跡》を発動させた。すると俺の視界に、薄緑色の足跡が表示された。これが《追跡》スキルの効果、対象の名前を入力することで対象の足跡を発動させることが出来る。俺達は、表示されている足跡を辿った。

 

足跡はどうやら主街区の外れにある水路の中に続いているようだった。中をのぞいてみると、そこには隠蔽能力付きのマントを羽織ってうずくまっているサチが居た。俺達は中に入り声を掛けた。

 

「....サチ」

 

声を掛けると、サチは顔を上げびっくりしたように呟いた。

 

「キリト、ユウキ。.......どうしてここが分かったの?」

 

「カンかな」

 

「.......そっか」

 

サチはかすかに笑ったあと、再び顔を伏せた。今度はユウキが話し掛けた。

 

「ねぇ、サチみんな心配してるよ。早く帰ろう」

 

なかなか、答えは返ってこなかった。二分位待ったあと、サチが消え入りそうな声で呟いた。

 

「ねぇ、ユウキ、キリト.......私逃げたいの」

 

「逃げるって.......何からだ?」

 

俺は反射的に聞き返してしまった。

 

「この街から。黒猫団のみんなから。モンスターから。.......SAOから」

 

俺は、即座にその言葉に答えられなかった。代わりにユウキが尋ねた。

 

「それは.......心中しようってこと?」

 

「ふふ.......そうだね。それもいいかもね。.......ごめん、嘘。死ぬ勇気があるなら、ここに隠れてないよね。」

 

サチは、ぽつりぽつりと自分の本心を語り始めた。

 

「.......私、死ぬのが怖い。怖くて、最近眠れないの。.......ねぇ何でこんなことになっちゃたの?何でゲームから出れないの?あの茅場って人は、こんなことして何の得があるの?何の意味があるの.......?」

 

「サチ.......」

 

その質問に個別に回答することは可能だった。しかし、サチはこんな回答は求めて無いだろう。俺が必死に考えていると、ユウキ。答えた。

 

「.......多分、意味なんてないよ。.......誰も得なんてしてないよ。この世界ができた時には、大事なことは終わっちゃったんだ」

 

ユウキがそう言うと、サチは再びかすかに笑うと、言葉を呟いた。

 

「.......二人は強いね.......どうしたら二人みたいに強くなれるの?私も二人みたいに、強くなりたい」

 

「.......ボクは強くないよ。今も色んな人に助けってもらってる。それに......サチだって強いよ」

 

「え.......?」

 

サチが驚いたように顔を上げ、ユウキを見る。

 

「だって、本当に怖いなら《始まりの街》から出てないでしょ?でも、サチは街から出た。...例えそれが皆に置いて行かれたくないという理由としても、君は街から出た。....だからサチは、充分強いよ」

 

ユウキの言葉に、サチは涙を流しなら呟いた。

 

「.......私....強いの?」

 

「うん、.......それにサチはもっと強くなれる、ボク達が保証するよ。ね、そうでしょキリト」

 

「ああ、保証するよ。君は死なないし、これからも強くなれる」

 

俺達の言葉に、サチは泣き笑いの顔で呟いた。

 

「ありがとう.......二人共」

 

その後、俺達はサチが少し落ち着くまで待ってから宿屋に送け届け、ケイタ達を宿屋の一階で待って、俺は彼らに告げた。サチが盾持ち剣士に移行するのには時間がかかること、可能なら今のまま槍戦士を続けたほうがいいことを告げた。ケイタ達は、俺達は とサチとの間に何があったのか気になったようだが、俺達の提案を快く受け入れてくれた。

 

──────────────────────

2023年4月15日 (土) PM21時03分

 

「あれでよかったのかな?」

 

帰り道、ユウキが話し掛けてきた。

 

「分からない.......けど、少しでも彼女の不安を取り除けてたらいいな.....にしても、ユウキあんなこと思ってたのか」

 

「うん、そうだよ!!.......と、自信満々に言いたいことだけど、あの答えはボク一人だったら絶対浮かばなかったよ。.......多分ボクは、キリトと出会ってなかったら《始まりの街》に残ってたかもしれない。もし、残らなくても今みたいに、コンビで組むことはなかったかもしれない。.......だからね」

 

ユウキが突然立ち止まる。俺も立ち止まって後ろを振り返り、ユウキを見る。

 

「キリト、ありがとう。あの時、ボクを連れてってくれて」

 

ユウキがこれまで以上の笑顔で、呟いた。

そう言ってくれた瞬間、俺は思わず涙が出そうになるほど嬉しかった。だがそれを堪えて、呟いた。

 

「.......お礼を言うのは、俺もだよ。ありがとなユウキ、こんな俺と一緒に居てくれて」

 

俺が呟くと、ユウキが嬉しそうに歩き始め後ろを俺の方を振り返り、呟いた。

 

「さ、帰ろキリト!!」

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか。今回は、若干キリユウ成分多めで書きました。伝わってるいいな.......。さて遂に月夜の黒猫団の所に来ました。実は月夜の黒猫団の話は自分がアニメで初めてみた話なので、中々思い入れが深かったです。(もう何年前の話かな.......)当時は、自分がハーメルンでSAOの二次創作書くとは思ってなかったので驚きです。いつか、他のタイトルの二次創作も書いてみたいですね。

今回もお読み頂きありがとうございました。つい先日UAが1500を突破しました。これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします。さて次回は、ちょっとオリジナル展開にしようと思います。お楽しみにいただければ幸いです。それでは、また次の話で会いましょう!!

(SAO最新刊ゲットしたぞぉぉーー!!そして、アニメ放送開始!!まだまだSAO熱は冷めないぜ)
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