夜が開け朝日が昇り初め、ブルックとサシャはグレイフォックスでグラント博士達を待っていた。
「戻らなければ先に行けって」
「あぁ」
「夜明けよ」
「わかってる!」
「ねぇどうするの?」
「………」
グラント博士達は林を抜け、到着したのは難破船が大量に集まってる場所だった。
「ここは島の外れだ」
ギャォォォォ!!
「「「「「「「「!」」」」」」」」」
「行くぞ!奴に追い付かれる!」
「………」
ガチャ
グラント博士達は湿地に入ったがコール大尉だけは何故かその場に残り、所持してたAK-47を地面に捨てた。
「おいコール!何してるんだ!?早く来い!」
「………皆生き残れよ。じゃあな」
「おい……コール、お前何を」
コール大尉は彼らとは反対方向を向き、来た道を戻ろうとした。
「戻れ!」
「おい!コール!コール!」
ギャォォォォォォ!!!!
カチャン
ギャオスが追い付き、コール大尉は手榴弾の安全ピンを抜いた。
「コール!」
「駄目だ!」
「離せ!コール!」
コール大尉が何をしようとしてるか気付いたミルズ一等准尉はコール大尉を連れ戻そうとしたが、グラント博士とニック少尉に止められた。
コール大尉は手榴弾を持つ手を広げ、ギャオスに歩み寄った。
「ほら、食えよ」
コール大尉は皆を逃がす為にギャオスにわざと捕食され、道連れに自爆を図ろうとしていた。
ギャォォォォォォ!!!!
バッ
しかしギャオスはコール大尉を捕食せずに翼で弾き飛ばした。
ドーーーーン!!!
岩肌に激突したコール大尉は、安全レバーが外れた手榴弾と全ての手榴弾が連鎖爆発し、爆死した。
「行くわよミルズ………コールの死を無駄にする気!?」
「…………行くよ。あいつの分も生きてみせるよ!」
チェキータ大尉に諭されたミルズ一等准尉は走り出した。
「メグミ!信号弾!」
「はい!」
バシュゥ!
メグミは空に向け信号弾を撃った。
ギャォォォォォォォォォォォ!!!!
ギャオスはグラント博士達に迫った。
ガァァァァァァァァァァァ!!!!
ドン!!!
そこにガメラが現れギャオスを突き飛ばした。
ギャォォォォォォォォォォォ!!!!
ガァァァァァァァァァァァ!!!!
ガッ!
ガッ!ガッ!
ガメラとギャオスは再び取っ組み合いを始めた。
ガッ!
ドン!!!
ギャォォォォォォォォォォォ!!!!
しかしガメラは傷が癒えてない為ギャオスに押されてた。
グシャ!
ガァァァァァァァァァァァ!!!!
ギャオスはガメラの傷口を噛みちぎり、ガメラから緑色の血が吹き出した。
「!」
ガシャン
それを見たニック少尉はジャベリンを構え、ギャオスの頭部にロックオンした。
バシュゥ!
ドーーン!!!!
ギャォォォォォォォォォォォ!!!!
発射された対戦車ミサイルはギャオスの左目を直撃しギャオスにかなりの痛手を与えた。
ギャォォォォォォォォォォォ!!!!
「ヤバい……」
ガシャン!
ミサイルの直撃を喰らったギャオスはニック少尉を睨み、睨まれたニック少尉はジャベリンの発射器を投棄し逃げた。
ギャォォォォォォォォォォォ!!!!
ギャオスはニック少尉に襲いかかろうとした。
ババババババババ!!!
ギャォォォォォォォォ!!!!
ギャオスに無数の銃弾が撃ち込まれた。
反対側からサシャが操舵するグレイフォックスが来て、ブルックがグレイフォックスの船首に搭載された機関銃でギャオスを攻撃してた
「皆乗って!」
「走れ!」
グラント博士達はグレイフォックスに乗船した。
ガァァァァァァ!!!!
ガッ!
ギャォォォォォォォォォォォ!!!!
ガメラが再びギャオスに掴みかかった。
ギャォォォォォォォォォォォ!!!!
バサバサバサバサバサバサ!!
ガァァァァァァァァァァァ
ガッ!
ギャォォォォォォォォォォォ!!!!
飛び立とうとしたギャオスの足にガメラが噛みついた。
ギャォォォォォォォォォォォ!!!!
ビーーーーー!!!
ザック!
ギャオスは超音波メスで自分の足を切り落とし、突然抵抗を失ったガメラは後ろのタンカーに倒れた。
ギャォォォォォォォォォォォ!!!!
ビーーーーー!!!
ギャオスはガメラの倒れたタンカーに超音波メスを発射し、タンカーと周囲の難破船が爆発し、爆炎はガメラを飲み込んだ。
「ガメラが………」
グレイフォックスがガメラとギャオスが戦ってるうちに距離を取り、そこからでも爆炎が見えた。
ギャォォォォォォォォォォォ!!!!
地面に降りたギャオスは勝利を確信したかのような声を上げた。
「…………ニック」
メグミはニック少尉の手とガメラの勾玉を握りしめた、すると勾玉はオレンジに光った。
すると炎が集まり出して、形を形成し始めた。
ガァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!
ギャォォォ!!
