九校戦二日目、蒼司はクラウドボールではどうせ高校レベルでは収まらない真由美が優勝すると予想し、本部テントにて爆睡。雫やほのかが起こそうとするも微動だにせず、結局二日目はテント内で爆睡していただけであり、真由美からかなりキツイ視線を送られていた
だが、九校戦三日目に事件が起こる。バトルボード準決勝にて、摩利がカーブに突っ込んできた七校の選手と共にフェンスに激突。全治一週間の怪我を負い、バトルボード、そしてもう一つ出場するミラージバットを棄権することとなってしまった。その際に第三者からと思われる魔法が使用された可能性が浮上。蒼司は達也と共に古式魔法使いである幹比古と霊子光に対して鋭敏な感受性を持つ美月を呼び、事件のことを探っていた。
そして、自分たちが出場する新人戦が始まる四日目。トップバッターはスピードシューティングに出場する雫だ
「雫、調子はどうだ?」
「大丈夫、万全だよ」
「CADのコンディションはどうだ、雫」
「万全、自分のより快適」
「それじゃあ、俺は観客席に戻るよ。雫、頑張れ!」
「うん、頑張る!」
雫が先に控え室から出たあと、蒼司も深雪たちの待つ席へと戻って競技が始まるのを待つ
「あらぁ〜蒼司くん。控え室でなにしていたのかな?」
「ただ頑張れと言ってきただけだ。やましいことなんてするか。達也が証人だ。後で聞いてもいいぞ」
「ブー……つまんない」
「ほら、雫の番が始まるぞ」
開始のブザーが鳴り、クレーが射出されると、雫はそれを魔法にて、豪快に粉砕する
「おお。達也の考えた魔法って聞いたが凄いな、これは」
「豪快にいくわねー」
「これってもしかして、有効エリア全体を魔法の設定領域にしているんですか?」
「そうですよ。領域内の固形物に振動波を与える魔法でクレーを砕いているんです」
「ほー、会長が点での攻撃なら雫は面での攻撃か」
この予選、雫はパーフェクト叩き出し、さらに達也の開発した
「雫が見ておきたい選手が三校の彼女か」
「うん、そのうち当たるかもしれないから」
雫の予選出場が終わると、雫の要望により次グループの十七夜栞の観戦に来ていた
「一つ目のクレーの破壊から、その破片が連鎖的に他のクレーを破壊していく………とんでもない空間把握能力と演算能力だな」
「ああ、この個人特有の力を突き詰めるやり方、恐らく金沢魔法理学研究所での訓練を受けているな」
「よく知ってるな」
「少し伝手があってな」
栞の予選終了後、達也の作戦のためCAD調整に向かう雫と達也と栞が出会い、雫と栞の両名は火花を散らした
そして準決勝。雫の予想通り栞と対戦することとなる
雫は予選とは違い、準々決勝は収束魔法による自分のクレー同士での破壊とその反動による相手クレーの軌道のズレで勝ち抜いたが、栞は一度だけ見たこの魔法に対応し、軌道が逸れても連鎖を続ける高度な戦いを展開していた。三校側も栞が押しているのを見て勝てると盛り上がっているが、界斗は一人雫のCADを調整した達也の罠に気付き、第三高校一年の柱と言える一条の元に向かっていた
「一条、吉祥寺。確実に十七夜さんは負ける」
「なんでた、羽衣」
「まさか!、北山選手のCADは……」
「間違いなく汎用型だ。照準付き汎用型CAD。去年ドイツで発表されたもの。母さん以外に実用化できた奴がいるとは思わず、伝えなかった。すまない」
界斗は現状わかっていることと、負ける原因にもなったことを伝えなかったことを謝罪するが、吉祥寺も自分もそう納得したからと界斗を責めることはしなかった
「いや、僕もその可能性を除外するべきじゃなかった。しかも、特化型と誤認するほどの魔法発動速度は選手の魔法力がなければ成り立たない作戦だ。まさか一高はこんな隠し玉を持っていたのか!」
「……………ん?まてジョージ。羽衣、さっきお前の母親が実用化できたって言わなかったか?」
「言ったよ。けどそれはあとでだ。十七夜さんにそろそろ限界が来るはずだ」
丁度そのとき、試合中の栞が連鎖を外す。だが、栞はとっさに雫の破片を利用し連鎖を繋げる。が、その後もいくつか連鎖を外してしまう栞。その理由も栞は理解し、負けないため、連鎖を繋げようとするが密かに眠っていた心の中にあるトラウマが最後の連鎖を外すきっかけとなり、敗北。勝利した雫はそのまま勝ち進み優勝を掴んだ
三校作戦会議室。優勝を狙える筈だった栞がトラウマから本調子が出ず四位敗退。一高の上位独占という結果に重い空気が漂っていた
「ここまでの結果だが、予想以上に一高が得点を伸ばしている……」
「さらにスピードシューティングの女子上位独占は予想もしなかった」
「優勝確実な十七夜が四位で敗退してしまったのが痛いな」
「さっきの試合で僕と将輝、一つの結論に行き着いた。それは羽衣くんのもつ事実もあってだけど」
「一高の勝利はまぐれじゃない。CADの性能を2〜3世代引き上げる化け物のような技術者がいる。今後もその技術者が担当する試合での苦戦は免れないだろう」
「将輝にそこまで言わせる相手なのかよ……」
「けど、羽衣がもつ事実ってなんだよ」
将輝が言い放った言葉に動揺が隠せない他のメンバーだったが、一人が将輝の言葉にある疑問点を呟くと、全員がその視線を界斗の方へと向けた。こうなることがわかっていた界斗は驚くこともなく淡々と話し出した
「一高の北山さんが使用したあのCAD。あれは照準機能をつけた汎用型だ。去年の夏、ドイツのデュッセンドルフで発表された新技術だけど、当時は実用に耐えるレベルじゃなかった。それに今日あのCADを見るまで、実用レベルに仕上げた人物が母さん以外にいる情報を持たなかったから考えもしなかった」
「あのとき聞いたときもそうだけど羽衣くん。あの新技術を実用化させた君の母親は何者なんだ?」
「まぁ別にトーラスシルバーレベルでの情報遮断はしてないしいいか……母さんはR&D社CAD部門代表技術者。通称Ms.ラビット」
衝撃の事実に会議室内は驚きの声で満ちたが、一条がその空気を戻し、今後の対策について話し合いを進めていく
Ms.ラビットの正体ですが、某小説の天災技術者と言えばお分かりになる方は多いのでは無いでしょうか
かの某小説は色んな意味で人気ですから
どう登場させるかはまだ未定です。