金剛(壊)   作:拙作者

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こりゃヒデェ!の5話目投稿。
今回についてはもう…言い訳すらできません。

※端くれではありますが作品を投稿させて頂かせている責任上、こんなこと言うのは無責任ですが…
 今回、真面目に酷いです。唯でさえ中身が薄い拙作ですが…今回はその中でも濡れティッシュ以上に薄いです。勘違いという名を騙ったおバカ文(しかも長い)しかありません。
 疲れたり、気分を害されてしまいましたら早急にお戻り下さい。

※感想によるご指摘を受け、H27.1.8に誤字訂正しました。
 ご指摘、ありがとうございます!


4 ちんじゅふかいいきげいげきせん・まえ

 こんにちは。

 ワタシ、金剛(の偽物)さん。

 今…沈みかけているの。

 

 簡単に言ってしまえば。

 潜水艦の魚雷喰らって沈みそうだよ、どうしよう♪ってことなのさ。

 …

 ……

 ………

 って…

 

 呑気にしてる場合じゃねぇぇぇぇ!!

 あばばばばばばばば。

 ヤバイヤバイ。

 痛い苦しい辛い泣きたい。

 

 ちくしょうめぇぇ…っ

 艦娘になった以上、戦いに身を投じなければならないことは解ってた…つもりだったさ。

 -けど。

 何も、初航海からこんな目にあわなくてもいいじゃないか!

 今回はあくまで練習航海って聞いてたし。

 今日のところは、幼女の後ろにくっ付いてハァハァしてればいいと思ってたのにっ…!

 

 ちくせうっ…!

 

 って…あかん。

 今、視界がちょっとぼやけましたよ?

 これが走馬灯ってやつの兆しなのか?

 

 -あ、やべ。

 喰らった魚雷によって、海水が船体に侵入してきやがった。

 水平だった視界が徐々に傾き始めてて…

 つまり、艦が傾いてるってことで。

 

 おふぅっ…!

 また視界がチラついたよ。

 これはもう、駄目かもしらんね。

 などど、ぼんやりした意識に。朧げな映像が浮かんでくる。

 これは…つい先ほどまでの、記憶…?

 

 

 ――って。

 おいコラ。

 ちょっと待てい、俺の脳みそよ。

 勝手に回想流すなっての!

 絶対絶命のピンチに、回想シーンって…

 これ、死亡フラグじゃないか!

 俺はまだ、こんなとこで死ぬ訳にはいかんのだ!

 まだ。

 まだ…っ、やり残したことが、あるのだ!

 

 

 もっともっと第六駆逐隊の皆と触れ合い。

 あの幼くも可憐な肉体から立ち昇る、香しい香りを胸一杯に吸い込みたいとか!

 あわよくば、合意の下での直接のお触りとか!

(あくまでも合意の下で、KENZENに、ね。無理矢理とかロリコンの風上にも置けぬ)

 そういう、壮大な目標があるのだっ!

 

 …あと、おまけにしか過ぎないが。

 提督の奴に。恩も返さないと、だし。

 

 

 …とまあ。

 そんなことを願ったとしても。

 主人公体質ではない俺に、「お約束」に逆らえるわけもなく。

 薄情な脳は、先刻までの映像を再生させて-

 

 

 

 

 

 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 海はいいねぇ。

 地球の造り出した芸術の極みだよ。

 青い空と白い雲。

 何処までも広がる大海原と、その動きによって時折描き出される波と飛沫。

 思い出したように頬を撫でていく、潮の匂いを含んだ凪風。

 きっとこの先人類が幾ら発展しようとも、こんな光景は造り出せないだろうな。

 絶景絶景♪

 

 …ただ、もう少し欲を言えば…

 

 潮風さん、もう少しお仕事してくれませんかね。

 あとちょっと風量を強くしてくれればいいんですよ。

 そう、それだけでいいんですよ。

 

 そうすれば…

 

 

 前を航行している電ちゃんの、スカートの下の桃源郷が見えるンデス…っ!

 

 くっそ!

 女学生のスカートには、どこぞの謎巨大生物もびっくりの絶対防壁があるっていうのは、どこの世界でも共通か!

 さっきから時々捲れ上がってはいるのに。

 奥が、奥だけが決して見えないっ!

 いやん、イタズラな風さん♪とか、そんなようにはならんのかっ…!

 見えそうで。けど、見えない。

 …このもどかしさにも似た、悶々とした気分をどうしてくれるだぁー!

