おい、バトルしろよ   作:ししゃも丸

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ヤマブキなんてミックスオレ渡せば入れるだろ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヤマブキシティ上空でプリンに捕まって浮いているブルーと、リザードンに乗ってなんとかバリアを突破しようとしているグリーンがいる。状況は一向に変化がなく、未だにヤマブキシティを囲む壁の外で足止めを食らっていた。

 その間リーフはただ一人何もできずに立ち尽くし、二人を見上げるだけだった。そんな彼女を励ますかのように、足元にいたイーブイが鳴いた。

 

 

「大丈夫だよ、ブイブイ。大丈夫、私は平気」

 

 

 いや、心はかなりボロボロだ。自分だけ何も役に立っていないのがとても腹立たしい。それもおじいちゃんにお姉ちゃん、町のみんなが攫われたと知れば余計に歯がゆい気持ちになる。

 こんな時、あいつならどうするんだろうか。

 

 

「ほんと、どこにいるのよ。バカレッド」

「呼んだか?」

「ひゃう⁉ れ、レッド⁉ いつの間にいるのよ、ていうかそれなに⁉」

「何って、バイク」

 

 

 バイクの割には変な形をしているなと思った。しかも色も赤いし、すごく目立っている。するとレッドは腰からボールを一個取るとこちらに投げてきた。

 

 

「わっと。なに、これ」

「プレゼントだよ。約束したろ?」

「え、うそ。本当に⁉」

 

 

 プレゼントを貰えたことがとてもうれしくて、ついレッドに抱き着く。ぽんぽんと背中を叩き、いいから出してやれと言う。

 開閉スイッチを押して投げる。現れたのは、かっこいいドラゴンだった。

 

 

「え、ドラゴン⁉ 本当に貰っていいの⁉」

「ああ。ちなみにドラゴンじゃなくて、いわ・ひこうな」

「うそだぁ。どうみてもドラゴン・ひこうじゃないの?」

「すみません、それやるとこおりで死ぬからやめてください」

「え、うん」

「あらーレッド。おひさー、元気してた?」

 

 

 空にいたブルーがいつの間にか傍にまで降りてきていた。その角度ではパンツが見えるというのにそんなの気にしている素振りがない。

 なんとなくレッドを見た。もちろん見てた。ばか。ブルーもブルーだ。レッドの視線に気づいている割にはなにもしない。

 

 

「むっ。なんでこっちに来るのよ、ブルー!」

「別に、深い意味なんてないわ」

「ブルー。お前、なに企んでるんだ?」

「おほほ。人聞きの悪いこと言わないでくれる? あたしだってヤマブキに入れなくて困ってるのよ」

「ふーん。ま、どうでもいいが」

「あら酷い。もっと構ってくれもいいじゃない」

「ねぇ。二人とも、本当は仲いいでしょ」

 

 

 二人の会話にイライラしながらリーフは言った。

 

 

「ないない。なあ?」

「ええそうよ」

「納得できない……」

「ところで、お前らこんな所で何やってんだよ。ヤマブキなんてミックスオレ渡せば入れるだろ?」

「そんな訳ないじゃん」

「あたしの体で誘惑してもダメだったわよ」

「はぁあああ。で、グリーンはひたすらバリアを破ろうとしてるわけか」

 

 

 クソデカいため息をつく。仕方がないと言うとボールからカビゴンを出した。どうみてもその表情は、本当はポケモンを出したくないという顔だった。何故なのかは分からないが。

 

 

「カビゴン、ギガインパクト」

「うっす。先鋒カビゴン、いきます!」

 

 

 あの巨体が走る姿は圧巻であるが、どう見ても走っている方向はヤマブキシティを囲む壁に向かっている。

 ──カビゴンのギガインパクト! 壁は壊れた! 

