おい、バトルしろよ   作:ししゃも丸

62 / 83
なんと輸入盤なら一か月も早く自宅で名探偵ピカチュウを楽しめちまうんだ。


わたしがレッドの保護者だから問題ないので安心してください!

 

 

 誰もが寝静まった夜。202番道路のはずれで野宿をしているレッドとシロナを、焚き火の炎と月の光が照らしている。昼間とは違って夜行性のポケモン達が静かにひっそりと活動している頃、彼は胸の上で寝ている彼女を起こさないように体を動かす。

 

「シロナはまだ寝てるか」

『はい。わたしの方で起きないようにしてますから』

「よし。スピアー、周囲には誰もいないな?」

「──」

 

 上空で待機しているスピアーは頭でうなづいて答えた。それを確認するとレッドは腰にある、存在しないはずの7個目のボールを手に取った。

 

「おい。出て来いって」

 

 そして少し経ってボールが開きそこからあるポケモンが現れた。ときわたりポケモンのセレビィである。彼は寝起きなのか大きくあくびをしながら言った。

 

「ふわぁ……やあ、レッド。見たところ元気そうだね」

「やあって。なんでお前が俺のボールにいるんだよ。ていうか、説明しろ説明」

「説明も何も。ボクがレッドをこの時代に連れてきたんだよ。あ、そうそう。あの戦いの事だったら心配しないで。あるべき未来へ進んでるから誰も死んでないよ。でも、キミが何十回と死んだ事実は変わらないけどね。あはは!」

「……殴っていい?」

「いまのキミじゃ、ボクに触れることすらできないよ。伊達にときわたりポケモンって呼ばれてないしね」

「ちっ」

 

 それを言われると出していた手を引っ込めるしかない。それにいま暴れれば寝ているシロナを起こすことになってしまう。彼は寝ているシロナの寝顔を見て気持ちを落ち着かせて話を続けた。

 

「わかった。つまり俺はお前に助けられたってことでいいんだな?」

「一応そうなるね」

「じゃあなんでここに連れてきたんだ? 助けるならわざわざ過去に来ることないだろうに」

「レッドの言いたいことは分かるよ。でもどちらかと言えば、この時代はキミが来なければいけない時間であるし、この時代だからこそ会いに行けるというのが大きな要因でもある」

「いなくてはいけなくて、会いに行けるって……もしかしてシロナのことか?」

 

 シロナを見ながらレッドは言う。この時代でいま一番関わっている原作キャラはシロナだ。ナナカマド博士も該当するが彼は違うと判断した。

 理由としてはこうしてシロナと旅をしているということ。

 原作キャラと呼べるグリーン、リーフ、ブルー、それにイエローはカントーだからいいとして。ジョウト組はまともに話したのはシルバーのみで、クリスに至っては会ってすらいない。ルビーとサファイアに関しても、本来なら戦いのあとで交流を深めるはずができなくなってしまった。

 あとはシンオウ地方にいるであろう伝説のポケモンぐらいしか見当がつかない。

 

「それもあるけどね。まあ、キミたちが言うポケモンが先かタマゴが先かみたいな論争になるから詳しくは言わないよ」

「いや、この世界に関してはアレが生み出したんじゃ……」

「細かいことはいいんだよ。とにかく、キミは旅をしなきゃいけなし、会わなきゃいけない存在がいるってこと。ボクはただの道先案内人なんだ。だからその時が来るまでまた眠るよ。じゃ、お休み~」

 

 言うだけ言ってセレビィは再びボールに戻っていく。開閉スイッチを押しても出てこない辺り、内側から何か特別な力で封じ込めているんだろうと察しは付いた。

 彼はため息をつきながら腰にボールを戻して、またサーナイトの膝枕に倒れた。

 

「会わなきゃいけない存在って、やっぱアレだよな……」

 

 それは容易に答えが出てしまう。ここはシンオウ地方だ。ならば、その存在とは一体しか考えられない。

 となると、シロナとの旅はちょうどいいと言えばいいのかもしれない。話ではポケモンの生態調査と彼女の専攻でもある考古学、シンオウに伝わる歴史とジム制覇と聞いている。ポケモンリーグが今年に開催されるかは知らないが、とにかく旅となればあの場所テンガン山にも向かうはずだ。とりあえずはそれが自分の当面の目標である。

