浦の星が共学化した世界で僕はどう生きるか   作:ナマスの書斎

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浦の星女学院高校が廃校阻止のためにやむを得ず共学化が決まった世界線でのお話です。
*注意
・Aqoursのメンバー以外にオリキャラ(男)が数名ほど登場予定
・何ならオリキャラが主人公だったりします
・一応サンシャインのアニメに沿った展開をしていくつもりです
・投稿ペースはゆったりです
・作品の中で登場する地名や団体名は架空のものであり、実在する団体などとは一切関係がありません。


1話 黒色の始まり

『共学化のお知らせ』

 

学校の掲示板の真ん中にデカデカと貼られたプリントにそう書かれていた。

 

ここは静岡県沼津市の内浦にある『浦の星女学院高校』

 

その名の通り女子校である。

 

その事実を覆すような予告に1人の少女が絶叫する。

 

「え〜!!!共学ぅ!?」

 

蜜柑色の髪に三つ編みをした少女・高海千歌である。

 

「それにしても突然だねぇ…」

 

そう呟くのは銀色の短い髪を毛先で遊ばせている渡辺曜だ。

 

彼女達の目線の先、プリントには来年度から、つまり彼女達が高校2年に進級する時に併せて共学化が始まるという旨が記載されていた。

 

曜「まぁでも廃校になるよりはマシなのかなぁ…」

 

曜がポツリと呟く。

 

浦の星女学院高校は年々生徒が減少傾向にあり、近い未来統廃合される可能性すらあるのが現状だ。学校側はどうにかして統廃合を防ぐ為に苦渋の決断を下したのだろう。

 

千歌「仕方ないのかなぁ…」

 

千歌が寂しそうに呟く。それは大好きな学校が別の場所のように変わってしまうことへの抵抗感を彷彿とさせた。

 

曜「…千歌ちゃん!」

 

そんな千歌の悲しい思いを振り払うかのように曜は明るい声で言う。

 

曜「浦女が共学になっても千歌ちゃんと一緒だからねっ!」

 

千歌「曜ちゃん…!」

 

長年の幼馴染のその言葉を聞いて少し表情が明るくなる千歌

 

千歌「うん!勿論だよ〜」

 

曜「ちょっ///千歌ちゃん…」

 

千歌に抱きつかれ思わず赤面を浮かべる曜。昔から千歌を知っているが、昔と変わらないなぁと思う曜であった。

そんな風に昔と変わらず嬉しそうに抱きついてくる千歌を見て曜は安心した表情を浮かべた。

 

 

 

数ヶ月後 1月

東京・秋葉原

 

「ありがとうございましたー」

 

コンビニ店内に俺の気怠そうな声が響く。

 

俺は浅岸稜然(あさぎし りょうぜん)。都内の高校に通う高校1年生だ。学校終わりにバイトとしてコンビニで働いている。

 

稜然「…今週何連勤目だよクソが」

 

客や他のバイトに聴こえない程度に呟く。人手が足りない為店長に必要以上に入れられている事に不満を感じているが俺に反抗する勇気は持ち合わせていなかった。

 

稜然「お疲れ様したー」

 

反応がないバイトを尻目に店を出る俺。

 

時刻は22時03分。今日も18歳未満が働ける時間のギリギリまで働いていた。

 

稜然「俺何やってんだろマジで…」

 

ため息を吐くようにそう呟いた。うちの家計の都合上、高校生ながら定期代や携帯代を自分で負担しなければならない俺にはアルバイトを辞めるという選択肢は存在しなかった。

 

今は高校に入って初の春休みを目前に控えていて、授業が簡単なのが不幸中の幸いだが…

 

普段の俺の1日は朝起きて学校に行き、夕方からアルバイトをして夜遅くに帰宅するという青春とは程遠いモノだった。

 

高校入学と同時に今のバイトを始めた関係で、クラスメイトと放課後にどこかに遊びに行くことも殆ど無かった。気づいた時にはクラスの人間関係が固まっていて、俺は必然的にぼっちになった。

 

稜然「ただいま…」

 

そう言いながら俺は家に入った。

 

すると、リビングの電気が点いている事に気付いた。

いつもは共働きでこの時間に家にいない両親がリビングに居たのである。

 

母「おかえり。バイト遅くまでお疲れ様」

 

母の労いの言葉を右から左に流しつつ、両親に疑問を投げかけた。

 

稜然「今日は仕事は休みなの?」

 

父「あぁ…仕事のことなんだが…」

 

父が申し訳無さそうに切り出した。

 

父「来月に転勤が決まった。今までの仕事は今日までだったんだ」

 

父のその一言は、バイトで疲れきった俺の脳みそを一瞬にして回復させた。

 

稜然「は?転勤!?」

 

父の言葉に思わず声が大きくなってしまったが、時計が22時半を過ぎそうな事を思い出し声を抑えながら問い詰めた。

 

稜然「何でまた急に…」

 

徐々に状況が飲み込めるようになるに連れ、転勤によって生じるであろう様々な問題が脳に浮かび上がってくる。

 

稜然「ってか今いる"アキバ"はどうすんよ?」

 

"アキバ"とは俺が現在在籍している『東京都立秋葉原高校』のことだ。その名の通り東京の秋葉原にある高校だ。近隣には5年前に日本一のスクールアイドルグループを決める大会であるラブライブで優勝を飾った「音の木坂学院高校」と音の木坂には敗れたがスクールアイドルの育成に力を入れていて、毎年優勝候補に挙がる「UTX学院高校」の2校がある。

 

そんな有名校に囲まれた地味な高校だが、校風が比較的自由で何より秋葉原に近いという理由で入学を決意した。確かに友達は居ないが1人でも別に過ごせる上に快適な場所である事には変わりなかった。

 

そんな様々な思いが交錯する俺を尻目に父が切り出した。

 

父「実は次の仕事は今よりも給料が上がるんだ。今みたいに稜然にお金を入れて貰う必要も無くなるんだよ。これまでたくさんの苦労をかけてしまったし、沢山嫌な思いをさせてしまってごめんな。」

 

父はそう言って頭を下げた。父の頭に少しばかり白髪が混じり始めたことに気づいた。俺は両親が想像以上に苦労していることを知った。

 

俺は半分揺らぐ気持ちを押し殺して、精一杯の笑顔で

 

稜然「わかった。向こうの学校に通うよ。」

 

と両親を安心させる為にそう言った。

 

両親は俺のその一言を聞いて安心したらしく、何度も感謝の言葉と謝罪を俺に向けた。

 

そんな両親とのやりとりに飽きて来た俺は話題を変えるためにこう切り出した。

 

稜然「そーいやどこに転勤するの?」

 

ああ、そうだった…と思い出したように父が言った。

 

父「転勤先はな…静岡の沼津だ」

 

稜然「沼津…」

 

俺は来月から新しい生活を送る場所の名前をポツリと呟いた。

 

そして、沼津で俺の退屈で平凡な日常が変わる事になるとは俺自身が想像出来なかっただろう。

 

次回、「蜜柑色の出逢い」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




初書きだったので文章や時系列などがおかしかったらご指南頂けると幸いでございます。今後の展開としてはアニメに準拠させながらある程度ストーリーを書いて行こうと考えています。
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