 

 …ふう。

 とりあえず、精神を落ち着けるために現状の整理をしよう。

 先程、イケメン提督の艦娘である第六駆逐隊と面通しして。

 そこからちょっとだけ待たされて。

 で、今は海に出撃中。

 いきなり出撃とは…とも思ったけど。

 とりあえず艦娘としての動きに慣れておきたいというのもあったし、丁度良かったかもしれないな。

 それに、今回はあくまで練習航海が目的。

 航路についても、安全性が確保されている内海を使用するとのことなので一安心だった。

 

 そうして出発した練習航海。

 とりあえず、ここまで大きな問題は発生していない。

 艦娘としての身体と、本体である艦艇と。

 自分が2つの存在に分かれてるってことに対して最初は不安もあったが。

 案ずるより産むがやすし。

 今は艦娘になってるってこともあるんだろうけど、何の障害もなく適応できた。

 船体を自在に、意のままに操れる。

 まあ、自分の手足のようなものというか肉体そのものと言えるからね。当然と言えば当然か。

 

 …ただ、懸念材料もある。

 それは…

 

 …第六駆逐隊の皆から、距離を開けられちゃってるンデスっ…!

 距離的なものではなく、精神的な意味で。

 初対面時の挨拶からしてそうだった。

 表面上は何の変哲も無い挨拶だったが、その実、警戒心と不信感バリバリだったし。

 その後も、話し掛けられていない。

 何というか、こう…

「できればお近づきになりたくない」オーラが漂っている、ような…

 これがまた、きっつい。

 

 ただ、まあ。

 それで第六駆逐隊の皆を責めることなんて、できない。

 逆の立場なら、俺だって同様の対応を取ったのは間違いないから。

 

 挨拶にも一言も返さず。

 以後も口を開かず。

 極め付けに、表情を全く変えない。

 

 …うん、こんなのが来たら誰だって遠ざけようとするわ。

 むしろ、直接的な排他的行動に出てきても可笑しくない。

 そう考えると…拒否感を前面に押し出してこず、距離を置くだけに留めてくれている彼女達に対しては責めることなんて、できはしない。

 

 それは、解ってるんです。

 解ってるんですけど、ね…

 

 俺には、放置プレイ属性は無いんです!

 

 こんなに可愛らしい天使達が近くに居るのに。距離を詰めない選択肢があろうか?

 -いや、ない。

 可愛い女の子がいたら仲良くなりたいと思うのが男の性なのである。

 

 え?

 俺、今は肉体的には女性になってるじゃんって?

 

 答えは、1つ――精神は、時に肉体すら凌駕する。

 例え肉体が女性になってしまっていても、心の奥底で燃える男としての滾りまでは消すことはできないのさ。

 だから俺が彼女達とお近づきになりたいのも、何も間違ってないよね?

 

 -などという冗談は置いておいて。

 …ジョーダンデスヨ。ホントデスヨ?

 

 集団の中で生活していく上では、仲が悪いよりは良いほうがいいに決まってる。

 さすがに今のボッチ状態のままで、長期間耐えられる強さも自信も無い。

 やっぱり、意志ある者は他者との触れ合いにこそ安らぎを感じるものなんだ。

 

 -だから。

 第六駆逐隊の皆と仲良くなりたいと願うのも当然のことなんデス!

 何も疾しいことなんて、ないのデース!

 という訳で、レッツ、コミュニケーション!

 

 …

 ……

 ………

 …まあ、諦めましたがね。

 

 レッツ、コミュニケーションって…

 表情も変えなければ喋りもしないこのボディでどうしろと?

 むしろ、動いたら間違いなく状況を悪化させる気がする。

 無表情のまま、一言も話さず近付いてくる相手…

 うん、全力で遠慮したいよね。

 

 このまま静観してても距離を開けられたまま。

 かといって近付いたら、さらに拒否られる可能性大。

 

 …詰んだ。

 

 -いや、まだだ!

 まだ、諦めたら駄目だ!

 

 諦めたら、そこで終わってしまう。

 まだ、道はある筈だ。

 運命というものを選び取り、紡いでいくのは、その人自身なのだ。

 

 彼女達と仲良くなれないのが定めだというのなら。

 そんな運命、俺の情熱(決して劣情では無い。決して)で、こじ開けるっ!

 

 …

 ……

 -んなこと、できるわけねーべ。

 

 運命への干渉が成せるのは、主人公とか英雄だけだって。

 俺みたいな凡人に、そんな力なんて有るわけないっての。

 

 -という訳で、現状、打つ手なし。

 仕方が無いので、現状維持という名の現実逃避の手段として。

 彼女達の姿を見て、目の保養にしてるのです。

 練習航海中の現在では、艦列の最後尾に就いている俺の1つ前の艦-電ちゃんを位置関係上、視界に入れることが多い。

 

 …ふぅ。

 第六駆逐隊は皆、可愛いけど。

 電ちゃんもその例外では無い。

 庇護欲を掻き立てられるような優しげな面持ちと、控え目な立ち居振る舞い。

 その姿は、萌えという概念の1つの極致だね!

 電ちゃん、マジ天使!