炎の中からガメラが復活し、ギャオスは信じられないよう物を見、て驚愕したような声を出した。
ガァァァァァァ
キャァァァァ
ガメラとギャオスはにらみ合った。
キィーーーーー
ギャオスは口に超音波メスのエネルギーを貯め初めた。
「!」
!
ガァァァァァァァァァァァ!!!!
ドーーーーン!!!!
ギャォォォォォォォォォォォ!!!!
ビーーーーーーーー!!!!
ガメラが一瞬早く火球を発射し、一瞬遅れてギャオスが超音波メスを発射した。
ビシュウ!!ビシュウ!
超音波メスはガメラの頬を掠めた。
ゴーーーーーーー!!!!
ドーーーーン!!!!
ガメラの火球はギャオスの顔面に直撃し、ギャオスの頭が爆散した。
ドーーーーン!!!!ドガーーーーーン!!!!
ギャオスは倒れ、爆発し爆炎が上がった。
ビーーーーーーーーー……………
爆炎の中から、超音波メスの光が天に向け伸び、消えていった。
「勝った」
レニス二等軍曹はそれがギャオスの断末魔だと見抜き、ガメラの勝利を確信した。
ガァァァァァァァァァァァ
ガメラはグラント博士達の方を見た。
ガァァァァァァ ァァァァァ
ガァァァァァァァァァァァ!!!!
ガメラが一吠えするとメグミの勾玉から光が消えた。
ザパン!!ザパン!!
ガメラは島の奥へ歩いて行った。
グレイフォックスは河を昇り、島の北端に到着した。
「この船はさ………アメリカ行きだよな?」
「あぁ、勿論さ」
ミルズ一等准尉の不安な疑問にスリフコ一等准尉は答えた。
ジャラッ
「あなたに返すわ」
「ありがとう………メグミ、ガメラと心通じ合ってたんだって?」
「うん、でももうガメラの心は見えない」
メグミはニック少尉にドックタグを返した、そしてニック少尉の質問にメグミはガメラと疎通出来なくなっていると答えた。
「…………なぁ、もしギャオスの中にこの島から渡りを行った奴が居るとしたら」
「そう、この世界の何処かにギャオスの卵が在っても不思議じゃあない」
「そして、それが今こうしてる間に孵化してるかもしれない」
グラント博士とマーロウはギャオスの卵が世界中に在り、チェキータ大尉がそれが孵化し初める可能性を示唆した 。
「何だって……!?」
「可能性も問題よ、でも備えは必要だわ」
ウチキド博士はあくまでも可能性だが、備えが必要だとも唱えた。
「またガメラが来てくれるとは限らないしな」
ニック少尉はガメラが来ない可能性があると考え、メグミは答えた。
「来るよ、ガメラはきっと来るよ」
空の向こうから数機のヘリが接近してきた
ザパン!!ザパン!!
ガメラは、離れた所からヘリに乗って島を出るメグミ達を見送った。
ガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!
シカゴの住宅街に1台のタクシーが止まった。
タクシーから海軍の軍服を着用したマーロウが降りた。彼の手には荷物とキリアコフの形見のシャシュカがあった。
マーロウはドアをノックすると40代程の男性と子供が出た。
男性と子供はマーロウの顔に見覚えがなかったが、マーロウはその子供が息子と、その子供だと一目でわかった。
次に家の奥から飲み物が入ったピッチャーを持った女性が出て来た。
マーロウは一目見ただけで、少し老けては居たが間違いなく自分の妻だっとわかった。
妻もマーロウを見た途端に持って居たピッチャーを床に落とした、彼女も玄関に立ってる男が40年前に行方不明になった夫だと一目で気付いたようだった。
妻は泣きながらマーロウと包容した、そして妻は息子に彼が父親だと伝えた、息子も死んだとずっと思ってた父親が目の前現れた事に驚愕した。
マーロウは初めて会った息子と握手をし、家の中に入った。
「おい、こっちを見てるんだろ?」
島から帰還して約半月後、グラント博士とウチキド博士そしてメグミはペンタゴンのとある部屋に居た。
彼らが居た部屋は広い空間に事務机と椅子があり、壁一枚程の鏡が張られた取調室を広くしたような部屋だった。
グラント博士は鏡に向け先程の言葉を言った。
彼はその鏡がマジックミラーだと一目で見抜いた。
そしてそのマジックミラーの反対側では、陸軍の制服を着たニック少尉、陸軍参謀総長のモウロン将軍やCIA長官が見ていた。
「これって軟禁だと考えていいのかしら?」
「軍ってのは直ぐにこれだ」
「あの、島の事は誰にも言いません、ですから解放してください」
メグミはネックレスにした勾玉を握りながら訴えた。
ガチャ
「島って何の事かな?」
「ブルック、サシャ」
その部屋にブルックとサシャが入って来た。
彼らは椅子に座り、ブルックとサシャは机に資料を広げ、本題に入った。
「あの島は始まりに過ぎなかったのよ」
「どう言う事だ?」
「脅威は、ギャオスだけじゃなかったんだ」
部屋が暗くなり、プロジェクターでスクリーンに映像が映写された。
グラント博士、ウチキド博士、メグミは映像を見た。
その映像は何処かの遺跡の調査中に発見された壁画で、ギャオス、甲殻類の様な大小の生物、ギャオスに似た頭を持つ触手を生やした生物の壁画が映され、そして最後に映されたのは、それらと対峙するガメラが描かれかれた壁画だった。