スマホの中の女の子と合体したらTS変身したのですが、どうしたらいいですか!?   作:Plusdriver

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お待たせしました!
遂に、決着の時!!


世界に響く歌がある

ウェルが生成、操っていた鉱石はその主の元を離れ、その形を保てなくなっていく。彼を取り込もうと浸食を続けていたものも同じ様に。

 

「何、何が起こっているの!?」

 

ボロボロと砕け、灰の様に細かくなっていく鉱石は風に巻き上げられて視界を遮った。

身体も先程とは違い重く、動かしずらくなっていた。

 

「早く、一つにならないとなのにっ」

 

彼女には、彼にはダレ(・・)が邪魔をしているのかが分からなかった。それもそのはず、自らの中にいる存在がその邪魔を行っているのだから。

 

トライトーン!

 

「...ハハ、やっぱり凄いね私」

 

SG-r03’ Gungnir(シンフォギア  ガングニール)

 

拘束具として機能していた鉱石はその役目を終えたかのように消えていた。壁から出てくる彼は女性には変化せず、男性のままグングニル・ギアを纏っていた。ウェルは確信した。彼は英雄になったのだと。そしてそれを取り込む事で自らも英雄になれると。あの日、アニメで見た彼女達の様に。あのような自分(ウェル)にはならないために、自ら融合症例になったのだから。

 

「君が僕に拘る理由を聞いてもいいかな?君にここまでさせて、この街に危害を加え続けたその行動力の源は何なんだい?」

 

ウェルにとってそんなもの最初から最後まで変わっていないし変わることもないのだ。何故ならばそれは___

 

 

 

 

 

 

『‘愛’ですよっ!!!!』

 

『何故そこで‘愛’ッ!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇

 

髪が伸びていて少し邪魔に感じるけどそこは今は関係ない。彼女がウェルだということを改めて確信できた。だからこそ目の前にいるウェルを止めることにだけ集中するんだ。ガングニールがトライトーンを使えるようにしてくれたけど、時間制限があるのだろう。早めに決着をつけなくてはッ

 

「あれ?」

 

胸部にあったスマホが無くなっている。今までなかったマイクユニットがその場所にあるのだ。理由はわからないが、姿は変えられないという事だろう。取り敢えず両腕のアーマーからそれぞれ槍を形成し、双槍を使いウェルから次々に鉱石をはぎ取っていく。動きが鈍い為、そこまで時間は掛からないだろう。

 

「がぁッ!?うあぁぁあああああ!!!!!」

 

全身から結晶を作り出し自ら鉱石になろうとするのを止める為槍を突き立て振り払う。先程までとは異なり動かない為、全力で削り出す。

 

「なぁんてねっそうすると思ってたよ!!」

 

削り出した彼女の手から伸びてきた結晶が槍ごと右腕を飲み込んでいくが、突然結晶が粉々に粉砕された。

 

「なッ!?」

 

「そこだっ」

 

飲み込まれた際に槍が消えてしまった為、残されたものを両手で持ち薙ぎ払う。

 

「がはっ、うごぉッ、ぐぴゃっ」

 

地面に何度も衝突しながら転がっていくウェル。飛ばされた衝撃で砕けた鉱石が彼女までの道筋を作っている。近づき槍先を彼女の首元に持っていく。

 

「もうこれ以上、自らを危険に晒す必要はないんだよ」

 

「う、あ、ぁ」

 

しかし、彼女は諦めていなかった。粉末にまで砕けた鉱石をかけてきた。

 

「チャンスは、けっしてにがさなぁいイ!」

 

全身から結晶を伸ばしあっという間に彼女と自分を包み込んでしまう。しかし、結晶は砕けた。

 

「うぇあ、何で?胸の歌がぁ、聞こえないぃぃ」

 

結晶が砕けたのと同時に彼女のギアは解除され、出会った時の制服の姿へと戻っていた。

 

「おっと」

 

身体に急に違和感が生まれたと思ったら、ギアが解除されてしまった。ポケットから微かに震えを感じ、取り出すとスマホの画面にひびが入り始めていた。

 

『我が主、今までありがとうございました』

 

声の主に覚えはない。だけどダレのものなのか。それは簡単に分かった。

 

『ガングニールが複数集まることで疑似的に完全聖遺物となり、私と共に対消滅する事でこの世界を元に戻します』

 

「...でもそれは」

 

『良いのです。友人を置いていくのは心苦しいですが、私はこの結論を選んだのです』

 

この子が自ら選んだことなのだから、それを止めたくはない。でも彼女達に犠牲になってほしくない。

 

「ラル、もう止められないんでしょ?」

 

『...はい。既に消滅と世界の改変を同時に行っています』

 

ガングニールのペンダントが帰ってこなかったのはそういう事なのだろう。既に彼女は旅立ってしまったのだ。

 

『如何やら、そろそろ時間のようです』

 

「今までありがとうね、ラル」

 

『ただの聖遺物がしっかりとした自意識を持ち、死ぬところまで来たのです。このような事例は、今まで一度もありませんでした』

 

スマホのひびが次々に増えていく

 

『これからも守り続けてください。貴方の帰る場所を。大切な人たちのいる場所を』

 

「ああ、約束するよ」

 

画面全体が砕けてしまった

 

「ラル」

 

返事はもう聞こえない




ラル/ギャラルホルン

世界を融合させ、最適を探し続けた動ける完全聖遺物。友人はアダム、主人は響。世界に囚われたモノであり、全ての原因でもある。疑似的に完全聖遺物となったガングニールと共にこの世界から消滅した。その際に今まで融合してきた世界を分離し元に戻している。

ガングニール

ウェルから取り込んだ欠片、今までの複数人の装者によって集められたフォニックゲインによって疑似的に完全聖遺物となった。その力は装者同士をガングニールで繋げられる程にまで大きくなっていた。

橘 響

今作の主人公にして男の子。最後は自らの力で戦った哲学兵装の持ち主。会えていない最後の幼馴染に会いに行くこととなる。

ウェル/タチバナヒビキ

ガングニールは抜き取られたが、肉体そのものは立花響の物となってしまった。


次回、後日談『元に戻った新学期、そして』
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