 

 …あとは、その眼差しをこっちに向けてくれたらなあ…

 

 なんて思ってたんだが。

 何だろうか、さっきからやけにこっちを見てるような…

 

 え、何?

 …もしかして。俺の願いが通じた!?

 

 …などと、都合の良いことがあるわけないじゃない。

 

 これまでのことから考えるに、俺は第六駆逐隊の皆からは距離を開けられてる。

 …改めて現状を意識すると鬱になるな。

 人に距離を開けられるというのは、ただでさえつらいが。

 それが可愛い女の子達からのものとなると、ダメージでけぇ…!

 

 とにかく。

 俺は彼女達からは好かれてはいないわけで。

 そんな相手に向ける視線が好意的なわけは無い。

 たぶん、電ちゃんが言いたいのは。

 

「こっち見んな♪(意訳)」

 

 ってことだろ。

 

 視線というものは、余り1人の相手に留め過ぎていると。

 その相手にとっては、時として重圧やストレスに繋がりかねない。

 ましてや、得意ではない相手からのものだったら、なおさらだ。

 

 -電ちゃんから見た、俺のように。

 

 

 ………泣きたく、なってきた。

 

 ただ、まあ。

 さすがに自分の視線で、相手を嫌がらせて喜ぶほど悪趣味じゃない。

 何より、これ以上嫌われたくないし!

 

 …仕方ない。

 とりあえず、他の子を見るか…トホホ…

 

 

 そう思って外した視線を。

 -次の瞬間には、すぐに戻す羽目になる。

 

 

「ふあぁぁぁぁ!?」

 

 突如響いた、悲鳴と爆音。

 慌てて元の位置に戻した視界に飛び込んできたのは-

 側面で大きな水柱を噴き上げた船体を傾け。

 その甲板上でボロボロになって、態勢を崩している電ちゃんの姿。

 身に纏っているセーラー服が破け。

 その隙間から覗く肌は傷付き、焦げ付いていて。

 

 

 それは。

 航海という時間が、戦場という場所へと変化した瞬間だった。

 

 

 …電ちゃぁぁぁぁぁんっ!?

 

 ちょ、シャレにならん!?

 普段なら服が脱げている姿を見て。

 

 -うはwww幼女のナマ肌ハァハァっ…!

 

 となるとこだが。

 さすがにこの場面はそんな局面じゃない。

 艦娘の服が破けるのは、中破以上の損害を被った時。

 その設定から考えると、今、艦が相当なダメージを受けてるってことになる。

 

 やべえ、マジやべえ!

 

 さらにヤバイのが、今、対峙している相手。

 レーダーには何の反応も無いし。そもそも海上には怪しい影は無い。

 けど、電ちゃんは攻撃を受けた。なのに、海上には敵影は無し。

 なら、それの意味するところは1つ。

 

 攻撃を仕掛けてきた奴等がいるのは、目視できず、レーダーでも探れぬ場所-海中。

 つまり、敵は――潜水艦。

 

 …はぁ!?

 おま、いきなり潜水艦って…最初の海域で出会っていい相手じゃないでしょ!?

 

 潜水艦。

 ゲーム上では耐久力は低いものの。

 海中に潜航しているという性質上、攻撃手段が極めて限定される厄介な相手だ。

 夜戦での能力の高さは目を見張るものがあり、大型艦でも一気に耐久を削られてしまうことも珍しくない。

 …ただ。

 今の俺にとって一番恐ろしいのはそこではなく。

 基本的には、潜水艦には対潜能力のある艦でしか対抗できないということ。

 通常、艦隊の主力となる戦艦や正規空母も、潜水艦からは一方的に攻撃されるままになってしまう。

 

 さて。

 俺は今、戦艦になってるわけで。

 -つまり、潜水艦に対しては全くの無力。

 ぶっちゃけ、ただの的にしかならない。

 

 …逃げても、いいデスカ?

 

 や、だって!

 俺がいても、全く役に立たないし!

 それよか、戦いに慣れていて、潜水艦へも対抗できる第六駆逐隊の皆に任せた方が戦術的に正しいってものさ!

 というわけで、ここは戦略的撤退!

 皆、後は頼んだよ!

 

 …といきたいとこだが。

 そうもいかない。

 なぜなら、大損害を被った電ちゃんがいるからだ。

 

 戦いにおいては弱った相手から狙うのが鉄則だ。

 最初の一撃で深刻なダメージを受けた電ちゃんは格好の標的。

 おそらく、対抗できる力も残っておらず。

 耐久力も大幅に削り取られているだろう。

 そこに追撃を喰らえばどうなるか…考えるまでもない。

 

 

 -轟沈。

 

 それは冗談抜きでご勘弁願いたい。

 この世界に来て多少なりとも交流を持った子を、目の前で失っても平然としていられるほど、俺は図太くない。

 

 え?ほとんど交流なんてしてないじゃんって?

