魔法科高校の劣等生 災厄を継ぐ者   作:アルバロス

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本当は九校戦前の練習風景を書くつもりでしたが無理でした


第十四話 ※

「おはよう、達也。俺、遅い方か?」

「いや、まだ半分程だ。だが、雫やほのかたちは来ているぞ」

「りょーかい。達也はバスの中で待たないのか?」

「俺は外で構わない。まだそれほど暑くもないしな」

 

九校戦の会場へ出発する日、ある程度早めに来た蒼司は外で搭乗確認をしていた達也と軽く話をしたあと、バスに乗り込んだ。見渡すと、深雪、ほのか、雫の三人の姿が見え、雫が空いている窓側の席を指してこっちと言ったので、そこに座った

 

「おはよう、三人とも早いな」

「おはよう、蒼司。……?眠そうだけどどうしたの?」

「夜遅くまで家で父さんと特訓してたから眠い」

「お父さんとですか。そういえば、蒼司くんのお父さんはどんな人なんですか?」

「普段は母さんに甘くて、甘え下手な良い父さんだよ。戦闘になった途端、人が変わるけど」

 

生徒会長の真由美が家の用で遅れるが、全員で待つということで、バスの中でたわいない話をしあった四人。ようやく真由美が到着し、一時間弱遅れてバスが出発した

 

 

「……服部先輩からかわれてる、面白。ただ……」

「……………………」

「(いやこれどーすんのよ…………)」

 

関わりのある服部がからかわれている姿を見て、内心笑い転げる蒼司だが、顔にはださない。なぜなら自分の席の反対の席にいる威圧感をだす深雪のせいであった。自分たちは涼しいところにいながらも、達也は外に居続けたことへの思いからムスっとしていた深雪だが、雫が達也の行動を誉めたことで、その威圧感は消え、照れ隠しで反応した深雪にほのかは見えないところでガッツポーズをしたのだった

 

 

 

 

 

深雪の険悪な雰囲気が収まると、主に一年、それに混じり幾人かの二、三年生が深雪の周りに群がった。走行中のバスの中ということもあり、見かねた摩利が深雪たちを自分の後ろの席に強制的に移動させ、その三人の後ろを十文字と蒼司の二人で睨みを利かせることで、誰も深雪に近づけず、バス内は落ち着きを取り戻した。そんなとき、窓際にて外の風景を眺めていた花音が突然叫んだ

 

「危ない!」

 

その声に釣られ、ほぼ全員が窓の外、対向車線を見る。その先には一台のオフロード車が走っていたのだが突然、スピンし壁に激突。そして何故か反対車線、つまり蒼司たちの車線へと入ってきたのだ。バスは急ブレーキをかけたため直撃を避けたが、車自体は未だ炎を上げながらバスへと突っ込んでくる

 

「吹っ飛べ!」

「消えろ!」

「止まって!」

 

バスの中でパニックが起こるなかパニックを起こさなかった生徒が無秩序に車に対して魔法を放とうとしてしまう。だが、全ての魔法が相克を起こし、魔法が発動出来ず事故回避が妨げられ、事態は悪化の一途を辿ってしまう

 

「バカ、止めろ!魔法をキャンセルするんだ!」

 

このことに気づいた摩利がこれを止めようとするが、その判断が出来る状況の生徒はいなかった

 

「十文字!」

 

摩利は次に、この場の全ての魔法を圧倒できる十文字を呼んだ。呼ばれた本人も魔法発動の態勢に入ってはいたが、魔法式が無秩序に重ね掛けされた空間は魔法師の天敵、キャストジャミングの影響下と同じのため、十文字は車の衝突は防げるが消化は不可能とハッキリ摩利に伝えた

 

「私が火を………蒼司くん!?」

「まて枳た……おい!?」

 

深雪が自分が火を消すと立ちあがったとき、十文字の隣に座っていた蒼司は突然窓から飛び降りると、真っ直ぐ炎上しながら突っ込んでくる車に向かって足を進める

 

『事象・照準固定 其は既にその輝きが消え去った』

 

蒼司は、父から遺伝した魔眼を発動させる。すると、車に掛けられていた魔法式、また周りのサイオンの嵐が突如消えた。だがまだ車は止まっておらず、十文字が魔法で防ごうとするが、動きが速かったのはやはり蒼司だった

 

『事象・照準再固定 眼に映るは結末を経た汝なり』

 

蒼司が言いきると、車の動きも止まり事故になることはなかった。けれども車内の意識は既に車にはなく、全て車の前に立つ蒼司の背中に向かっていた。だが、蒼司が何をしたのかは誰もわからないでいた

 

「蒼司くん。あなた、一体………」

 

真由美の口から溢れた問いに答えるものはバスの中に一人もいなかった

 

 

 

 

 




作者的に書きたかったところの一つがようやく書けました。
魔法の説明はまた別のタイミングに行います
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