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「あっ買い物して帰らなきゃ」
「ん?それじゃあそこのコンビニでいいかな?」
「うん……」
コンビニに入ると、涼しい冷房の風が俺たちを迎え入れてくれる。そうか、ここがエデンか……
「今日の晩ごはんを……」
目の前をあるく彼女の足が、弁当コーナーの前で曲がりかけたのを見逃す俺ではない。知っているぞ。そのさき先に何があるのかも分かるぞ。
「えっと……どれにしようかなー」
少し背伸びをしながらサラダのコーナーを見てるG11は、いまだチラチラとそのコーナー……カップ麺のコーナーに目が移っている。
「そうだ。俺、カップ麺買っていきたいからあっち行ってもいい?」
「……!わ、私もついてくよ」
わかりやすく目を光らせながら、ついてくる。なんだか身長も低めで良かったわ。
「これこれ、これがいいんだよ」
「わかってる~でも私はこっち」
「おっ通だねぇ」
「でしょー?」
ニコニコしながらカップ麺を手にとっている。
「……あっいや違うんだよ?いつもは食べてないんだよ?」
「いや、気にしないけど……」
「食べてないよぉ」
「いや、気にしないから」
「そう?じゃあ遠慮なく」
ポンポンとかごにいくつもいれらていく。随分と買い込むな……。
「満足?」
「まんぞくぅ」
満ち足りた顔をしながらレジへと歩いていく。まったく……サラダを買うって姿勢はどこにいったんだか……。
「ありがとうございました~!」
元気の良い店員の挨拶を背に、コンビニを出ていく。
「さて、帰ろうか」
「うん……」
俺たちは歩きはじめる。そう、俺の家の方向に……。
「家、こっち方面なんだ」
「うん、そうだよ~」
交差点にさしかかり、同じ信号で立ち止まる。
「同じ方面だね~」
「うん、そうだね~」
なんとなく嫌な予感がしてる。なんたって俺の隣に立っているのは、ゲーム内で45、9そして416と同じ小隊にいるメンバーだ。そして、45、9、416は俺の家にいる。俺の家にいるのだ!
「あの~?」
「ん?何~?」
今、俺はすんでるアパートの玄関にいる。もちろん隣にG11もいる。
「もしかして、ここに住んでる?」
「うん」
普通に頷く。玄関の扉をくぐって、オートロックの扉を開く。
「あっエレベーターは使う?」
「いや、2階だから使わない」
「……ふーん」
いや、二階?いや、まさかね?
「それじゃあ私はここだから」
「あっうん」
ですよねー。うん、察してた。
ガチャンと音をたてて、隣の部屋の扉が閉まる。
「だよなぁ。そりゃこんだけ揃ってたらそうだよなぁ」
「なにが?」
扉が開いて、お玉を持った416が首をかしげてくる。
「いや、なんでもないよ。ただいま」
「おかえりなさい。ご飯できてるわよ」
「今日は何だい?」
「当てて見て?」
「といっても玄関から見えてるけどね」
鍋の中にはカレーがあり、野菜を切った跡もある。
「カレーとサラダってところかな」
「正解。ほら、早く手を洗ってきて?」
「はいはい」
洗面所で手を洗う。
「ちゃんと石鹸で洗いなさいよ~」
「わかってるよ」
416はまるでお母さんだな。家事はするし、衛生面も気にするし、少し口うるさいところなんてまさにそれだ。
「ほら9ちゃん、ゲーム片付けて。45ちゃん、手伝ってくれる?」
「はーい!」
「うん、わかった」
9と45はさっと片付けて、416のいる台所に手伝いにいく。まったくいい子たちだ。手がかからなくてお兄さんもおもわずにっこりだ。
「よし、それじゃあいただきます」
「「「いただきまーす」」」
3人の声が揃った時だった。
ピンポーン
インターホンがなった。こんな時間に。しかも、オートロックのところではなく、部屋の扉挟んだ向こう側だ。
「私がでようか?」
「いいよ。9ちゃんは食べてて」
不審者ってこともあり得るから、細心の注意をはらわなきゃならん。なんたってこっちは子供が3人と非力な一般大学生が1人だ。
のぞき穴から、そっと外を見る。
そこに立っていたのは、さっき別れたばかりのお隣さんだった。
「ど、どうしたんですか?」
扉を開けると、腕にすがりつかられる。
「お湯……お湯貸して……ポット壊れた……」
「まさか家にカップ麺しかないんですか?」
「ぐっそれは……そうだけど」
「……416ちゃん、カレーまだ残ってる?」
「うん、残ってるけど……」
よかった。二日目のカレーってのも乙なもんだけど、やっぱり皆で食べないとね。
「というわけなんでカレー食べて行かない?」
「えっ!?いいの!」
グッと距離を詰めてくる。近いよ近い。ほら、チビたちも見てるからさ、もっと節度をもった距離というものをね?
「ねえ、お姉ちゃんってスーパーの店員だよね」
「どうしてここにいるの?」
ああ、UMP姉妹。そう初対面の人に詰め寄らないで。相手がこの人だからいいけど、不審者だったらどうするの。
「えっあっあれ?た、たすけて?」
ふふふ、UMPサンドには勝てないだろう?でもな……俺も止める手はないんだ。
「諦めて?」
「そんなぁ~」
情けない声が、部屋に響いた。
さぁ、404が全員揃ったな?これで準備はできた。