あと、女性のファッションについては超疎いので皆様で各自脳内補完をお願いします
夏休みのとある日。界斗は一人、学校近くの公園で自分が呼んだ愛梨たち三人の到着を待っていた
「うーん、例の時間まではまだまだあるか」
「お、おったおった。界斗、こっちじゃ!」
「僕の方が先に来てたんだけどな。まぁ、い
いか」
界斗の姿を見つけた沓子の呼び掛けに応えた界斗は、入り口に集まっている三人の元へ向かう。公園の入り口にいた三人の姿に一瞬だが目惚れる界斗。愛梨の服装は、白を基調としたワンピース、栞の服装は大胆にも肩出しのトップスを来ており、普段とのギャップが大きい。沓子はミニスカート等少し動きやすくも可愛い服装だ
「おはよう、みんな」
「おはよう、界斗くん。早速聞きたいんだけど、いきなり呼び出して何かしら?」
「うーん、いきなりではないと思うんだけどなー。三日前には連絡したし、皆も服装バッチリで可愛いし」
「ほほう、つまり先程の間抜けな顔はわしらに見惚れたからか」
「沓子、そういうことは言わないの。界斗くんの珍しい顔なんだから。それで愛梨の言う通り、呼び出したのは何でなのかしら?」
若干トゲのある言い方も界斗への信頼があってこそであり、それをわかっている界斗もなんとも言えない顔をしながら自分の財布から四枚のチケットを取り出した
「これ、今噂になってんのかな?まぁ、そのケーキバイキングのチケットなんですが、貰ったけどいく相手がいないんでみんなとどうかなって………」
「おお!それはいいのう」
「でもそれって入手が難しい筈だけど、どうやって入手したの?」
界斗の出したチケットは現在、女性大人気のケーキ店によるケーキバイキングの参加券であり、ホテルのホールを貸しきって行われるが抽選のため、超高倍率となってしまい、入手は時の運と化しているもの。ただし、界斗には別の入手ルートがあった
「会場が父さんの知り合いのホテルでね。家族でって貰ったんだけど僕以外、行くことが無理だからって。それで皆と行こうかなと。まだバイキングには時間があるけどどうする?ショッピングであれば、荷物持ちぐらいするけど?」
「なら遠慮なく荷物持ちをしてもらいましょうか」
「愛梨さん、加減はしてよ?」
話が纏まると、会場近くのショッピングモールでショッピングを楽しむ愛梨たち三人。界斗は宣言通り、荷物持ちをしながら、新しい服について意見を求められれば答える程度のことをこなして、時間を潰していた
「ん〜美味しい。これは界斗に感謝じゃな」
「そうね。けれど、本当は沓子と二人で来たかったんじゃないの?界斗」
「痛いところ突いてくるなー、栞は。確かにそうだけど、三人のいい笑顔が見れるならいいかなって」
「あら、その言い方。沓子の前で他の女性に目移りしてると自白してるようなものよ?」
ケーキバイキングの会場に着いた四人はそれぞれ好みのケーキをいくつか取り、同じ席で楽しく会話をしながらケーキを食べる。話題は先程までのショッピングや、記憶に新しい九校戦の反省点だ
「界斗、少し良いかしら。モノリスコードの時、もし一校の枳殻くんが事故の負傷が無く、万全の状態だったらモノリスの結果はどうなってたのかしら?」
「ソウが万全の状態だったら……か。正直、実際に戦わないと僕の戦法が通じたかわからないけど予想でなら半々の確率かな」
「どうしてそう思うのか理由を聞いてもいいかしら?」
「いくつか理由はあるけど、ソウを倒すのに僕だけでは不可能ということ。これが最大の理由だね」
「どういうことじゃ?」
界斗の話す結果とその理由に疑問を持つ三人。疑問を持たれることは承知の上のため、あとで解説することを説明して先に理由を言い切ることにした
「第二に、草原ステージであること。あのメンツだと一番メリットがあるのはソウだからね。そして第三に、ルールの穴を突いた近接武器をソウが持っていること。逆にこっちの優位な点をあげるとしたら、あの事故が無い場合は、ソウのチームメイトが高い戦闘技術を持っていないこと。あと、メカニックとして彼、司波達也が絡んでいないこと、かな。詳しい話はみんな追加のケーキを取って来てからだね」
既に四人の皿にケーキは無く、一旦全員がもう一度ケーキを取り直して、中断した話を戻す
「とりあえず、最初の理由からいこうか。僕とソウの力関係を簡単に表せば、近接戦闘では確実にソウが上。逆に魔法に関しては僕が上。だけど困ったことに総合で見れば僕よりソウの方が上なんだよね」
「だから近接戦闘が出来るあのCADを持たれていたことがデメリットにあったのね。なら草原ステージであったのは?」
「あのとき、怪我の影響でソウは使わなかったけれど、アイツ、縮地っていう高速の移動方が使えるんだよね。まぁ、僕も同レベルで使えるんだけど」
「その縮地があるから障害物のない草原ステージも不利の一つとなるわけか。む?じゃがお主も使えるのなら別に不利ではないと思うんじゃが?」
沓子の疑問は当然のもの。レベルが違うならまだしも同レベルの使い手が戦うのであれば、それは別に不利な点では無いはずだから。だが、界斗はハッキリと不利だと断言する
「必ず僕が後出しになるからさ。ソウは必ず最初に突貫してくる。いっちゃ悪いけどソウにチームメイトを守る気は無いから。だから一条や吉祥寺に味方が倒されようが、関係ない。なぜならその時には既に自分の得意領域たる間合いまで踏み込んでいるから」
「お主が先に突っ込むのはどうなのじゃ?」
「その場合、一条たちの射線に入るように戦われるから二人が機能しなくなるね」
「ふむ、そうか……」
「で、答えてる僕が言うのもなんだけど、せっかくのケーキバイキングなんだし、明るい話題で楽しまない?」
「界斗、お主さっきまでの雰囲気ぶち壊しにきおったな」
彼氏の流石の行動に沓子も困った顔で突っ込むが、実際のところ界斗の言う通りなため、話題を切り替えて一時の団らんを過ごした。が、ケーキバイキング終了後、再度荷物持ちとしてコキ使われることになった界斗だった
「いや、なんでさ!」
ということで、第三高校側での一時を書きました
最初、無人島での蒼司と雫のイチャコラを書こうと思ったのですが、何分九校戦でくっ付けちゃったため、どうしようと悩み、結局書けなかったので切り替えてこうなりました。
無人島編はどうなるかわからないです
ということで、これから横浜騒乱編に入り、書け次第、夏休み編を追加するという風になります。
読み手の皆様には、空気感などが変わって気を悪くされる方がおられるかもしれませんがどうかご了承下さい
それでは今回はこの変で。次はもう少し早く投稿致します