 し、視線を交わし、一言でも会話を交わしたら(っても俺喋れないので挨拶を聞いてるだけだったけど!)。

 次の瞬間から、その人とは仲間なのさ!

 

 とにかく。

 電ちゃんの轟沈なんていう事態は全力で遠慮願いたい。本気で。

 ただ、俺がいてもできることなんて殆ど無い。

 できるとしたら、ただ1つだけで。

 

 や、やるのか…!?

 可愛い子を救う為ならしょうがないが…!

 で、でも。やっぱり我が身も可愛いというか…!

 

 などと葛藤していた俺だが。

 戦場という無慈悲な場所は、迷っている時間なんて与えてはくれなかった。

 航行路からやや離れた地点。

 青一色の海原から一筋の白い航跡が浮き上がり、迫ってきて-

 

 ちょ、アレ魚雷!?

 くっそ!もう追撃弾撃ってきやがった!

 そのターゲットが誰かなど、言うまでもない。

 一直線に伸びる航跡の先に居るのは…

 黒煙を噴き上げている船体を傾かせ、力無く蹲っている電ちゃん。

 その大きな瞳からは。涙が、零れていて。

 

 -やるしか、ない。

 

 今、この瞬間に。できるとしたら、俺だけだ。

 暁ちゃん・響ちゃん・雷ちゃんは、電ちゃんの前方にいる位置関係上、一度、船体の向きを変えねばこちらには来れない。

 対し。電ちゃんの後ろにいた俺は、彼女の元に行くには、ただ直進すればいい。

 この場にいるメンバーの中では最短距離・時間で到達できるのである。

 だから、できるとしたら俺だけ。

 

 俺が、できること。

 それは――壁になることだ。

 

 電ちゃんの前に立ちはだかり、魚雷を我が身で喰い止める。

 …痛いんだろうなあ…

 …苦しいんだろうなあ…

 内心、ガクブルです。

 

 だけど…

 あんな泣いてるところを見せられちゃあ、ね。何もしないわけにはいかないでしょ。

 女の子の涙に勝てる男なんて、いやしないのである!

 …俺が今、女性(の肉体)になってるという突っ込みは無しで。

 

 正直、怖い。

 だが、可愛い女の子を守るためなら。

 きっと、できる…!…はず…?

 やるしか、ないのデス…っ!

 

 

 たかが魚雷1つ、金剛ボディで喰い止めてやる!

 俺の萌えという名の情熱は、伊達じゃない!

 

 

 …とまあ。

 某超有名パイロットのマネをしておけば補正つきませんかね。

 あ、つきませんか、そうですか…

 でも、止まるわけにゃあいかねぇぇぇ!

 全速前進!

 

 いつ行くの?

 -今しか、ないでしょ!(泣)

 

 

 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 

 

「―金剛、さん…?」

 

 耳から入ってきた柔らかな声音。

 その暖かい声が、あらぬ方向へ彷徨っていた意識を引き戻してくれた。

 危ない危ない。

 今。電ちゃんを庇って、魚雷を受けて。

 そのまま、二度と帰ってこられない場所に行ってしまうかと思ったよ。

 振り返り、意識が飛んでいってしまうのを防いでくれた救い主の姿を目に入れる。

 

 -電ちゃんは無事か、よかった。

 

 安堵で、頬が綻びそうになる。

 

 …できないけどね!

 この鉄面皮金剛フェイスめ…

 仲間の無事なんだから、少しは安堵の表情くらいさせてくれよ。

 まあ、いい。

 今は電ちゃんの無事な姿が確認できただけで良しとしよう。

 

 ふっ。

 この可愛い姿を守れたのだと考えれば。

 魚雷を喰らった痛さなど…痛さなど…

 

 

 …

 ……

 …ごめんなさいやっぱ痛いです。

 

 …痛ぇええええ!

 

 声が出せてたら大泣き間違いなしだったわ!

 激痛なんてレベルじゃねえ!

 …でも。意外と、平気だった。

 いや、負け惜しみとかそういう類のものではなくて。

 

 命の奪い合いが行われる戦場で、明確な害意が形になった攻撃を受けた。

 こちらを害する意図で放たれた、殺意の塊。

 

 そんなモンを喰らったら。

 本来の俺なら失禁や混乱・錯乱を通り越し、正気を失っていても可笑しくない。

 なのに。

 こうして正気を保っており、思考能力にも妨げは無い。

 軍艦の現身である艦娘になっているおかげだろうか。

 それとも、この鋼鉄金剛さんの影響なのか…?

 だとしたら、感謝すべきなのかもしれない。

 意識が、別の意味でトんじゃってたかもしれないからな。

 

 …だからといって、徹底した無表情っぷりは何とかしてもらいたいが。

 

 ま、とにかく。

 

 ふははは!