 ただ心配事がないわけではない。

 

「そういえば、ナツメや他のみんな元気にやってるかな」

『寂しいですか?』

「まあ本音を言えばね。でもお前らがいるから寂しくはないし。それに今まで頑張ったご褒美ってことで、長めのバカンスと思えば気も楽になるよ」

『ふふっ、そうですね。ならもう休みましょうか』

「ああ。お休み、サーナイト」

『はい、マスター』

 

 再び瞼を閉じる前に一度シロナを見た。きっと明日も振り回されるんだろう、レッドは苦笑しながら眠りについた。

 

 

 

 

 

 翌朝。

 昨日までのが嘘のようにコトブキシティへと簡単にたどり着いた二人。早めに行こうということで、日が昇ってから出発することになったのだが、意外なことに道中ポケモンに襲われることもなく、トレーナーと出会うこともなく無事に到着。

 時間的にも余裕があり街を散策しながら不足していた道具などを買い込んだ後、街の広場にて一旦休憩することなったのだが。

 

「あ、アイスクリーム屋さんだ!」

「お、おい! いきなり走るなよ⁉」

 

 目の前にアイスクリーム屋が目に入ると、シロナはレッドの手を握ったまま店に向かって走り出す。彼も慌ててそれに付いていくが、その力は尋常ではなかった。

 

「アイスください!」

「いらっしゃい! 何にする?」

「うーんどれにしようかな」

「お前アイス好きなの?」

「うん大好き!」

「へー」

 

 生前彼はアニメを見ていない。シロナはアニメでアイスクリームが好物ということが追加されたのだ。それを知らない彼からすれば、この一面はとても興味深いものだった。

 シロナが真剣にラインナップからどれを食べるか悩んでいる中、レッドはそんな彼女とは裏腹に簡単に注文した。

 

「バニラ一つ」

「まいど!」

「ちょっとレッド早すぎない?」

「いや、そこまで悩むか普通」

「悩むに決まってるじゃない。トリプルにするためにまずどのアイスを3つ選ぶのか。そしてどの順番で重ねてもらうのかが重要なのよ! 一番最初に何を食べたいか、次にどんなアイスで口直しするか、最後の締めはどれにするかでその選択肢は無限なの!」

「えぇ……」

「お嬢ちゃん通だねぇ!」

「そこら辺の素人と一緒にしないでほしいわね。だからレッド。そんな簡単に選ぶなんてナンセンスよ。ま、王道中の王道であるバニラというセンスは評価してあげるわ!」

「あ、うん。ありがと? ところで、兄ちゃん。トリプル含めていくら?」

「えーと、二人合わせて400円ね」

「安くて良心的だぁ」

「レッドが奢ってくれるの?」

「これぐらいはね」

「レッドだぁーいすき!」

「安い愛情ですこと。えーと、はい」

「どうも……ん? お兄さん。これ使えないよ」

「え?」

 

 渡した小銭が再び帰ってくる。思わず首をかしげると、店主が優しく教えてくれた。

 

「お兄さん外国の人かい? だったらまず銀行で両替してこなきゃ」

「うそ……だろ……」

 

 思わず手にある小銭を見る。イメージとしては日本円となんら変わりない。なのに使えないとなると、この時代の通貨はある時期で現代の通貨と変わったことになる。となるとこれは未来のお金ということになり、本来は新札になっても旧札がつかえるはずがその逆の現象が起きている。

 とにかく何が言いたいのかと言えば。この時代において自分は文無しということだ。

 レッドは汗を垂らしながら隣にいるシロナを見た。

 

「じぃー」

「……」

 

 彼女の何とも言えない視線が突き刺さる。怒っているのか呆れているのかすらわからない。

 

「はぁ。やっぱりレッドはわたしがいないとなーんにもできないんだから」

「……すみません」

「お兄さんたち兄妹じゃないのかい?」

 

 思わず店主がたずねた。

 

