「…嫌な、夢だな。」
俺はベッドから起きて洗面所に向かう。
あの日、ツヴァイウィングのライブ会場から生還した俺たちを待っていたのは人の悪意だった。
ツヴァイウィングの会場での死者の三分の一は行方不明……ノイズによって分解された死者、残りは……人が人を殺したと言う衝撃の事実だった。
それを嗅ぎ付けたマスコミはその事を面白おかしく記事に書いた。人はわからないものに恐怖する。その為、ツヴァイウィングの会場からの生還者というだけで言われのない差別が起こってしまった。
差別の内容は千差万別だから深くはわからないが俺や響は学校でいじめられた。机に落書きされることは日常的、家に石を投げられることも良くあった。
母がいなかった俺は住み慣れた土地から逃げて別の場所に住むことになった。父親は非常に優秀だったこともあり金には困らなかったが酷く寂しい思いをしたことは確かだ。
「……ふう。」
俺は顔を洗い、目の前にある鏡を見る。
父の話しでは死んだ母は北欧の人間だったらしく、色白の肌にクリーム色の髪、碧色の左目と女のような顔立ちは母親の遺伝らしい。
「父親の遺伝弱すぎるだろ…。」
実際、父と繋いでいるものなんて黒い右目程度だ。
「さて、俺も学校にいきますか。」
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俺は学校に向かう為にバスに乗った。
俺はあの頃のいじめから学校そのものが嫌いになり、今は通信制の高校に通うことでなんとか凌いでいる。
ドクンッ
「ぐっ……!」
俺の胸が急に痛くなり、身を縮こませる。
俺の胸にはフォルテの傷があり、時々、胸が痛くなることがある。まぁ、すぐに収まるからいいのだけど。
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「ふぅ、終わった終わった。」
学校が終わり、俺は学校からでる。
確か今日は風鳴翼の新アルバムの発売日だし買いに行こーと。あ、そう言えば風鳴翼ってこの近くのリディアン音楽院だっけ?会えたらいいなー。
「……おかしいな。」
ふと、アルバムが買える場所に向かっている途中、足をとめる。
妙だ、あまりにも静かだ。それに辺りに黒い粉が飛んでいる。あれ?この黒い粉、とこがで……?
「ーーーーーーー!」
「うわっとと!」
隣の路地裏から出てきた触手を触れるギリギリのところで回避する。
やっぱり……!ノイズ!
「「「「ーーーーーーーー!」」」」
しかも複数体、ははは……俺ももう終わりかな……?
だけどやれることはある。
「三十六計逃げるにしかず!」
ノイズのざるな包囲を突破しようとした時、
ーまたにげるのか?
頭の中で声が聞こえた。当たり前だろ?だって俺ができる最善策がこれなんだから。
ーもし、触れても問題なかったら?
……はい?
「ーーーーーーーーーー!」
しまった!声に気を取られている隙にノイズの触手に触れられた!あ、俺、しんだな。
………
……………
………………あれ?
何で俺、まだ意識があるんだ?
「てか、分解されてない…?」
触れられているところを見ても全く問題ない。
ー大丈夫だろ?
あ、ああ。どういうことだ?
ーだってお前、いや、俺は人間と人ならざる者との混血。いわば言わば、生きた異端技術と言うわけだ。
ーさらにお前には4つの聖異物『グレイプニル』『レーヴァテイン』『フェンリル』そして『
いや、いきなり変な用語使われてもわからないから説明プリーズ!
ー俺はもう元に戻る、あばよ。
あばよ、じゃねぇー!
「ーーーーーーーー!」
だけどわかったことがある。俺はこいつらを倒す力がある。そして、それを使う方法を知っている。
歌ではなく、
記憶ではなく、
俺の体そのものだ……!
次の瞬間、俺の体から光がうまれ、それを体に纏っていく。
そして、そこから出てきた俺の服は幾つもの鎖に覆われ、二の腕にハンマーのようなパーツ、更に犬のような耳飾りが頭についていた。
「さあ、戦いの始まりだ!」
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「ノイズの反応を確認、この反応パターンは……!」
「ガングニール、だとぉ!?」
「指令、別の場所からも同じ反応が……!」
「ガングニールが二つ、だとぉ!」
これをやりたかった。
オリジナル聖遺物について
『グレイプニル』
特性 『封印』
触れた異端技術由来のエネルギーを封印し、フォニックゲインの出力などを低下させる。また、人ならざる者の力を封印する特性もある。
『レーヴァテイン』
特性『焼却』
世界を焼く炎。物質として存在する物(生物、ノイズ問わず)を燃やしつくし、繋がりを絶ち切る特性。神殺し
『フェンリル』
特性『牙』
傷の特性。傷つけられればつけられるほどエネルギーが上昇する。また、聖遺物の特性を砕く特性。
なお、フォニックゲインを封じるグレイプニルや聖遺物の特性を砕くフェンリルはとある緩衝材を用いることで特性が融合者に向かないようになっている。