 どうだ、見たか!

 正義は勝つ!

 悪に塗れた貴様らの攻撃など通じんのさ!

 

 …欲に塗れてる俺が正義なのかって?

 むしろ、俺の方が悪じゃねって?

 

 いやいや、俺はロリコンという名の紳士デスヨ。

 そんなジェントルマンである俺からすれば、幼女・少女という存在は世界の宝物であるわけで。

 …いや、俺だけじゃない。

 

 花開く前の蕾を思わせる、未成熟で華奢な身体。

 まだ穢れを知らない、あどけない顔立ち。

 未来という可能性を無限大に秘めた、宝石のように輝く瞳。

 

 彼女達こそ、万国万民・世界共通の宝だろ!

 

 そんな彼女達に危害を加えようとするなど…悪以外の何物でもない!

 話の都合上、悪というのは最後には敗れるもの!

 この俺の「萌え」という名の熱き思いの前には、貴様らの攻撃など効かぬわあ!

 

 …

 ……

 …むっちゃ効いちゃってますがね。

 でも、こうして強がり言ってないと、しんどいんですっ…!

 

 ぐほぅ…痛てぇ…

 改めて、第六駆逐隊の皆…いや、艦娘という存在を尊敬するわ。

 戦いに臨んで被弾するたびに、こんな激痛に襲われるのか。

 それでも戦い続ける…本当に、すごい。

 素の俺だったら、到底耐えられなかったよ。

 

 

 -鋼鉄金剛さんが居なかったら、即死だった。

 

 

 と、某赤い人の科白を真似したところで今後のことについて考えねば。

 即死を免れただけで、ヤバイ状況にいるのは変わらないからな。

 

 現状の被害は、被雷1発。

 これぐらいなら、まだ大丈夫…なんだけど。

 余り余裕は無い。

 朧げな知識だが…史実だと、金剛は2発の被雷で沈没している。

 様々な要素が重なった上でのことであるので、その2発だけが原因であるとは単純には言い切れないが…

 俺も複数発は喰らわないほうが無難だろう。

 なあ~に、魚雷1発ぐらいなら、何とかなるなる。

 …というより、1発でこれだけグロッキーになってるんだから、これ以上喰らいたくない。

 とりあえず、海原に視線を戻して、と…

 

「危ない、です!」

 

 などと考えていた俺の耳に飛び込んできた電ちゃんの声。

 どこか舌足らずな感じも残した鈴のような声音。

 いつもなら、その音色に浸っているところだが…今回は、そうはならなかった。

 その声が、切迫さに包まれていたからだ。

 一体、何なのかと意識を戻した俺の視界に飛び込んできたのは…

 

 青い海原を奔ってくる、3本の白い航跡。

 それらは、まっすぐにこちらに向かってきていて。

 つまり、3本の魚雷が俺に向かって放たれたわけで。

 

 …

 ……

 おぃいいいい!

 1発でも参ってるところに鞭打つように更なる追撃とか…

 貴様ら、それでも人間かあああっ!

 

 って。

 人間じゃありませんでしたね、そう言えば。

 ついでに言えば、俺も人間じゃなかったです、ハハハ…

 

 などと現実逃避している俺に構うことなく、魚雷はその牙を突き立ててきた。

 ご丁寧にも、前部・中部・後部の3ヶ所に。

 3つの水柱が立ち昇り、船体が大きく揺らされて-

 俺は、それをどこか遠い世界のようにしか感じられなくて-

 

 -うん。

 痛みに悶絶しててそれどころじゃないからです。

 

 -ほぎゃぁぁぁす!

 おま、これは、ちょっ…

 もう、痛いという言葉を使うことすらできない。

 痛覚を直接叩き割ったかのような、筆舌に尽くし難い衝撃。

 

 マジで。本気でマジで、鋼鉄金剛さんには感謝せねばなるまい。

 彼女(?)という憑代がなければ…彼女(?)に憑いていなければ。

 …俺は、激痛によって間違いなく狂ってた。

 

 …ただ。そんな鋼鉄金剛さんでも、防げないものは有って。

 

 今の自分の肉体を見下ろせば。

 身に纏っていた巫女服的服装が破けて焦げ付き、肌が露出していて。

 ここで、通常モードの俺なら。

 

 -ふぅ。我ながら、なんと美しい肌…

 

 と、恍惚状態に入るとこだが。

 こんな極限状態でそんな余裕あるわけねぇ!

 身に纏ってる服が破けたってことは。

 つまり、相応のダメージを受けたってことで。

 

 …轟沈フラグキタ?

