九校戦初日、蒼司はスピードシューティングの予選会場に達也たちと一緒に観戦しにきていた
早速、真由美が登場すると男女問わず会場が盛り上がった
「凄い人気だな、会長」
「会長さんの同人誌を作ってるファンもいるみたいですよ」
「どんなファンだよ、それ」
「始まるぞ」
競技の開始のブザーが鳴り、クレーが射出されると、有効エリア内に入った瞬間遠距離から正確に撃ち抜く真由美。その姿と魔法に観客席から歓声があがる
「流石、遠隔魔法のスペシャリスト。妨害もない予選ではパーフェクトは楽勝か」
「ああ。驚くべきはその精度だ。知覚系魔法を併用し、情報処理しながらもあの精度だ」
「流石十師族だな。………っと、これ以降に驚くような選手はいなさそうだから少し席を外すわ」
「どうしたんだ?」
「トイレだ。ついでに、一人で立ちながら観戦してるあいつのところにな」
そういうと、蒼司はそのまま達也たちと離れ、真由美以降の選手を界斗と共に観戦していた。互いに口数は少なくなっていたのだが
スピードシューティングの予選が終了し、バトルボードの予選会場に移動した蒼司たち
「そういやよ、蒼司は新人戦バトルボードにでるけどどんな戦法でいくんだ?」
「確かに。ほのかは達也さんが作戦を立ててくれたけど……」
「それに、練習のときも私の練習に付き合ってくれることが多くて、自分の練習をしてるところを見てないんですけど……」
「大丈夫、策は既にある。内容は当日をお楽しみにってな」
第三レースに摩利が登場すると、各校の熱狂的な女子生徒ファンが歓声をあげ盛り上がりを見せる。その光景に、エリカたちは引き気味の反応をみせる
「随分と熱狂的なファンが多いな」
達也がその光景を冷静に言葉に表す。そしてレースは摩利が一位で勝利した。その後、バトルボードの予選も終わり、一時昼休憩に入った
「父さん、少しいい?」
「おう、どうした?」
「友達が会ってみたいっていうから」
蒼司は昼休憩の際、先に一人だけ現地入りしていた父である終夜に、友達と会わせたいと伝えに来た。終夜は二つ返事で了承し、雫たちが待つレストランへと向かった
「どうも、皆初めまして。蒼司の父親の枳殻終夜です。いつも蒼司がお世話になってます。あ、一応名刺渡しておこうか。はい」
「あ、ありがとうございます…………ってえ!?R&D社代表取締役社長!?」
「R&Dって言ったら武装一体型CADの世界トップシェアの超大企業だぞ!?」
「……蒼司、言ってなかったのか?」
「聞かれなかったから」
「そりゃ仕方ないな」
「「それで済む話かぁ!!」」
終夜が超大企業R&D社社長だと言うことが判明したが、教えてない理由が聞かれなかったからという蒼司とそれで納得する終夜の二人に無礼関係なくツッコミを入れるレオとエリカだった
「ねぇ、準々決勝からは紅白対戦型だよね、会長のクレーは何色?」
「赤だよ」
昼から始まったスピードシューティング決勝トーナメント。真由美が出る第二試合に達也たちも来ていたが、幹比古は人混みに酔い、気分が悪くなりダウン。別のところで休んでいる
「会長は予選と同じ戦い方か」
「うん、だけど相手の戦法の方が効率が良くて一般的。会長の方が珍しいよ」
「流石、雫。よく知ってるな」
「フフ、もちろん。毎年来てるんだもん」
「……(ねえねえ、あの二人良い雰囲気じゃない?)」
「(雫も何かと蒼司くんの隣にいることが多いですから。ここに来るときもバスの席で蒼司君を隣に座らせてましたし。それにあのときのこともあると思いますし)」
「(あのとき?)」
「エリカにほのか。どうかしたか?」
「ううん、何も!?」
「………まぁ、いいか」
「(エリカさん、その件はまた後で)」
会長の戦いを観戦している最中、いい雰囲気の蒼司と雫の姿を見て、面白そうだとエリカがほのかと二人についてコソコソと話していたが、感づかれた蒼司に話しかけられた途端、慌てて取り繕う二人を見て怪しむ蒼司。だが会場の方に向き直したためホッとする二人。そしてこの話はこの後ひそかに続行されたそうである
「流石『魔弾の射手』これが実践だったら恐ろしいな」
「どういうことだ?」
「会長のコレは全方位死角なし。作るのは弾丸でなく銃口、いや銃座の方がいいのか?まぁいいや。だから障害物なんぞ意味はなく殺し合いになれば、どこにいようと視角魔法の範囲であれば問答無用で殺られるぞ」
「そんなんありかよ………」
「そうだ。一人だけでも勝利の鍵となる切り札。それが日本最強の魔法師集団。十師族だ」
スピードシューティングは、真由美が全試合パーフェクトを出して、圧倒的大差で優勝をもぎ取った