おい、バトルしろよ   作:ししゃも丸

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注意 TS要素とちょっとしたネタバレあり


謎の勢力によってレッドとサカキにホモ疑惑をかけられた私は、急遽これを覆すべくよくわからないものを書き上げた(混乱)



一発ネタ サカキちゃんの野望

 

 

 第一話 「誕生 サカキちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 それは多分、きっと大分先の未来。

 カントー地方某所にあるロケット団のアジトにて、ボスであるサカキは私室にて作業をしていると、突如中隊長のケンが慌てた様子で部屋に入ってきた。それでも手を休めず、サカキは冷静に対応する。

 

 

「どうした」

「さ、サカキ様! つ、ついに完成しました!」

「完成? 開発部に何かを依頼した覚えはないが……」

「医療班がついにやったんですよ! サカキ様の病を治す治療薬が!」

 

 

 説明しよう。ある時期からサカキは謎の病に侵されてしまい、先は長くないと医師からも宣告されてしまうのだ! それを何とかしようと組織の医療班も必死に開発に取り組んでいたのだが、今まで一度も成功した例はなかったのである。

 

 

 

「それは、本当なのだろな?」

「は、はい! 医療班主任でもあるメガネ様も、今回はかなりの確率で成功すると仰っております」

「……いいだろう。メガネを呼べ」

「は!」

 

 

 数分後。ケンが連れてきた医療班主任であるメガネがケースを持ってやってきた。身長は平均並、服装は白衣。あとは眼鏡が無駄に光っていることであろうか。

 メガネはサカキの前にケースを置いて中身を見せた。そこには一本の瓶が収められている。大きさは栄養ドリンクほどのものだろうか。

 サカキは信用はしているが、思わずたずねた。

 

 

「メガネ」

「はい、サカキ様」

「本当にこれで私の病が治るのか」

「そうです。今まで世界中の文献や部族に伝わる秘伝。さらには最先端医療とあらゆる治療法を試してまいりましたがすべて失敗に終わりました。しかし、これは新たに発見された粒子を元に制作しました。効果は保証いたします」

「ちゃんと実験はしたんだろうな?」

「もちろんです。イシツブテに投与したところ、たちまちアローライシツブテになったほどですから」

「それは……成功といっていいのか?」

「大成功です」

 

 

 手に持つ治療薬を見る。にわかに信じがたい。だが、イシツブテがアローライシツブテになったというなら、それは確かに信じていいのかもしれない。

 飲むか悩んでいると、メガネが催促するかのように言ってくる。

 

 

「さあ! サカキ様、ぐいっとどうぞ!」

「……いいだろう。部下を信じるのも、ボスである私の仕事だ」

 

 

 グイっと一気に飲む。するとたちまち体中が熱くなるのを感じる。まるで、かえんほうしゃによって全身を炙られているかのようだ。

 

 

「ぬぅううう!」

「耐えてくださいサカキ様! これを乗り切れば無事病が治るはずです!」

「おぉおお⁉」

 

 

 苦痛に悶えるサカキの叫びが響き渡る。外に控えていたケンが慌てて部屋に入る。

 

 

「サカキ様⁉ 一体どうされたのですか⁉ メガネ主任サカキ様は⁉」

「ケン殿。ごらんなさい。あれがサカキ様です」

「え……えーーーーっ⁉」

「──うるさいぞ」

 

 

 あれ程熱かったのがいまはだんだんと熱が引いていくのを感じる。同時に体がとても軽く感じるのがわかる。それに胸の苦しみもない。メガネの言う通り成功したようだ。

 閉じていた目を開くと、今まで違って景色が見える。

 おかしい。こんなにも自分の目線は低かっただろうか。目の前にいるメガネとケンがやけにデカく見える。

 

 

「おい。お前らはなぜそんなに大きいのだ?」

「いいえ、サカキ様。我らが大きくなったのではなく、サカキ様が小さくなられたのです」

「何を訳の分からないことを……」

「こちらを」

 

