「それでは、蒼司君。お手柔らかに頼むよ」
「千葉の麒麟児と戦えるのは素直に喜ばしいですが、何故私と戦おうとお思いで?」
「そんなに固くならなくても大丈夫だよ。九校戦での三校の子との対決を見てね。一度戦ってみたいと思っていたんだ」
蒼司は今、エリカの実家の道場で近接戦で世界十指の実力者であるエリカの兄、千葉修次と向き合っていた。
周りには達也たちいつものメンバーが観客として二人の様子を見守っていた
「蒼司くんとエリカさんのお兄さん。どちらが勝つのでしょうか」
「千葉修次と言えば、近接戦では世界十指の中に入る実力者だ。蒼司が楽に勝つような相手ではないのは確かだ」
「でもよー。蒼司もなんか余裕そうだぜ?」
「そろそろ始めるから皆黙っててね」
外野の達也たちも、美月筆頭にどちらが勝つのかの予想をしあっていたが、審判を務めるエリカによって終わりを迎える。
「それでは、構えて」
「その構え……天然理心流か。誰に教わったんだい?」
「秘密ですよ。(沖田さんや副長に教えて貰ったとか言えるわけないしなぁ)」
「では、始め!」
エリカの合図と同時に撃ち込む二人。道場に木刀がぶつかり合う音が響くなか、修次は蒼司の攻撃を捌きながらとある事に気づく。
「(所々に天然理心流とは違う剣術の太刀筋がある。しかも一つだけじゃなく複数も。一体、いくつの剣術を会得しているんだろうか)」
「そう易々とは攻めきれ無いか。さて、使いたくないけどアレを使うか?けど未だ至らぬ天元の剣と同じくかの域までは未到達……はてさて、通るか否や」
蒼司は天然理心流の他に、いくつか他の流派を混ぜて攻撃している。が、修次の防御を突破出来ず攻めあぐねている。そのことを蒼司は気にしない。ただ、修次の防御を突破するため、先程まで使わなかった剣術を使う。
その名を『巌流』あの佐々木小次郎の剣である
「(急に動きが変わった)次は一体何を見せてくれるのかな?」
「……秘剣『燕返し』」
修次に襲いかかる秘剣は本来、三方向の斬撃が同時に存在するもの。だが蒼司のはほぼ同時の連撃であり、本来のものよりは対処はしやすく、修次にも防がれるが修次自身、全てを防げた訳でなく最後の一撃を食らう事となった
「降参だよ。君は一体、いくつの剣術を使えるのか教えて欲しい所だよ」
「……二天一流、天然理心流、巌流、北辰一刀流、柳生新陰流、小野派一刀流。その他色々と」
「予想を越える数に驚きを隠せないけど、それはともかく教えてくれるんだね」
「別に隠す必要がありませんので。しかし何故降参を?まだ戦えるのに」
自身の扱える剣術を問われた蒼司は包み隠さず修次へ伝える。そして、蒼司も何故ここで終わらせたのか聞くが修次にはこのあと別の予定があるらしく、キリがいいので降参をしたとのこと。名残惜しく握手をしたあと達也たちに挨拶をして修次は足早に道場を出ていった。蒼司も達也たちの元に向かおうと振り向けば、木刀を構え、獲物を見つけた眼をするエリカが立ち塞がった
「私が何をしたいのか言わなくてもわかるよね?」
「自分とも戦え。だろ?達也、悪いけど開始の合図を頼む」
「わかった。両者構えて」
「手を抜いたら怒るわよ」
「わかってるよ。わざわざ手を抜くような事はしないさ」
「始め!」
エリカと戦うことになる蒼司。互いに拮抗した勝負を繰り広げるが、次第に蒼司が優位にたち、最後はエリカの木刀を払い飛ばした蒼司が勝利を掴み取った
「あ〜も〜蒼司くん強すぎ。私、少し自信無くしそう」
「エリカだって十分強いじゃないか」
「蒼司くん!ムカついたからケーキ奢りなさい!」
「なんでそういう流れになるんだよ!別にいいけど。あ、やっぱり一つ条件が」
「何よ」
「レオにはホールの激辛ケーキを食べきるまで帰れませんってことで」
「何でだよ!」
「いいわね。のった!」
「お前も乗るな!」
八つ当たりにケーキを所望したエリカへ蒼司の悪提案があり、乗ったエリカと二人で激辛ケーキをキッチリ食べさせられたレオなのであった。ホールは蒼司が本気でやろうとしたため達也たちが全力で止めました
なんとか終わった………
これもしかしてオリキャラだけでも紹介ページってやっぱいるのかな……
ちなみに、界斗も蒼司と同じくカルデアにて数多の武術を会得しています。剣術以外に八極拳や宝蔵院流槍術。また武術以外にもルーン魔術やらその他の魔術も使用可能です
そう考えたらキャラ紹介は必要か。……取り敢えず下書きは作って置いて、紹介が欲しいとの声があれば、投稿することにします
今回はこの辺で