モノリス・コードの事故の後、一高の生徒内では動揺が走っていたが、普段通りの達也の姿に落ち着きを取り戻すものも多く、友人の蒼司を巻き込んだ事故にとても動揺したほのかもその一人であり、落ち着きを取り戻すと、達也が逆に心配する、気持ちの切り替えでスバルと共にミラージ・バットを1-2フィニッシュで勝利をもぎ取った
その戦いが終わると、達也は喜びを分かち合うことなくミーティングルームへ呼び出される。達也が部屋に入ると、そこには真由美をはじめとした第一高校の幹部が勢揃いしている
「今日はご苦労様。期待以上の成果をあげてくれたことに感謝しています」
「選手が頑張ってくれましたので」
真由美が話しかけてくるが、その内容は妙に形式ばったものであった。そして達也も無難に形式的な答えを返す
「もちろん、三井さんたちの頑張りの結果でもあります。けれど、達也くんの貢献が一番大きいのはここにいる全員が認めていることです。担当した三競技で事実上の無敗、現段階で新人戦の二位以上のポイントを獲得できているのは達也くんのお陰だと私は思っています」
「………ありがとうございます」
達也は少し間を置き、頭を下げた。そして、次の言葉を待つ。………が、真由美が本題に入ろうとせず、達也が目線をあげると、十文字を目で抑える真由美の姿があった。その後、意を決した真由美の口から語られたのは、現在で総合優勝の戦略目標は達成したが、このまま新人戦も優勝をしたいということ、そして第三高校に一条将輝と吉祥寺真紅郎の二人がいるため、このまま棄権すると優勝は不可能。ゆえに達也に変わりに出ろとの話だった
「いくつか、お訊きしてもいいですか?」
「ええ、何かしら?」
「予選の残り二試合は明日に延期ということでいいんですね?」
「ええ、その通りです。事情を鑑みて明日の試合スケジュールを変更してもらえることになっています」
「怪我でプレー続行不可能の場合でも交代は認めれられていないはずですが?」
「それも事情につき、特例で認められることになりました」
達也が聞いた質問の返答は全て予想通りのもの。だがそうだからといって本人がそれを受けるかは別問題である
それゆえ、達也は遠回しに拒絶の言葉を発する。数回のやり取りで真由美たちも反論することができなくなり、達也は辞退で話を締めようとしたそのとき
「甘えるな、司波」
十文字の重みのある声が響く。その後の十文字の言葉により、達也はモノリス・コードに出場することを伝え、真由美と摩利の顔は安堵に緩み、また十文字は頷いた
「それで、俺以外のメンバーは誰なのでしょうか」
「お前が決めろ」
「は?」
達也は言われたことが理解できず、思わずそう声にだしてしまった
「残り二名の内一人はお前に任せる。二人目は既に決まっているからな」
「決まってる…って、十文字くん。いったい誰をだすつもりなのよ」
「枳殻だ」
「何言ってるの十文字君!蒼司くんは怪我で……「呼びました?」ってキャー!?」
突如昼間の事故がなかったかのように登場する俺に七草会長は叫ぶ。お化けでもみたかのような表情には流石に傷つくわ
「蒼司くん、怪我なんだから安静にしてないと!」
「安静でなくても大丈夫だからここにいるんですよ。渡辺先輩と同じです」
「君の場合は私と違って重度のはずだろう」
「あなたも相当なものでしたよ」
七草会長と渡辺先輩の小言が続きそうなのでこれ以上スルーして、半ば強引に話を進める
「で、誰を選ぶんだ、達也?」
「……では、1-Eの吉田幹比古を」
「いいだろう。中条」
「は、はい!」
「吉田幹比古をここに呼んでくれ。応援メンバーとは別口で泊まっているはずだ」
「やっぱり幹比古か。それでは、十文字先輩。俺は部屋に戻ります。達也、終わったら俺の部屋まで迎えにきてくれ。作戦会議は達也の部屋だろう?」
「ああ」
「なら、よろしく」
達也に迎えに来てもらうよう頼み、部屋へと戻る。
と、その途中で界斗と出会う
「やぁ。その体、決勝までもつのかい?」
「さぁね。最悪、戦闘中に血反吐をリバースかな」
「うーん、血反吐の場合リバースではないと思うけど……まぁいいか。まぁ、どうせ上がってくるのはわかってるから激励はしない。本番では手負いであろうと容赦しないよ」
「上等だ。手負いの俺にやられるのをゆっくり待っておけ」
俺たちはお互いに叩き潰すと宣言するとともに殺気をぶつける。そして、言葉を発することなく別れた
締めが雑な気がとてもする………
次話も目下制作中ですので、少々お待ちを
あ、この話で恐らく蒼司が空気なシーンは終わると思います。うん