 ばらばらとコンクリートの破片が落ちていく。思わずブルーと目が合ってしまう。考えていることはどうやら一緒のようだ。

 そのカビゴンは壁を破って倒れた体を起こし、体に付いた埃を落としてのそのそとレッドの下へ帰ってくる。あの子は綺麗好きらしい。

 

 

「街にいるロケット団は俺が引き付ける。その間にシルフカンパニーへ行け。じゃ、またな!」

 

 

 それだけ言い残しレッドを乗せたバイクが駆ける。自転車とは比べ物にならない速さで走っていき、ちょうど壁を抜ける辺りで、

 

 

『ライディングバトル・アクセラレーション!』

 

 

 なんて声が薄っすらと耳に入った。

 下の騒ぎに気づいたのかグリーンが降りてきて言った。

 

 

「あいつはもしかしてバカなのか」

「バカでしょ」

「バカだよ」

 

 

 

 恐らく初めて三人の意見が一致した瞬間であった。

 こうして私達はシルフカンパニーへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヤマブキシティへ中心部にある市街地の道を駆け抜ける一台のバイクと、それを陸と空から追撃するロケット団とのバトルは、少なからず街に被害を及ぼしていた。

 

 

「ヤツをバトルで拘束せよ!」

「ゴルバット、エアカッター!」

「ピジョット、かぜおこし!」

「オニドリル、ドリルくちばし!」

「迎え撃てスピアー!」

「──!」

 

 

 無数のひこうポケモンたちによる空からの猛攻撃。体を傾けてバイクを操作し、相手の攻撃をかわし続ける。エアカッターは電柱やコンクリートを斬り裂き、かぜおこしは街にある花壇や看板、ビルのガラスを割り多くの物を巻き上げる。直接バイクを壊そうとオニドリルが迫るが、真っ向から立ち向かうスピアーのダブルニードルによって撃沈。

 街全体がバトルフィールドと化したヤマブキシティで繰り広げられているこのハイスピードポケモンバトルは、すでに30分以上は経過していた。

 レッドが出しているポケモンは最初に仲間になったスピアーのみ。主を護る騎士のごとく、その両腕の槍で相手を葬っていた。

 しかし数だけは多いロケット団。倒しても倒してもキリがない。レッドを止めるためにあらゆる手段、ポケモンを使ってくる。いとをはくですら、バイクを止めるには十分すぎる技になっていた。

 

 

「いい加減しつこい! どくびしだ!」

 

 

 スピアーが地上に撒いたどくびしによってロケット団地上班の足がとまる。

 

 

「ミサイルばり!」

 

 

 本来のミサイルばりは上限が5回であるが、レッドのスピアーに上限などは存在しない。機関銃のように降り注ぐミサイルばりが降り注ぐ。そして、スピアーの特殊能力は『必ず急所に当たる』こと。威力も弱く、タイプ相性が悪かろうが相手は倒れる。

 

 

「仕方がない! おい、あれを使え!」

 

 

 リーダー格の団員が何かの指示を飛ばした。すると空から無数の鳥ポケモンに乗った団員が次々と現れ、何かを投下した。目を細めてそれを見る、丸い形をした何かが落ちてくる。

 丸いポケモン……ビリリダマ、マルマインそれにイシツブテ、ゴローン、ゴローニャ。

 

 

 

「まずい!」

 

 

 アクセルを限界まで振り絞り加速する。それに続くようにスピアーもこうそくいどうで加速をはじめる。

 

 

「じばく!」

「だいばくはつ!」

 

 

 さながらポケモン爆撃と言ったところだろうか。次々と責める巨大な爆発が街すら飲み込む。

 

 

「ぐぅっ……!」

 

 

 振動で車体が揺れ、体全体に振動が伝わってくる。ちゃんと走っているのが不思議なくらいだった。それでもアクセルを緩めない。そうしている限り、こいつはずっと走り続ける。

 爆発と言う名の合唱が鳴り始めてどれくらい経っただろうか。まだ耳がおかしくて、しっかりと周囲の音を聞き取れない。

 

 

「……ここまでやるのか」

 

 

 バイクを停めて振り返れば、そこにあるのは破壊の爪痕だけだった。爆発で抉れたコンクリートに所々半壊している建物。

 レッドはピカチュウとサンダーを出して命じた。

 

 

「かみなり!」

「ギャーオ!」

「ピーカーチュゥ!!」

 

 

