2018年
アメリカ合衆国 ワシントンDC
ホワイトハウス
その日、アメリカの特務研究機関、モナークの研究者ランダと助手の黒人研究者ブルックは、ホワイトハウス地下会議室で大統領と上院議長、それに国防長官を交え、衛生写真をスクリーンに写し、話し合っていた。
「では、その島に本当に居るのかね?」
「えぇきっと」
「ランダわかってるのか?君達の研究機関モナークは解散のリストに真っ先に載っているんだ。私達も空想に付き合ってる程暇じゃないんだよ」
ランダに対して上院議長はランダ達を煙たがるように突き放した。
「ですがこの島には手付かずの地下資源が埋蔵されてる可能性もあります」
ブルックの言葉を聞き大統領たちは喉を唸らせた。
今アメリカは経済的に厳しい状況にあり、手付かずの地下資源はかなり魅力的だった。
「………わかった、島の調査を認めよう」
「ありがとうございます!大統領!」
「では大統領もう1つ頼みが」
「何だ?」
ランダは大統領にもう1つの提案を言った。
「軍の護衛を着けて下さい」
フィリピン共和国
フィリピンのジャングルではウッドランド迷彩に身を包んだ一団が居た。
「こちらスパロー、目的地到着、送れ」
彼らの正体はアメリカ軍で構成された第17統合作戦部隊、通称ブラックタイガーと呼ばれる、ヘリコプター部隊と歩兵部隊で混成されたタスクフォースで、現在彼らはフィリピンで反米テロ組織幹部の暗殺作戦を遂行中だった。
『狙撃は可能か?』
狙撃手のニック・モートン少尉はサプレッサーを装着したM14 DMRのスコープを覗いて、ターゲットのテロ組織の幹部を捕捉した。
「こちらニック。ターゲットを捕捉、若い女としけ混んでますよ」
『よし、そのままいかせてやれ』
ニックは深く深呼吸し息を吐ききり、息を止め引き金をギリギリまで引き、そして最終ポジションについた。
「………」
キュゥゥゥゥゥ
「?」
キュゥゥゥゥ
ニック少尉は引き金を引く寸前で、上空から何か音が聞こえた様な気がし空を見ると、遠くの空に回転する円盤のような物が飛んでるのが見えたが直ぐに雲の中に消えて行った。
「どうした?」
「いや、何でもない」
ニック少尉は再びスコープを覗き、再度照準を合わせた。
カシュン!
ニック少尉が引き金を引くと、サプレッサーによって鈍くなった銃声がなった。
「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」
テロ組織の拠点から幹部が連れ込んだ女の悲鳴が聞こえて来た。
「ターゲット排除、撤収する」
『了解、合流地点で落ち合おう』
「了解………」(さっき飛んで行ったのは……いったい……)
フィリピン共和国
クラーク空軍基地
作戦を終了したブラックタイガーはクラーク空軍基地に戻り、後はアメリカ本国への帰還を待つだけだった。
同隊所属のコール大尉、ミルズ一等准尉、スリフコ一等准尉、レニス二等軍曹はポーカーをしながら基地最後の日を満喫して居た。
「なぁミルズ、恋人には何通手紙を出したんだ?」
「10通位だな」
「それで何通返事が来たんだ?」
「そうだな、3 4通位かな?」
「ひでぇママだな」
「っておい!言うなよコール!」
「「「ハハハハ!」」」
「処で姉御は?昼から見てねぇが?」
「チェキータは帰国の用意してるよ」
「姉御なぁ~美人なんだらもうちっとおしとやかだったらよかったんだけどなぁ」
「おい」
「この前なんか奇襲して来たゲリラをナイフ1本で皆殺しだぜ?化け物かよ」
「おい」
「なんだよスリフコ」
「あなたはナイフの扱い上手くなったの?」
「げぇ!姉御!?居たの?」
そこに女性軍人、チェキータ大尉が声を掛けた。
「あなた達、帰国の用意はしたの?」
「大丈夫だよ」
「そう、後3時間で出発だから」
「「「了解」」」」
ニック少尉は自室の荷物をまとめて居た。
コト
ニック少尉は2つの写真立てを手に取った。1つは幼い頃の自分と陸軍の制服を来た父親と一緒に撮った写真と、同じく幼い頃の自分と同い年位の日本の少女と写った写真だった。
ジーー
ニック少尉は写真立てをバックにしまい、チャックを閉めた。
ブラックタイガーの指揮官ベックウィズ大佐は自室で落胆してた。
彼の部屋にはたくさんの勲章と大統領と謁見した写真が飾られていた。
彼の手には作戦で戦死した部下の認識表が納められた箱があった。
コンコン
「入れ」
ガチャ
「失礼します。大佐、ブラックタイガー撤退の用意が出来ました」
「わかった、予定通りの時間に出発する」
「了解」
ブラックタイガーの副官チャップマン少佐が入室し、撤退準備が完了した事を伝えた。
「チャップマン、お前は帰国したらどうする?」
「自分はアトランタの航空会社に就職します。もう家族は引っ越しを終えて待ってますので」
「そうか」
「では、失礼します」
「何の為に死んだんだ」
「はい?」
「いや、何でもない」
「………そうですか」
ガチャ
プルルルルプルルルル
チャップマン少佐が出るのとほぼ同時にベックウィズ大佐のデスクの電話が鳴った。
ガチャ
「こちらベックウィズ大佐」
『ベックウィズ大佐、モウロンだ』
「モウロン将軍!」
『帰国寸前で悪いが1つ任務を頼めるか?』
「私にとっては任務が第一です』
『簡単な任務だ。南太平洋で新しい島が発見され政府は調査団の派遣を決定した、君の部隊はシンガポールに飛んでもらい、そこから出る調査団の船から島への輸送を頼みたい』
「了解しました」
『では頼むぞ』
「将軍」
『何だ?』
「感謝します」