 

 何処から出した手鏡を渡されて自分を映す。そこには女がいた。それも、幼い少女だ。見た目から推測して、10歳ぐらいだろうか。

 

 

「誰だ、この幼女は」

「サカキ様です」

「ケン、これは誰だ」

「えーと、サカキ様です」

「……ふざけるな!」

 

 

 サカキ様ご乱心中。

 その後。なぜあるのか分からないが、学校の制服のような服を着ることになったサカキ。しかも人生初めてのスカートを履いている割には意外と落ち着いている。下着類もすべて四将軍であるアテナが用意した。

 いつもの椅子に座るサカキであるが、あまりにも背丈が足りないので適当に座布団でかさ増しすることで、いつもの目線になった。

 

 

「で、説明しろメガネ」

「これはいわゆる幼女化です」

「見れば分かる」

「実を言うと、我々が発見した新粒子『TS粒子』の副作用かと」

「待て。副作用があったのか?」

「はい。TS粒子には損傷した細胞を治す効果があることがわかりました。そしてそれを傷ついたイシツブテに試したところ、たちまち傷は治りさらにはアローライシツブテになりました。ただ……」

「もしや」

「はい。それはオスのイシツブテだったのですが、投与したらメスになっておりました」

「つまりだ。それを知っていてわたしに飲ませたのか、お前は⁉」

「サカキ様。一つ言わせてもらいますと、サカキ様の病は報告した通り治療法が今の世にはありませんでした。しかも不思議なことに、この病は男性にしか発病しないという奇病。すなわち、女性になれば治ると私は気づいたのです!」

「な、なるほど。結果論ですが、確かにサカキ様の病は治っている。間違いではありませんね」

 

 

 ケンまでメガネに同調して勝手になっとくしている。わたしだけか、正常な思考をしているのは。

 サカキは呆れて大きなため息をつき、二人に言った。

 

 

「わたしの病が治ったのはいい。だがこれでは、わたしの──(ネタバレ防止の自主規制)に会えんではないか!」

「お待ちくださいサカキ様」

「なんだメガネ。これ以上なにを言うつもりだ」

「サカキ様の──様はまだ複雑なお年頃です。さらには自分の父親が悪の組織と知ってさらに困惑しております。これが男性ならば複雑ですが、今は女性です。父親より母親の方がより心を開いてくれると思いませんか?」

「う、うむ。確かに一理ある……そもそも、なぜわたしが母親になるのだ⁉」

「女の子になってしまったからでは?」

「まあ、そうなりますよね……。それに女性になり、さらに若さも取り戻したわけですから。ある意味役得では?」

「ならお前も飲め」

「いやぁ、ボクは突っ込まれるのはちょっと……」

「お前の下半身事情など知るか」

「ですがサカキ様。これはチャンスでもあります」

「チャンス、だと?」

 

 

 メガネは自慢の眼鏡をくいっとかけ直すと言った。

 

 

「我らが宿敵であるレッドにも勝てる見込みがあるということです」

「な、なぜそこでレッドの話になるのだ」

「え? だってサカキ様ってレッドのこと殺したいほど好きなのではないのですか?」

「ケン。お前はちょっと黙ってろ」

「とりあえずサカキ様。レッドと戦ってみてはどうでしょうか。きっと突然のことで不意を突けるかもしれません」

「い、いや。わたしは堂々と戦ってレッドに勝ちたいのだが……」

「やっぱり好きなのでは?」

「黙ってろケン」

 

 

 今の鬱憤を晴らすべく、サカキはケンに手元にあったケースを投げつけた。だが、肩力が衰えているのか途中で落ちた。

 

 

 

 

 

 

 場所は変わってヤマブキシティの市街地。そこの歩道をレッドとナツメはイチャイチャしながら歩いていた。

 

 