 二匹のかみなりによって空を飛んでいた鳥ポケモンと、その背に乗っていた団員達は地上へと落下。さらにサンダーがその大きな翼で羽ばたかせて生まれたかみなりを纏ったたつまきが地上にいるロケット団を空彼方へと吹き飛ばす。

 これで全部のはずだ。

 レッドは再び街の惨状を目に焼き付け、改めてロケット団の恐ろしさを胸に刻み、先行しているグリーン達と合流するためにシルフカンパニーへと向かい始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 レッドがヤマブキシティ市街地でバトルを繰り広げている頃、シルフカンパニーに先行したグリーン、リーフ、ブルーはそれぞれの敵とのバトルを開始していた。グリーンはキョウ、リーフはマチス、ブルーはナツメ。

 ロケット団三幹部は、容赦なく命をかけたポケモンバトルをしかけてきた。本来であればサンダーを有していたマチスであるが、レッドに捕られてしまいその代わりとして巨大な電力マシーンにより作り出してたリング、電流デスマッチでリーフに戦いを挑む。最初は苦戦していたリーフであるが、相棒であるフシギバナとパーティーの守り役である悪魔──ラッキー、そしてレッドがうっかり育て過ぎてしまったプテラを駆使してマチスを撃破する。

 そのままグリーンと合流してキョウと戦うリーフの二人であるが、バッジの力で増幅されたフリーザーに苦戦を強いられ、最後には氷漬けになってしまう。しかしグリーンのリザードンが外からかえんほうしゃで氷を溶かし、その隙をついて二人はキョウを撃破。

 キョウのゴルバットを頼りに捕らわれている町の住民を助けるために向かうグリーンと、さらに上を目指すリーフはそれぞれ別行動をとる。

 ブルーが入った部屋は、ナツメとそのポケモン達の念が作り出した彼女の苦い記憶を掘り起こす。それでも持ち前のずる賢さでなんとか危機を脱するブルー。彼女は本来の目的のものがある場所を探しに動く。

 そしてレッドは──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シルフカンパニー1階にある部屋。裏口から侵入したレッドは、鍵のかかった部屋に隠れていたシルフカンパニーの社員からモンスターボールを受け取った。

 

 

「あったよ、ラプラスが!」

「よし、でかした!」

「誰だアンタ⁉」

「私はここの社員のミヤモト。彼女と一緒に隠れたはいいが、外に出るチャンスを失ってしまったんだ」

「そ、そうですか。いまなら外に出られます、急いで」

「ありがとうございます!」

「助かる!」

 

 

 礼を言って二人はレッドが来た道をたどり外へ向かう。

 社内にいるのはおそらくロケット団幹部と他数名のみ。切羽詰まる中、三人には申し訳がないとは思うがラプラス回収はしておきたかった。

 出遅れた分レッドは急いで非常階段を使って上を目指す。しかしロケット団を潰すのとは別に目的があった。カツラが話していた三鳥を使ってしようとしている計画の阻止、攫われたイーブイの奪還である。そのために、そのあるモノを探していた。

 そして6階ほどあがったころ、入り口の前で警護している団員がいた。何かあると思いレッドは走り力を入れる。

 ──レッドのかみなりパンチ! 下っ端×2は気絶した。

 倒れる下っ端を放置して中に入る。そこには台があって、その上に丸い円盤みたいなものがあった。

 

 

「なんだこれ」

 

 

 まるで大きい丸型の時計で、周りには何かを形をしたくぼみがある。

 

 

「これって、ジムバッジか?」

 

 

 持っているバッジと見比べるとたしかに合う。しかしこんなアイテムは知らないし、聞いたこともない。となると、これがカツラの言っていたあるモノなのだろうか。

 その疑問を解消するかのように、背後からメタモンを使ってロケット団に成りすましたブルーがやってきた。

 

 

「はぁいレッド。あなたも無事入れたみたいね。ところでそれ、あたしにちょーだい」

「……お前、これが何か知ってるのか?」

「知ってるわよ? それはトレーナーバッジエネルギー増幅器。奴らの切り札だもの」

 

 

 それを聞いてレッドは確信する。ならばこれを渡すわけにはいかないと。

 

 

