おい、バトルしろよ   作:ししゃも丸

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一部R‐15描写あります。


むりむり。今の俺、あいつに絶対勝てないもん※注R‐15あり

 

「で? いかりの湖がどうしたって?」

『だから言っただろ⁉ 2週間前にここでギャラドスの大量発生があったってよ⁉」

「ふーん」

 

 

 シロガネ山頂上付近にある秘湯に浸かりながら、ポケギアをスピーカーモードにして適当に答えるナツメ。相手はマチスで今はジョウトに出向いているらしい。前回の会議にも出席しなかったのも、すでにジョウトにて何かの調査をしているからだと言った。

 

 

『どうやらどっかの誰かが、シルフ崩壊で壊滅して散り散りになった団員を集めて何かやってやがる。サカキ様が不在なのに、俺達の代わりにあいつらを指揮している人間がよ!』

「だからそれを私に言ってどうする? 私はもうロケット団を抜けたと、あの日言っただろう?」

『仕方ねぇだろ! キョウは未だに行方が掴めねぇし、相談できるのがお前だけなんだよ!』

「お前は人望があるが、友人はおらんしな」

『だから元同僚であるお前に頼んでるんだよ! でよ、お前の予知で何かわからねぇか?』

「そう言われると力になってやりたいが……すまんな。最近どういう訳か予知を見ないんだ。それだけ平和ってことだろうさ」

『平和って。現にジョウトではサカキ様のロケット団を使って何かしてるヤツがいるんだぜ? それで平和とは笑わせるぜ』

「ならジョウトのジムリーダーがなんとかするだろう。生憎協会の要請もないしな」

『わかったよ! だが何か予知を見たら教えてくれよ』

「それぐらいならな」

『ところで、お前の彼氏は動かねぇのかよ』

 

 

 それを言われて肌を撫でていた手を止める。

 

 

「どうしてそこで、レッドの……名前が、出るんだっ……!」

『だってよ。アイツのことだからとっくに手を出してると思ってよ』

「ふ、ふん。お前が思ってるほど正義のヒーローじゃないっ……んっ……あっ……」

『どうした?』

「あっ、はあぁつ……な、なんでもないぃ……じゃ、じゃあ、きるぅ……ぞ……!」

『お、おう──』

 

 

 すべてを言い切る前にポケギアを切る。

 息を荒くしたナツメはそのまま背後にいる、その自分の彼氏を睨んだ。

 

 

「れ、レッドぉ! んっ、うっ……抓るんじゃ、な……いぃ……」

「いやね、こういうの一度やって見たかったの」

 

 そう言いながら乳房を掴む手を止めない。右手は小さい果実をこねくり回して時には強く抓り、時には引っ張る。左手は右手より優しい役目なのか、両手に収まる乳房を不規則なリズムで揉んでいる。

 

 

「やってみたいって……んっ! もう少しで、マチスに……んんっ!?」

 

 

 レッドは答えない。ただ黙々と手を動かしている。すると股に固いモノが当たるのが分かった。彼は何も言わない。ただ押し付けてくるだけだ。

 仕返ししてやろうとソレを太ももとで挟んで包むと、レッドの声が漏れる。

 

 

「ふふっ。どうだ?」

「……」

 

 

 これでもまだレッドは何も言わない。しかし今度は手の動きが早くなる。不規則に動いていた手が、今度は同じ動きをしだす。力の加減を心得ているのか、痛みと快楽のちょうど間ぐらいの力で揉んでくる。時には乱暴に掴むと次には優しく円を描くように乳房を操る。

 もう幾度なく肌を重ね合った。互いに弱いところを知っているし、喜ぶ場所も把握している。

 そろそろこっちが攻撃に出る番だと意気込み、体制を変えてレッドと向き合う形になる。

 

 

「……おい」

「はいぃ……おくさまぁ……んっ……なん、です……かっ……」

 

 

 それを見て一瞬にして冷静になってしまった。

 カンナがレッドの背中に抱き着いて、自分より大きな乳房を彼の背中に押し付けている。いや違う。アレは胸で背中を洗っているのだ。先程からちゃぷちゃぷと音がしていると思えば、その大きな胸が湯船から出たり入ったりしている音だったのだ。

 

 

