少年は幻想郷で何を得る?   作:蒸しぱん

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投稿初心者の若輩者ですが、何卒、温かい目でよろしくお願いします。
あと、ここをこうしたほうがいいとか、誤字脱字とかそういうのも、コメントで指摘してくれると幸いです。



プロローグ 逆さまの景色→幻想郷

今生きてる意味なんて、正直考えるだけ無駄だった。

 

4月の夜空は、少しだけ肌寒かった。だから、異様に寒い風と綺麗な夜の星は似合っていて、こんな日が僕の命日になるのかと思うと、少し惜しかった。

高い、高いこのマンションの屋上はこの街を上から見下ろせる。なにせ20階建ての建物だ、見下ろせて当然だろう。

そしてその屋上の端に立っている僕にも、冷たい風が強く当たっている。お陰でいい具合に頭が冷えて、思考がはっきりとしている。あぁ、いや、逆か。そのせいで思考がはっきりし過ぎていて、下がはっきり捉えれてしまう。

 

「...高いな」

 

下を見ることで、再度高さを実感するが、やることは変わらない。俺はあいつらが促した通り、落ちればいいだけだ。

 

「あと、5歩か」

 

五歩進めば、この不幸(命)を閉ざせる。

そう思って、俺は五歩を四歩にした。

 

「あと、四歩」

 

四歩進めば、空に飛んで落ちるだけだ。

思えば、最後に家族にあったのは、2ヶ月前だったか。最後ぐらい綺麗に別れの言葉でも伝えておきたかったな。

四歩を三歩に縮めた。

 

「三歩」

 

三歩進んだら、本当の逆さまの景色が見れるだろう。

気づいたら頬に水滴が付いていた。

それに触れて三を二に狭めた。

 

「...あぁ、できることなら、」

 

二の次は一だ。なら、もう少しで。

風に煽られて一歩踏み出す。

 

「次は愛される子になれますように」

 

空を踏み出すように、というより、踏み出し一歩を突き出した。

そこからは紙をめくるように、逆さまに落ちていった。

頭の中では、俺の一番大切なものやそれを守りたかったことなど、色んなことが流れていった。

あぁ...それにしても、逆さまの景色はこんな綺麗なものだったんだ。

そして僕の人生は終わった。

 

 

 

目の前には制服の学生が、頭から落ちていく光景があった。

それを見た妖怪は

 

「少し勿体無いわね」

 

と言って「目の集団」を開いた。

 

 

 

「おーい、起きてるか?おーい」

 

甘い匂いがする。

よく家とかで使われる設置型の、そうあいつから出るような甘い匂いがする。それに今は思考がぼやけていて聞き取りにくいけど、なんか女の子のような声が聞こえる。

あぁ、なんとなくわかったけど、俺死ねなかったんだ。

女の子の声に応えるために、俺は目を開けて、身体を起こした。

すると、白黒のエプロンドレスを着た金髪の少女と、本や本などでごちゃついた部屋が目についた。

 

「お?やっと気がついたか」

 

女性らしい高い声に似合わない男性口調の金髪少女は、苦笑まじりに言った。それに俺は当然のような疑問を問いかけた。

 

「ここって、あなたの家ですか?」

 

「あぁ、そうだぜ。少し散らかってるが、まぁ気にしないでくれ」

決して少しではないような散らかり具合だが、人の家にケチをつけるほどの度胸はない。それに俺も人のことを言えない立場の人間だ。

あ、そういえば、と少女は続ける。

 

「私の名前は霧雨魔理沙だぜ。よろしくな」

「あぁ、はい。えっと、俺の名前は小浜寄人です」

「あとまどろっこしいからタメ語でいいぜ」

 

これに俺は顔をしかめそうになった。初対面の人間にタメ口を聞けるほど、俺の人格は整っていない。しかし、ここで拒否すれば彼女は気を使ってしまうだろう。なら、ここは我を曲げていかないと。

 

「あぁ、わかった。よろしく霧雨「魔理沙な?」...魔理沙」

 

にっこりと言った様子の魔理沙は、飲み物持ってくる、と言って細く見える床をたどりながら奥へ入っていった。

 

 

 

「さて、これでようやくはじまるわ」

 

妖怪は鬱蒼とした森の上を見下ろしていた。

その妖怪は金髪の美女で、妖艶な空気を纏っていた。

妖怪のとなりに奇妙な線(境界)とリボンが現れ、線が二つに分かれるように開きそこから、狐の妖怪が出てくる。

「紫様、あれをどうするつまりなんですか?」

「藍ね?あれって、あの男の子のこと?」

 

金髪の妖怪、もとい紫は狐の妖怪、藍を振り向きもせずに答える。

 

「どうするかなんて考えてはいないけれど...そうね、うまくいけば戦力にはなるんじゃない?」

「そんなアバウトな...」

「それでも、うまくいけば彼も非常事態の時の人手にはなるわよ、きっと。ま、必要ない時には返せばいいじゃない」

「その時は紫様がやってくださいよ」

 

紫は少し顔をしかめるが、またあの空間を開き、踵を返す。それに続いて藍も後ろからついて行く。

が、しかめていた顔の紫が、一瞬焦ったような表情をして振り返る。

 

「!?」

「どうしたんですか紫様?」

 

目を閉じたままの呆れ顔の藍が、紫に呆れ声のまま聞いた。

 

「いや、なんでもないわ...」

「?」

しかし、紫はその表情をいつものそれに戻して、足を早めた。

 

 

 

 

 

生きている意味なんて、考えるだけ無駄だった。

だから、意味を作り出すことにした。

この物語は、人生の意味を模索した、そうありふれた物語でした。

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