 

 …マズイ。ひっじょ~にマズイ。

 被雷4発。中破損害か、大破損害か。

 どちらにせよ、もう艦の耐久力は相当に削られてるだろう。

 このままここにいればどうなるかは、火を見るより明らかだ。

 …でも、逃げるなんてできっこない。

 損害を受けた船体の様子から察するに、動力部にも被害を受けてるようだし。

 船速は大きく低下しているだろう。そんな状態で逃げ切れるとは思えない。

 そもそも、戦場で下手に敵に背を見せれば格好の的になるからなあ。

 

 …というか、何より。

 電ちゃん放っておいて逃げるなんて、できるわきゃあない。

 

 かと言って、潜水艦の奴等に抗する術があるわけでもない。

 戦艦である俺には、対潜能力は無く、攻撃手段もない。

 逃げることもできず、抵抗することもできず。

 

 …アレ?

 万策尽きたんじゃね、コレ?

 …逃げたい、この現実から。

 でも…

 

 -知らなかったのか?現実からは逃れられないっ…!

 

 

 -助けてください!神様、仏様、金剛様!

 

 …っていってもなあ。

 神も仏もこの世には居ない!…とは言わんが。

 少なくとも、俺の傍には居ないな。

 いたらこんな境遇にはなってない。

 で。金剛さんだが…

 これ以上を望むのは、ちょっと、なあ…もう十分以上に恩恵を受けてるし。

 ヘッポコな俺が、戦場という極限の場所で正常な思考を維持できているのも彼女(?)のおかげだし。

 精神の乱れや内心のテンパりを表情に微塵も表さず他者に悟らせず、外面上は泰然としていられるのも彼女(?)のおかげだ。

 

 …ちょっち、鉄面皮すぎるけど。

 

 今だって、傍目から見れば攻撃を受けても全く動揺せず、屹立し続けているように見えるはずだ。

 

 …でもね、皆には知ってほしい。

 人間、外面だけで全てを決めるのはよくないんだよって。

 顔で笑って、心で泣いて…というのもあるんだ。

 

 そう、今の俺のように。

 

 痛い、超痛い。

 こりゃ、あ艦ですわ。

 

 さっきから艦を動かしてないのも、最大の理由は電ちゃんが後ろにいるからなんですが…

 実は、内心で痛みに号泣悶絶してるからなんデス。

 

 とりあえず。

 ここから退いちゃいけないっていうのだけは絶対だ。

 退いたら、後ろの電ちゃんが敵潜水艦から丸見えになっちゃうからな。

 それだけは、絶対に駄目だ。

 

 だが…それ以外の行動策を思いつくなんて無理!

 無理無理!痛すぎて思考が回らん!

 ここで主人公や英雄・ヒーローの類なら、激痛に襲われながらも驚異的な精神力でそれを押さえつけ、何らかの行動を取れるんだろうが…

 残念!

 俺はそんな人たちとは比べるべくも無い、一般(以下)ピーポーですから。

 痛みに固まることしかできません。

 

「金剛さん、ダメ、なのです!もう…!」

 

 思考放棄に陥っていた俺の硬直を解いてくれたのは、後方からの電ちゃんの声。

 その声を聞いた途端、ふと思い出したことがあった。

 昔、まだ小学生だった頃のお話。

 学校の授業の中で、こんなことを言われた。

 

 -自分だけで無理なら、他のひとを頼りなさい-

 

 …今こそ、この教訓を活かす時だ!

 その後に続けられている電ちゃんの言葉を聞き終わる前に、俺は行動に移った。

 首を巡らせ電ちゃんへ振り返って、喋れない口に代わり、体の動作で意志を伝える。

 ゆっくりと、首を左右に振って。

 

 -もう無理。たしゅけて、電ちゃん。

 

 そんな意志が、通じるように。

 

 

「金剛、さん…」

 

 …けれど電ちゃんは顔を俯かせて。

 …って、アルェー?

 電ちゃん、なんで視線を俯かせるんデスカ?

 -え、何?

 顔も見たくないってこと?

 俺、そこまで嫌われてるの?

 

「アンタの顔なんて見たくもないよ♪(意訳)」

 

 ってこと?

 

 っていやいや、それはマイナス思考入り過ぎだ。

 こんなに心配げな声を上げてくれた電ちゃんがそんなこと思うわけないだろ!

 …ない…よね…?

 そもそも、落ち着いて考えろって。

 電ちゃんだって既に深手を負わされてるんだぞ。

 ケガ人に助けを求めるなんて、我ながら空気読めてないにもほどがある。

 それで困っちゃった電ちゃんは顔を俯けちゃったんだろう。

 ふう、びっくりしたよ。

 一瞬、嫌われてるのかと思っちゃったじゃないかあ。

 

 …避けられてはいるけど。…嫌われては、ない…ヨネ…?

 

 と、とにかく。

 ボロボロな電ちゃんに、これ以上負担を掛ける訳にもいかん。

 [電ちゃんに助けてもらおう作戦]はパス…というより取り掛かっちゃいけない選択肢だったな…反省。

 ならば次なる作戦!

