404小隊(チビ)は現実へと現れる【完結】   作:畑渚

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第十五話 容量よ、持ってくれ

「見てみてお兄ちゃん、インコだって!」

 

「ははは、インコだね」

 

「あっち、モルモットだって!」

 

「9ちゃん、楽しそうだね」

 

 お昼を食べ終わったあとに向かったのは、動物園のスペースだった。パンフレットを見る限りだと、思ったよりも多くの種類の動物を飼育しているようだ。

 

「うん!ほら、いこっ45姉。あっちに孔雀がいるんだって!」

 

「待って、9……」

 

 おっと白鳥に迫られて45が固まっているぞ。まずは一枚パシャリ。

 

「見よ、これが財力だ!」

 

 近くの自販機でかった餌で、白鳥を一本釣りだぜ。

 

「……あれ?」

 

 白鳥のやつ、俺の手と45とを見比べて……45の方を向きやがった。

 

「ふぇ……お兄さん……助けて」

 

 ああまったく、どうして白鳥は餌につられないんだ!まったく……あれ?45の手に俺のと同じものが握られてるな……

 

「45ちゃん!それ投げて!」

 

「……!ナイン!」

 

「45姉ナイス送球!」

 

 思いっきり投げた先には9がいて、その餌をアクロバティックにキャッチする。

 もちろん、白鳥は餌をキャッチした9をじっくりと眺めていた。

 

「へへ、とれるもんならとってみろー!」

 

「9ちゃん危ないから投げて!」

 

「大丈夫だよお兄ちゃん!」

 

 ああ、白鳥が羽を広げて9に突っ込んで……

 

 ……つっこんで跪いた?

 

「えへへ、いい子いい子」

 

 9は右手で餌を与えながら、左手で白鳥に触れている。

 

「45姉もおいでよ!ふわふわしてて気持ちいいよ!」

 

「えっと……」

 

 45も恐る恐る近づいて、その羽根に手を飛ばす。さすがに人馴れしているようで、白鳥が暴れる様子もない。

 

「お兄ちゃんもおいでよ」

 

「お兄さん、この子のさわり心地すごくいいよ」

 

 やれやれ、お呼びとあらば

 

 俺は一枚パシャリと写真をとって、白鳥に近づいていった。

 

 

=*=*=*=*=

 

 

「416……ちゃん……?」

 

「なにかしら」

 

「そんなに興味があるのかい」

 

「まあ、そうね」

 

 416が足を止めたのは馬のスペースだった。数種類の馬が、柵の中で放し飼いにされている。そんな中、416は柵にしがみつくようにして見つめている。

 

「……G11ちゃん、416ちゃんのこと頼めるかい?」

 

 9と45が少し先の方へと行ってしまっている。しかしここで416を一人おいていくことはもちろん、無理をいって一緒に次の場所へと向かうのもできればしたくない。

 

「うん、わかったよお兄さん」

 

 不安でしかないが、今は大人なG11を信じるしかないか……。

 

 あれ、デジャヴュな気が

 

「お兄さん?早くいかないと9ちゃんと45ちゃんが」

 

「わかったよ。頼んだからね!」

 

 近くのベンチに座り込むG11を横目に、俺は9と45の後を追った。

 

 

 

 

「見てみて45姉!モルモットだって!」

 

「……かわいい」

 

 小さな小屋をもそもそと動くモルモットを、二人は窓から覗き込むようにして見ていた。

 確かパンフレットによれば……あと数十分後にはふれあい体験があるな。少し回ったら戻ってくるか。

 

「ねえ45姉、あっちにはフラミンゴだって!」

 

「あっモルモット……」

 

 9はすぐに次の場所へと走っていってしまった。45はモルモットと9と見比べている。

 

「45ちゃん、あとでまた来ようか」

 

「お兄さん……うん、わかった」

 

 45は安心したかのようにパンフレットを握って、9の手の振る方へとかけていった。

 まったく、手のかかる姉妹だこと。

 

 他にも数種類みたあと、416のいたエリアへと戻ってきた。もう少ししたらモルモットとのふれあいの時間も始まるから合流しようとしたのだが……

 

「ど、どうしようお兄さん……416ちゃんがいなくなった」

 

「……えっ?」

 

 俺たちを迎えてくれたのは、珍しく眠たさげな表情が見られないG11だった。

 

 

=*=*=*=*=

 

 

「くそっ見つからないか」

 

 動物園の園内を回っても、416の姿は見つけられなかった。

 

「すみません、ここにこのくらいの小さい子が来ませんでしたか?」

 

「いえ、来てませんね。迷子ですか?」

 

 迷子センターを兼ねている本部に行っても、416は見つからなかった。本部の人はすぐに無線をつないで、各所のスタッフに連絡をし始めrう。

 

「お兄さん……ごめんなさい、私が目を離したから……」

 

「いや、G11ちゃんは悪くないよ。それに416ちゃんが勝手にいなくなるような子ってわけでもないし」

 

 だが、嫌な予感はしなかった。誘拐だとかなんだとか心配するべきなんだろうけど、そうじゃないってどこかで思っていた。というよりもそう願っていたのかもしれない。

 

「すみません!迷子を探してたのはあなたですか!?」

 

 スタッフの一人が息を切らしながら近寄ってきた。はいと肯定すると、ついてくるように言われる。

 案内されたのは、馬の厩舎だった。

 

「ああ、こんなところにいたんだ」

 

 そこには、馬の寝床ですやすやと眠る416がいた。

 

「すみません!この子、キラキラとしたものが好きなもので、その子を連れてきちゃったようで」

 

 馬の頭を無理やり下げながら飼育員さんも深々と頭を下げる。

 

「いえ、いいんです。無事のようですし」

 

 それに、416の髪はたしかに光をよく反射して煌めいている。

 ほっと安心したのも束の間、時計を見れば想定以上に過ぎている。

 

「ふれあいの時間は終わっちゃったか」

 

「そ、そんな……」

 

 45の手に力がこもる。残念だが今日はまだまだ行くところもある。諦めてもらうしか……

 

「ああ、モルモットとのふれあいですか?それでしたら……」

 

 飼育員さんはいくつか連絡をとりあうと、こちらに向けて笑顔を向けてくる。

 

「今回は特別に開放しましょう。迷惑をおかけしましたし」

 

「えっそんなお手数をおかけしてさらにそんなしてもらうなんて」

 

 いえいえ、大丈夫ですという飼育員と、期待するかのように裾を掴んでくる9と45。それから目をこすりながら起きた416を見て俺は肩を下ろす。

 

「すみません、それではお言葉に甘えさせてもらいます」

 

 このあと、写真フォルダがあふれるくらいにモルモットと皆を撮りまくった。

 

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