404小隊(チビ)は現実へと現れる【完結】   作:畑渚

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24~27でドルフロ関連の商品が連続で送られてくるというね
楽しみで仕方がない


第九話 目標目前!突撃ぃ!

 

「起きて!ねえ起きて!」

 

 ああ、ゲームの推しの声が聞こえる。推しの声に起こされるとか俺は幸せものだなぁ。

 

「ねえ!早く起きて!」

 

 ああ、推しの声とともに腹部にも衝撃が……うっ、うおっこ、腰に響く……。

 

「9ちゃん……もうちょっと優しく起こして……」

 

「ん?お兄ちゃんどうしたの?元気ないよ?」

 

「いや、大丈夫だよ」

 

 俺だってまだ若いんだから、そんな数日椅子で寝たからって身体壊すわけないでしょ。

 

「お兄さん、ご飯できてるよ」

 

 45が駆け寄ってきて、足にコツンとぶつかる。

 

「????!!!!????」

 

「んーどうしたの、変な顔して?」

 

「い、いや……なんでもない」

 

 な、なんでもない。なんでもないんだ。まさか利き足に当たられて、それが身体の節々に響いたとかそんなわけじゃないんだ。だからそんな顔を向けないでくれよG11。

 

 G11の目線は俺を見たあと、そっと目を俺の後ろの方に向けた。

 ってどうしたの?急に顔が青ざめて……?

 

「……お兄さん」

 

 ん、何かな……って包丁じゃない?こ、こっち向けてこないで!

 

「よ、416ちゃんどうしたの」

 

「そ、その……壊れてしまって」

 

 

「ん?ああ、刃の部分が欠けてるのね」

 

「手が滑って、刃の方から落ちて……」

 

「いいよいいよ。それより416ちゃんは怪我はない?」

 

「もちろん」

 

「なら良かった。けど危ないし……そうだな」

 

 これはもう、あそこに行くしかない。幸い人手はいるし、保護者……になるかはわからないがG11もいる。

 

「よし、ディスカウントストアに行こうか」

 

 そう、これは416の安全のためだ。ついでにお布団も買うだけだ。だから、これは決して俺の安眠のためという訳ではない!断じて安眠のためではない!

 

 

=*=*=*=*=

 

 

「わー!すごーい!ひろーい!」

 

「9、待って……!」

 

「9ちゃん!45ちゃん!ちょっと待って!」

 

 急いで2人を捕まえる。店内で走り回ると危ないじゃあないか。

 

「こらっ。危ないだろう?」

 

「う、うん。ごめんなさい」

 

「ご……ごめんなさい……」

 

「わかってくれたなら何よりだよ」

 

「じゃあお兄ちゃん、手繋いで~」

 

 んん?9は何を言ってるのかな~?お兄さんにはわからないな?

 

「わ、わたしも……」

 

 45も?ああ、ダメだよ……完全に幼女2人を拉致してきた不審者だよ……

 

「G11……タスケテ……」

 

 逆捕まえられた宇宙人状態で助けを求める。君だけが頼りだぜG11!

 

「んー、無理ぃ」

 

 ああ、もう片手は埋まってるのね。416……G11になついちゃったのね。いつの間に……

 

「ねえねえ、お菓子見てもいい?」

 

「あ、ぬいぐるみ。……なんでもない」

 

「よ、よし!買い物の最後にお菓子コーナーとぬいぐるみのコーナーに寄ろうか!」

 

「ほんと!やったー!」

 

 9は手をブンブンと振り、45は少し手をにぎる力が強くなる。喜んで……るのかな……?

 

「私は……?」

 

「よし、まずは包丁見ようか!」

 

「ほんと……?じゃあお皿も見ていい?」

 

「いいよいいよ!」

 

「じゃ、じゃあ……グラスとお箸も?」

 

「ああ、いいぞ!」

 

 表情こそは変わってないけれど、その右手はブンブンと振られている。G11がだるそーな表情をしてるけれど、それがまたなんだか凸凹姉妹って感じで似合っている。

 

「お似合いだね」

 

「それ、お兄さんが言う……?」

 

「やめろ……不審者を見るような目で俺をみるな……」

 

「そうじゃないけど……まあ、いいや。416のことも頼んだよ」

 

 そういってG11は背中を見せて、手を振りながら店内へと消えていった。……消えていった!?ちくしょう逃げられたか!

 

「お、お兄さん……」

 

 だー!困ります!服の裾を掴まれたら困ります!

