404小隊(チビ)は現実へと現れる【完結】   作:畑渚

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第六話 どうしてこうなったんだっけ!?

「えっと、君はおとなりさんの娘さんだよね」

 

 コクリと少女は頷いた。

 

「もしかしなくても、君は416って名前?」

 

 再びコクリと少女は頷いた。

 

「えっと……ここは俺の部屋なんだけど、何をしてるのかな?」

 

「たまってた洗い物を片付けてるの」

 

 そう言う彼女の手を見てみれば、確かにスポンジとお皿を握っている。俺がためていた洗い物の山は、今はその大半がきれいにラックに収納されている。

 

「ふーん。それで、どうやって入ったの?」

 

「えーっと」

 

 俺から目線をそらす。

 

「開いてたのよ」

 

 あからさまに嘘をついてますと顔に書いている。この少女、無表情なフリをしているが考えることが顔や行動に現れるタイプだ。なにこの子……まさにドルフロの416を外見も中身も幼くしたみたい。

 

「でもお兄さんはちゃんと鍵を閉めてたよ?私と9が見てたもん」

 

「ひ、開いてたんだってば!」

 

「お兄ちゃんはちゃんとしめてたよ!」

 

「う、うう……」

 

「こら、45ちゃんも9ちゃんもそれくらいにしとこう?」

 

「だってお兄さん!」

 

「この子お兄さんが悪いって!」

 

「まあまあ、落ち着いて。それに俺のせいとは言ってないでしょ?」

 

「それは……」

 

「そうだけど……」

 

「416ちゃん、ごめんね?」

 

 涙目になってる416ちゃんの方を見る。

 

 

 カシャン

 

 

 目を潤ませながら台を降りた416ちゃんの足元から、金属製の何かが落ちた音がした。

 

「……9ちゃん、45ちゃん。あれなんだかわかる?」

 

「わかんな~い」

 

「わ、私も知らない」 

 

「だよね~。俺も知らないや~」

 

 知らないな~。あんな感じの道具をどこかで見たことあるけど、知らないな~。こう細長いところとか、先っぽの方が折り曲がってるところとか、まるでピッキングツールみたいな形をしているけれど、いったい何なんだろうな~。

 

「いや!ピッキングツールだよねどう見ても!」

 

「ひっひぃ!」

 

「あっ待って泣かないで!泣き出さないで!」

 

「ひっぐ……うっぐ……」

 

「ごめんね!急に大声出して驚かせちゃったね!ほら、お詫びにコレあげる!」

 

 なんと期間限定!有名なチョコ菓子の期間限定味!数ヶ月くらい置いてある気もするけど!

 

「う、うん……」

 

 良かった。受け取ってくれた。まじで、幼女を泣かせたとなっては紳士の方々からヤられかねん。

 

「それで、何しにきたのかな?」

 

「えっと、今日は掃除」

 

「うん、見ればわかる」

 

 だって、明らかに掃除された跡があるんだもの……。床とか、張り替えたの?ってレベルでキレイだし。

 

「それじゃあ、どうして俺の部屋を掃除しにきたの?」

 

「だって私も住むから。私、キレイなところ以外は住みたくないから」

 

「……へ、へえ~」

 

 随分としっかりとしてるみたいでなによりだ。

 

「ねえ416ちゃん!」

 

 9がそう言って416の方に駆け寄っていく。

 

「416ちゃんもここに住むの!?」

 

 9の背中しか見えないが、俺にはわかる。きっと9は今までにないくらいに、目をキラキラと光らせてる。絶対そうだ。

 

「う、うん……」

 

「わ~い!やったね45姉!」

 

 9ははしゃぎまわる。45も、どこか嬉しそうだ。

 

「でも416ちゃんのお部屋は隣だろう?」

 

「えっ……ダメ……なの……?」

 

「ああわかったわかった!いいから!大丈夫だから!」

 

 ベッドが広めで助かった……。あれならちびっこ3人くらい、受け止めてくれるだろ……。俺?今日も椅子か床だな。なに、若いからこれくらい大丈夫だ!大丈夫なんだよ!

 

 ……こんど布団買ってくるか。

 

 

 そんなこんなで、期間限定とは言え、同居人がさらに増えることになったのだった……。

 

 

=*=*=*=*=

 

 

「そういう訳で出張が早まってしまってね。416には部屋の鍵を渡しているから、何か必要になったら入っても構わないよ」

 

「はあ、そうですか」

 

「安心してくれ。迷惑料として416にもたせているものがあるから」

 

「お金……ですか?」

 

「もちろん。なにかと入り用になるだろう?気にせず使ってくれ」

 

「……もう何も言いません」

 

「そうかい。っと飛行機の時間だ。僕は行くよ」

 

「はい……お気をつけてー」

 

 もう何も言うまい。お隣さんには警戒心というものは無いんだろうか……。まあ変な気は起こすつもりないけどさぁ。

 

「416ちゃんよわ~い!」

 

「また負けた!次は絶対負けない!」

 

「……猫のアップリケ、かわいい」

 

「当たり前でしょ!私のエプロンだもの!」

 

 まあ、どうやら馴染めているようだし安心はしてる。けどさ、これはどうしろと……?この札束をどうしろと?

 

 416から渡された封筒には、案の定大金が入っていた。たしか100万円くらい。

 

 あのさ、どういう計算をしたら100万ってお金が出てくるの?わからない。俺にはわからねえよ……。

 そろそろ盗難が怖くなってきた。いつか銀行に預けにいかなきゃいけないかな……。

 

「お兄ちゃんもゲームしよ!」

 

「それじゃあ私はそろそろ……」

 

「ん?416ちゃんは帰るの?」

 

「いいや?」

 

 416はエプロンと三角巾をして、どこからともなく台を取り出す。

 

「料理!?いいよ、俺がやるよ!」

 

「いいから私にまかせて!」

 

 自信たっぷりの表情をしている……。さすがの余裕、さすがは416似の美少女だ……!

 

 

 このあとむちゃくちゃムシャムシャした。

 すっごく美味しかったです……。

 

 

=*=*=*=*=

 

 

「起きて!ねえ起きて!」

 

 ああ、ゲームの推しの声が聞こえる。推しの声に起こされるとか俺は幸せものだなぁ。

 

「ねえ!早く起きて!」

 

 ああ、推しの声とともに腹部にも衝撃が……。ん?衝撃?

 

「うぉ!?」

 

「あっお兄ちゃん起きた~!」

 

 椅子で寝てた俺の膝の上には、9が乗っかっている。見回して見れば、45はベッドの上でうさぎのぬいぐるみを抱いてゴロゴロと転がっている。

 台所の方には416がいる。件の台の上に乗って料理をしている。

 

「ん……ん-?」

 

 寝起きだからか、いまいち頭が働かないな……どうしてこうなったんだっけ……。

 

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