「いえ、違います」

「じゃあどんな関係なんだ? ことと次第によっては警察に──」

「ち、違うんです! お金はあるんです! ただ使えないだけで……」

「店長さん。わたしがレッドの保護者だから問題ないので安心してください!」

「──え?」

「そうかい。なら安心だね」

「え? え?」

「えーと。はい400円です」

「まいど! じゃあお兄さんのバニラね……はいどうぞ」

「あ、どうも……ぺろ……なんだろう、美味しいのに涙の味がする」

「涙……出てるぜ」

「あんたの所為でもあるんだよぉ」

 

 店主に当たりながらもアイスを食べ続けるレッド。本当に美味いから否定しようがないのだ。店の前でずっと立っている訳にもいかず、近くのベンチで座って待つことに。

 アイスを半分ほど食べていてもシロナは未だに唸っているばかり。コーンまで食べ終えても先と変わらず。口を出そうにもあまりにも真剣な顔つきなので声をかけ難く、彼は仕方がないのでポケモン達を出して、転がっていたボールでサッカーをしながら時間を潰していた。

 それから一時間経って、

 

「よし! 上からストロベリー、マスクメロン、バニラね!」

「あいよ!」

 

 一時間も待っていた客だというのに店主は嫌な顔をせずコーンにアイスをのせていく。下から白、緑、赤とカラフルなトリプルアイスを手に持って満面な笑みを浮かべながらシロナがこちらに歩いてきた。

 

「お待たせ!」

「なげぇよ。一時間は長い」

「しょうがないじゃない。あむ……んーおいしぃ! この瞬間のために時間をかけるんだから安いものよ」

「時間は有限なんだぞ~」

「……やっぱりシンオウのメロン味は最高ね! いいレッド。女の子といる時は時間が長いとかまだなのとか言っちゃめっ、なんだから。わたしだからいいけど、他の人だったらきっと振られてるわよ?」

「んーそう言われて思い出したけど、ナツメとデートしたことあったっけ? いつも家に居たり修行してたから……ん? どうしたシロナ?」

 

 突然彼女から鋭い視線を向けられることに気づいて直接たずねた。あれ程美味しそうに食べていたアイスを今は食べておらず、子供とは思えない眼力でこちらを睨んでいた。

 

「レッド。ナツメって誰」

「俺の彼女。あ、写真見る?」

「見せて」

「えーと、はい」

 

 バッグから写真を取り出して渡すと、それまたスゴイ速さで奪い取った。見定めるようにナツメの写真を見るとすぐに返してきた。

 

「……まあまあ綺麗な人ね」

「美人だろ?」

「そうね。でも、わたしのが将来もっと美人になるもの」

「あーうん。それは否定しない」

 

 実際大人のシロナの姿を知っているため、所謂約束された未来が彼女には待っている。いまよりも長い金髪の髪に、身長もモデル並で、まさに女性が憧れる大人の女性になる。

 自分は彼女のこうした幼い姿を見ているので逆に新鮮な気持ちだ。なので、あえて将来の姿を知っているとはまだ教えてはいなかった。

 当人もそこまで未来について興味があまりないのか、これといって追及をしてこないのはこちらとしても助かっている。

 

「あむあむ……!」

「おいおい。そんなに慌てて食べるのは行儀悪いぞ」

「いいの! さ、行くわよレッド」

「いいけど、ちょっと待ってって」

「なによ?」

「いいから」

 

 

 残りのバニラとコーンを一気に口にすると、毎度のごとく手を握って先にあるこうとするシロナを止め、レッドは膝をついて彼女の口の周りについてたアイスを拭いてあげた。

 それでようやく気付いたのか、彼女は顔を真っ赤にしながらお礼を言う。

 

「あ、ありがと」

「こういう所はまだ子供だな」

「子供だからいいのよ。ほら、行こ」

「はいはい」

 

 いつものように並んで手を繋ぎながら歩く二人。少し歩いてシロナが容赦のない言葉を浴びせた。

 

「でもレッドってば彼女を放置して旅に出てるから、きっともう飽きられてるかもね」

「……やめてよ。地味に気にしてるんだから」

 

 

 

 

 

