404小隊(チビ)は現実へと現れる【完結】   作:畑渚

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日間……乗りました。何より自分びっくりしている。
本当にありがとうございます!今後もよろしくおねがいします。


第八話 残念だが、俺にも無理だ

「あっ買い物して帰らなきゃ」

 

「ん?それじゃあそこのコンビニでいいかな?」

 

「うん……」

 

 コンビニに入ると、涼しい冷房の風が俺たちを迎え入れてくれる。そうか、ここがエデンか……

 

「今日の晩ごはんを……」

 

 目の前をあるく彼女の足が、弁当コーナーの前で曲がりかけたのを見逃す俺ではない。知っているぞ。そのさき先に何があるのかも分かるぞ。

 

「えっと……どれにしようかなー」

 

 少し背伸びをしながらサラダのコーナーを見てるG11は、いまだチラチラとそのコーナー……カップ麺のコーナーに目が移っている。

 

「そうだ。俺、カップ麺買っていきたいからあっち行ってもいい?」

 

「……!わ、私もついてくよ」

 

 わかりやすく目を光らせながら、ついてくる。なんだか身長も低めで良かったわ。

 

「これこれ、これがいいんだよ」

 

「わかってる~でも私はこっち」

 

「おっ通だねぇ」

 

「でしょー?」

 

 ニコニコしながらカップ麺を手にとっている。

 

「……あっいや違うんだよ?いつもは食べてないんだよ?」

 

「いや、気にしないけど……」

 

「食べてないよぉ」

 

「いや、気にしないから」

 

「そう?じゃあ遠慮なく」

 

 ポンポンとかごにいくつもいれらていく。随分と買い込むな……。

 

「満足?」

 

「まんぞくぅ」

 

 満ち足りた顔をしながらレジへと歩いていく。まったく……サラダを買うって姿勢はどこにいったんだか……。

 

「ありがとうございました~!」

 

 元気の良い店員の挨拶を背に、コンビニを出ていく。

 

「さて、帰ろうか」

 

「うん……」

 

 俺たちは歩きはじめる。そう、俺の家の方向に……。

 

「家、こっち方面なんだ」

 

「うん、そうだよ~」

 

 交差点にさしかかり、同じ信号で立ち止まる。

 

「同じ方面だね~」

 

「うん、そうだね~」

 

 なんとなく嫌な予感がしてる。なんたって俺の隣に立っているのは、ゲーム内で45、9そして416と同じ小隊にいるメンバーだ。そして、45、9、416は俺の家にいる。俺の家にいるのだ!

 

「あの~?」

 

「ん?何~?」

 

 今、俺はすんでるアパートの玄関にいる。もちろん隣にG11もいる。

 

「もしかして、ここに住んでる?」

 

「うん」

 

 普通に頷く。玄関の扉をくぐって、オートロックの扉を開く。

 

「あっエレベーターは使う?」

 

「いや、2階だから使わない」

 

「……ふーん」

 

 いや、二階?いや、まさかね?

 

「それじゃあ私はここだから」

 

「あっうん」

 

 ですよねー。うん、察してた。

 

 ガチャンと音をたてて、隣の部屋の扉が閉まる。

 

「だよなぁ。そりゃこんだけ揃ってたらそうだよなぁ」

 

「なにが?」

 

 扉が開いて、お玉を持った416が首をかしげてくる。

 

「いや、なんでもないよ。ただいま」

 

「おかえりなさい。ご飯できてるわよ」

 

「今日は何だい?」

 

「当てて見て?」

 

「といっても玄関から見えてるけどね」

 

 鍋の中にはカレーがあり、野菜を切った跡もある。

 

「カレーとサラダってところかな」

 

「正解。ほら、早く手を洗ってきて?」

 

「はいはい」

 

 洗面所で手を洗う。

 

「ちゃんと石鹸で洗いなさいよ~」

 

「わかってるよ」

 

 416はまるでお母さんだな。家事はするし、衛生面も気にするし、少し口うるさいところなんてまさにそれだ。

 

「ほら9ちゃん、ゲーム片付けて。45ちゃん、手伝ってくれる?」

 

「はーい!」

 

「うん、わかった」

 

 9と45はさっと片付けて、416のいる台所に手伝いにいく。まったくいい子たちだ。手がかからなくてお兄さんもおもわずにっこりだ。

 

 

 

 

「よし、それじゃあいただきます」

 

「「「いただきまーす」」」

 

 3人の声が揃った時だった。

 

 ピンポーン

 

 インターホンがなった。こんな時間に。しかも、オートロックのところではなく、部屋の扉挟んだ向こう側だ。

 

「私がでようか?」

 

「いいよ。9ちゃんは食べてて」

 

 不審者ってこともあり得るから、細心の注意をはらわなきゃならん。なんたってこっちは子供が3人と非力な一般大学生が1人だ。

 

 のぞき穴から、そっと外を見る。

 

 

 

 

 そこに立っていたのは、さっき別れたばかりのお隣さんだった。

 

「ど、どうしたんですか?」

 

 扉を開けると、腕にすがりつかられる。

 

「お湯……お湯貸して……ポット壊れた……」

 

「まさか家にカップ麺しかないんですか?」

 

「ぐっそれは……そうだけど」

 

「……416ちゃん、カレーまだ残ってる?」

 

「うん、残ってるけど……」

 

 よかった。二日目のカレーってのも乙なもんだけど、やっぱり皆で食べないとね。

 

「というわけなんでカレー食べて行かない?」

 

「えっ!?いいの!」

 

 グッと距離を詰めてくる。近いよ近い。ほら、チビたちも見てるからさ、もっと節度をもった距離というものをね?

 

「ねえ、お姉ちゃんってスーパーの店員だよね」

 

「どうしてここにいるの?」

 

 ああ、UMP姉妹。そう初対面の人に詰め寄らないで。相手がこの人だからいいけど、不審者だったらどうするの。

 

「えっあっあれ?た、たすけて?」

 

 ふふふ、UMPサンドには勝てないだろう?でもな……俺も止める手はないんだ。

 

「諦めて?」

 

「そんなぁ~」

 

 情けない声が、部屋に響いた。




さぁ、404が全員揃ったな?これで準備はできた。
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