「何をしているんだお前は!」

「なにってぇ……レッドさまのぉ……お背中を洗って、いるんですぅ……」

「あ、うん。ありがと」

「んふっ……はいぃ……うれしいですぅ……」

 

 

 そう言いながら彼女の手はレッドのソレに伸ばしては上下運動している。その割にはレッドは冷静であった。前を向いたナツメの柔らかい乳房を揉んでいる。真顔というか、気まずそうな顔をして。

 

 

「むぅ~~~カンナァーーーー!!」

「ひぃぃ! ごめんなさい!! ごめんなさい!!!」

 

 

 結局ムードも何もなくそういう雰囲気ではなくなり、互いにレッドの腕に抱き着きながら湯船につかることになった。カンナの方に目を向ければ、うっとりとした幸せな表情をしながら顔をレッドの肩に乗せていた。自分も負けじと同じことをしている。

 カンナをこのようにしたのは主に自分が原因ではあるのだが、なぜどうしてこうなったと今でも時々思う。

 レッドを散々虐めてくれたお礼として彼女に調教を施したまではよかったのだ。あの時は念力を使った調教をして私がいわゆる鞭で、レッドが快楽という飴を与えていた。

 だが途中からレッドはカンナのあまりにも酷いイキすぎた顔を見て復讐心が何処かへ行ってしまったらしく、あとは自分で都合のいいというか従順な従者にしてやろうと思ってあれこれしたら……こうなった。

 私を奥様と呼び、レッドをレッド様と呼ぶ。彼が旦那様と呼ぶのを嫌ったのは予想外であった。

 こうして我が家のメイドとして迎え入れた三人の生活は意外なことにとてもよかった。まずカンナの家事全般の能力が自分よりも高くて、料理に掃除洗濯は彼女がやっている。レッドが笑顔で美味いと言っていたのは、少しショックでもあったがそれは自分が悪いと素直に認めた。

 そして夜の生活というか就寝も、何故か三人で寝ている。うん、訳が分からないと自分でも思ったが、これが意外とすんなりと受け入れている自分がいることに驚いた。

 たがカンナを迎え入れて一番よかったことは、近所の奥様達からとてもちやほやされることだ。「あら、ナツメさん。やっとレッドさんとご結婚したの?」とか「あのチャンピオンのレッドさんが旦那様なんて羨ましいわ」と言ったお声を貰えるのが最高に気分がよかった。

 まさに外堀を埋めてしまおう作戦が成功した瞬間だと確信した。

 ただレッドがまだその歳ではないので入籍が出来ないのが残念である。

 

 

「ところでレッド様」

「ん?」

 

 

 ふとカンナが何かを思い出したのかレッドにたずねた。

 

 

「先日のあれはよかったのですか?」

「ああアレね。いいのいいの」

「本当に? あの三匹はレッドを頼ってきたのよ?」

 

 

 あれはポケモン協会での会議から数日後のことだった。

 

 

 

 

 

 すべての始まりはイエローが伯父ヒデノリと共にジョウト入りしたところから始まる。ジョウトについたイエローはラジオでエンジュシティにあるスズの塔が崩壊したことを耳にして現地にやってきた。マツバが不在のため代わりにエンジュに訪れていたミカンが復興の指揮を執っており、彼女から事の経緯を聞いている最中に焼けた塔から火の手があがる。イエローも消火作業を手伝おうとすると、突然焼けた塔にあった大きな岩に吸い込まれる。

 それはホウオウを助けるために仮面の男によって封じられたものだった。イエローは知らないが、ブルーが彼女に渡した麦わら帽子についている二枚の羽がライコウ、エンテイ、スイクンを解放した。

 解放された三犬は新たなる戦いが起こることを察知し、自分と共に戦うパートナーを探していた。そして丁度シロガネ山にいたレッドに当然彼らは会いに行ったのだが……。

 

 

「え、やだ」

『『『……』』』

 

 

 三犬の問いにレッドは即答した。予想外の回答に伝説のポケモンである彼らの顔が何とも言えないものになっていた。

 お得意のテレパシーで感じたナツメが、思わず間に入ってレッドを説得する程だった。

 

 

