とある魔術の仮想世界[4]   作:小仏トンネル

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第7話 目覚め

 

 

「ぶえっくしょいーーーっ!!」

 

 

風に流された短い雑草の切れ端が鼻に貼り付いて鼻腔をくすぐり、盛大かつ下品なくしゃみと共に上条当麻は目を覚ました。くしゃみに釣られて開いた目に入ってくる景色は、靄がかかったようにぼやけていて、一度両目を閉じてから右腕で思いっきり瞼を擦ると、再びゆっくりと瞼を持ち上げた

 

 

「・・・ここは…?」

 

 

それから上条は自分の身体が大の字になって芝生の草原の上に投げ出されていることに気づき、上体を起こしながら周囲を見渡した。時刻は深夜なのか、辺りは暗く空には無数の星が輝いていた。静かな夜空を見上げながらボリボリと後ろ頭を掻き毟ると、自分が何故ここにこうしてちるのかという記憶を呼び起こし始めた

 

 

「確か俺は、カセドラルの頂点でアドミニストレータを倒して…アイツが弄ってたシステム・コンソールを使って外部の人間を呼び出した…ハズなんだけど……」

 

 

寝起きにしては思いの外、頭が冴えていると上条は思いながら、記憶の糸を辿っていった。その結果、彼の脳裏には自分がここに至るまでの一連の出来事と、光景までもが鮮明に蘇り始めた

 

 

「そんで確かそこには、一緒にいた理由は分かんねぇけどあの病院のカエル顔の先生と…美琴と吹寄がいて…意識を強く保てとか…アンダーワールドが崩壊す、る……とか………」

 

 

そこまで記憶が蘇った瞬間、上条はハッとして飛ぶように立ち上がった。そしてもう一度、立ち上がった状態でぐりんぐりんと首を独楽のように回して周囲を見渡して現状を整理し始める。ここは最後に自分がいたカセドラルではない。どこかの森の中にある丘の中腹だ。これは夢なのか、そう思って頬を平手で打つとじんわりとした痛みと熱さを感じ、本能がこれは夢ではないと認識した

 

 

「な、なら…ならここは…!?」

 

 

ここはどこか。その疑問を一番手っ取り早く知れる方法はなにか、考える必要はなかった。上条は左手をバッと持ち上げ、その上に右手の人差し指と中指の二本でS字の軌跡を描く。紫色の薄い光を発して空に残るそれを叩くと、見間違いようのない、あの世界の窓が開いた

 

 

「ステイシアの…窓……」

 

 

ここがどこか、もう疑うまでもなかった。とりあえず自分のいる世界がどこか分かった嬉しさと、まだそこにいるのかという落胆が入り混じって軽い目眩を覚えた。窓に表示された天命は、上限と現在値が全く同じだ。オブジェクト、システムコンロール権限は最後にアドミニストレータと戦った時と同様の数値であることを確認すると、誰が答えてくれるわけでもないのに上条は呟いた

 

 

「・・・俺はまだ、アンダーワールドにいるってのか…?」

 

 

それからまず自分の服装を見る。それは修剣学院のアズリカが預かっていたという、リーナからの贈り物の黒い布地の服だった。しかしそれは、アドミニストレータの剣に貫かれ穴だらけになっているはずなのに、何故か新品のように綺麗で、糸のほつれどころか汚れすらもない。おまけに、アリスの眼帯代わりにと切り裂いた裾も綺麗に戻っていた

 

 

「おやっさんの盾と星空の剣…はないな……」

 

 

自分の首をできる限り捻って背中を見つつ、右手と左手で背中を弄るが、自分が装備していたはずの翡翠色の剣と盾はないことに気づいた。そこでハッとして盾は剣の巨人との戦いで壊れ、剣はアドミニストレータを屠った記憶解放の一撃を最後に崩れ落ちたのを思い出した。そしてその剣の銘の由来となった満点の星が浮かぶ空を見上げ、その名前をくれた、今はもういない友人の存在を記憶から呼び起こした

 

 

「・・・・・ユージオ…」

 

 

彼が最期に自分にくれた勇気が胸に沁み、目頭が熱くなってきたところで、上条は小さくかぶりを振った。今は感傷に浸るべき時ではない。そう考えつつ、とりあえず一番初めに湧いた疑問を呟いた

 

 

「でも、どうして俺はまだアンダーワールドに…?先生や美琴達と通信したすぐ後に、あの仮想世界は吹寄の言った通り跡形もなく崩壊して、俺は下に広がった暗闇に落ちていったはず……それがなんだって、ログアウトも出来ずにこうして仮想世界に?また先生達がアンダーワールドを作り直して、俺をログインさせたのか?だけど、そこまでする目的は…?」

