404小隊(チビ)は現実へと現れる【完結】   作:畑渚

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某ウイルスによって水着描写も自粛です。


第23話 やわらか低反発枕

 バスが去っていき、俺ら4人だけがその場に取り残される。別に置いていかれたというわけではない。ここが今日の目的地だ。

 

「すっごい音!滝があるんだっけ」

 

「待って、まずは着替えて」

 

「いいから416ちゃんも早く!」

 

 9に引っ張られるように416が連れて行かれる。置いていかれないように俺たちも滝へと向かうことにした。

 

 滝は思っていた以上に大きく立派だった。見上げるほどの高さから水が落下して、水しぶきが遠くまで飛んできて涼しい。

 

「お兄さん?」

 

「45ちゃん?9ちゃん達と一緒に行かなくていいのかい?」

 

「お兄さんお昼の準備するよね?手伝う」

 

 助かる……んだがせっかく遊びに来たんだ。

 

「まずは遊んでからだ」

 

 

=*=*=*=*=

 

 

「うわぁ、お兄さんびっしょびしょじゃん」

 

「あはは、まあね」

 

 まさか3人からジェットストリームアタックを仕掛けられるとは思わなんだ。おかげで濡れる予定のなかった上半身や髪までびっしょりだ。

 

「とりあえず椅子だけは出しといたよ。はいタオル」

 

「ありがとうG11ちゃん」

 

 タオルで頭を拭いていると、ドンと下半身にぶつかられる。

 

「9ちゃん?」

 

「お腹すいた!」

 

「そうだね、じゃあお昼の準備しようか」

 

 お昼と聞くやいなや、体が冷えないようにタオルを羽織っていた416が動き出す。彼女が到着までずっと大事そうに抱えていたバスケット、その中には今日のお昼ごはんがたくさんつめこまれている。

 

「今日も416ちゃんが?」

 

 9がそう尋ねると416は首を横に振る。

 そう、今日は珍しく俺も手伝った。といっても簡単な部分だけで調理自体はほとんど任せっきりだったけども。

 

「お兄ちゃんが!?」

 

「まあ少しだけね。この量はさすがに手伝わないといけなかったよ」

 

 張り切って用意しすぎた気もするけれど、皆育ちざかりだし、残しても今日の晩ごはんに回るだけだ。

 それに……

 

「うわあ!たくさんだ!」

 

「何から食べようかな!」

 

 45と9がキラキラとした目でバスケットの中を覗き込んでいる。量は正義だ。この笑顔が証明だろう。

 

「さあ、たべようか」

 

「うん!いただきます!」

 

「いただきます」

 

 皆があまりにいい食べっぷりをするからついつい笑顔が伝染る。

 

「はいお兄さん、お茶」

 

「ありがとう。G11ちゃんもほら、食べなよ」

 

「うん、いただきます」

 

 ちょびちょびとおかずをとって、食べている。おにぎりには手をつけずか。

 

「G11さん」

 

「ん、なにかな416ちゃん」

 

「おにぎりも食べてください」

 

 そういって416がおにぎりをさしだす。さすがに申し訳ないとおもったようで、恐る恐るといった風におにぎりを頬張る。

 

 すこし具材多めのかしわ飯のおにぎりだ。俺を除いて全員女の子ということで、食べやすいようにサイズは小さめである。

 

「うん、おいしい」

 

 G11ちゃんは頬張りながら笑顔になる。どうやら口にあったようだ。

 

 どうして俺がおにぎりに詳しいのかって?そりゃ俺の数少ない『手伝い』の一つがおにぎりを握ることだったからだ。

 

 

=*=*=*=*=

 

 

 食事を終えて少しまた遊び、荷物の方へと戻る。

 

「お兄さん交代してこよっか?」

 

「いい?じゃあ頼むよ」

 

 G11に皆のことを任せて、シートの上に寝転がる。木漏れ日が気持ちよくて、すぐに寝てしまいそうだった。

 クーラーボックスから缶ジュースをとりだすと、なにやらじーっと見つめてくる視線を感じる。

 

「……、いるかい?」

 

「ありがと!」

 

 謎の少女に缶ジュースを渡すと、トテトテと走り去っていった。首をかしげながらもう一本だして、プルタブを引く。炭酸飲料特有の音を楽しみながら、クーラーボックスを椅子にして中身を飲み込む。

 

「随分と美味しそうに飲むんですね」

 

「416ちゃんも飲んでみる?」

 

 いつの間にか戻ってきていた416にクーラーボックスから同じものをとりだしてあげる。

 

「んん……炭酸は苦手」

 

「そうか」

 

 残念だ。真夏の炭酸教に新たな信者かと思ったがだめだったみたいだ。

 

「遊び疲れたのかい?」

 

「少し……」

 

 416はころんとレジャーシートの上に寝転がる。よく食べてよく遊んだからだろうか。寝息を立て始めるのは明らかだった。

 

「あれ?416ちゃん寝ちゃったの?」

 

「ん?ああ」

 

 少し経つと、G11が45と9を連れて戻ってくる。

 

「は~いっぱい遊んだ!」

 

「つ、つかれた」

 

 45と9もレジャーシートの上に寝転がって、しばらくすると寝息をたてはじめる。二人とも、限界だったみたいだ。

 

「G11ちゃんは大丈夫?」

 

「そんな子供じゃない。でも少し疲れたかな」

 

 3人とも仲良く固まって遊んでくれるとはいえ、面倒みるのは短時間でも大変なもんだ。

 

「お兄さんも疲れてるでしょ?寝てもいいんだよ?」

 

「……10分くらい寝ても?」

 

「うん、いいよ」

 

 なんだかんだで俺も疲れがたまってるみたいだ。寝転がって目をつむると、眠気が急激に襲ってくる。

 

 なにやら頭の後ろに柔らかい感覚を覚えたが、それが何であるのか確かめる前に俺の意識は夢の世界へと旅立っていってしまった。

 

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