スマホの中の女の子と合体したらTS変身したのですが、どうしたらいいですか!?   作:Plusdriver

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お待たせしました。

ゆっくりにはなりますが、第二部が始まります。
これからもお付き合いくださいませ。


元に戻った新学期、そして

僕の誕生日、あの日に世界は元に戻った。ラルとガングニールが旅立った後、気絶したウェルを背負って警察まで連れていき、彼女は逮捕された。今は警察病院の方で療養中だろう。かなり体に負荷がかかっていたためか話せず、意識が戻った今も事情聴取が行えていないらしい。

外を見れば、山の表面が緑から変化し始めているのが見えた。机の上に広げた教科書には目を向けず、只々その景色を眺める。

警察に対して襲い掛かってきたところを返り討ちにしたのだと話した結果長時間拘束され、ボロボロの身で帰った時にはみんなに心配をかけてしまったようだ。僕の誕生会は一週間後に延期され、それぞれの日常に一旦戻っていった。新学期に入り、遂にそれぞれの道へと進む覚悟を決め始めたクラスメイト達は真剣に黒板と向き合っている。

 

「よし、今日はここまでだ。ちゃんと復習しとけよッ!」

 

あっという間に時間は流れ、先生の言葉で授業は締めくくられた。次の授業は自習だから、このまま外を眺めていようか。

 

「よっ、何やってるんだ?」

 

天羽、いや奏さんが話しかけてきた。

 

「昨日のことを思い出してたんだよ。どうなるのかなぁって」

 

「あ~、ジョンとかいう元男のことか」

 

彼女が捕まってすぐに情報が拡散され、もはや知らない人がいない程にまで広まってしまっている。元々個人情報が漏れていたこともあって、話題としては十分すぎるのだろう。

 

「それもあるけど」

 

「橘君、ずっと外みてたみたいだけど何見てたの?」

 

「あ、翼」

 

少し思い出していただけだよと返し、窓へと視線を写す。校門に誰かがいる。帽子を被った全身スーツの長身の男性が、こちらを見ている。覚えはないが、違和感はあった。

 

「なんだ、アイツ」

 

「誰か知ってるの、橘君?」

 

行かなきゃいけない気がする。あの男性に会える機会はもうないかもしれないと、身体が動き出していた。

 

「あちょ、響ッ!」

 

「ごめん、もし戻らなかったら早退したことにしといてっ!!」

 

授業開始直前のため人の少ない廊下を駆け抜け、階段を駆け下りる。靴を履き替え校門の外へと飛び出した。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

「ッハァ...どこに行ったんだろう?」

 

息を整えながら辺りを見渡す。まだ夏の日差しが無くなっていないのか、学校に居た時よりも眩しく、暑く感じる。

 

「公園?」

 

思ったよりも走っていたようで近所の公園まで来ていたようだ。時間帯的に授業は終わっていない為、公園には僕以外誰も居なかった。入口から一番近いブランコへと腰掛け考える。あの男性は何者だったのだろうか。

 

「うげぇ...」

 

振動が気になりスマホを見れば着信が来ていた。現在進行形で。メッセージには「どこに行くんだ?」とか「先生起こってたよ」等と書かれている。荷物を置いてきている為、放課後は説教コース確定だろう。

 

「おやおや、割れてしまったね。必要かな、買い替えが」

 

顔を上げれば、目の前に先程の男性が立っていた。日本人とは思えない高身長に帽子を被った全身白いスーツの男性。間違いなく追いかけていた人物だ。

 

「あ、いえ。このスマホ買い替えたくないんですよ」

 

「おや、良いのかい。そのままで」

 

「はい。何だか、このスマホじゃなくちゃダメなんだって思っちゃうんですよ。変ですよね」

 

あの日割れたスマホ。きっとアイツとの戦闘で割れてしまったのだろう。でも買い替える気にはならなかった。使えなくなったわけではないから、きっとこのままでいいのだろう。

 

「じゃあ貰うよ。友の為に」

 

「え」

 

スマホを奪われてしまう。突然すぎる行動に対して動くことは出来なかった。

 

「残すわけにはいかないんだ、友の欠片を。忘れて欲しいんだ、君にもね」

 

「ま、待って下さい!何言ってるのか全く分かりませんッ!?」

 

ブランコから立ち上がりスマホを回収しようとするが、男性は近くの時計塔の上に飛び移った。人間とは思えない身体能力に驚いている間に、男性はその塔から飛び降りて去っていく。

 

「忘れるんだ、早く。日常を壊したくなければね」

 

我に返って、その男性を追いかけて曲がり角を曲がるとそこには誰も居なかった。




ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
また何処かでお会いできる日を楽しみにしていますね。
それではッ!
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