「ねぇレッド」

「なに、ナツメ?」

「最近、平和よね」

「そうだな。平和が一番。ラブアンドピースだな」

「でも、最近よく他の地方によく行くよね……。なんで?」

 

 

 たった一言。その一言を聞いて一瞬にしてレッドは凍り付く、

 

 

「せ、世界平和のためだよ……」

「ふーん。本当は会いに行ってるんじゃないの?」

「べ、弁明すると、俺から行ってるわけじゃないよ?」

「私ね? 最近レッドを甘やかし過ぎたんじゃないかなって思うの」

「平和が一番……」

「なら平和的に解決しましょうか」

 

 

 ナツメの手にサイコパワーが宿り始めると、二人の前に突如大声をあげながら小さな黒い長髪の幼女が現れて宣言する。

 

 

「レッド! わたしと戦え!」

『『……』』

「無視するな!」

「あら可愛い子。どこの子かしら?」

「どけナツメ。お前に用はない」

「やだこの子。教育がなってないわね……」

「子供相手にムキになるなよ……で、君。どこの子かな?」

「わたしはサカキだ! さあ、戦えレッド!」

「ハハハ。サカキとか、ちょっと笑えない冗談だ」

「その気がないならこっちから行くぞ! 死ねレッド!」

 

 

 ──サカキはドサイドンをくりだした! 

 ──ドサイドンのアームハンマー! 

 

 

「ナツメ!」

「きゃっ!?」

 

 

 ──レッドのメガトンキック! 

 ナツメを庇いながら左足でドサイドンのアームハンマーに対抗するレッド。その衝撃波が周囲の建物のガラスを割り、人々が慌てて頭を抱えて隠れる。

 

 

「このドサイドン……本当にサカキなのか?」

「ようやく気付いたなレッド。病を克服したわたしは、今までのようにいかないぞ!」

「なんで幼女になってるのかは別として。いいだろうサカキ!」

「そうこなくては!」

 

 

 サカキはいっしょうけんめい戦っている! 

 ──レッドのデコピン。 サカキちゃんに大ダメージだ! 

 

 

 

「いったーーーー⁉ デコピンは卑怯だぞレッド!」

「卑怯って。お前がそれを言うかよ……」

「ちょっとレッド。なに手加減してるのよ」

「だってよ。サカキとは言え、幼女を殴るのは常識的にどうよ?」

「くそぅ! 子供だからって手加減したなレッド⁉」

「なあサカキ。お前、さっきから精神が体に引っ張られてねぇか?」

「しょ、しょうがない。今日のところはこれで引き揚げてやる! 次こそはお前を殺ちてやる!」

「噛んだ」

「噛んだわね」

「う、うるさい! いくぞドサイドン!」

「ドッサイ!」

 

 

 そしてサカキはドサイドンに抱えられて二人の前から消え去るのであった。

 

 

 

 

 

 

 場所は戻りロケット団アジト。

 サカキは先程の戦いで、自分の身体以前とは違うことをメガネに伝えた。

 

 

「ほう弱体化ですか。恐らくそれは幼女化によって体がリセットされてしまったのでしょう。今のサカキ様は、一般的な少女と同じくらいの力と体力しかないと思われます」

「また一から鍛え直さなければならぬのか……」

「ですが、逆に考えれば以前よりも強くなれる可能性があるということ。今は前向きに考えましょう」

「ふっふっふ。待っていろレッド。お前を倒すのはこのわたしだ!」

「やはりサカキ様はレッドのことが好きなのでは?」

「黙ってろケン!」

 

 

 サカキの代わりにドサイドンがケンを殴り、彼は星となった。

 

 

 

 

 

 

 

 つづかない

 

 




……多分熱中症だな。きっとそう。
サカキちゃんのモデルはシャナか地獄少女のあいちゃん。あるいはぱにぽにのレベッカか?
まあ好評というか、続きを望む声があれば書く……と思う。

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