 その名も-[暁ちゃん・響ちゃん・雷ちゃんに助けてもらおう作戦]!

 俺と電ちゃんは潜水艦の攻撃を受けてしまったが、前を言っていた彼女達は標的にはなってなかった。つまり、無傷の状態のままでいるってことだ。この局面を打開できるだけの力を持っているはず。

 

 そう思って前方に視線を向けると…折り良く3人が船首を回頭させてこちらに向き直っているところだった。

 

 お、こりゃナイスタイミング!

 これなら迅速にこちらへ来れるはずだ。…というか…

 

 は や く き て く だ さ い !

 

 もう色々ヤヴぁいんデス!

 被雷した箇所からの浸水量とか、それによる船体のダメージとか…

 意識も朦朧としてきたし…

 こんな状態でこれ以上追撃を受けたら、どうなってしまうか…!

 

 もう限界っす!これ以上は耐えられん!精神的にも、肉体的(…というより船体的?)にも!

 いつ沈められるか、ヒヤヒヤしっぱなしなんですよぉー!

 

 -と、そんな意識が伝わったのか。3人は今すぐにでも動き出してくれそうな気配で。

 さらに、俺の救いを求める気持ちを距離を離れてても読み取ってくれたのか、こちらへと視線を向けてくれた響ちゃんと目が合った。

(実際は結構な距離が離れていて、人間の視力じゃ相手の目なんて判別できないんだが…軍艦の分身である艦娘の能力からすれば造作も無い)

 

 おお…!感動した!

 心を通わせるのに必要なのは、言葉や表情だけじゃない!

 ハートさえあれば、気持ちは通じるんだよ!

 よし!

 ここはこちらのヤバイ状況を少しでも教えるためにSOSサインでも出しますか!

 気持ちが通じている今なら、正確に俺の言いたいことを読み取ってくれるはず。

 響ちゃんと視線を合わせたまま、俺はゆっくりと首を左右に振った。

 

 -もう無理っす。へるぷみー

 

 そんな懇願に対して、彼女達は-

 動きを、止めた。

 

 

 …W h y ?

 

 え、ちょ、なじぇ?

 なに、まさか…マジで放置プレイ?

 …って、それは無いと断言できる。

 何せ、今の俺の近くには電ちゃんも居る訳で。

 俺が危険=電ちゃんも危険。

 こんな状況で、3人が末妹である彼女を放っておくはずは無い。

 

 …となると。

 敵潜水艦がどこに居るか分からないから警戒しているってとこかな。

 

 なら、助けに来てもらうためにも手助けさせていただきましょう。

 俺は奴等の攻撃を受けた張本人だからね、発射された魚雷の出所くらいは目星がつく。

 まあ詳細な位置を割り出すことなんてできず、ほんと大まかな見当しかつけられんが…

 それでも何の情報も無いよりかはマシなはずだ。

 

 見当をつけた場所を3人に指し示すべく腕を回そうとして。

 その腕を、途中で止める。

 

 …

 ……

 ………

 ――痛てぇぇぇぇぇえっ!

 

 そうだった。

 さっきまでは電ちゃんという天使の声を聞いて癒され、そのまま思考に没頭していたおかげで忘れてたが…

 俺、今ボコボコにされてて重傷を負ってるじゃん!

 超人ならこういう時は痛みに耐えて肉体を動かすこともできるんだろうけど…

 凡人以下の俺にそんなことできるわけない。

 こんな激痛を抱えたまま、体を動かしたりなんて無理ッス。

 くやしいっ、でも(肉体の痛みに)従っちゃう!

 おかげで、腕の動きを止めちゃったよ。

 

 …まずい。

 腕を回転させて「だいたいこの辺りにいると思いますよ~」と伝えるつもりが…

 これじゃ、単に腕をちょっと振っただけじゃん。

 というか、この動作だと「ここにいる(ドヤァ)!」って感じのピンポイント指示になっちゃってない?

 

 …まずくね?

 内心で湧水のように冷や汗が湧き出してくる(言うまでもないが、外面は全く変化無し)。

 お解りいただけるだろうか。いや、誰しも一度は経験があるんじゃなかろうか。

 人に誤ったことを教えてしまった時の、あの何とも言い難い後ろめたさと罪悪感を。

 故意ではないだけに、精神に粘り付くようにして圧し掛かってくる例え難い圧迫感。

 …俺の心中は今、その後ろめたさ・罪悪感で圧迫されてヤバイです。

 

[潜水艦の位置を間違えて教えた]-結果的に見れば、俺が3人にしてしまったのはそういうことで…

 

 …やっちまったああああ!

 手を差し伸べようとしてくれているロリッ娘達を、さらなる窮地に誘っちゃうとか…

 何やっちゃってんの俺!?