 

 

それは恐らく向こう側の世界の人間にしか分からないことだろうと、上条自身も理解はしていたが、いくら自問しても答えが出ない煩悶としたこの状況に舌打ちした。しかし、ふと気の赴くままにもう一度周囲を見渡すと、自分が寝そべっていた丘とこの森の雰囲気に、ひどく既視感があることに気づいた

 

 

「こ、ここって…まさか…!」

 

 

その既視感に気づくなり、上条は一気に丘を駆け上がった。そして息を切らしながらたどり着いた丘の頂上には、地面にどっしりと根を構えた黒い巨樹の切り株が、ただ一人静かに佇んでいた

 

 

「間違いねぇ。ギガスシダーの切り株だ…だけど、何だ……?」

 

 

傍らに巨大な幹を横たえた、ギガスシダーの幹をそっと右手でなぞる。それは、特に明確な意味を持たない行動だったハズだというのに、上条はそこで僅かな違和感を覚えた

 

 

「この切り株は、俺とユージオが切り倒したギガスシダーとは…何かが違う…」

 

 

あくまでも直感的に、上条は感じた。理由も根拠もない、ただ『これは違う』という異物感にも似た感覚だった。そんな不明瞭な感覚に理由を探そうとギガスシダーの幹を見渡していると、その先端が人為的に切断されている事に気がついた

 

 

「・・・?なんでこんな先っぽだけ切られてんだ?俺とユージオは別にこんな所切った覚えも…いや、俺たちが村を出て行った二年間の間に誰かが…それとも、このギガスシダーは俺の予感通り、俺とユージオが切り倒したのとはまた別の………ッ!?」

 

 

そこで上条は初めて、ギガスシダーの切り株の先端のさらに先にある、丘の北側に広がる光景を見やった。その直後に、鼻を盛んについてくる焦げ臭さに顔を顰めた。思えば夜にこの丘に来たのも、夜のルーリッド村を村の外から見るのも初めてだったが、その光景から見えるルーリッド村の方角には、天に向かって伸びる煙があった

 

 

「な、何だ…アレ……?」

 

 

この丘からルーリッド村にはそれなりに距離があり、村の外観はぼんやりとしか見えていない。しかし、それで十分だった。夜の闇の中で、村の北側を中心に村のあちこちから煌々と光る赤と、立ち昇る煙を見れば、それが火事だと気づくのに時間はかからなかった

 

 

「まさか、もう始まったってのか…?カーディナルが言ってた、闇の軍勢が人界に攻め込んでくるっていう、最終負荷実験が…!?」

 

 

そうなるとルーリッド村は、今まさに闇の軍勢に襲われていることになる。かつて果ての山脈の洞窟で見たゴブリン達が、村人を襲い、村の家屋に火を放っているのだ。その光景を想像した瞬間、上条は一週間という短い間ながら世話になった教会で、自分の面倒を見てくれた、一人の修道女を思い出した

 

 

「セルカだ…セルカが危ねぇ!?」

 

 

星空の剣が砕け、ギガスシダーが切り株になっている現状から鑑みるに、村どころか、この世界には恐らくもうユージオはいないのだろう。しかし、今もルーリッド村には彼と姉の帰りを心待ちにしているセルカがいるはずだ。そう考えた瞬間に、上条は既に丘を駆け降り始めていた

 

 

「着いたらもう既に全滅でしたなんてオチはやめてくれよ!?頼む…みんな無事でいてくれ!!」

 

 

半ば祈るように丘を下り終わって平坦な道に出た瞬間、一際強い風が右横から上条の頬を殴った。上条は思わず立ち止まって目を瞑ると、一体何事かと夜空を見上げた。するとその視線の先には、驚くほどの速度で北に向かって夜空を飛ぶ一匹の白銀の飛竜が映った

 

 

「ひ、飛竜!?ダークテリトリーの連中には飛竜も…!いや、違うな。今の竜は南から飛んで来た…ダークテリトリーに通じてる果ての山脈は村よりもっと北だ。仮にダークテリトリーの飛竜なら、南から飛んでくるのはおかしい…」

 

(それに俺は、あの飛竜をどこかで……)

 

 

上条がそんな風に思考を巡らせている内に、飛竜はもう既に尻尾の先が見えなくなるほどにまで先に行ってしまった。上条は自分がその飛竜を見て立ち尽くしていたことに気づくと、自分を叱責しながらかぶりを振って森の中の拓けた道を走り始めた

 

 

「クソッ!二年も俺をこの世界で放置した挙句に、いきなりこんな訳の分からねぇ状況でもう一度放り出しやがって!美琴、吹寄、先生も、現実に戻ったら一発は殴らせてもらうからな!」

