「こっちは乱戦状態だな……」
講堂内での騒動が即鎮圧され、達也と深雪は摩利の声に送り出され、最初に轟音が鳴った実技棟付近へと到着していた。二人ともここに来るまでにも幾人か敵兵を見ていたが、既に何者かによって気絶あるいは銃撃による行動不能状態で転がされていた。
だが、実技棟付近では一高生徒とテロリストの両方がやったりやられたりの混戦状況である
「達也!…何の騒ぎだ?こりゃ」
「テロリストが学内に侵入した」
「物騒だな、おい」
レオも混戦状況のなか戦っていた一人だったが、何があったのかわからないまま戦っていたので達也に聞くと、達也はレオの性格を知っているのか、詳細を全て省いた簡潔な説明をし、レオもそれで納得した
「レオ、ホウキ!……っと、援軍が到着してたか」
ちょうどそのとき、事務室方向からCADを持ったエリカが姿を見せた。初めは走っていたのだが、達也の姿をみると、走っているその足を緩めて近づいてきた
「これ、達也くん?それとも深雪?」
「深雪だ。俺ではこうも手際よくは不可能だ」
「私よ。この程度の雑魚にお兄様の手を煩わせるわけにはいかないわ」
持ってきたレオのCADを投げて渡し、レオから投げるな!との抗議を無視して、足元に転がっている侵入者の姿を目に写しながらエリカは達也に聞いた。その質問の返答は達也と、既に達也の元へ戻っていた深雪が同時に答えた
「がっ!」
「なんだ、コイツは!ぐほっ」
「なんだ?」
「あれって、もしかして蒼司くん?」
四人がこれからのことを話そうとする時に、一高生徒と戦っているテロリストが次々に倒れていく。倒しているのは、先程到着した蒼司。ハンドガンにて肩や足を撃ち抜き、またナイフで斬り、刺し一人一人処理していく
「あいつ、強いんだな。しかも拳銃までとか」
「いや、そういうアンタは何様よ。これだからバカは」
「なんだと!?」
「でも確かに強いわね、しかも速い。何かをかじってるわね」
四人がそうこうしている内にほぼ全員を仕留め終えた蒼司が戦闘途中に見かけた四人の元にむかった
「みんな居たんだな」
「蒼司お前、あの人数を一人で倒しちまうとかすげぇな。って、なんだよ、その顔」
「いや、人を銃で撃ったりしてたら普通はあいつらのような反応なはずなんだがな」
そう言う蒼司の視線の先には蒼司から目を逸らす者が多く、あまりいい顔ではないのが伺える。が、レオの口から出た肯定の言葉に笑いが堪えられずそのまま笑い始めた蒼司だった
「なんだよ。いきなり」
「いや、そんな反応が帰ってくると思ってなかったからな」
「蒼司、お前はここまでに何をしてたんだ」
「俺は今日の部活が討論会のこともあって自主練になってな。暇だから散歩してたらたまたまやつらの侵入ポイントの場所にいたらしく、出会ったからぶっ飛ばした。んで、一番デカい音が鳴った実技棟に向かう途中にテロリストに襲われかけてた雫とほのかを助けて今に至るというわけだ」
「雫とほのかが襲われた!?」
「『襲われかけた』だ!しかも、二人だけじゃなく他の部員もいたよ。敵も一人だったからKOして終わったし。で、これからどうするんだ?」
「彼らの狙いは図書館よ」
蒼司たち五人が今までと、これからのことを話しているとき、突如五人に状況がもたらされる
「小野先生?」
声の主の方へ向くと、いつもの装いとは違い、踵の低い靴にパンツスーツ、ジャケットにその下は光沢あるセーターと行動性重視の服装を身に纏う一高カウンセラー小野遥の姿があった
「向こうの主力はすでに館内に侵入しています。壬生さんも既にそっちにいるわ」
「そうですか、ならいってきます」
「ちょっと蒼司くん!?」
「早速かよ!?」
敵の情報を知るやいなや即突撃していった蒼司に驚くエリカとレオ。だが、達也は遥を正面から見据える
「後程ご説明をいただいてもよろしいですか?」
「却下します、といいたいところだけど、そうはいかないでしょうね。そのかわり、一つお願いしてもいいかしら?」
「なんでしょう?」
「カウンセラー、小野遥としてお願いします。壬生さんに機会をあげて欲しいの。彼女がこうなったのは私の力が足りなかったのもあるから」
「甘いですね。……いくぞ、深雪」
「はい」
「お、おい。達也」
「余計な情けで怪我をするのは自分だけじゃない」
走り出した達也の背中は、これ以上は時間が惜しいと、そう語っているようにみえたのだった
更新がだいぶ長くなり申し訳ありません!
少しずつ書き留めてたものを最終チェックしながら連続投稿していくので許してください!
ということで次話に続きます