 故意じゃないから、とかそういう問題じゃないぞコレは!

 

 くそう…

 肉体の痛みに屈して、腕を途中で止めてしまったばかりに…

 俺の第六駆逐隊への思いは、その程度のものだったのか…?

 

 

 -俺は…ロリコンにはなれない…

 

 

 と打ちひしがれて視線を落としそうになって、気が付いた。

 響ちゃんが海面を見て、小さく首を振ったのを。

 一体、その動作が何を意味するのか…その答えに辿り着く前に、彼女はこちらに視線を向けてきた。

 その透き通った瞳で、こちらを窺うように。

 

 うぐっ。

 もしかして、糾弾デスカ?

 俺のピンポイント指示が無茶苦茶であることを見抜いて…

 

「てめえ、出鱈目教えてんじゃねえぞ♪(意訳)」

 

 ってことすか?

 

 …とも思ったがそれは無いだろう。

 一分一秒を争う戦場の真っただ中、しかも今は絶賛ピンチ中。

 そんな場面でわざわざタイムのロスになるような行動を、歴戦の艦である響ちゃんが取るはずは無い。

 

 落ち着け、落ち着いて考えるのだ。

 一体、どういうことなのか…その行動の意味を考える。

 海の方を見てたってことは、当然、敵潜水艦に関することだろう。

 で、首を振ったってことは…

 

 -閃いた!

 きっと俺なんかが差し出がましい真似をするまでもなく、潜水艦の位置を掴みとったんだね!それで、問題ないって判断して首を振ったんだろう。

 その上で、改めてこちらの状況を確認するために視線を向けてくれたんだ。

 

 さすがはかっての大戦を生き延びた歴戦の軍艦。

 きゃー!響ちゃ~ん!

 そこに痺れる憧れるぅ!

 

 …と。浮かれすぎるばかりではイカン。

 響ちゃんの配慮に感謝しつつ、気合を入れる。

 

 ここだ。

 ここで、ちゃんとこちらの気持ちを伝えるのだ。

 響ちゃんのことだから、すでにこちらが危険な状態であるということはとっくに察してくれているはず。向けてくれている視線は、きっとその確認のためのもの。

 だから、それに対しての返答を。

 

 こちらを見据える響ちゃんの透明な瞳をしっかりと見つめ。

 俺は、ゆっくりと頷いた。

 

 -もうヤバイんです。はやく助けてください!

 

 身体が自由に動くなら土下座すらしていたであろう切実な願いを込めて。

 無表情・無口である金剛さんボディであっても、しっかりと気持ちを込めれば思いは伝わるはず…!

 事実、出鱈目な指示をした俺に対し、響ちゃんは配慮してくれているではないか!

 つまり、俺が彼女達のために何とか力に成りたいという思いが伝わり、それを彼女達は汲んでくれたのだ!

 今、彼女達と俺の心は繋がっている!

 今なら、きっとこちらの思いを解ってくれるはず。

 

 もう、何も怖くない――!

 

 …

 ……

 …コミュニケーションというのは、ある意味でキャッチボールにも似ていると思う。

 お互いが持つ意志という球を、丁寧に遣り取りする。

 グローブという相手の心に届くように、配慮や思い遣りといった技術も添えて。

 時に失敗したとしても、もう一度やり直したり互いに協力したり…

 そうやって信頼や友情、或いは愛情といった繋がりを作りあげていく。

 このような形こそがコミュニケーションというものではないか、と俺は愚考するわけです。

 

 さて、今言った通り、時に失敗することもあるとは思う。

 そういった場合にはもう一度やり直せば良いとも思う。

 だけど…質問です。

 

 キャッチボールをしていて、顔面直撃150㎞越え剛速球を投げ付けられたらどうすれば良いですか?

 

 いや、もちろん喩えですけどね?

 え?何をそんな大げさなって?

 いやいや、今俺が受けたショックはそれぐらいデカイってことデ~ス。

 だって…

 

 

 な ん で 皆 さ ん 、 助 け に 来 て く れ な い の ?

 

 なんか、3人とも動き止めたままなんですけど。

 俺、ちゃんと助けを求めたのに!

 言葉や表情が無くてもハートがあれば心は通じると思ってたのに!

 

 ――いつから気持ちが繋がっていたと錯覚していた?

 

 これキャッチボールちゃう!

 デッドボールや!顔面直撃150㎞越えの!

 

 などと内心で喚こうが状況が変わるはずもなく。

 結局、俺は潜水艦の前に取り残されることとなってしまったのであった。

 




ここまで来ていただいた方、誠に、誠にありがとうございます。
そして多大なるご負担をお掛けして本当に大変申し訳ありません。

言い訳にもならない懺悔は同時投稿の後編時に述べさせていただきます。
ここで(読むのを)やめても、いいのよ…?

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