「なら、お前にも渡すわけにはいかないな。ブルー、俺はお前のことは嫌いじゃないが、ことこういう状況に関しては信用できない。どうせお前もこれが目的なんだろ?」

「ま、隠す必要がないから答えるけど、そうよ。で、どうしたら渡してくれるかしら?」

「どうもしないよ」

「そう、なら……」

 

 

 ブルーはボールを構えた。どうやら力ずくでも奪い捕るらしい。レッドも腰にあるボールに手を延ばそうとした。

 

 

 ──いけないなぁ、レッド。女の頼みを断るなんて

 

 

 声が聞こえた。それも直接頭の中に。それができるのは一人しかいない。

 

 

「ナツメか!」

「ちょ、ちょっと、なんかすごい揺れてるわよ!」

 

 

 立っているのがやっとの程の揺れがこのシルフカンパニーを襲っている。同時に真下から巨大な力を感じ、レッドはブルーを脇に抱きかかええて部屋の外へ出たと同時に、先程までいた床が下から盛り上がりはじけ飛んだ。

 

 

「それでは簡単に愛想をつかされてしまうぞ?」

「ちょっとレッド。あいつと知り合いなわけ?」

 

 

 脇に抱えたままブルーが指でナツメをさしながら言った。

 

 

「まあ、なんていうか。片思いの……相手」

「酷いな。私もお前のことをこんなにも想っているのに。しかし、そういう割にはお前の傍には毎回違う女がいるが」

「レッド。悪いことは言わないわ。あの女よりぜっったいに、あたしのがマシよ。きっと毎日頭の中覗かれて生きた心地がしないわよ? それに、あたしより胸が小さい」

「お前、胸の話を絶対にリーフの前ではするなよ」

「さっきもそうだが、お前は本当に癇に障るな。ところでレッド、一つ良いことを教えてやろう」

「なんだ。スリーサイズか?」

「お前の胸にあるバッジ。盗られたぞ、くくくっ」

「な⁉」

 

 

 思わずブルーを見た。ニヤリと笑みを浮かべながら強引に腕を払い、もう片方の手で持っていた増幅器を奪われてしまう。

 

 

「おほほ。ごめんなさい、レッド。この二つはいただいたわ!」

 

 

 その手にあるのはレインボーバッジとクリムゾンバッジ。なんでグレーバッジとブルーバッジを盗らなかったのかと思うと、髪をかき上げて耳を見せた。そこには以前取り戻したはずの二つのバッジがあった。

 もしや──

 

 

「あぁああ! お前やりやがったな!?」

「ふふふ。ブルーちゃん特製ジムバッジレプリカよーん。じゃあ、レッドあとはよろしくね。あと、あたしを選んだ方がマシなのは本当だからー!」

 

 

 手を振りながら去っていくブルー。レッドは自分の不甲斐なさと彼女の執念にあきれ果て、何も言えなかった。

 

 

「付き合う女はちゃんと選ばないとな、レッド」

 

 

 と、ナツメが言う。だがおかしい。アレはロケット団の切り札。そう簡単に渡すはずがない。彼女はただ不気味な笑みをただ浮かべているだけだ。

 

 

「さぁレッド。やっと二人きりになれたな。いでよ、ファイヤー! そして来い、フリーザー!」

 

 

 ボールから現れるファイヤーに開けらた穴から飛んできたフリーザーと対峙する。それに呼応するかのようにボールにいたサンダーが自ら現れた! 

 それを見てさらに口角があがるナツメ。

 

 

『『『ギャーオ!!!』』』

 

 

 レッドの額に汗が流れる。ナツメと二匹の伝説のポケモンの前に恐怖しているわけではない。これは、焦りだ。ここにカントーの三鳥が揃ってしまった。頭の中で何かが警戒を促す。

 だんだんと大きくフロア全体が揺れている。それだけナツメのサイコパワーが増幅しているのだろう。

 

 

「まずは第1ラウンドだ。簡単に死なないでくれよ、レッド。じゃないと……私を抱くことなど永遠にできないからな!」

 

 