 場所は変わってコトブキシティにある洋服屋。

 服のラインナップはレッドが知る現代のものと比べれば、多少は見劣りしているがここは伊達にポケモンの世界ではないので、そこそこオシャレな服が多々あった。

 そんな彼が最も目を光らせていたのだが……馴染みのダサTシリーズであった。

 

「うおおお!! 初めて見るシリーズだ!」

「……なんでこんなに喜べるの?」

『こういうマスターなんですよ』

 

 首をかしげるシロナにサーナイトは肩を落としながら無念そうに言う。彼は他の人間と比べても純粋でポケモンの話をちゃんと聞いてくれる素晴らしい主だと彼女も思っているが、フエンタウンでもそうだったがこれだけはどうしても聞き入れてくれないのだ。

 その主と言えば、ずらりと並んでいるTシャツ一つ一つ手に取ってはしゃいでいる。

 数にしてざっと10種類以上はある。「小銭だ! 小銭をだせ!」、「怖いかクソったれ。当然だぜ、元グリーンベレーの俺に勝てるもんか」、「なんと、醜い顔なんだ……」、「じゃ、ミサイルでもうちこんでやるか」、「な、かんたんだろ。じゃまものは消してしまえ。すみごこちのいい世界にしようじゃないか」、「え!! おなじ値段でポケモンフードを⁉」、「100万パワー×二刀流×2倍のジャンプ×3倍の回転で1200万パワー」、「マグロご期待ください!」等々。

 フエンタウン以上に物騒でよく分からない言葉が描かれたシャツが店に並んでいる。こんな訳の分からない商品だというのに、この店ではそこそこ広めにスペースを確保しているし、まるでいかにも売れてますと言いたげに強調している。

 現に一人それに食いついている人間がいるといえばいるが。

 

「これってもう現代では存在しないシリーズ。つまり、いまここで買い逃せば一生手に入らない……ごくり」

「レッドー。買っていいのは一着までだからねー」

「えー! そんなケチくさいこと言うなよぉ!?」

「誰がそのお金を払うと思ってるの?」

「……シロナです」

「わかってるならよし。まあでも一着じゃかわいそうだから、もう一つはわたしが選んであげる」

「マジで⁉」

『いいんですかシロナ?』

「いいのよ。元々そのつもりだったし。それに何でもかんでも辞めろとかダメだと言ったらよくないしね」

『うっ。それを言われると確かに……。わたしはいつも否定することばかり』

 

 シロナに女としての差を見せつけられたサーナイトはその場に膝をついて自身の負けを勝手に認めている中、彼女もレッドにどれがいいか歩きながら探し始めている。どれも個性が強いというか強調しているような服ばかり。そんな中で一つ面白いものを見つけた。

 

「レッドの服のサイズっていくつ?」

「えるー」

 

 本人にサイズを確認してLサイズのそれを手に取ってレッドの方へ合流する。彼もあれだけ騒いでた割にはもうその一つを選んでいたようだった。

 

「結局どれにしたの?」

「うーん色々迷ってさ。結局この地方シリーズの『I LOVE SHINO』にした。カントー、ジョウト、ホウエンはコンプしてたからな!」

「へー。ま、それぐらいなら比較的マシね」

「そういうシロナはどれを選んだんだ?」

「ふふっ。レッドにピッタリなやつ! じゃーん!」

「えぇ……」

『ヒモとロリ?』

 

 復活したサーナイトがシロナが持つシャツに書かれた文字を読み上げた。文字だけではなく、その下に二匹のピカチュウが描かれている。寝ているピカチュウがもう一匹のピカチュウによって引きずらている絵だった。

 

「なにその、ぐ〇と〇らみたいなヤツ」

「ピカチュウの絵があるから多少はマシよね。絵面はともかく」

「ヒモって、お前意味わかってるの?」

「今のレッドでしょ?」

「ぐっ。何も言い返せない」

「なら問題ないよね! でもいいの? このシリーズ半袖しかないけど?」

 

 不思議なことにこの謎のダサTシリーズは半袖しかない。シンオウは寒い土地だというのに長袖すらないのはある意味異常であった。

 