「れ、レッド? 彼らが助けを求めてるんだから手を貸しても……」

「そ、そうですよ。私が言えた義理ではありませんけど……そこはやっぱりお助けした方が……」

「むりむり。今の俺、あいつに絶対勝てないもん」

『もっとこう……手心というか……悩んで欲しいんだが……』

『う、うむ』

『そこまで嫌がらなくても……』

 

 

 ナツメがテレパシーでカンナにも聞こえるようにしているが、レッドはそんなことしなくても聞こえているようで。

 

 

「いやね? たしかに氷耐性付いたけど、お前らとシンクロしながら戦うのはちょっと無理」

『我らもアイツの強さは知っている』

『それでも、あなたの力を借りたいのだ』

『あの方と対となる羽を持っているあなたの力が』

「あ、これ?」

 

 

 どこから出したのか、綺麗な銀色の羽を見せると三犬はうなづいた。

 

 

「いやまあ……貰ったけどさ……ほんと、悪いんだけど別のやつ当たってくれ。あ、そうそう代わりに紹介するわ! ちょうどお前らと相性がいいジムリーダーいるから!」

 

 

 スイクンにはカスミ。エンテイにはカツラ。ライコウにはマチスを紹介するレッド。確かにそれぞれのタイプのエキスパートであるとナツメとカンナも納得はしたが、三犬はまだ納得ができないようだ。それも当然で、レッド程適任な人間はいないだろう。相性でも戦いにおいても。

 だがこれほどまでにレッドが渋るのは、先のナナミからの忠告もあるのだろうと察した。まだレッドの状態は完全ではないし、いつ後遺症が発症するかも分からない。いま治りかけているのに、これでまた戦って傷つけば一からやり直しだ。彼女としてもそれはちょっと嫌だ。

 

 

『本当にダメか?』

 

 

 スイクンが再度レッドに問う。

 

 

「ごめん。マジで協力してあげたいんだけど、こっちも事情がな。一応俺の方でも奥の手を用意はしてあるんだけど……」

『わかった。これ以上は言うまい』

 

 

 一応お礼ということなのか、頭を下げて三犬たちはシロガネ山を去った。

 

 

 

 

 

 

 

「で。もしもの時に備えてカンナも鍛えたわけだけど……出来たの? その……氷を自由自在に操るように」

「えーと……パルシェンとならそこそこできるようになりました。レッド様がルージュラだと機動性で負けるからパルシェンにしろって言うので」

「カンナのパルシェンの特性がスキルリンクだって分かったから、鍛錬の内容は簡単だったしなー」

「──」

「アハハ……」

 

 傍に控えていたパルシェンが殻に籠ってぷるぷると震えだすと、カンナも困惑の表情を浮かべている。ナツメもその特訓の光景は覚えていた。なにせ「お、スキルリンクじゃん。じゃけん最大回数増やして最低回数底上げしましょうね~」と言って何度も同じ技を出させたりした。さらにできないと「は? できない? やってもいないのにできないって言うな。うちのスピアーのミサイルばりを見習わんか!」と言ってスパルタであった。

 ただその矛先はポケモンだけではなくトレーナーであるカンナにも向いた。「え? ポケモンとシンクロできない? こうだよこう」と言って見本としてラプラスの背に乗ってシンクロすると、周囲に数枚の氷の壁を出現させた。ちなみにレッドの力はまったく使ってない。

 ちなみに、出来ませんっと泣き叫ぶと昔の拷問のように膝の上にイシツブテを置いていくという恐ろしい罰を与えていた。

 

 

「まあ俺のパンチで砕けるようならまだまだだから」

「レッド様が規格外なんですよぉーーーー!」

「けどレッド。あなたがスイクン達に言った奥の手ってなんなの? その一つがてっきりリーフだと思ったんだけど」

「それも一つだけどな。まあその内に分かるんじゃない? その時が来れば、の話だけどね」

 

 

 それ以上レッドは語らなかった。さらに今日でシロガネ山に籠るのを止めて一緒に過ごす時間が増えた。

 それはきっと少しでも一緒にいたいということなのだろう。

 あと少しでレッドは旅立つのだから。

 そして偶然にもレッドが旅立つ日は、第10回ポケモンリーグの前日であった。

 

 

 

 

 

 

 




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カンナの性能を上方修正しました。


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