 

 

二年前にユージオと共に行き来した森の中の道を一心不乱に駆け抜けると、やがて森を抜けた先でユージオが使っていた竜骨の斧などを仕舞っていた物置小屋が目につき、武器も防具も持たない上条は、それを持ち出そうかという考えが一瞬頭をよぎった

 

 

「・・・いや…確かに竜骨の斧は強力な武器になるだろうけど、今の俺には神聖術も右手もある。だったら今の俺に、あの斧はいらねぇな」

 

 

そう結論づけると、上条は物置小屋を横目にあっさりと通り過ぎて、村の南を囲む一面の麦畑に出た。しかし、麦畑にはざっと見て15センほどの緑の芽が出ているだけで、その光景にまたも上条は疑問を覚えた

 

 

「おかしい…どう見てもこれは種を蒔いてそんなに時期が経ってねぇ。ユージオから聞いた話じゃ、村で麦の種を蒔くのは9月頃で、芽が出るのは10月だって…その芽の成長具合からして今は11月ぐらいか…?」

 

(それに、森の草木の色が赤と黄色に変わってる…それどころか枯葉だって落ちてる。俺がカセドラルに行ったのは五月…これじゃあ、俺はあの日から半年近くも……)

 

 

麦畑を横目に見ながら今の月日をなんとなく察すると、上条はまた増えた謎に舌打ちしながら畑道を走り続けた。やがて村の南門まであと少しというところで、大勢の村人がこちらに向かって走って来ているのが見えてきた

 

 

「あ、あれは…!」

 

「おいお前!こんなところで何してる!?」

 

 

そこで上条は、村から南に向かっていく住民達の先頭を走っていた、鍬を持つ一人の農夫に声を掛けられた。そして上条と向き合った農夫の脇を、次々と他の農夫達を先頭に女性や子どもが通り過ぎていった

 

 

「な、なぁ!今ルーリッド村で何が起きてるんだ!?なんか村の奥から炎が上がってるように見えたけど…!」

 

「ゴブリンとオークだ!ヤツら果ての山脈にある洞窟の崩れた瓦礫を退けて、ダークテリトリーから攻めこんで来やがった!お前がどこの誰だかは知らんが、今はとにかく村の皆を追って南に逃げろ!」

 

「ま、マジかよ…本当に負荷実験が始まったってのか…!?誰か死人や怪我人は!?」

 

「少なくとも20人はやられたが、詳しいことは俺にも分からん!とにかく今は…!」

 

「リダックさん!こんなところで立ち止まって一体どうしたん、です…か……」

 

 

次々と住民がすり抜けて行く中で、上条と農夫に話しかけた少女が一人。その少女は長めの茶色い髪を、後ろ首の辺りで留めている修道女だった。その少女、セルカ・ツーベルクは農夫と話していた上条を見るなり、まるで亡霊でも見ているかのように目を丸くして言葉を失った

 

 

「せ、セルカ!良かった!無事だったんだな!?」

 

「・・・えっ…?う、嘘…そんな、あなた…か、かみ…カミや……うぐっ!?」

 

「お、おいどうしたセルカ!?頭を打ったのか!?」

 

 

上条はセルカの両肩を掴んで彼女の目線に合わせて身を屈めると、突然セルカは目を泳がせながらしどろもどろに喋ると、急に俯いて頭を抑えた。上条がそんな彼女を心配して顔を覗き込むと、やがてセルカは上条の顔を見て信じられないといった顔で呟き始めた

 

 

「そんな…そんなの、あり得ないわ…!だって私はこんな記憶一度だって…でも、でもあなたはあの時、ユージオと一緒に私を…!?」

 

「セルカ!?大丈夫なのか!?セルカ!」

 

「おい!こんなところで立ち止まるな!お前たちも早く逃げろ!」

 

 

何度も静かに首を横に振ってうわ言のように呟くセルカの肩を揺すりながら、上条は重ねて問いただした。すると突然、家屋の灰や血がこびりついた鉄の鎧を纏い、腰に剣を据えた衛士が彼らの後ろから叫んだ

 

 

「じ、ジンクさん!大丈夫ですか!?お怪我はありませんか!?」

 

「あぁ!大した怪我はない!それより早く逃げろ!もう衛士隊も全員退避して逃げた村人を追ったぞ!」

 

 

その声に上条がセルカの肩を掴んでいた手を下ろすと、セルカは後ろへ振り返って声を掛けてきたジンクという衛士の安否を訊ね、ジンクは修道女に強く頷き返した。しかし、セルカはその後に彼が付け足した言葉に血相を変えてジンクの肩に飛びついた