 さらに膨れ上がるサイコパワー。それを見てレッドはサンダーに視線を送り、サンダーが頷く。

 サンダーが電気を無尽蔵に生み出し始め、レッドは全身を電気で纏う。自身で生み出せる電気エネルギーに加えて、サンダーからの電力供給でさらに力は増幅され、その影響か髪も黄金色に見える。まさにいまレッドが出せる全力の姿。それはまさに電気を超えライジングとなった瞬間である。

 

 

「いくぞ、サンダー!」

『ギャーオ!』

 

 

 そしてレッドのライジングパワーとサンダー。ナツメのサイコパワーとファイヤー、フリーザーが衝突し、フロア全体に閃光が包み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 レッドからバッジとトレーナーバッジ増幅器を手に入れたブルーは、一階下の階に降りて増幅器にバッジをはめ込んでいた。

 

 

「レッドには悪いけど、これはただエネルギーを増幅するだけじゃないのよねー」

 

 

 掴んだ情報によれば、ここにあるすべて(・・・)の穴にバッジをはめ込んだ時、新ポケモンが生まれるというもの。その新ポケモンを捕まえる、それが今回の目的だ。

 いつかあの男(・・・)と戦うためにも、力は必要なのだ。

 そこで持っているバッジ全部嵌め終える。どう見ても、二個まだ空いている。そこはオレンジバッジとピンクバッジ。ゴールドバッジは下で一回ナツメとやりあったとき盗ったから問題はなかった。

 ──ゴゴゴ。

 それにしても上が騒がしい。レッドのやつ、苦戦しているのかしら。

 

 

「あら、あと二つ足りないわね。となると一旦下に戻って回収しないと」

「あれ、ブルーじゃない! こんなところで何をしているの?」

 

 

 タイミングよく下からリーフが昇ってきた。どうやら他の幹部を退けたらしい。所々真実と嘘を混じらせて事情を話す。この子はレッドの名前を出せばどうにかなるはずだ。 

 

 

「レッドが大変なの!? じゃあ、はいこれ! マチスとキョウから取ってきたの」

「ありがとうリーフ。これで……ふふふ!」

 

 

 残りの二個のバッジを嵌める。すると中央に光の球体が現れた。

 これが新ポケモン? 

 だがそれはブルーの思惑は違ってどかへと飛んで行った。

 

 

「うそぉ⁉ 話と全然違うじゃない!」

「ちょっとブルー。全然違うってどういうことよ!」

「げっ。そ、それはぁ、えーと……!」

「え、え、なになに⁉」

 

 

 再び大きな揺れがこの上の階からシルフカンパニー全体を揺らしている。すると一旦揺れが収まると二人は安堵した。

 

 

「治まった……?」

「ブルー、一体何が──!」

 

 

 その時。轟音と共に天井を壊して何かが飛来した。それはこのフロアの床も壊してもう一階下に堕ちる。煙が晴れるとそこにはトレードマークの帽子はなく、全身がボロボロのレッドが倒れていた。

 

 

『『レッド!』』

 

 

 二人はレッドが明けた穴から飛び降りる。真っ先にリーフがレッドに手を延ばそうとするが、バチッとでんきが走り二人を寄せ付けない。

 

 

「うぅっ」

 

 

 うめき声を上げながらもレッドは立ち上がり、上を見上げながら言った。それに釣られて上を見上げる。

 そこには、私の苦手なとりポケモンがいた。

 

 

「お前ら……逃げろ」

「なに、あれ……」

「いやぁあああ!!!」

 

 

 三人の前にサンダー、ファイヤー、フリーザーが一つになったまったく新しいポケモンが見下ろしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 簡単解説

 ジムバッジ

 ゲームではレベルによるポケモンの制御とひでんわざを使うために必要なものだが、ポケスペではポケモン自身の能力を上げることが可能になっており、ジムバッジ単体にかなりのエネルギーが備わっている。

 

 トレーナーバッジエネルギー増幅器

 ポケスペオリジナルアイテム。ジムバッジを嵌めることによりエネルギーを増幅させる装置。原作ではこれによって生み出したエネルギーで三鳥を合体させた。

 




次回は久しぶりに1万文字を超える量を書きました。
レッドとナツメのイチャイチャが見れるよ。

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