 

「わ、わかった。じゃあまず45ちゃん!カート持ってきて!」

 

「は、はい」

 

「416ちゃん!まずは台所用品から見ようか」

 

「う、うん!」

 

「ねえねえお兄ちゃん!私は~?」

 

「9ちゃんは!9ちゃんは……」

 

 やばいな……どうしようか。

 

「そ、そうだな……それじゃあ9ちゃんは45ちゃんのサポートだ!」

 

「了解!」

 

 ビシッと敬礼して、45と一緒にカートを押しはじめる。仲の良い姉妹でなによりだ……。

 

 

=*=*=*=*=

 

 

「この包丁も……いや、こっちの方が良い……でも値段が……」

 

 この子食い入るように包丁を選んでるよ。

 

「416ちゃん?値段は気にしなくていいよ?」

 

 なんたって、君のお父さんからもらった多額のお金が有り余っているからね。

 

「コスパが最高のモノを選ぶまで帰れないわ」

 

「そ、そうかい」

 

 何度もコーナーを往復して、ようやく一本の包丁を持ってきた。

 

「これでいいの?他の包丁は?」

 

「これ一本あればたいていなんでも切れるから」

 

「ふーん」

 

 受け取った包丁を見る。ああ、有名なメーカーだから……ここらへんかな。おっあった。

 

「じゃあこれを買おっか」

 

「そ、それは……」

 

 俺が手に持ってるのは、包丁数本が入ったセットだ。416の持ってきた包丁もセットの中に含まれている。

 俺の家には一本しか包丁が無かったからな。こういう発想も与えてやれなかったかもしれない。

 

「でも無駄遣いはダメよ」

 

「じゃあ416ちゃんが存分に使って、無駄じゃなくしてくれるかい?」

 

「っ!……わ、わかったわ」

 

 顔を真っ赤にしながら、少しうつむいてしまった。

 

「わ、私が全部、しっかり使うまで料理する」

 

「そうかいそうかい」

 

 やる気が出たようで何よりだ。お兄さんも思わずニッコリしてしまったよ。

 

「ねえ!お菓子コーナー見てきていい?」

 

「まあ待ちなって9ちゃん。皆で行こう?」

 

「うん!ほら、早く行こうよ45姉!」

 

「あっ待って……」

 

 9が45の手を引いて菓子のコーナーへと歩いていく。

 

「416ちゃん、ゴメンね?」

 

「別に気にしないわ。それにいい食器もなさそうだし……」

 

 そういいながらも手を握ってくる。ほんと君たち手をつなぐのが好きだねぇ。

 

「……もうちょっと力を緩めてくれない?少し痛いな」

 

「今度は……逃さないように……」

 

 ははは、確かにさっきはG11に逃げられてたもんね。

 

「もう、お兄ちゃん遅いよ?」

 

 っと待たせすぎたか……。9が戻ってきちゃったみたいだ。両手にはすでに菓子が抱えられている。

 

「ちょっと多くない?」

 

「でもね!ここが私の分で、これが45姉の分。それからこっちは416ちゃんの分!それからそれから……これがG11お姉ちゃんの分!」

 

「そうかそうか。いいよ、かごに入れて」

 

 いい子かよ……。というかすでに416とG11の好みも把握してるのね。いったいいつの間に?

 

「ねえねえ、あとはー?」

 

「うーん、そうだな」

 

 布団……は重いから最後でいいな。食材も今日はいいだろう。あとは……

 

「ぬいぐるみ、だったね」

 

「え?いや、私のは……」

 

「……9ちゃん、連れてってあげて」

 

「りょーかいだよ!」

 

 また9が45の手を引っ張っていく。っと曲がり角から人が……!

 

「9ちゃん!危ない!」

 

 クソッ遅かった!9が人にぶつかって後ろに倒れていくのが見える。その小さな頭は、衝撃に強くできているようには到底見えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「っとセーフ!」

 

 ま、間に合った……。ほぼ滑り込みでキャッチすることができた。

 

「ごめんなさい!怪我はないかしら!?」

 

「ええ、まあなんとか」

 

「本当にごめんなさいね」

 

 外人さんだろうか……?随分と長身で、それにしてはグラマラスなものをお持ちであった。髪を結んでいた大きな青いリボンはしばらく頭に残りそうだな……。

 

「9ちゃん、周りは良く見ようね」

 

「うん。お姉さんもごめんなさい」

 

「あら、いいのよ。子供は少し元気すぎるくらいがちょうど良いって言うもの」

 

 そういいながら、スマートホンを赤いポーチから取り出した。

 

「いっけない。私もういかないと。それじゃあ」

 

 そう言ってどこか行ってしまった。

 

「あっ……」

 

「416ちゃんどうした?」

 

「G11さん、発見」

 

 そういって指差す方向には、ソファコーナーでだらしなく寝息をたてているG11がいた。見つけたぞ。見つけたぞー!

 

「全員でおこしておいで。騒がしくしないようにね?」

 

「うん、わかった!」

 

「……うん」

 

「お兄さんがそういうなら……」

 

「よし、それじゃあG11ちゃんに向けて、突撃ぃ」

 

 もちろん小声だ。相手は抵抗する間もなくチビ達に起こされる。まさに最強の布陣。

 

 

 そのあと、フロアに消え入るような悲鳴が響いたけれど、だれも見ていなくて助かった。




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