 

 

「え、衛士も全員退避したって…だったら姉さまは!?アリス姉さまはどうしたんですか!?」

 

「アリス!?アリスがこの村にいるのか!?」

 

「え?あ、あぁ…アイツは今も一人で闇の国の化け物達と戦ってる。だけど大丈夫だ!さっきも飛竜が…!」

 

「ッ!?そうか…あの飛竜はアリスが修剣学院に来た時の…クソッ!」

 

「か、カミやん!?行っちゃダメよ!カミやん!」

 

 

背後からセルカが自分を呼び止めようとする叫びが聞こえているが、上条は止まることなく村の南門を潜って、炎に包まれたルーリッド村を駆け回った

 

 

「アリスー!どこだ!?アリスーーーッ!?」

 

「ギャハ!イウムだ!殺す!喰うぅ!」

 

「るっせぇ!今はテメエの相手なんかしてる暇ねぇんだよ!」

 

「ギャア!?」

 

 

村の中を闇雲に走って声を上げながらアリスを探す上条の前に、その声に気づいた一匹のゴブリンが蛮刀を振り回しながら彼に襲いかった。しかし、上条は飛びかかって来たゴブリンに真っ向から右拳を見舞うと、緑の異形は短い悲鳴をあげて首をぐりんと回して絶命した

 

 

「アリスッ!いたら返事しろー!アリ…!」

 

「グガルアアアアアッ!イウムの小娘が!調子に乗ってんじゃねぇ!!」

 

 

再び村を走り出した上条の左耳に、聞くに耐えない絶叫が飛び込んできた。その醜悪な声の元凶へと視線を向けると、驚異的な体躯を誇るオークが今まさに、目の前の黄金の騎士目掛けて巨斧を振り下ろそうとしていた

 

 

「ッ!?」

 

 

見紛うハズもない。黄金の鎧と青いマント。そして炎の中でも一際の輝きを放つ黄金の長髪。セントラル・カセドラルで戦い、右目の封印を破り、最高司祭へ共に立ち向かった整合騎士。アリス・シンセシス・サーティ

 

 

「うおおおおおおおおっっっ!!!」

 

 

その彼女を瞳に捉えた瞬間、上条の体はもうとっくに飛び上がっていた。名前を叫ぶ時間すら惜しかった。ただ右手で拳をありったけの力で握って、オークの左頬に突き刺す。上条がその拳を振り終わって地面に着地した時には、地に伏したオークはピクリともしなかった

 

 

「カミ、やん……?」

 

「アリス!無事か!?怪我はねぇな!?」

 

 

自分を守りながら目の前に降り立った上条の名前を、アリスは信じられないものを見るような目で見たまま静かに呟いた。オークを拳一つで叩き伏せた上条は急いでアリスに駆け寄ると、彼女の両肩に手を置いて切羽詰まった表情で言った

 

 

「そ、そんな…あり得ません!どうして…どうしてあなたがこんなところに!?」

 

「そりゃこっちのセリフだ!でも今はそんなこたぁどうでもいい!もうゴブリンやオークはいないのか!?」

 

「え、えぇ…今ので最後のはずです。残りは先ほど果ての山脈の向こうまで逃げ去りましたから…」

 

「そ、そうか。なら良かっ…うおおっ!?」

 

 

彼女の言葉に上条はほっと安堵の息を吐いたのも束の間、アリスがとてつもない勢いで上条の胸に飛び込んでいった。上条はそのあまりの勢いに仰け反りそうになったが、なんとか足腰を踏ん張って耐えると、アリスが自分の胸に顔を埋めながら嗚咽を漏らしていた

 

 

「あぁ…声が、聞こえます…心の音が…聞こえて、触れられる。ここに、ここにいるのですね…あなたは…カミやんはここにいる…!」

 

「・・・あ、あの…アリス、さん…?」

 

 

アリスは上条の胸の中で、静かに涙を流した。かつて彼女のために裾を切ってくれた服に、今度は彼女の雫が染みていく。そしてアリスは、内から湧き上がる感情に任せて彼の体をキツく抱きしめた。しかし、有り余る感動のせいか、その力はあまりに強すぎた

 

 

「ぐ、ぐるしっ…アリス…し、死゛ぬ…」

 

「なんで…なんでずっと忘れてしまっていたんでしょう…!私は…わたしは……!」

 

「も、うぷ…無理…不幸、だ………」

 

 

勝手に一人で感動に酔いしれるアリスはどんどん舞い上がっていき、それに比例して上条を締める腕の強さも高まっていった。そして上条は全身の血流が止まっていくのを感じると、彼女との再会を喜ぶ暇もなく意識を手放した

 

 

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