けものフレンズR ~Re:Life Again~ 作:韓非子
第0話「プロローグ」
目が覚めた。目の前にはキラキラした空間が広がっている。遠くに目を凝らすと灰色の町並みが広がっている。町…?遊園地のようにも見える。いずれにせよよくわからないところにあたしはいた。ここはどこなんだろう。
「来たようだな」
声が聞こえた。
「あなたは…?」
黒いヒトのような何かがあたしの前に立っていた。頭には虹色の角が生えている。露出も大胆でいろいろと危ない感じがする。
「私はセルリアン…セルリアンの女王だ。前に一度会ったことがあるはずだが…覚えていないか」
「セルリアン…女王…」
聞いたことがあるような…ないような…セルリアン…?
虹色に輝く不思議な瞳であたしを見つめている。どこかあたしを見下しているかのようだ。
「しかし、ここに来たということは転生する準備が完了したということか?」
「転生…?どういうこと…?」
「言葉そのものの意味だ。もう地球の再構築は完了しているぞ?お前の大切な友達だっている。イエイヌといったか。かわいそうなやつだ。来もしないヒトの帰りを待っているのだ。お友達のためにも行ってやったらどうだ?」
「イエイヌ…ちゃん…」
聞いたことのある名前だ。確か…あたしの…大切な友達…
……思い出した…イエイヌちゃん…あたしのお願いを聞いて…管につながれたあたしを…
どういうことなの…?あたしはいったい……死んだはずじゃ……
「…思い出したか?状況が飲めないようだな。確かにお前はあの時イエイヌの手によって死んだ。だが、今ここにいるお前はアストラル体としてサンドスターの作り出す集合精神体の中にいるのだ。あれから何百年という時を経てようやく我々は地球の再生に必要な情報を獲得し、その目的を達成することができた。そら、見てみるといい。あるセルリアンの見ている光景だ。ここがどこだかわかるか?」
「……」
見たことのある景色だ。ここは…セントラル?あのドーム状の建物は…?
「気になるか?」
中からフレンズさんが出てきた。イエイヌちゃんだ。
「っ!!イエイヌちゃん!!」
映像が急激にイエイヌちゃんに近付く。セルリアンがイエイヌちゃんに攻撃してるんだ。た、助けないと!!
「イエイヌちゃん!!!」
急に映像が途切れた。
「女王さん!映像が!イエイヌちゃんはどうなったの!?」
「知らん。もっともセルリアンが倒されたのだろう。恐らくだがイエイヌが勝ったのだ。心配するな」
「…でも…!」
「…そんなに気になるなら自分で行って確かめてみたらどうだ?今度造った私の世界は仮初の世界ではないぞ?我々セルリアンが作った…再現した世界ではあるが決して虚構の世界ではない。お前たち人間やフレンズたちが嫌った再現された世界ではあるがな」
「………」
「どうだ?」
行きたいような気もするけどあの時のことを思うと二の足を踏んでしまう。けど…あたしは…!
「行きたい…女王さん!あたしを行かせて!イエイヌちゃんとまた…!あたしは…!」
「ふん、良いだろう。だが、後悔するなよ?」
少し怖いような気もするけどあたしはイエイヌちゃんに会いたい…また一緒に冒険したい!また一緒にお話がしたい!また一緒に騒ぎたい!ゴマちゃんとアムちゃんともまだお友達になったばかりなのに…!アムちゃんなんてまだ友達になって2日くらいしか経ってないんだよ!?
「転生…なんだよね…?また偽物の世界に送られるわけじゃないんだよね…?」
「いかにも。私が保証しよう」
「じゃあ、お願いしても…いいかな…あたし…イエイヌちゃんとまた冒険したい!」
「…引き受けた。では、目を閉じるがいい。次の瞬間にはまた、あのカプセルで目覚めるだろう」
あたしは目を閉じた。そして体が軽くなったと思うと意識が遠のく感じがした。
またイエイヌちゃんに会える…会ったらいっぱいお話しするんだ…いっぱいお話しして、いっぱいじゃれあって、いっぱいもふもふして、いっぱい冒険して…ああ、楽しみだなぁ…でもまずは謝らなくちゃ…あれだけのつらいことをさせて、泣かせてしまったんだ…
あたしはたくさんのワクワクと少しの反省を胸に深い海に沈んでいった。待っててね、イエイヌちゃん…今行くからね…