「別に寒いの平気だし」

「それもそうね。でも流石に半袖だけじゃ目に付くし……あ、マフラーなんてどう?」

「マフラー……あ、そう言えばアレがない」

「アレって?」

「後輩……から返してもらったターバンなんだけど、ちょっとマフラー代わりに使ってたんだ。でも、あの戦いで燃えちゃったかな」

 

 大事にしていたものとは言えないが、ルビーがあの日まで大事に持っていたものだったので、彼には申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

 

『そうですね。わたしもいま気づきました。戦いの最中はマスターのことばかり気にしていたので』

「まあ、ないものは仕方ないさ。もし戻ったら、ルビーに謝るよ」

「ちゃんと謝れるなんてレッドは偉いね。撫でてあげようか?」

「それぐらいできますっ」

「強がっちゃって。でもどうしようっか。レッドはどういうのがいい?」

「別に何でもいいよ。あ、色は赤がいい」

「レッドらしいね」

 

 色が赤となれば選ぶのは簡単で、シロナは赤のマフラーを探し始める。赤は目立つ色なのですぐに見つかり、意外にもそれは彼女からすれば都合のいいマフラーがあった。

 所謂ロングマフラーなのだが他に比べると長い。軽く4メートル以上はあるように見える。一人で使うには長すぎるが、二人が一緒に使うならちょうどいい長さだ。

 

「じゃあこれにしよっか」

「これ長くない?」

「二人で巻くにはちょうどいいでしょ?」

「ま、まあ、お金を出すのシロナだから文句は言えないからいいけど……」

「なら決まりね」

 

 マフラーを買い物かごに入れて彼女はレジへと向かっていき、その背中を見ながらレッドは頬を掻いてなんとも言えない顔をしていた。

 彼はふと隣にいるサーナイトに聞いてみた。

 

「やっぱ俺ってシロナのヒモ?」

『はい。どう見てもマスターはヒモです』

 

 覆るの事ない現実に直面し、レッドは思わず天を仰いだ。

 

「トレーナー狩り、するか」

『したらしたらで、自分でお金を稼ぐなんて偉い! って、言われると思いません?』

「……容易に想像できる」

 

 どうやってもシロナに褒められる姿しか想像できないことを悟ると、湧いていたやる気がどんどん消えていくのを感じる。

 レッドとサーナイトは場所を移動して店の外に移動して彼女を待つこと数分後。

 シロナは会計を済ませると、早速マフラーをレッドの首に巻いてあげた。しかしそのまま残った部分を自分の首に巻きはじめた。

 二人の身長差があるため少し不格好ではあるのだが、その当人はとても嬉しそうにはしゃいでおり、レッドは文句などは言わず普通に受け入れている。

 

「さ、いきましょ」

「二人マフラーというものをまさかナツメとではなく、シロナとやることになろうとは」

「嫌なの?」

「いや、特にこれといって嫌ではない。でも手袋とかはいいのか?」

「だって手袋なんてしたら、レッドの温もりを感じれないでしょ」

「ま、俺の手の方が暖かいもんな」

「そうそう。それに空いた反対の手はサーナイトやポケモン達と繋げるしね。ほら、サーナイト」

 

 シロナは二人マフラーを羨ましそうに見ていたサーナイトに空いている右手を延ばすと、彼女は少し驚きながらもそれを掴んだ。

 

「不思議といいわね、これ」

「……宇宙人のアレでは?」

「何か言った?」

「ううん、何も言ってなーい」

『これはこれでアリかも……ぬへへ』

 

 二人に見られないように顔を隠しながらニヤけるサーナイト。

 そして彼は手を繋ぎながら最初のジムがあるクロガネシティへと目指し始めた。

 

 

 

 

 二日後。

 クロガネジムにて。

 

 ──トゲピーはたおれた! 

 ──もうシロナに戦えるポケモンはいない めのまえがまっくろになった! 

 

「え──! なんで──ー⁉」

「そりゃあそうよ」

 

 シロナの初のジム戦は敗北で幕を開けたのであった

 

 

 

 

 

 




自身が知らぬ至ることろで評価が勝手にされているメインヒロインがいるらしいですね。

やっぱライアン・レイノルズのピカチュウは最高やな!
日本語ないけど!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。